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154:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:42:28 ID:MewIrKOQ0
16.お帰りがないのはいつもの事です
( ´_ゝ`)「ただいまー」
鬱田の部屋へ泊っての朝帰り。
夜食を買いに件のコンビニへ寄ったりしたが、何も無かった。
毎日のように殴り合いに明け暮れるなんて事はない。どこの不良漫画だ。
( ´_ゝ`)「あーやっぱあいつ家にいんのか」
靴が揃って投げ出されている。揃えろと言っても従った事はほぼない。
あの糞親父が、木刀と言い張った真剣を携えていた時だけ揃えていた。
しかし、当時の自分は何故それに騙されていたんだろうな。
重さと外見からして木刀は有り得ないのに。柄を見て気付け自分。
本物の木刀を知らなかったから無理だったんだろうか。
京都で土産の木刀を見た時は軽さに驚いたものだ。買いはしなかったが。
155:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:43:51 ID:MewIrKOQ0
蛇足。
京都で弟が買った木刀は、帰宅後の乱闘で折れた。確か原因は向こう。
木刀相手に、頼りない錆付き包丁で善戦した自分を称賛したい。
土産物の木刀なんてそんなものかと言いつつ、軟弱で逆に助かったと思った。
合気道で使った木刀はもっと重かったしな。あれだと勝てる気がしない。
( ´_ゝ`)「はー……」
いやしかし、今日は色々と気を張っていて疲れたから、もう眠りたい。
母親とあいつの分のメシをてきとーに作って、風呂に入ろう。
その前に日記か。忘れない内に書き留めよう。
内藤と鬱田から今日も色々と考えを貰った。
悪い出来事ばかりでページを埋め尽くしていては、
日記もそれを読み返す俺の脳みそも疲弊する。
部屋に入って、上着を脱いで帽子を取って。
さて日記はと机の引き出しを開けると、目当ての物が無かった。
( ´_ゝ`)゙
硬直。
156:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:44:47 ID:MewIrKOQ0
( ´_ゝ`)
氷解。
咄嗟に部屋全体を見渡す。特に荒らされた形跡はない。
貴重品の入った、鍵のかかった引き出しにも変わりはない。
貯金箱も軽くなってはいないし、通帳や印鑑もそのままだ。
隠し棚の様子も確かめてみたが、相変わらず埃を被っていた。
落ち着く為に、事前に薬を服用しておく。医者処方の液状即効性。
( ´_ゝ`)「ふむ」
ピンポイントで日記を取りに来たんだろうか。
何故バレた? 何処でヘマをした? 一体いつ此処に?
医者から処方してもらった薬が切れて、市販の睡眠薬を飲んだ時だろうか。
だとしたら予想もつかないくらいヤバイことが起きている気がする。
薬が合わないのか、効果が薄いのか。
専門家ではないから詳しい事は不明だが、市販の睡眠薬を飲んだ俺は、
寝るまで変な行動を取るらしい。その間の記憶は俺にはない。全く無い。
それを知っているのは我が母と、弟と、俺と似たような症状を持ってる友人Aだ。
157:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:45:40 ID:MewIrKOQ0
友人Aの場合、何故かはわからないが電気、水道、ガス等の元栓を、
使えないように全て閉めてしまうらしい。きっちりと。理由は不明。
電気ならブレーカーを落とす。冬には壊滅的な被害だ。
水道の場合は外まで行って元栓を閉める。迷惑極まりない。
ガスは外のガス缶ごと外されていた。火事どころの話じゃない。
一人暮らしなので、最初は不法侵入の悪戯かと思いカメラを仕掛けた友人A。
被害にあった翌日、カメラを再生すると、そこにあった映像に息を呑んだと言う。
暗視撮影用の緑色の画面の向こう。その明かり一つもない暗闇の中。
ブレーカーを落とし、元栓を閉め、ガス缶を倒しているのは紛れもない自分だった。
それを見た時の気持ちはお分かりいただけるだろうか。
ぶっちゃけ俺でもよくわからない。起してる行動が違うし。
( #゚∀゚ )『そおいうときは、嘘でもわかると言えやぁあああ!!』
(; _ゝ )『ぎゃああああ痛い痛いいだだだだ!!』
そんな事を言ったら全力のキャメルクラッチを喰らった。
わからないものはわからないのだ。答えを濁してどうする。
理解すらできないものを、嘘で判ると答えてもどうにもならない。
158:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:46:50 ID:MewIrKOQ0
友人A……もうアヒャでいいか。
友人Aをアヒャに置換する。
アヒャは、自分なりの対策を立てた。
ブレーカーの綴蓋にガムテープを張りまくり、開かないようにした。
元栓にはハンドルの部分に100均の施錠をして、動かないようにした。
ガス缶は鎖を何重にも巻いて縛りまくり、倒れないようにした。
結果。
ガムテープには狂ったような引っ掻き傷の跡。
鍵には生爪が引っ掛かり、鎖には血が染み付いた。
( ゚∀゚ )『もう俺は駄目みたいだわ。死んだらHDD処分してくれ』
( ´_ゝ`)『わかった。お前が死んだら中身全部ネットにzipで流すわ』
アヒャのとった最終手段は、病院ではなく俺だった。
金がかかるのが嫌だと言う。保険証もなくしたらしい。再発行しろよ。
159:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:48:07 ID:MewIrKOQ0
( ゚∀゚ )『俺が変な行動し出したら、話しかけるとかしてくれ。
駄目だったら力尽くで止めて、なんとか会話してくれ』
( ´_ゝ`)『会話できなかったら?』
( ゚∀゚ )『その時はその時だ。適当に……うん、その包丁はしまえ』
( ´_ゝ`)『ちっ』
結局、向こうのアヒャとは会話が出来なかった。
ある程度痛めつけてもいいと言ったので、殴ったり蹴ったり、刃物で脅したり、
脛にガムテープを張ってからべりぃとスネ毛ごと剥がしたりしたが駄目だった。
一心不乱にブレーカー、元栓、ガス缶のある場所へ行こうとする。
会話が出来ないとなれば、特にやる事はない。
放っておこうにも、こっちのアヒャは寝るまでこの行為を繰り返す。
160:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:49:37 ID:MewIrKOQ0
結局、俺が寝る為に、アヒャの体を鎖で縛って転がしておいた。
馬鹿力だったが、あまり知能はないようで抵抗を抑えるのは簡単だった。
翌日、呻き声を耳にして起きた俺の目に入ったのは、
トイレに行けずに盛大に漏らしてしまってたアヒャであった。
人生とは無情である。おにちくしょうと罵られたが、甘んじて受け取った。
( ´_ゝ`)『じゃあ今度は俺の番な、痛みが残るのは嫌だから、
暴れたらガムテで縛りあげてベッドに転がしてくれ!』
( ゚∀゚ )『俺の事で学んだ問題点を全部改善するよう要求しやがって。
まあいいけどさ、取りあえず最初は会話でいいんだよな?』
( ´_ゝ`)『会話は二の次でいいや。俺が何してるのか見て、俺に教えてくれ。
俺は自分が何してるかわからないんだ。当事者も教えてくれない』
( ゚∀゚ )『わかった。でも話しかけられたり、襲いかかられたり、
こっちに何かしらの反応があったら俺もそれに応えるぜ』
( ´_ゝ`)『そうしてくれ』
161:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:50:39 ID:MewIrKOQ0
そして、市販の睡眠薬服用後の俺は
どうやら、人肌恋しくなると言うか
まるで鼻水垂らしたガキみたいな甘ったれと言うか
何をどう言ったらいいかわからない、が
ええと、やたら人にベタつくようで
相手を間違えれば尻の危機にも等しいと言うか
普段、思ってすらいない事をくっちゃべると言うか
取りあえず、暖を求めて徘徊しているようで
しかも言葉が大分幼稚になるようで
一番の問題は、こんな行動を
弟に対しても起こしていたかと思うと、もう
うわあああああああああああああああああああ
ああああぁくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」
162:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:51:25 ID:MewIrKOQ0
となるくらいの衝撃だった。
アヒャが面白がって録音したボイスレコーダーは破壊しておいた。
後から弁償して新品を買い与えたのだから、大目に見てもらいたい。
( ゚∀゚ )『あーあ、勿体ねー』
( ´_ゝ`)『お前のこの映像でもバラまいてやろうか』
( ゚∀゚ )『別にそれは恥ずかしくねーし』
( ´_ゝ`)『いや、こっちの漏らしたやつだ』
そして、俺のデジタルカメラはアヒャに破壊された。
誰が何と言おうと相討ちである。紛れもない相討ちである。
お互いの実験が終わった去り際に、顔を赤らめたアヒャから、
俺って男でも大丈夫かもしれない……との言葉を背に頂いた。
内股になり、人差し指を胸の前でつんつんするおまけ付きで。
今後、こいつとの付き合いは改めていきたいと俺は思う。
あいつの感情は、失禁現場を見られた吊り橋効果だった事を願おう。
同じ年代の友人にそんなモノを見られたのだ。混乱していたに違いない。
多分、きっと、おそらく。そうであってくれないと困る。
163:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:52:07 ID:MewIrKOQ0
うーん。嫌な事を思い出した上に、話が大分脱線した。
つまり俺が言いたいのは、日記の在りかがバレたのは、
市販の睡眠薬を服用した俺が口を滑らせたと言う憶測だ。
むしろそれ以外に考えられない。
他に何かあったら教えてほしい。
まあ、全て当の本人に聞けばすむ話だからよかった。
嘘を吐くかもしれないが、そこはまあ脅し殴り宥め蹴りつつ行こう。
足音を消して家の中を歩き回っている内に目標が見つかったのは幸いだ。
弟は自分の部屋で俺の日記を熟読している。
相手を警戒させないように、努めて優しく声をかけた。
16.糸冬
16.お帰りがないのはいつもの事です
( ´_ゝ`)「ただいまー」
鬱田の部屋へ泊っての朝帰り。
夜食を買いに件のコンビニへ寄ったりしたが、何も無かった。
