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135: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:19:46 ID:MewIrKOQ0
15.おっ? イライラすると人肌恋しくなるだけだお
鬱田が俺と内藤にあらぬ誤解をしたが、無事に解けた。
内藤はともかく、俺がゲイだとか有り得ない。ギガワロス。
何せこちとらショタや男の娘やらで抜いた事はないんだ。
気付かずに抜いてしまった事はあるが、その時見ていた薄い本には、
汚らわしいブツが股間に描かれていなかったので仕方ない。仕方ないのだ。
大事な事なので二回言いました。ちなみにニューハーフもNGです。
('A`;)「えぇと、違うんだよな? なら俺は安心していいんだな?
いきなりプレイを見せつけられたり、参加させられたりしないよな?」
( ^ω^)「いい加減うぜぇお。冗談だって言ってるだろうがお」
('A`)「さっきの、あの状況で、冗談って、お前」
( ^ω^)「僕に彼女がいる事を知っての狼藉か、そこになおれ」
('A`;) ヒィイ
136: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:20:27 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「つーか兄者も兄者だお。僕ばっかで否定して、
お陰で『必死になればなるほど真実味が増す』
って状況になりかけてるお。どうしてくれるお」
( ´_ゝ`)「提案と言う名の強制してきたのお前じゃん……。
俺はそういうの面倒だし、鬱田も今は混乱して話聞かんし。
誤解が解けないようなら、それまでの仲だったんだろ」
そこで、何故か鬱田が俺を凝視する。俺は悪くない。
('A`)「あれ? もしかして俺って試されてたの?」
( ´_ゝ`)「は? 何を?」
( ^ω^)「あーうんうんそうそう、試してたんだお」
('A`;)「そうだったのか……心臓に悪いから、今度からその類はやめてくれ」
( ^ω^)ゞ「あいあいおー」
( ´_ゝ`)「……」
よくわからん内に収まった。別に良いが。
俺としては内藤の話の続きを早く聞きたい。
137: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:21:28 ID:MewIrKOQ0
( ´_ゝ`)「で、向こうのグループのバカが何したって?」
( ^ω^)「どこまで話したっけ?」
('A`)「脛を蹴ったとこまで」
( ^ω^)「ああ、その後3人くらい殴りかかって来たから適当に投げて、
店長に連絡いれて店の裏口から逃げて来たんだお」
( ´_ゝ`)「逃げたのか、意外だな」
( ^ω^)「丸腰の上に、相手はナイフ出してきてたお」
( ´_ゝ`)「危ねぇ奴らだな」
('A`)「……あそこのコンビニ周辺、そんなに物騒なの?」
( ´_ゝ`)「さあ。ただ自分の獲物持って歩いてるのは増えたんじゃない?」
('A`)「そうなのか?」
( ^ω^)「そう言えば最近雑貨屋のおっちゃんが刃物の売れ行きがいいって」
( ´_ゝ`)「へー」
138: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:23:01 ID:MewIrKOQ0
DQN独特のコミュニティもあるから、多分その界隈とかで、
内藤の言った雑貨屋がいいなんて言われたりしたんだろう。
理由はいくらでも推測できるが、当たっているとは限らない。
( ^ω^)「最近若者が出入りするようになったって言ってたおね」
('A`)「ふんふん」
雑貨屋のおっちゃんの強面から元ヤクザと噂が走り武器に精通してるとか。
あの店は古くてカメラもないから武器を買った場所の足がつかなくて大丈夫だとか。
他にも色々とあるが、そんな理由じゃないだろうか。料理クラブは流石に有り得ない。
( ´_ゝ`)「まあ、俺らも銃刀法に引っ掛からない程度の大きさの刃物とか、
改造したエアガンの類とか、火炎放射機にしたライターとか、
100円のショップの包丁をレシートと一緒に持っててもいいかもね。
ちなみに包丁はパッケージから開封しないで持っておけばいいよ」
(;'A`)「……」
( ´_ゝ`)「最近物騒だからさー、護身用に……っておい鬱田、なにゆえ逃げる」
(;'A`) ))「あの、すみません……俺なんにもしてないんで……」
(;´_ゝ`)「え? ちょっ」
139: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:23:44 ID:MewIrKOQ0
いやいや待て待て、これはもしかしてガチ逃げされているのか。
この部屋の主はお前だろう。そんな部屋のスミスに逃げ込んでどうする。
( ^ω^)「小心者で臆病者なガラスハートの毒男君がびびりまくってるお。
これは安心させる為に兄者を丸腰にせねばなるまい」
(;´_ゝ`)「友達の部屋にそんなモン持ち込むはずねーだろ!」