毎日のように殴り合いに明け暮れるなんて事はない。どこの不良漫画だ。
( ´_ゝ`)「あーやっぱあいつ家にいんのか」
靴が揃って投げ出されている。揃えろと言っても従った事はほぼない。
あの糞親父が、木刀と言い張った真剣を携えていた時だけ揃えていた。
しかし、当時の自分は何故それに騙されていたんだろうな。
重さと外見からして木刀は有り得ないのに。柄を見て気付け自分。
本物の木刀を知らなかったから無理だったんだろうか。
京都で土産の木刀を見た時は軽さに驚いたものだ。買いはしなかったが。
155:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:43:51 ID:MewIrKOQ0
蛇足。
京都で弟が買った木刀は、帰宅後の乱闘で折れた。確か原因は向こう。
木刀相手に、頼りない錆付き包丁で善戦した自分を称賛したい。
土産物の木刀なんてそんなものかと言いつつ、軟弱で逆に助かったと思った。
合気道で使った木刀はもっと重かったしな。あれだと勝てる気がしない。
( ´_ゝ`)「はー……」
いやしかし、今日は色々と気を張っていて疲れたから、もう眠りたい。
母親とあいつの分のメシをてきとーに作って、風呂に入ろう。
その前に日記か。忘れない内に書き留めよう。
内藤と鬱田から今日も色々と考えを貰った。
悪い出来事ばかりでページを埋め尽くしていては、
日記もそれを読み返す俺の脳みそも疲弊する。
部屋に入って、上着を脱いで帽子を取って。
さて日記はと机の引き出しを開けると、目当ての物が無かった。
( ´_ゝ`)゙
硬直。
156:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:44:47 ID:MewIrKOQ0
( ´_ゝ`)
氷解。
咄嗟に部屋全体を見渡す。特に荒らされた形跡はない。
貴重品の入った、鍵のかかった引き出しにも変わりはない。
貯金箱も軽くなってはいないし、通帳や印鑑もそのままだ。
隠し棚の様子も確かめてみたが、相変わらず埃を被っていた。
落ち着く為に、事前に薬を服用しておく。医者処方の液状即効性。
( ´_ゝ`)「ふむ」
ピンポイントで日記を取りに来たんだろうか。
何故バレた? 何処でヘマをした? 一体いつ此処に?
医者から処方してもらった薬が切れて、市販の睡眠薬を飲んだ時だろうか。
だとしたら予想もつかないくらいヤバイことが起きている気がする。
薬が合わないのか、効果が薄いのか。
専門家ではないから詳しい事は不明だが、市販の睡眠薬を飲んだ俺は、
寝るまで変な行動を取るらしい。その間の記憶は俺にはない。全く無い。
それを知っているのは我が母と、弟と、俺と似たような症状を持ってる友人Aだ。
157:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:45:40 ID:MewIrKOQ0
友人Aの場合、何故かはわからないが電気、水道、ガス等の元栓を、
使えないように全て閉めてしまうらしい。きっちりと。理由は不明。
電気ならブレーカーを落とす。冬には壊滅的な被害だ。
水道の場合は外まで行って元栓を閉める。迷惑極まりない。
ガスは外のガス缶ごと外されていた。火事どころの話じゃない。
一人暮らしなので、最初は不法侵入の悪戯かと思いカメラを仕掛けた友人A。
被害にあった翌日、カメラを再生すると、そこにあった映像に息を呑んだと言う。
暗視撮影用の緑色の画面の向こう。その明かり一つもない暗闇の中。
ブレーカーを落とし、元栓を閉め、ガス缶を倒しているのは紛れもない自分だった。
それを見た時の気持ちはお分かりいただけるだろうか。
ぶっちゃけ俺でもよくわからない。起してる行動が違うし。
( #゚∀゚ )『そおいうときは、嘘でもわかると言えやぁあああ!!』
(; _ゝ )『ぎゃああああ痛い痛いいだだだだ!!』
そんな事を言ったら全力のキャメルクラッチを喰らった。
わからないものはわからないのだ。答えを濁してどうする。
理解すらできないものを、嘘で判ると答えてもどうにもならない。
158:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:46:50 ID:MewIrKOQ0
友人A……もうアヒャでいいか。
友人Aをアヒャに置換する。
アヒャは、自分なりの対策を立てた。
ブレーカーの綴蓋にガムテープを張りまくり、開かないようにした。
元栓にはハンドルの部分に100均の施錠をして、動かないようにした。
ガス缶は鎖を何重にも巻いて縛りまくり、倒れないようにした。
結果。
ガムテープには狂ったような引っ掻き傷の跡。
鍵には生爪が引っ掛かり、鎖には血が染み付いた。
( ゚∀゚ )『もう俺は駄目みたいだわ。死んだらHDD処分してくれ』
( ´_ゝ`)『わかった。お前が死んだら中身全部ネットにzipで流すわ』
アヒャのとった最終手段は、病院ではなく俺だった。
金がかかるのが嫌だと言う。保険証もなくしたらしい。再発行しろよ。
159:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:48:07 ID:MewIrKOQ0
( ゚∀゚ )『俺が変な行動し出したら、話しかけるとかしてくれ。
駄目だったら力尽くで止めて、なんとか会話してくれ』
( ´_ゝ`)『会話できなかったら?』
( ゚∀゚ )『その時はその時だ。適当に……うん、その包丁はしまえ』
( ´_ゝ`)『ちっ』
結局、向こうのアヒャとは会話が出来なかった。
ある程度痛めつけてもいいと言ったので、殴ったり蹴ったり、刃物で脅したり、
脛にガムテープを張ってからべりぃとスネ毛ごと剥がしたりしたが駄目だった。
一心不乱にブレーカー、元栓、ガス缶のある場所へ行こうとする。
会話が出来ないとなれば、特にやる事はない。
放っておこうにも、こっちのアヒャは寝るまでこの行為を繰り返す。
160:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:49:37 ID:MewIrKOQ0
結局、俺が寝る為に、アヒャの体を鎖で縛って転がしておいた。
馬鹿力だったが、あまり知能はないようで抵抗を抑えるのは簡単だった。
翌日、呻き声を耳にして起きた俺の目に入ったのは、
トイレに行けずに盛大に漏らしてしまってたアヒャであった。
人生とは無情である。おにちくしょうと罵られたが、甘んじて受け取った。
( ´_ゝ`)『じゃあ今度は俺の番な、痛みが残るのは嫌だから、
暴れたらガムテで縛りあげてベッドに転がしてくれ!』
( ゚∀゚ )『俺の事で学んだ問題点を全部改善するよう要求しやがって。
まあいいけどさ、取りあえず最初は会話でいいんだよな?』
( ´_ゝ`)『会話は二の次でいいや。俺が何してるのか見て、俺に教えてくれ。
俺は自分が何してるかわからないんだ。当事者も教えてくれない』
( ゚∀゚ )『わかった。でも話しかけられたり、襲いかかられたり、
こっちに何かしらの反応があったら俺もそれに応えるぜ』
( ´_ゝ`)『そうしてくれ』
161:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:50:39 ID:MewIrKOQ0
そして、市販の睡眠薬服用後の俺は
どうやら、人肌恋しくなると言うか
まるで鼻水垂らしたガキみたいな甘ったれと言うか
何をどう言ったらいいかわからない、が
ええと、やたら人にベタつくようで
相手を間違えれば尻の危機にも等しいと言うか
普段、思ってすらいない事をくっちゃべると言うか
取りあえず、暖を求めて徘徊しているようで
しかも言葉が大分幼稚になるようで
一番の問題は、こんな行動を
弟に対しても起こしていたかと思うと、もう
うわあああああああああああああああああああ
ああああぁくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」
162:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:51:25 ID:MewIrKOQ0
となるくらいの衝撃だった。
アヒャが面白がって録音したボイスレコーダーは破壊しておいた。
後から弁償して新品を買い与えたのだから、大目に見てもらいたい。
( ゚∀゚ )『あーあ、勿体ねー』
( ´_ゝ`)『お前のこの映像でもバラまいてやろうか』
( ゚∀゚ )『別にそれは恥ずかしくねーし』
( ´_ゝ`)『いや、こっちの漏らしたやつだ』
そして、俺のデジタルカメラはアヒャに破壊された。
誰が何と言おうと相討ちである。紛れもない相討ちである。
お互いの実験が終わった去り際に、顔を赤らめたアヒャから、
俺って男でも大丈夫かもしれない……との言葉を背に頂いた。
内股になり、人差し指を胸の前でつんつんするおまけ付きで。
今後、こいつとの付き合いは改めていきたいと俺は思う。
あいつの感情は、失禁現場を見られた吊り橋効果だった事を願おう。
同じ年代の友人にそんなモノを見られたのだ。混乱していたに違いない。
多分、きっと、おそらく。そうであってくれないと困る。
163:名も無きAAのようです:2013/01/13(日) 18:52:07 ID:MewIrKOQ0
うーん。嫌な事を思い出した上に、話が大分脱線した。
つまり俺が言いたいのは、日記の在りかがバレたのは、
市販の睡眠薬を服用した俺が口を滑らせたと言う憶測だ。
むしろそれ以外に考えられない。
他に何かあったら教えてほしい。
まあ、全て当の本人に聞けばすむ話だからよかった。
嘘を吐くかもしれないが、そこはまあ脅し殴り宥め蹴りつつ行こう。
足音を消して家の中を歩き回っている内に目標が見つかったのは幸いだ。
弟は自分の部屋で俺の日記を熟読している。
相手を警戒させないように、努めて優しく声をかけた。
16.糸冬
PR
135: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:19:46 ID:MewIrKOQ0
15.おっ? イライラすると人肌恋しくなるだけだお
鬱田が俺と内藤にあらぬ誤解をしたが、無事に解けた。
内藤はともかく、俺がゲイだとか有り得ない。ギガワロス。
何せこちとらショタや男の娘やらで抜いた事はないんだ。
気付かずに抜いてしまった事はあるが、その時見ていた薄い本には、
汚らわしいブツが股間に描かれていなかったので仕方ない。仕方ないのだ。
大事な事なので二回言いました。ちなみにニューハーフもNGです。
('A`;)「えぇと、違うんだよな? なら俺は安心していいんだな?
いきなりプレイを見せつけられたり、参加させられたりしないよな?」
( ^ω^)「いい加減うぜぇお。冗談だって言ってるだろうがお」
('A`)「さっきの、あの状況で、冗談って、お前」
( ^ω^)「僕に彼女がいる事を知っての狼藉か、そこになおれ」
('A`;) ヒィイ
136: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:20:27 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「つーか兄者も兄者だお。僕ばっかで否定して、
お陰で『必死になればなるほど真実味が増す』
って状況になりかけてるお。どうしてくれるお」
( ´_ゝ`)「提案と言う名の強制してきたのお前じゃん……。
俺はそういうの面倒だし、鬱田も今は混乱して話聞かんし。
誤解が解けないようなら、それまでの仲だったんだろ」
そこで、何故か鬱田が俺を凝視する。俺は悪くない。
('A`)「あれ? もしかして俺って試されてたの?」
( ´_ゝ`)「は? 何を?」
( ^ω^)「あーうんうんそうそう、試してたんだお」
('A`;)「そうだったのか……心臓に悪いから、今度からその類はやめてくれ」
( ^ω^)ゞ「あいあいおー」
( ´_ゝ`)「……」
よくわからん内に収まった。別に良いが。
俺としては内藤の話の続きを早く聞きたい。
137: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:21:28 ID:MewIrKOQ0
( ´_ゝ`)「で、向こうのグループのバカが何したって?」
( ^ω^)「どこまで話したっけ?」
('A`)「脛を蹴ったとこまで」
( ^ω^)「ああ、その後3人くらい殴りかかって来たから適当に投げて、
店長に連絡いれて店の裏口から逃げて来たんだお」
( ´_ゝ`)「逃げたのか、意外だな」
( ^ω^)「丸腰の上に、相手はナイフ出してきてたお」
( ´_ゝ`)「危ねぇ奴らだな」
('A`)「……あそこのコンビニ周辺、そんなに物騒なの?」
( ´_ゝ`)「さあ。ただ自分の獲物持って歩いてるのは増えたんじゃない?」
('A`)「そうなのか?」
( ^ω^)「そう言えば最近雑貨屋のおっちゃんが刃物の売れ行きがいいって」
( ´_ゝ`)「へー」
138: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:23:01 ID:MewIrKOQ0
DQN独特のコミュニティもあるから、多分その界隈とかで、
内藤の言った雑貨屋がいいなんて言われたりしたんだろう。
理由はいくらでも推測できるが、当たっているとは限らない。
( ^ω^)「最近若者が出入りするようになったって言ってたおね」
('A`)「ふんふん」
雑貨屋のおっちゃんの強面から元ヤクザと噂が走り武器に精通してるとか。
あの店は古くてカメラもないから武器を買った場所の足がつかなくて大丈夫だとか。
他にも色々とあるが、そんな理由じゃないだろうか。料理クラブは流石に有り得ない。
( ´_ゝ`)「まあ、俺らも銃刀法に引っ掛からない程度の大きさの刃物とか、
改造したエアガンの類とか、火炎放射機にしたライターとか、
100円のショップの包丁をレシートと一緒に持っててもいいかもね。
ちなみに包丁はパッケージから開封しないで持っておけばいいよ」
(;'A`)「……」
( ´_ゝ`)「最近物騒だからさー、護身用に……っておい鬱田、なにゆえ逃げる」
(;'A`) ))「あの、すみません……俺なんにもしてないんで……」
(;´_ゝ`)「え? ちょっ」
139: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:23:44 ID:MewIrKOQ0
いやいや待て待て、これはもしかしてガチ逃げされているのか。
この部屋の主はお前だろう。そんな部屋のスミスに逃げ込んでどうする。
( ^ω^)「小心者で臆病者なガラスハートの毒男君がびびりまくってるお。
これは安心させる為に兄者を丸腰にせねばなるまい」
(;´_ゝ`)「友達の部屋にそんなモン持ち込むはずねーだろ!」
(;'A`)「安心させて! 安心させて! 全裸になれとまでは言わない!」
( ´_ゝ`)「頼まれてもそれだけはしないから」
( ^ω^) チッ
( ´_ゝ`)「そこで舌打ちしてる自称デブが怖いんでね」
そもそも内藤の目の前で全裸とか、ただネタにされるだけだ。
俺の一生の恥画像がネットで出回る等、死んでも避けたい。
( ^ω^)「まあいいお、僕も兄者が暴走した時の危険は排除したいし、
何か持ってるならここで出せお。後で返すお。鞄見せろお」
( ´_ゝ`)(やべえ)
140: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:25:03 ID:MewIrKOQ0
ちょっと倫理的に見つかりたくない物が入っている。
俺は右腕の袖の隙間を確保しつつ、鞄から気付かれないよう物を抜く。
そのまま指だけで袖の中に押し込み、鞄を内藤に渡した。
( ^ω^)「さーて御開帳~」
ガシャ
ドサ
ジャラ
('A`)「oh...」
( ^ω^)「ワンダホー」
( ´_ゝ`)「ありがとう」
( ^ω^)「褒めてねぇお」
('A`)「アンビリーバボー」
( ´_ゝ`)「ありがとう」
('A`)「褒めて……い、ます」
141: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:26:08 ID:MewIrKOQ0
二人の感情は察せない。そもそも察する機能は元々ないが。
うーん、こういう時にはあればいいと心底思うな。こういう時だけ。
経験や推測だけじゃどうにもできない時もある。
( ^ω^)「兄者さん」
( ´_ゝ`)「はい」
内藤が正座して俺に向き直るので、俺もベッドの上で姿勢を正す。
( ^ω^)「あなたは拷問趣味か、サディストか、尋問官なのですか?」
( ´_ゝ`)「どれも否定はしませんが、対象は一人だけですのでご安心下さい」
('A`)「……安心?」
斜め後ろから「安心ってなんだろう……」と哲学的な呟きが聞こえる。
俺にとっての安心は、予測できる危険に備え、危険を排除した状況かな。
142: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:26:53 ID:MewIrKOQ0
内藤が俺の鞄から落ちたキーホルダーを手に持った。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「装飾品です」
( ^ω^)「開いて中から刃が出て来ましたが」
( ´_ゝ`)「折り畳みナイフです」
次に、エアガン。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「エアガンです」
( ^ω^)「やけに重いのですが」
( ´_ゝ`)「弾がパチンコ玉なので」
麺棒の空き箱にぎっちり詰まった画鋲は、何故かスルーされた。
143: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:28:18 ID:MewIrKOQ0
次々に取り出す内藤。毒男はスミスで体育座りをしている。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「ライターです」
( ^ω^)「喫煙者ではありませんね?」
( ´_ゝ`)「いずれそうなった時の為に」
( ^ω^)「試しに使って見てもいいですか?」
( ´_ゝ`)「その位置からだとこの部屋の天井が焦げます」
目を見開いてライターを取り落とす内藤。だが、すぐに顔を元に戻す。
改造ライターは衝撃に強いか実験していなかったので、念の為降りてキャッチした。
( ;^ω^)「なんつー物騒なモンを!」
( ´_ゝ`)「全身凶器に言われたくねーよ」
144: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:29:37 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「没収しないって言ってたけど、それは流石に駄目だお。