(;'A`)「安心させて! 安心させて! 全裸になれとまでは言わない!」
( ´_ゝ`)「頼まれてもそれだけはしないから」
( ^ω^) チッ
( ´_ゝ`)「そこで舌打ちしてる自称デブが怖いんでね」
そもそも内藤の目の前で全裸とか、ただネタにされるだけだ。
俺の一生の恥画像がネットで出回る等、死んでも避けたい。
( ^ω^)「まあいいお、僕も兄者が暴走した時の危険は排除したいし、
何か持ってるならここで出せお。後で返すお。鞄見せろお」
( ´_ゝ`)(やべえ)
140: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:25:03 ID:MewIrKOQ0
ちょっと倫理的に見つかりたくない物が入っている。
俺は右腕の袖の隙間を確保しつつ、鞄から気付かれないよう物を抜く。
そのまま指だけで袖の中に押し込み、鞄を内藤に渡した。
( ^ω^)「さーて御開帳~」
ガシャ
ドサ
ジャラ
('A`)「oh...」
( ^ω^)「ワンダホー」
( ´_ゝ`)「ありがとう」
( ^ω^)「褒めてねぇお」
('A`)「アンビリーバボー」
( ´_ゝ`)「ありがとう」
('A`)「褒めて……い、ます」
141: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:26:08 ID:MewIrKOQ0
二人の感情は察せない。そもそも察する機能は元々ないが。
うーん、こういう時にはあればいいと心底思うな。こういう時だけ。
経験や推測だけじゃどうにもできない時もある。
( ^ω^)「兄者さん」
( ´_ゝ`)「はい」
内藤が正座して俺に向き直るので、俺もベッドの上で姿勢を正す。
( ^ω^)「あなたは拷問趣味か、サディストか、尋問官なのですか?」
( ´_ゝ`)「どれも否定はしませんが、対象は一人だけですのでご安心下さい」
('A`)「……安心?」
斜め後ろから「安心ってなんだろう……」と哲学的な呟きが聞こえる。
俺にとっての安心は、予測できる危険に備え、危険を排除した状況かな。
142: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:26:53 ID:MewIrKOQ0
内藤が俺の鞄から落ちたキーホルダーを手に持った。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「装飾品です」
( ^ω^)「開いて中から刃が出て来ましたが」
( ´_ゝ`)「折り畳みナイフです」
次に、エアガン。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「エアガンです」
( ^ω^)「やけに重いのですが」
( ´_ゝ`)「弾がパチンコ玉なので」
麺棒の空き箱にぎっちり詰まった画鋲は、何故かスルーされた。
143: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:28:18 ID:MewIrKOQ0
次々に取り出す内藤。毒男はスミスで体育座りをしている。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「ライターです」
( ^ω^)「喫煙者ではありませんね?」
( ´_ゝ`)「いずれそうなった時の為に」
( ^ω^)「試しに使って見てもいいですか?」
( ´_ゝ`)「その位置からだとこの部屋の天井が焦げます」
目を見開いてライターを取り落とす内藤。だが、すぐに顔を元に戻す。
改造ライターは衝撃に強いか実験していなかったので、念の為降りてキャッチした。
( ;^ω^)「なんつー物騒なモンを!」
( ´_ゝ`)「全身凶器に言われたくねーよ」
144: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:29:37 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「没収しないって言ってたけど、それは流石に駄目だお。
こっちに寄越しなさい兄者君。それは危ないお~」
( ´_ゝ`)「えー嘘吐き」
袖に隠した物は見られたくない物だが、これは取られたくない物だ。
俺の技術では使い捨てしか作れない上に、一回きりの消耗品。
簡単に量産できないから無駄使いはしたくない。誰かにやるのも遠慮したい。
作り方だったらアレを見るといい。あの有害図書指定くらった理科の本。
( ^ω^)「だ~め~だ~おっ! それ寄越さなかったら全部没収だお!」
(;´_ゝ`)「それは」
それで困る。特にエアガンは貰い物だ。
いやちょっと待て、気付いたらエアガンが見当たらない。どこいった。
( ^ω^)「さ~坊や。その物騒なガラガラを寄越ちなさい」
幼稚な口調と共ににじり寄って来る。
ベッドは壁際だ。逃げ場はない。
145: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:30:38 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「よこちなちゃい!」