こっちに寄越しなさい兄者君。それは危ないお~」
( ´_ゝ`)「えー嘘吐き」
袖に隠した物は見られたくない物だが、これは取られたくない物だ。
俺の技術では使い捨てしか作れない上に、一回きりの消耗品。
簡単に量産できないから無駄使いはしたくない。誰かにやるのも遠慮したい。
作り方だったらアレを見るといい。あの有害図書指定くらった理科の本。
( ^ω^)「だ~め~だ~おっ! それ寄越さなかったら全部没収だお!」
(;´_ゝ`)「それは」
それで困る。特にエアガンは貰い物だ。
いやちょっと待て、気付いたらエアガンが見当たらない。どこいった。
( ^ω^)「さ~坊や。その物騒なガラガラを寄越ちなさい」
幼稚な口調と共ににじり寄って来る。
ベッドは壁際だ。逃げ場はない。
145: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:30:38 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「よこちなちゃい!」
(;´_ゝ`)「やだー!」
カマキリの威嚇よろしく迫って来る。
渡す渡さない以前にこの口調と態度が気持ち悪い。
横からすり抜けようとして、ベッドに押し潰された。息が苦しい。
('A`)「何やってんの、二人とも」
そこに神の声、ではなくモヤシの声。
しかしモヤシは手にエアガンを持っている。植物の反旗だ。
( ´_ゝ`)「エアガン……」
( ^ω^)「お? どこ行ってたお」
('A`)「河原で試し撃ちしてきた」
こいつ、実は不良なんて怖くないんじゃないの。
146: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:31:36 ID:MewIrKOQ0
気を取り直して先程の位置に戻り、尋問再開。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「100均の包丁です」
( ^ω^)「開封していいですか?」
( ´_ゝ`)「やめて下さい持ち歩けなくなってしまいます」
( ^ω^)「レシートが新しいですね」
( ´_ゝ`)「古いと持ち歩けなくなるので」
( ^ω^)「何故持ち歩くのですか?」
( ´_ゝ`)「護身用に」
( ^ω^)「なりません」
('A`)「……」
147: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:32:58 ID:MewIrKOQ0
結局、開封された包丁は迷惑料として鬱田の部屋に置く事にした。
俺としては迷惑よりも、精神的負担による慰謝料、昼飯代のほうがしっくりする。
('A`)「共同キッチンあるのに、部屋に一本だけ包丁とか」
( ´_ゝ`)「不自然極まりない気がする」
( ^ω^)「不自然を持ち歩いてた奴が言うなお」
( ´_ゝ`)「ならないように持ち歩いてたから」
( ^ω^)「中学時代に袖に校則違反仕込んでた奴が何を言う」
( ´_ゝ`)「漫画の影響でな。そんなお前もヒデー物持って来てたじゃん」
( ^ω^)「やめよう。黒い歴史をほじくり返すのは」
( ´_ゝ`)「先に言ったのはお前だろうに……」
('A`)「卑猥な玩具とか安全なオチが見出せないお前らが怖い」
もうgdgd。内藤の話はいつになったら聞けるんだ。
148: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:34:41 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「んーもうそろそろ時間ないかもしれないから、
兄者、念の為に今ある武器全部出してくれお」
( ´_ゝ`)「時間? てかそれで全部だけど」
( ^ω^)「袖かポケットに何か入ってないかお?」
( ´_ゝ`)「入ってないよ」
( ^ω^)「調べてもいいかお?」
おいおいなんでこんなにしつこいんだ。まさか見られてたのか?
俺はズボンの全てのポケットを裏返す。
(;´_ゝ`)「な。ないだろ?」
( ^ω^)「袖は?」
そっと右腕を上げて、袖の中の物を肘まで落とした。
その時に不自然な膨らみを見られないように、下から袖口に指をかけて広げる。
左腕も同じように内藤に見せて、審判を待つ。いざとなったら下着にでも隠そう。
149: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:36:27 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「ないかお、残念だお……」
セーフ。俺は内藤から鞄を取り返す。
('A`)「時間ないってどういう事だ? 決闘相手でも待たせてんの?」
( ´_ゝ`)「そうだな。時間ないなら早く話しろよ」
( ^ω^)「じゃあ毒男のほうから答えるかお」
( ´_ゝ`)「どうぞ」
( ^ω^)「店の裏口から逃げたんだけど、着替えるのに手間取って。
復活してた奴らに見つかって追いかけっこしてたんだお」
('A`)「え?」
( ^ω^)「途中で撒いたからこの建物は気付かれてないお」
('A`)「え?」
( ^ω^)「多分」
('A`)「え」
150: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:37:09 ID:MewIrKOQ0
( ´_ゝ`)「じゃあ次俺」
( ^ω^)「動揺しろお」
慌てたってどうしようもない。
それにこの状況でどうやって慌てればいいんだ。
取りあえずムンクの叫びのポーズをとったら内藤にチョップされた。
( ^ω^)「話すから、うぜー動きはすんなお」
動揺しろ、と命令を出しておきながらこの言い様。
親の顔が見たい。まあこいつの親は波に攫われたが。
( ^ω^)「うんと、まず追い駆けられてる時に一人が電話したんだお」
('A`)「援軍?」
( ^ω^)「そうっぽいお。弟者って名前が聞こえたお」
( ´_ゝ`)「へー」
( ^ω^)「……兄者? もしかして頭おかしくなったかお?
ヤバイところ叩いてしまったのかお。ごめんお」
( ´_ゝ`)「ねーよ」
151: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:37:55 ID:MewIrKOQ0
( ;^ω^)「うーん、僕の予想ではこの辺りで兄者が暴走するかと……」
失礼な。そんなアホの事で常時頭を沸騰させてると思わないで頂きたい。
頭を沸騰させる、の下りであのAA(頭がフットー(ry)が思い浮かんだ。
アホな自分の脳みそが許せなくて、側頭部を殴る。すっきりした。
俺だってどうでもいい時くらいある。関わって疲れたくない時がある。
( ´_ゝ`)「つーか、その電話聞いたのって何時くらい?」
( ^ω^)「11時台だお」
(´く_` )ミ「鬱田ー、俺が来たのって何時くらい?」
('A`)「11時半」
ミ( ´_ゝ`)「じゃあ、あいつは援軍で来ないな」
( ^ω^)「え?」
( ´_ゝ`)「俺が家出る時、あいつ道のド真ん中で長岡と睨み合ってたぜ。
縄張り争いか、エロ本の貸し借りかは知らんけどさ」
( ^ω^)「なーんだ、杞憂かお」
('A`)「杞憂じゃないから。どっちにしろ俺のピンチに変わりはないから」
152: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:39:18 ID:MewIrKOQ0
その後、3人で色々構えていたが何もなかった。
どうやら近隣住民が、夜遅くに騒いでいる怪しい集団がいると通報したとの事。
しかし内藤め、毎回毎回めんどくせーのに巻き込んでくれやがって。
面白いからいいんだけどさ。
15糸冬
15.おっ? イライラすると人肌恋しくなるだけだお
鬱田が俺と内藤にあらぬ誤解をしたが、無事に解けた。
内藤はともかく、俺がゲイだとか有り得ない。ギガワロス。
何せこちとらショタや男の娘やらで抜いた事はないんだ。
気付かずに抜いてしまった事はあるが、その時見ていた薄い本には、
汚らわしいブツが股間に描かれていなかったので仕方ない。仕方ないのだ。
大事な事なので二回言いました。ちなみにニューハーフもNGです。
('A`;)「えぇと、違うんだよな? なら俺は安心していいんだな?
いきなりプレイを見せつけられたり、参加させられたりしないよな?」
( ^ω^)「いい加減うぜぇお。冗談だって言ってるだろうがお」
('A`)「さっきの、あの状況で、冗談って、お前」
( ^ω^)「僕に彼女がいる事を知っての狼藉か、そこになおれ」
('A`;) ヒィイ
136: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:20:27 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「つーか兄者も兄者だお。僕ばっかで否定して、
お陰で『必死になればなるほど真実味が増す』
って状況になりかけてるお。どうしてくれるお」
( ´_ゝ`)「提案と言う名の強制してきたのお前じゃん……。
俺はそういうの面倒だし、鬱田も今は混乱して話聞かんし。
誤解が解けないようなら、それまでの仲だったんだろ」
そこで、何故か鬱田が俺を凝視する。俺は悪くない。
('A`)「あれ? もしかして俺って試されてたの?」
( ´_ゝ`)「は? 何を?」
( ^ω^)「あーうんうんそうそう、試してたんだお」
('A`;)「そうだったのか……心臓に悪いから、今度からその類はやめてくれ」
( ^ω^)ゞ「あいあいおー」
( ´_ゝ`)「……」
よくわからん内に収まった。別に良いが。
俺としては内藤の話の続きを早く聞きたい。
137: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:21:28 ID:MewIrKOQ0
( ´_ゝ`)「で、向こうのグループのバカが何したって?」
( ^ω^)「どこまで話したっけ?」
('A`)「脛を蹴ったとこまで」
( ^ω^)「ああ、その後3人くらい殴りかかって来たから適当に投げて、
店長に連絡いれて店の裏口から逃げて来たんだお」
( ´_ゝ`)「逃げたのか、意外だな」
( ^ω^)「丸腰の上に、相手はナイフ出してきてたお」
( ´_ゝ`)「危ねぇ奴らだな」
('A`)「……あそこのコンビニ周辺、そんなに物騒なの?」
( ´_ゝ`)「さあ。ただ自分の獲物持って歩いてるのは増えたんじゃない?」
('A`)「そうなのか?」
( ^ω^)「そう言えば最近雑貨屋のおっちゃんが刃物の売れ行きがいいって」
( ´_ゝ`)「へー」
138: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:23:01 ID:MewIrKOQ0
DQN独特のコミュニティもあるから、多分その界隈とかで、
内藤の言った雑貨屋がいいなんて言われたりしたんだろう。
理由はいくらでも推測できるが、当たっているとは限らない。
( ^ω^)「最近若者が出入りするようになったって言ってたおね」
('A`)「ふんふん」
雑貨屋のおっちゃんの強面から元ヤクザと噂が走り武器に精通してるとか。
あの店は古くてカメラもないから武器を買った場所の足がつかなくて大丈夫だとか。
他にも色々とあるが、そんな理由じゃないだろうか。料理クラブは流石に有り得ない。
( ´_ゝ`)「まあ、俺らも銃刀法に引っ掛からない程度の大きさの刃物とか、
改造したエアガンの類とか、火炎放射機にしたライターとか、
100円のショップの包丁をレシートと一緒に持っててもいいかもね。
ちなみに包丁はパッケージから開封しないで持っておけばいいよ」
(;'A`)「……」
( ´_ゝ`)「最近物騒だからさー、護身用に……っておい鬱田、なにゆえ逃げる」
(;'A`) ))「あの、すみません……俺なんにもしてないんで……」
(;´_ゝ`)「え? ちょっ」
139: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:23:44 ID:MewIrKOQ0
いやいや待て待て、これはもしかしてガチ逃げされているのか。
この部屋の主はお前だろう。そんな部屋のスミスに逃げ込んでどうする。
( ^ω^)「小心者で臆病者なガラスハートの毒男君がびびりまくってるお。
これは安心させる為に兄者を丸腰にせねばなるまい」
(;´_ゝ`)「友達の部屋にそんなモン持ち込むはずねーだろ!」
(;'A`)「安心させて! 安心させて! 全裸になれとまでは言わない!」
( ´_ゝ`)「頼まれてもそれだけはしないから」
( ^ω^) チッ
( ´_ゝ`)「そこで舌打ちしてる自称デブが怖いんでね」
そもそも内藤の目の前で全裸とか、ただネタにされるだけだ。
俺の一生の恥画像がネットで出回る等、死んでも避けたい。
( ^ω^)「まあいいお、僕も兄者が暴走した時の危険は排除したいし、
何か持ってるならここで出せお。後で返すお。鞄見せろお」
( ´_ゝ`)(やべえ)
140: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:25:03 ID:MewIrKOQ0
ちょっと倫理的に見つかりたくない物が入っている。
俺は右腕の袖の隙間を確保しつつ、鞄から気付かれないよう物を抜く。
そのまま指だけで袖の中に押し込み、鞄を内藤に渡した。
( ^ω^)「さーて御開帳~」
ガシャ
ドサ
ジャラ
('A`)「oh...」
( ^ω^)「ワンダホー」
( ´_ゝ`)「ありがとう」
( ^ω^)「褒めてねぇお」
('A`)「アンビリーバボー」
( ´_ゝ`)「ありがとう」
('A`)「褒めて……い、ます」
141: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:26:08 ID:MewIrKOQ0
二人の感情は察せない。そもそも察する機能は元々ないが。
うーん、こういう時にはあればいいと心底思うな。こういう時だけ。
経験や推測だけじゃどうにもできない時もある。
( ^ω^)「兄者さん」
( ´_ゝ`)「はい」
内藤が正座して俺に向き直るので、俺もベッドの上で姿勢を正す。
( ^ω^)「あなたは拷問趣味か、サディストか、尋問官なのですか?」
( ´_ゝ`)「どれも否定はしませんが、対象は一人だけですのでご安心下さい」
('A`)「……安心?」
斜め後ろから「安心ってなんだろう……」と哲学的な呟きが聞こえる。
俺にとっての安心は、予測できる危険に備え、危険を排除した状況かな。
142: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:26:53 ID:MewIrKOQ0
内藤が俺の鞄から落ちたキーホルダーを手に持った。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「装飾品です」
( ^ω^)「開いて中から刃が出て来ましたが」
( ´_ゝ`)「折り畳みナイフです」
次に、エアガン。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「エアガンです」
( ^ω^)「やけに重いのですが」
( ´_ゝ`)「弾がパチンコ玉なので」
麺棒の空き箱にぎっちり詰まった画鋲は、何故かスルーされた。
143: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:28:18 ID:MewIrKOQ0
次々に取り出す内藤。毒男はスミスで体育座りをしている。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「ライターです」
( ^ω^)「喫煙者ではありませんね?」
( ´_ゝ`)「いずれそうなった時の為に」
( ^ω^)「試しに使って見てもいいですか?」
( ´_ゝ`)「その位置からだとこの部屋の天井が焦げます」
目を見開いてライターを取り落とす内藤。だが、すぐに顔を元に戻す。
改造ライターは衝撃に強いか実験していなかったので、念の為降りてキャッチした。
( ;^ω^)「なんつー物騒なモンを!」
( ´_ゝ`)「全身凶器に言われたくねーよ」
144: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:29:37 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「没収しないって言ってたけど、それは流石に駄目だお。
こっちに寄越しなさい兄者君。それは危ないお~」
( ´_ゝ`)「えー嘘吐き」
袖に隠した物は見られたくない物だが、これは取られたくない物だ。
俺の技術では使い捨てしか作れない上に、一回きりの消耗品。
簡単に量産できないから無駄使いはしたくない。誰かにやるのも遠慮したい。
作り方だったらアレを見るといい。あの有害図書指定くらった理科の本。
( ^ω^)「だ~め~だ~おっ! それ寄越さなかったら全部没収だお!」
(;´_ゝ`)「それは」
それで困る。特にエアガンは貰い物だ。
いやちょっと待て、気付いたらエアガンが見当たらない。どこいった。
( ^ω^)「さ~坊や。その物騒なガラガラを寄越ちなさい」
幼稚な口調と共ににじり寄って来る。
ベッドは壁際だ。逃げ場はない。
145: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:30:38 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「よこちなちゃい!」
(;´_ゝ`)「やだー!」
カマキリの威嚇よろしく迫って来る。
渡す渡さない以前にこの口調と態度が気持ち悪い。
横からすり抜けようとして、ベッドに押し潰された。息が苦しい。
('A`)「何やってんの、二人とも」
そこに神の声、ではなくモヤシの声。
しかしモヤシは手にエアガンを持っている。植物の反旗だ。
( ´_ゝ`)「エアガン……」
( ^ω^)「お? どこ行ってたお」
('A`)「河原で試し撃ちしてきた」
こいつ、実は不良なんて怖くないんじゃないの。
146: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:31:36 ID:MewIrKOQ0
気を取り直して先程の位置に戻り、尋問再開。
( ^ω^)「これは?」
( ´_ゝ`)「100均の包丁です」
( ^ω^)「開封していいですか?」
( ´_ゝ`)「やめて下さい持ち歩けなくなってしまいます」
( ^ω^)「レシートが新しいですね」
( ´_ゝ`)「古いと持ち歩けなくなるので」
( ^ω^)「何故持ち歩くのですか?」
( ´_ゝ`)「護身用に」
( ^ω^)「なりません」
('A`)「……」
147: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:32:58 ID:MewIrKOQ0
結局、開封された包丁は迷惑料として鬱田の部屋に置く事にした。
俺としては迷惑よりも、精神的負担による慰謝料、昼飯代のほうがしっくりする。
('A`)「共同キッチンあるのに、部屋に一本だけ包丁とか」
( ´_ゝ`)「不自然極まりない気がする」
( ^ω^)「不自然を持ち歩いてた奴が言うなお」
( ´_ゝ`)「ならないように持ち歩いてたから」
( ^ω^)「中学時代に袖に校則違反仕込んでた奴が何を言う」
( ´_ゝ`)「漫画の影響でな。そんなお前もヒデー物持って来てたじゃん」
( ^ω^)「やめよう。黒い歴史をほじくり返すのは」
( ´_ゝ`)「先に言ったのはお前だろうに……」
('A`)「卑猥な玩具とか安全なオチが見出せないお前らが怖い」
もうgdgd。内藤の話はいつになったら聞けるんだ。
148: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:34:41 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「んーもうそろそろ時間ないかもしれないから、
兄者、念の為に今ある武器全部出してくれお」
( ´_ゝ`)「時間? てかそれで全部だけど」
( ^ω^)「袖かポケットに何か入ってないかお?」
( ´_ゝ`)「入ってないよ」
( ^ω^)「調べてもいいかお?」
おいおいなんでこんなにしつこいんだ。まさか見られてたのか?