(;´_ゝ`)「やだー!」
カマキリの威嚇よろしく迫って来る。
渡す渡さない以前にこの口調と態度が気持ち悪い。
横からすり抜けようとして、ベッドに押し潰された。息が苦しい。
('A`)「何やってんの、二人とも」
そこに神の声、ではなくモヤシの声。
しかしモヤシは手にエアガンを持っている。植物の反旗だ。
( ´_ゝ`)「エアガン……」
( ^ω^)「お? どこ行ってたお」
('A`)「河原で試し撃ちしてきた」
こいつ、実は不良なんて怖くないんじゃないの。
146: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:31:36 ID:MewIrKOQ0
気を取り直して先程の位置に戻り、尋問再開。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「100均の包丁です」
( ^ω^)「開封していいですか?」
( ´_ゝ`)「やめて下さい持ち歩けなくなってしまいます」
( ^ω^)「レシートが新しいですね」
( ´_ゝ`)「古いと持ち歩けなくなるので」
( ^ω^)「何故持ち歩くのですか?」
( ´_ゝ`)「護身用に」
( ^ω^)「なりません」
('A`)「……」
147: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:32:58 ID:MewIrKOQ0
結局、開封された包丁は迷惑料として鬱田の部屋に置く事にした。
俺としては迷惑よりも、精神的負担による慰謝料、昼飯代のほうがしっくりする。
('A`)「共同キッチンあるのに、部屋に一本だけ包丁とか」
( ´_ゝ`)「不自然極まりない気がする」
( ^ω^)「不自然を持ち歩いてた奴が言うなお」
( ´_ゝ`)「ならないように持ち歩いてたから」
( ^ω^)「中学時代に袖に校則違反仕込んでた奴が何を言う」
( ´_ゝ`)「漫画の影響でな。そんなお前もヒデー物持って来てたじゃん」
( ^ω^)「やめよう。黒い歴史をほじくり返すのは」
( ´_ゝ`)「先に言ったのはお前だろうに……」
('A`)「卑猥な玩具とか安全なオチが見出せないお前らが怖い」
もうgdgd。内藤の話はいつになったら聞けるんだ。
148: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:34:41 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「んーもうそろそろ時間ないかもしれないから、
兄者、念の為に今ある武器全部出してくれお」
( ´_ゝ`)「時間? てかそれで全部だけど」
( ^ω^)「袖かポケットに何か入ってないかお?」
( ´_ゝ`)「入ってないよ」
( ^ω^)「調べてもいいかお?」
おいおいなんでこんなにしつこいんだ。まさか見られてたのか?
俺はズボンの全てのポケットを裏返す。
(;´_ゝ`)「な。ないだろ?」
( ^ω^)「袖は?」
そっと右腕を上げて、袖の中の物を肘まで落とした。
その時に不自然な膨らみを見られないように、下から袖口に指をかけて広げる。
左腕も同じように内藤に見せて、審判を待つ。いざとなったら下着にでも隠そう。
149: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:36:27 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「ないかお、残念だお……」
セーフ。俺は内藤から鞄を取り返す。
('A`)「時間ないってどういう事だ? 決闘相手でも待たせてんの?」
( ´_ゝ`)「そうだな。時間ないなら早く話しろよ」
( ^ω^)「じゃあ毒男のほうから答えるかお」
( ´_ゝ`)「どうぞ」
( ^ω^)「店の裏口から逃げたんだけど、着替えるのに手間取って。
復活してた奴らに見つかって追いかけっこしてたんだお」
('A`)「え?」
( ^ω^)「途中で撒いたからこの建物は気付かれてないお」
('A`)「え?」
( ^ω^)「多分」
('A`)「え」
150: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:37:09 ID:MewIrKOQ0
( ´_ゝ`)「じゃあ次俺」
( ^ω^)「動揺しろお」
慌てたってどうしようもない。
それにこの状況でどうやって慌てればいいんだ。
取りあえずムンクの叫びのポーズをとったら内藤にチョップされた。
( ^ω^)「話すから、うぜー動きはすんなお」
動揺しろ、と命令を出しておきながらこの言い様。
親の顔が見たい。まあこいつの親は波に攫われたが。
( ^ω^)「うんと、まず追い駆けられてる時に一人が電話したんだお」
('A`)「援軍?」
( ^ω^)「そうっぽいお。弟者って名前が聞こえたお」
( ´_ゝ`)「へー」
( ^ω^)「……兄者? もしかして頭おかしくなったかお?