俺はズボンの全てのポケットを裏返す。
(;´_ゝ`)「な。ないだろ?」
( ^ω^)「袖は?」
そっと右腕を上げて、袖の中の物を肘まで落とした。
その時に不自然な膨らみを見られないように、下から袖口に指をかけて広げる。
左腕も同じように内藤に見せて、審判を待つ。いざとなったら下着にでも隠そう。
149: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:36:27 ID:MewIrKOQ0
( ^ω^)「ないかお、残念だお……」
セーフ。俺は内藤から鞄を取り返す。
('A`)「時間ないってどういう事だ? 決闘相手でも待たせてんの?」
( ´_ゝ`)「そうだな。時間ないなら早く話しろよ」
( ^ω^)「じゃあ毒男のほうから答えるかお」
( ´_ゝ`)「どうぞ」
( ^ω^)「店の裏口から逃げたんだけど、着替えるのに手間取って。
復活してた奴らに見つかって追いかけっこしてたんだお」
('A`)「え?」
( ^ω^)「途中で撒いたからこの建物は気付かれてないお」
('A`)「え?」
( ^ω^)「多分」
('A`)「え」
150: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:37:09 ID:MewIrKOQ0
( ´_ゝ`)「じゃあ次俺」
( ^ω^)「動揺しろお」
慌てたってどうしようもない。
それにこの状況でどうやって慌てればいいんだ。
取りあえずムンクの叫びのポーズをとったら内藤にチョップされた。
( ^ω^)「話すから、うぜー動きはすんなお」
動揺しろ、と命令を出しておきながらこの言い様。
親の顔が見たい。まあこいつの親は波に攫われたが。
( ^ω^)「うんと、まず追い駆けられてる時に一人が電話したんだお」
('A`)「援軍?」
( ^ω^)「そうっぽいお。弟者って名前が聞こえたお」
( ´_ゝ`)「へー」
( ^ω^)「……兄者? もしかして頭おかしくなったかお?
ヤバイところ叩いてしまったのかお。ごめんお」
( ´_ゝ`)「ねーよ」
151: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:37:55 ID:MewIrKOQ0
( ;^ω^)「うーん、僕の予想ではこの辺りで兄者が暴走するかと……」
失礼な。そんなアホの事で常時頭を沸騰させてると思わないで頂きたい。
頭を沸騰させる、の下りであのAA(頭がフットー(ry)が思い浮かんだ。
アホな自分の脳みそが許せなくて、側頭部を殴る。すっきりした。
俺だってどうでもいい時くらいある。関わって疲れたくない時がある。
( ´_ゝ`)「つーか、その電話聞いたのって何時くらい?」
( ^ω^)「11時台だお」
(´く_` )ミ「鬱田ー、俺が来たのって何時くらい?」
('A`)「11時半」
ミ( ´_ゝ`)「じゃあ、あいつは援軍で来ないな」
( ^ω^)「え?」
( ´_ゝ`)「俺が家出る時、あいつ道のド真ん中で長岡と睨み合ってたぜ。
縄張り争いか、エロ本の貸し借りかは知らんけどさ」
( ^ω^)「なーんだ、杞憂かお」
('A`)「杞憂じゃないから。どっちにしろ俺のピンチに変わりはないから」
152: ◆T/D40qQ./Q:2013/01/13(日) 18:39:18 ID:MewIrKOQ0
その後、3人で色々構えていたが何もなかった。
どうやら近隣住民が、夜遅くに騒いでいる怪しい集団がいると通報したとの事。
しかし内藤め、毎回毎回めんどくせーのに巻き込んでくれやがって。
面白いからいいんだけどさ。
15糸冬
93:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:18:12 ID:1eULDlhg0
14.タッチアンドゴー トゥ ヘル
(´<_` )「……」
_
( ゚∀゚)「……」
柱|_ゝ`)「……」
愛しの我が家へ通じる道では、何故か野犬と狂犬が睨み合っていた。
縄張り争いだろう。巻き込まれるのは嫌なので、進路変更をする。
日記の回収は後回しだ。怪我をするほうがイクナイ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
('A`)「どうした?」
( ´_ゝ`)「最悪の化学反応が起きそうだったから先に避難してきた」
94:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:20:23 ID:1eULDlhg0
('A`;)「防げないからね? 俺は肉壁にもならないからね?」
( ´_ゝ`)「ああ、万が一の時には喋るミノ虫と思っておくよ」
('A`)「それは比喩表現か? 俺の今の格好そのままの意味か?
前者にしろ後者にしろ、どっちにしても殴っていい?」
珍しく鬱田はやる気だ。布団を脱いで腕まくりまでをしている。筋肉ねえなあ。
だが、この意気には俺も応えてやらねばなるまい。腹を出し、力を込める。
( ´_ゝ`)「来な!」
('A`;)「シャツ捲るなよ、逆に殴りにくいなあ……」
( ´_ゝ`)「なんだ地肌は駄目か、なら服の上からでも
('A`)「うん、なんかもういいや」
いきなりテンションダウンした。
俺もそうだが、こいつにも落差があるような気がする。
95:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:21:25 ID:1eULDlhg0
('A`)「今は特につまむ物もないし、本でも読んでおいて」
( ´_ゝ`)「ラノベばっかじゃねえか」
2mはあろうかという本棚3つ、その全てを埋めるのはライトノベルだ。
この数はちょっと引く。始めて見た時は顔が引き攣るのを止められなかった。
個人的に、まだエロ漫画のほうがマシだと思うのは……。
毒されてはいけない奴に、影響を受けているのかもしれない。
危ない兆候だ。抗わねば。眉毛野郎と同じになってしまう。
('A`)「顔が歪んでるぞ」
( ´_ゝ`)「ぬ、すまん」
('A`)「いやいいけどさ……内藤よりは」
( ´_ゝ`)「ああ」
内藤も、初めて見た時は笑いながら携帯のシャッターを切り続けていたらしい。
部屋スレにうpすると言って鬱田に止められていたが、後日うpされたスレを見つけた。
哀れ鬱田。俺はその後のレスを見て、鬱田に教えるのをやめた。
世の中には、知らないほうが幸せな事が沢山ある。腐るほどある。
96:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:22:17 ID:1eULDlhg0
('A`)「ラノベ持ってねーの?」
( ´_ゝ`)「そういや2、3冊しかないわ」
そもそもラノベ自体にあまり興味がない。持ってるのは中古10円の購入品だ。
何回か熱烈に進められて読んだもの全てがつまらなかったからかもしれない。
しつこいくらいの勧誘で、『貸してやる』のではなく『買え』とまで言われた。
一応は小説なので、気軽に立ち読みできるものではない。俺は素直に買った。
目の前で読めと言われ、そいつの前に座って読んだ。熟読した。鼻息がうるさかった。
(*@∀@)『どう? どう!?』
糞がつくほどにつまらなかった上に、ヒロインの性格が俺の嫌いなタカビー女だった。
目の前の奴は腋臭だった。地獄だった。思い出すと腸が煮える思い出の一つだ。
最後の勧誘では、勧められて自分で買った本を真っ二つに裂いて、顔面にぶつけてやった。
が、どうせなら膝でも入れるべきだった。言葉で反省しない奴は物理的にやるしかない。
97:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:23:07 ID:1eULDlhg0
そして俺は、ラノベとそいつが嫌いに……いや、感情で結論を出すのは駄目だな。
あの腋臭野郎は嫌いになった。カツアゲされるのを見かけても助けないくらいには。
ラノベは嫌いではないが、少なくともホラーとか推理とかSFとか妖怪話の方が好きだ。
別に文学()がどうのと偉そうに御口舌を垂れる気はない。
ただ好みのものにその枠内で当たらなかったと言うだけで。
('A`)「何冊か貸そうか?」
( ´_ゝ`)「ホラーとかSFとかある?」
('A`;)「うーん俺の棚には無いなあ」
( ´_ゝ`)「妖怪とか」
('A`)「……ハーレムものなら」
( ;´_ゝ)「ごめん」
('A`;)「俺も悪かった」
98:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:23:48 ID:1eULDlhg0
まあ、好みの相違は仕方ない。人は千差万別だ。話題を変える。
( ´_ゝ`)「内藤が前に来た時はどうしてた?」
('A`)「なんか、『うっはwww何これマジキ……ワロスwww』とか言いながら、
俺の棚をハイテンションで写メりまくってたよ。色んな角度から」
( ´_ゝ`)「あれ? それって最初の時だよな? それから来てないの?」
('A`)「俺が遊びに行く方が多いよ」
( ´_ゝ`)「へー」
内藤の事だから、好きに暴れられる他人の部屋で過ごしてるかと。
ううむ、この時点で俺自身の内藤への評価が透けて見えるな。
ピピピッ
('A`)「お、噂をすればなんとやらだ。内藤が遊びに来てもいいかって」
( ´_ゝ`)「おーいいじゃん、来いよ来いよ」
99:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:24:41 ID:1eULDlhg0
鬱田の「でも嫌な予感しかしねー……」との呟きには反応しない。
俺は時間を潰せればそれでいいので、いざとなったら逃げよう。
逃走経路を確認しに、窓際へ寄る。うーん、2階って高い。
ベランダの手摺りにぶら下がってから落ちれば行けるかな?