ヤバイところ叩いてしまったのかお。ごめんお」
( ´_ゝ`)「ねーよ」
151: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:37:55 ID:MewIrKOQ0
( ;^ω^)「うーん、僕の予想ではこの辺りで兄者が暴走するかと……」
失礼な。そんなアホの事で常時頭を沸騰させてると思わないで頂きたい。
頭を沸騰させる、の下りであのAA(頭がフットー(ry)が思い浮かんだ。
アホな自分の脳みそが許せなくて、側頭部を殴る。すっきりした。
俺だってどうでもいい時くらいある。関わって疲れたくない時がある。
( ´_ゝ`)「つーか、その電話聞いたのって何時くらい?」
( ^ω^)「11時台だお」
(´く_` )ミ「鬱田ー、俺が来たのって何時くらい?」
('A`)「11時半」
ミ( ´_ゝ`)「じゃあ、あいつは援軍で来ないな」
( ^ω^)「え?」
( ´_ゝ`)「俺が家出る時、あいつ道のド真ん中で長岡と睨み合ってたぜ。
縄張り争いか、エロ本の貸し借りかは知らんけどさ」
( ^ω^)「なーんだ、杞憂かお」
('A`)「杞憂じゃないから。どっちにしろ俺のピンチに変わりはないから」
152: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:39:18 ID:MewIrKOQ0
その後、3人で色々構えていたが何もなかった。
どうやら近隣住民が、夜遅くに騒いでいる怪しい集団がいると通報したとの事。
しかし内藤め、毎回毎回めんどくせーのに巻き込んでくれやがって。
面白いからいいんだけどさ。
15糸冬
15.おっ? イライラすると人肌恋しくなるだけだお
鬱田が俺と内藤にあらぬ誤解をしたが、無事に解けた。
内藤はともかく、俺がゲイだとか有り得ない。ギガワロス。
何せこちとらショタや男の娘やらで抜いた事はないんだ。
気付かずに抜いてしまった事はあるが、その時見ていた薄い本には、
汚らわしいブツが股間に描かれていなかったので仕方ない。仕方ないのだ。
大事な事なので二回言いました。ちなみにニューハーフもNGです。
('A`;)「えぇと、違うんだよな? なら俺は安心していいんだな?
いきなりプレイを見せつけられたり、参加させられたりしないよな?」
( ^ω^)「いい加減うぜぇお。冗談だって言ってるだろうがお」
('A`)「さっきの、あの状況で、冗談って、お前」
( ^ω^)「僕に彼女がいる事を知っての狼藉か、そこになおれ」
('A`;) ヒィイ
136: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:20:27 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「つーか兄者も兄者だお。僕ばっかで否定して、
お陰で『必死になればなるほど真実味が増す』
って状況になりかけてるお。どうしてくれるお」
( ´_ゝ`)「提案と言う名の強制してきたのお前じゃん……。
俺はそういうの面倒だし、鬱田も今は混乱して話聞かんし。
誤解が解けないようなら、それまでの仲だったんだろ」
そこで、何故か鬱田が俺を凝視する。俺は悪くない。
('A`)「あれ? もしかして俺って試されてたの?」
( ´_ゝ`)「は? 何を?」
( ^ω^)「あーうんうんそうそう、試してたんだお」
('A`;)「そうだったのか……心臓に悪いから、今度からその類はやめてくれ」
( ^ω^)ゞ「あいあいおー」
( ´_ゝ`)「……」
よくわからん内に収まった。別に良いが。
俺としては内藤の話の続きを早く聞きたい。
137: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:21:28 ID:MewIrKOQ0
( ´_ゝ`)「で、向こうのグループのバカが何したって?」
( ^ω^)「どこまで話したっけ?」
('A`)「脛を蹴ったとこまで」
( ^ω^)「ああ、その後3人くらい殴りかかって来たから適当に投げて、
店長に連絡いれて店の裏口から逃げて来たんだお」
( ´_ゝ`)「逃げたのか、意外だな」
( ^ω^)「丸腰の上に、相手はナイフ出してきてたお」
( ´_ゝ`)「危ねぇ奴らだな」
('A`)「……あそこのコンビニ周辺、そんなに物騒なの?」
( ´_ゝ`)「さあ。ただ自分の獲物持って歩いてるのは増えたんじゃない?」
('A`)「そうなのか?」
( ^ω^)「そう言えば最近雑貨屋のおっちゃんが刃物の売れ行きがいいって」
( ´_ゝ`)「へー」
138: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:23:01 ID:MewIrKOQ0
DQN独特のコミュニティもあるから、多分その界隈とかで、