('A`)「兄者、ベランダには何もないぞ」
( ´_ゝ`)「いやー割と高いなーと思って」
('A`)「昼飯喰わせてやるよ」
(*´_ゝ`)「わーい」
こっちの意図をすぐさま察して来た。
鬱田は将来いいカウンセラーか詐欺師になれる。
100:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:25:22 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「何時くらいに来るって?」
('A`)「今聞くー」
チャッチャカチャラララ チャッチャ♪
('A`)「笑天のテーマ……」
( ´_ゝ`)「あ、俺の携帯だわ」
メールには、『毒男の家に遊びに行くからお前も来い』とある。
『もういる』とだけ打って、鬱田の写メを一緒に添付し返信した。
他意はない。内藤のフォトショの玩具にされるだけだ。
('A`;)「おいなんで今撮った」
( ´_ゝ`)「本人の家にいるという証明」
101:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:26:08 ID:1eULDlhg0
その後、子泣き爺と合成された鬱田の画像が本人の携帯へ。
(;゚‥゚):'*~「ブッフォ」
( ;´_ゝ`)「汚っ!」
それを見た鬱田は、インスタントラーメンの麺を鼻から吹き出した。
内藤がいれば嬉々として撮影しただろう。
俺はそんな鬼畜ではない。録画はしたいが。
('A`il)「これさっき兄者が撮った奴だよな?」
( ´_ゝ`)「だろな。相変わらずすげースピード編集」
102:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:27:01 ID:1eULDlhg0
そして、俺には”チャリで来た”の画像と合成された俺と糞野郎の画像が来た。
仲良くハイタッチまでしている改変付きだ。時間と技術の無駄遣いにも程がある。
( ´_ゝ`)「よし、シメよう」
俺の後ろで笑いをこらえてる奴も、ついでにシメとこう。
:('*`):「……プッ………プフッ…………ブッフッ」
( ´_ゝ`)「なあ鬱田。俺はいきなりお前と腕相撲がしたくなってきた」
('A`;)「や、やめろよ! 内藤とやれよ!」
( ´_ゝ`)「あれには勝てる気がしない」
('A`)「内藤の腕とか俺の倍だもんな」
( ´_ゝ`)「俺の2倍、お前と比較したら3倍だな」
103:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:27:51 ID:1eULDlhg0
そういや最近SEに就職した先輩も、ムキムキボディビルダーな体だった。
なんだろう、理系のスポーツマンでも流行り始めてるんだろうか。
('A`)「どうだろ、底辺IT土方なんて頭脳と体力勝負なとこがあるから、
結局みんな筋肉つけないとやっていけないのかもしれないな」
( ´_ゝ`)「見せ筋つけてどうすんだよ」
('A`)「暴漢対策?」
( ´_ゝ`)「相手は何目的で襲うんだ、一体」
('A`)「お前の弟みたいなDQNが金を毟りに」
( ´_ゝ`)「ああ」
正解なんて求めてない、くっだらない会話を交わしつつ内藤を待つ。
時計を見ると、最初のメールからもう3時間は過ぎている。
104:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:30:01 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「遅くね?」
('A`)「だなー、見て来るから付いてきてくれよ」
( ´_ゝ`)「えー?」
('A`)「土日になると道の河原の近くにDQNが湧くんだよ。
お前ピアス空けてるから、同類と思われて素通りできそうだし」
寛大な俺は後半を聞き流してやる。
( ´_ゝ`)「夏場、河原に湧いてバーベキューをしてよく流されているのは、
DQNの亜種であるBQNだ。読みはバキュン。確かそう書いてあった」
('A`)「マジか、いつの間にかそんな区分けが……」
( ´_ゝ`)「あんまり認知されてないけどな」
靴を履いて、ドアを開けた。
ガチャッ
105:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:30:42 ID:1eULDlhg0
∧_∧。 /⌒ヽ
( ´_ゝ) (^ω^ )
∧_∧。 /⌒ヽ
( ´_ゝ) (^ω^ )<ハロー
∧_∧。 /⌒ヽ
( ´_ゝ)'A)゙ (^ω^ )
∧_∧。 ||
( ´_ゝ)( 'A)ノ|| パタン

俺の前に出て来た鬱田が、無言でドアを閉めた。
内藤はいつからあそこで待機していたのだろう。
106:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:31:23 ID:1eULDlhg0
('A`)「俺らなんか聞かれてヤバイこと言ってたっけ?」
( ´_ゝ`)「言ってない言ってない。むしろ筋肉褒めてたじゃん」
('A`)「だよな。あとはお前が内藤をシmむんぐぐぐぐ!」
アイアンクローで鬱田の口を強制的にミッフィーにする。許せ。
糞野郎に実行したら、手の平を舐められるという最悪の対抗法に出たので、
この技は主に黙らせたいDQNと鬱田にしか出したことはない。
( ´_ゝ`)「よし、俺達はお前を褒めてただけだからな!」
自分に言い聞かせるようにして、ドアを開け放つ。
向こうにはいつもニコニコ笑顔の内藤がいた。広げた両腕が不穏過ぎる。
107:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:33:15 ID:1eULDlhg0
( ^ω^)「僕をシメるって聞こえたお?」
( ;´_ゝ`)「お前いつから聞いてて……」
あれを言ったのはメールが来た直後だ、それから2時間は経っている。
2時間も待っていた? いや、それよりはこの部屋に盗聴器があるという可能性が
( ^ω^)「シ・メ・る って聞こえたぉお~?」
(;´_ゝ`)「ぎゃー!」
広げた両腕がクワガタよろしく迫ってきて捕まえられた。
そのまま力を入れてミシミシと鯖折りをかけられる。
鯖は好きだが鯖折りは勘弁だ。肋骨と背骨がいだだだだだ!
108:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:34:21 ID:1eULDlhg0
_, 、_
( ^ω^)「毒男を放すお、メッ」
( ; _ゝ )「む゙、無理……ゲホッ」
苦しくて、逆に手に変な力が入っている。
このままだと窒息するんじゃないか。鬱田が。その次に俺が。
(;屮)「むごごごご!!」
( ^ω^)「おーい鬱田が死ぬお」
( ; _ゝ )「いやマジ俺も死ぬ」
( ^ω^)「手を放せってお」
( ; _ゝ )「変に力が入ってて無理……ゲッホ!」
( ^ω^)「む、すまんお」
パッ
109:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:35:20 ID:1eULDlhg0
ようやく解放される。鬱田も俺から解放される。
気分がいい。いや、内藤に鯖折られた事ではなく、空気がおいしいという意味で。
空気がおいしいのは胸部を、肺を圧迫され呼吸が阻害されていたからだ。
自分の思考に突っ込みいれつつ何故訂正と解説をしてるんだ。
無駄過ぎるがいつも通りの脳みそだ。酸素不足でおかしくはなってない。
( il´_ゝ`)「うげぇえええ、酷ぇ馬鹿力」
( A ;)「お前、が、言うな……」
( ;´_ゝ`)「すまん」
( ^ω^)「やべえ、うっかり肉壁を弱らせちまったお」
おい内藤なんつった。
110:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:37:10 ID:1eULDlhg0
('A`;)「なんだよ、またなんかやらかしたのか?」
( ^ω^)「事故だお」
( ´_ゝ`)「人轢いたの?」
( ^ω^)「ややこしいから兄者は寝てろお」
素直に鬱田のベッドの中に潜った。なんかくさい。
強いて言うならイカ臭い。俺は毛布の上に横になった。
( ^ω^)「僕、あそこのコンビニでバイトしてるお?」
('A`)「昼勤だっけ」
( ^ω^)「そそ」
111:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:37:56 ID:1eULDlhg0
( ^ω^)「まあ仕事乗り換える時期だったし、ほどほどにやってたんだお」
('A`)「仕事を程々にってのがわからない」
鬱田は真面目だなあ。
( ^ω^)「真面目君は相槌打ってろお」
('A`)「はい」
( ^ω^)「それで、表が汚いから掃除してって店長に言われたんだお」
('A`)「うん」
( ^ω^)「掃除してたら、不良が来てわざとゴミをその辺に捨てていったんだお」
('A`)「うへえ、俺なら店の中に逃げるわ」
( ^ω^)「僕はゴミはゴミ箱の中に捨てろと言ったお」
うーん、俺なら無言でそいつらに向かって視線を送り続けるかもしれん。
絡まれて肩パンでもされたら、それを正当防衛にしてしまえばいい。
という思考は俺もDQNの証だろうか。
112:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:42:06 ID:1eULDlhg0
( ^ω^)「そしたらニヤニヤしながら寄ってきて、肩パンされたんだお」
('A`)「かたぱん?」
鬱田は知らないのか。
するよりはされる方だからか?