内藤の言った雑貨屋がいいなんて言われたりしたんだろう。
理由はいくらでも推測できるが、当たっているとは限らない。
( ^ω^)「最近若者が出入りするようになったって言ってたおね」
('A`)「ふんふん」
雑貨屋のおっちゃんの強面から元ヤクザと噂が走り武器に精通してるとか。
あの店は古くてカメラもないから武器を買った場所の足がつかなくて大丈夫だとか。
他にも色々とあるが、そんな理由じゃないだろうか。料理クラブは流石に有り得ない。
( ´_ゝ`)「まあ、俺らも銃刀法に引っ掛からない程度の大きさの刃物とか、
改造したエアガンの類とか、火炎放射機にしたライターとか、
100円のショップの包丁をレシートと一緒に持っててもいいかもね。
ちなみに包丁はパッケージから開封しないで持っておけばいいよ」
(;'A`)「……」
( ´_ゝ`)「最近物騒だからさー、護身用に……っておい鬱田、なにゆえ逃げる」
(;'A`) ))「あの、すみません……俺なんにもしてないんで……」
(;´_ゝ`)「え? ちょっ」
139: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:23:44 ID:MewIrKOQ0
いやいや待て待て、これはもしかしてガチ逃げされているのか。
この部屋の主はお前だろう。そんな部屋のスミスに逃げ込んでどうする。
( ^ω^)「小心者で臆病者なガラスハートの毒男君がびびりまくってるお。
これは安心させる為に兄者を丸腰にせねばなるまい」
(;´_ゝ`)「友達の部屋にそんなモン持ち込むはずねーだろ!」
(;'A`)「安心させて! 安心させて! 全裸になれとまでは言わない!」
( ´_ゝ`)「頼まれてもそれだけはしないから」
( ^ω^) チッ
( ´_ゝ`)「そこで舌打ちしてる自称デブが怖いんでね」
そもそも内藤の目の前で全裸とか、ただネタにされるだけだ。
俺の一生の恥画像がネットで出回る等、死んでも避けたい。
( ^ω^)「まあいいお、僕も兄者が暴走した時の危険は排除したいし、
何か持ってるならここで出せお。後で返すお。鞄見せろお」
( ´_ゝ`)(やべえ)
140: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:25:03 ID:MewIrKOQ0
ちょっと倫理的に見つかりたくない物が入っている。
俺は右腕の袖の隙間を確保しつつ、鞄から気付かれないよう物を抜く。
そのまま指だけで袖の中に押し込み、鞄を内藤に渡した。
( ^ω^)「さーて御開帳~」
ガシャ
ドサ
ジャラ
('A`)「oh...」
( ^ω^)「ワンダホー」
( ´_ゝ`)「ありがとう」
( ^ω^)「褒めてねぇお」
('A`)「アンビリーバボー」
( ´_ゝ`)「ありがとう」
('A`)「褒めて……い、ます」
141: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:26:08 ID:MewIrKOQ0
二人の感情は察せない。そもそも察する機能は元々ないが。
うーん、こういう時にはあればいいと心底思うな。こういう時だけ。
経験や推測だけじゃどうにもできない時もある。
( ^ω^)「兄者さん」
( ´_ゝ`)「はい」
内藤が正座して俺に向き直るので、俺もベッドの上で姿勢を正す。
( ^ω^)「あなたは拷問趣味か、サディストか、尋問官なのですか?」
( ´_ゝ`)「どれも否定はしませんが、対象は一人だけですのでご安心下さい」
('A`)「……安心?」
斜め後ろから「安心ってなんだろう……」と哲学的な呟きが聞こえる。
俺にとっての安心は、予測できる危険に備え、危険を排除した状況かな。
142: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:26:53 ID:MewIrKOQ0
内藤が俺の鞄から落ちたキーホルダーを手に持った。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「装飾品です」
( ^ω^)「開いて中から刃が出て来ましたが」
( ´_ゝ`)「折り畳みナイフです」
次に、エアガン。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「エアガンです」
( ^ω^)「やけに重いのですが」
( ´_ゝ`)「弾がパチンコ玉なので」
麺棒の空き箱にぎっちり詰まった画鋲は、何故かスルーされた。
143: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:28:18 ID:MewIrKOQ0
次々に取り出す内藤。毒男はスミスで体育座りをしている。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「ライターです」
( ^ω^)「喫煙者ではありませんね?」
( ´_ゝ`)「いずれそうなった時の為に」
( ^ω^)「試しに使って見てもいいですか?」
( ´_ゝ`)「その位置からだとこの部屋の天井が焦げます」
目を見開いてライターを取り落とす内藤。だが、すぐに顔を元に戻す。
改造ライターは衝撃に強いか実験していなかったので、念の為降りてキャッチした。
( ;^ω^)「なんつー物騒なモンを!」
( ´_ゝ`)「全身凶器に言われたくねーよ」
144: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:29:37 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「没収しないって言ってたけど、それは流石に駄目だお。
こっちに寄越しなさい兄者君。それは危ないお~」
( ´_ゝ`)「えー嘘吐き」
袖に隠した物は見られたくない物だが、これは取られたくない物だ。
俺の技術では使い捨てしか作れない上に、一回きりの消耗品。
簡単に量産できないから無駄使いはしたくない。誰かにやるのも遠慮したい。
作り方だったらアレを見るといい。あの有害図書指定くらった理科の本。
( ^ω^)「だ~め~だ~おっ! それ寄越さなかったら全部没収だお!」
(;´_ゝ`)「それは」
それで困る。特にエアガンは貰い物だ。
いやちょっと待て、気付いたらエアガンが見当たらない。どこいった。
( ^ω^)「さ~坊や。その物騒なガラガラを寄越ちなさい」
幼稚な口調と共ににじり寄って来る。
ベッドは壁際だ。逃げ場はない。
145: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:30:38 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「よこちなちゃい!」
(;´_ゝ`)「やだー!」
カマキリの威嚇よろしく迫って来る。
渡す渡さない以前にこの口調と態度が気持ち悪い。
横からすり抜けようとして、ベッドに押し潰された。息が苦しい。
('A`)「何やってんの、二人とも」
そこに神の声、ではなくモヤシの声。
しかしモヤシは手にエアガンを持っている。植物の反旗だ。
( ´_ゝ`)「エアガン……」
( ^ω^)「お? どこ行ってたお」
('A`)「河原で試し撃ちしてきた」
こいつ、実は不良なんて怖くないんじゃないの。
146: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:31:36 ID:MewIrKOQ0
気を取り直して先程の位置に戻り、尋問再開。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「100均の包丁です」
( ^ω^)「開封していいですか?」
( ´_ゝ`)「やめて下さい持ち歩けなくなってしまいます」
( ^ω^)「レシートが新しいですね」
( ´_ゝ`)「古いと持ち歩けなくなるので」
( ^ω^)「何故持ち歩くのですか?」
( ´_ゝ`)「護身用に」
( ^ω^)「なりません」
('A`)「……」
147: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:32:58 ID:MewIrKOQ0
結局、開封された包丁は迷惑料として鬱田の部屋に置く事にした。
俺としては迷惑よりも、精神的負担による慰謝料、昼飯代のほうがしっくりする。
('A`)「共同キッチンあるのに、部屋に一本だけ包丁とか」
( ´_ゝ`)「不自然極まりない気がする」
( ^ω^)「不自然を持ち歩いてた奴が言うなお」
( ´_ゝ`)「ならないように持ち歩いてたから」
( ^ω^)「中学時代に袖に校則違反仕込んでた奴が何を言う」
( ´_ゝ`)「漫画の影響でな。そんなお前もヒデー物持って来てたじゃん」
( ^ω^)「やめよう。黒い歴史をほじくり返すのは」
( ´_ゝ`)「先に言ったのはお前だろうに……」
('A`)「卑猥な玩具とか安全なオチが見出せないお前らが怖い」
もうgdgd。内藤の話はいつになったら聞けるんだ。
148: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:34:41 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「んーもうそろそろ時間ないかもしれないから、
兄者、念の為に今ある武器全部出してくれお」
( ´_ゝ`)「時間? てかそれで全部だけど」
( ^ω^)「袖かポケットに何か入ってないかお?」
( ´_ゝ`)「入ってないよ」
( ^ω^)「調べてもいいかお?」
おいおいなんでこんなにしつこいんだ。まさか見られてたのか?
俺はズボンの全てのポケットを裏返す。
(;´_ゝ`)「な。ないだろ?」
( ^ω^)「袖は?」
そっと右腕を上げて、袖の中の物を肘まで落とした。
その時に不自然な膨らみを見られないように、下から袖口に指をかけて広げる。
左腕も同じように内藤に見せて、審判を待つ。いざとなったら下着にでも隠そう。
149: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:36:27 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「ないかお、残念だお……」
セーフ。俺は内藤から鞄を取り返す。
('A`)「時間ないってどういう事だ? 決闘相手でも待たせてんの?」
( ´_ゝ`)「そうだな。時間ないなら早く話しろよ」
( ^ω^)「じゃあ毒男のほうから答えるかお」
( ´_ゝ`)「どうぞ」
( ^ω^)「店の裏口から逃げたんだけど、着替えるのに手間取って。
復活してた奴らに見つかって追いかけっこしてたんだお」
('A`)「え?」
( ^ω^)「途中で撒いたからこの建物は気付かれてないお」
('A`)「え?」
( ^ω^)「多分」
('A`)「え」
150: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:37:09 ID:MewIrKOQ0
( ´_ゝ`)「じゃあ次俺」
( ^ω^)「動揺しろお」
慌てたってどうしようもない。
それにこの状況でどうやって慌てればいいんだ。
取りあえずムンクの叫びのポーズをとったら内藤にチョップされた。
( ^ω^)「話すから、うぜー動きはすんなお」
動揺しろ、と命令を出しておきながらこの言い様。
親の顔が見たい。まあこいつの親は波に攫われたが。
( ^ω^)「うんと、まず追い駆けられてる時に一人が電話したんだお」
('A`)「援軍?」
( ^ω^)「そうっぽいお。弟者って名前が聞こえたお」
( ´_ゝ`)「へー」
( ^ω^)「……兄者? もしかして頭おかしくなったかお?
ヤバイところ叩いてしまったのかお。ごめんお」
( ´_ゝ`)「ねーよ」
151: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:37:55 ID:MewIrKOQ0
( ;^ω^)「うーん、僕の予想ではこの辺りで兄者が暴走するかと……」
失礼な。そんなアホの事で常時頭を沸騰させてると思わないで頂きたい。
頭を沸騰させる、の下りであのAA(頭がフットー(ry)が思い浮かんだ。
アホな自分の脳みそが許せなくて、側頭部を殴る。すっきりした。
俺だってどうでもいい時くらいある。関わって疲れたくない時がある。
( ´_ゝ`)「つーか、その電話聞いたのって何時くらい?」
( ^ω^)「11時台だお」
(´く_` )ミ「鬱田ー、俺が来たのって何時くらい?」
('A`)「11時半」
ミ( ´_ゝ`)「じゃあ、あいつは援軍で来ないな」
( ^ω^)「え?」
( ´_ゝ`)「俺が家出る時、あいつ道のド真ん中で長岡と睨み合ってたぜ。
縄張り争いか、エロ本の貸し借りかは知らんけどさ」
( ^ω^)「なーんだ、杞憂かお」
('A`)「杞憂じゃないから。どっちにしろ俺のピンチに変わりはないから」
152: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:39:18 ID:MewIrKOQ0
その後、3人で色々構えていたが何もなかった。
どうやら近隣住民が、夜遅くに騒いでいる怪しい集団がいると通報したとの事。
しかし内藤め、毎回毎回めんどくせーのに巻き込んでくれやがって。
面白いからいいんだけどさ。
15糸冬
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