( ^ω^)「肩を軽く叩いたり、小突いたりすることだお」
('A`)「なる」
( ^ω^)「それで、相手は『何チョーシこいてんのこのデブ』と言ってきて」
('A`)「もう展開読めた」
( ^ω^)「うん、まあ、ゴミを拾って、無理矢理そいつの手に握らせたんだお」
('A`)「読めてなかった」
俺も。
113:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:43:57 ID:1eULDlhg0
( ^ω^)「捨てようとしたから、『あそこのゴミ箱に捨てるまでこうしますお』
って言って、ゴミ握ってる手を上から両手で握り続けたんだお」
('A`)「嫌過ぎる」
( ^ω^)「ちなみにそのゴミは、まだ火の消えてない煙草だったお」
('A`)「熱過ぎる」
( ^ω^)「そしたら足を蹴って来たから僕も脛を蹴り返したんだお」
('A`)「痛過ぎる」
根性焼きと痣を一つずつ追加されたのか。
不運なDQN。因果応報だ。
( ^ω^)「そいつが弟者のグループの奴だったお」
( ´_ゝ`)「おい」
('A`;)「うわ起き上がり早ぇ」
114:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:48:29 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「俺にも関係あるじゃねーか。なんで寝かせるんだ」
( ^ω^)「スイッチが入ったら話が進まんおー」
(;´_ゝ`)「むぅ、正論だ」
('A`)「え? え? それで結局、何がどうなったの?」
( ^ω^)「話し疲れて喉渇いたおー」チラッチラッ
内藤が俺に視線を飛ばしてくる。買って来いってか。面倒くせえ。
( ´_ゝ`)「俺もっかい寝るわ」
( ^ω^) チッ
舌打ちがでかすぎる。
鬱田が委縮してるじゃないか。可哀想に。
('A`;)「ゆず茶しかない……」
115:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:52:51 ID:1eULDlhg0
( ^ω^)「なんという健康的な一般庶民……氷水でいいお」
('A`)「持って来る」
( ^ω^)「ごめんおー、あー僕ってば疲れてるから、
動きたくなくて本当助かったおー」チラッ
なんでそこでまた俺に視線を飛ばしてくるんだ。
ベッド交代しろってか?
押し込んだのは内藤の癖に何考えてんだ。
まあいいや。こっちもふざけてやろう。
( ´_ゝ`)「じゃあ来いよ、ほーら」
( ^ω^)「マジか」
横になって片肘ついて、布団を捲り上げる。
つーかこの残り面積じゃ内藤の巨体は無理だな、うん。
116:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:56:38 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「え?」
しかし、予想に反して内藤はぐいぐい入ってきた。
俺は壁に押しやられる。内藤との距離はもう零だ。なんだこの状況。
壁に背中を向けているので、内藤に向き合う形になる。
つまるところ、内藤の大胸筋を押し付けられる形だ。
( ;´_ゝ`)(^ω^ )
硬い。なんかもう固い。堅くて動かない。
両手で押して、壁も使って踏ん張ってるのにびくともしない。
何これ空間に固定でもされてるの? 能力者なの?
117:名も無きAAのようです:2013/01/07(月) 00:00:52 ID:zfhla4VU0
( ^ω^)「……」
( ´_ゝ`)「……」
( ^ω^)「毒男だと、悲鳴あげて飛び起きたんだお」
( ´_ゝ`)「俺に面白いリアクションを期待するなよ」
飛び起きるも糞も、がっちりホールドされているので動けない。
両腕だけでなく、下半身も両脚でがっちりだ。逃げ場がない。これが地獄か。
耳に息と一緒に「このまま毒男を驚かしてやろうぜ」と吹き込まれる。
キモイからやめろと言ったはずだが。聞いていなかったのか。
てか大胸筋ぴくぴく動かすなキモうぉええええええ。
118:名も無きAAのようです:2013/01/07(月) 00:03:43 ID:zfhla4VU0
その後、氷水を持ってやってきた毒男が、
半狂乱になって俺達にそれをぶっかけた。
『友人とはスリルを共有するものである』という内藤の認識には、
半分同意で半分反対だ。氷水でその頭が冷えた事を願う。
14糸冬
14.タッチアンドゴー トゥ ヘル
(´<_` )「……」
_
( ゚∀゚)「……」
柱|_ゝ`)「……」
愛しの我が家へ通じる道では、何故か野犬と狂犬が睨み合っていた。
縄張り争いだろう。巻き込まれるのは嫌なので、進路変更をする。
日記の回収は後回しだ。怪我をするほうがイクナイ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
('A`)「どうした?」
( ´_ゝ`)「最悪の化学反応が起きそうだったから先に避難してきた」
94:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:20:23 ID:1eULDlhg0
('A`;)「防げないからね? 俺は肉壁にもならないからね?」
( ´_ゝ`)「ああ、万が一の時には喋るミノ虫と思っておくよ」
('A`)「それは比喩表現か? 俺の今の格好そのままの意味か?
前者にしろ後者にしろ、どっちにしても殴っていい?」
珍しく鬱田はやる気だ。布団を脱いで腕まくりまでをしている。筋肉ねえなあ。
だが、この意気には俺も応えてやらねばなるまい。腹を出し、力を込める。
( ´_ゝ`)「来な!」
('A`;)「シャツ捲るなよ、逆に殴りにくいなあ……」
( ´_ゝ`)「なんだ地肌は駄目か、なら服の上からでも
('A`)「うん、なんかもういいや」
いきなりテンションダウンした。
俺もそうだが、こいつにも落差があるような気がする。
95:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:21:25 ID:1eULDlhg0
('A`)「今は特につまむ物もないし、本でも読んでおいて」
( ´_ゝ`)「ラノベばっかじゃねえか」
2mはあろうかという本棚3つ、その全てを埋めるのはライトノベルだ。
この数はちょっと引く。始めて見た時は顔が引き攣るのを止められなかった。
個人的に、まだエロ漫画のほうがマシだと思うのは……。
毒されてはいけない奴に、影響を受けているのかもしれない。
危ない兆候だ。抗わねば。眉毛野郎と同じになってしまう。
('A`)「顔が歪んでるぞ」
( ´_ゝ`)「ぬ、すまん」
('A`)「いやいいけどさ……内藤よりは」
( ´_ゝ`)「ああ」
内藤も、初めて見た時は笑いながら携帯のシャッターを切り続けていたらしい。
部屋スレにうpすると言って鬱田に止められていたが、後日うpされたスレを見つけた。
哀れ鬱田。俺はその後のレスを見て、鬱田に教えるのをやめた。
世の中には、知らないほうが幸せな事が沢山ある。腐るほどある。
96:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:22:17 ID:1eULDlhg0
('A`)「ラノベ持ってねーの?」
( ´_ゝ`)「そういや2、3冊しかないわ」
そもそもラノベ自体にあまり興味がない。持ってるのは中古10円の購入品だ。
何回か熱烈に進められて読んだもの全てがつまらなかったからかもしれない。
しつこいくらいの勧誘で、『貸してやる』のではなく『買え』とまで言われた。
一応は小説なので、気軽に立ち読みできるものではない。俺は素直に買った。
目の前で読めと言われ、そいつの前に座って読んだ。熟読した。鼻息がうるさかった。
(*@∀@)『どう? どう!?』
糞がつくほどにつまらなかった上に、ヒロインの性格が俺の嫌いなタカビー女だった。
目の前の奴は腋臭だった。地獄だった。思い出すと腸が煮える思い出の一つだ。
最後の勧誘では、勧められて自分で買った本を真っ二つに裂いて、顔面にぶつけてやった。
が、どうせなら膝でも入れるべきだった。言葉で反省しない奴は物理的にやるしかない。
97:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:23:07 ID:1eULDlhg0
そして俺は、ラノベとそいつが嫌いに……いや、感情で結論を出すのは駄目だな。
あの腋臭野郎は嫌いになった。カツアゲされるのを見かけても助けないくらいには。
ラノベは嫌いではないが、少なくともホラーとか推理とかSFとか妖怪話の方が好きだ。
別に文学()がどうのと偉そうに御口舌を垂れる気はない。
ただ好みのものにその枠内で当たらなかったと言うだけで。
('A`)「何冊か貸そうか?」
( ´_ゝ`)「ホラーとかSFとかある?」
('A`;)「うーん俺の棚には無いなあ」
( ´_ゝ`)「妖怪とか」
('A`)「……ハーレムものなら」
( ;´_ゝ)「ごめん」
('A`;)「俺も悪かった」
98:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:23:48 ID:1eULDlhg0
まあ、好みの相違は仕方ない。人は千差万別だ。話題を変える。
( ´_ゝ`)「内藤が前に来た時はどうしてた?」
('A`)「なんか、『うっはwww何これマジキ……ワロスwww』とか言いながら、
俺の棚をハイテンションで写メりまくってたよ。色んな角度から」
( ´_ゝ`)「あれ? それって最初の時だよな? それから来てないの?」
('A`)「俺が遊びに行く方が多いよ」
( ´_ゝ`)「へー」
内藤の事だから、好きに暴れられる他人の部屋で過ごしてるかと。
ううむ、この時点で俺自身の内藤への評価が透けて見えるな。
ピピピッ
('A`)「お、噂をすればなんとやらだ。内藤が遊びに来てもいいかって」
( ´_ゝ`)「おーいいじゃん、来いよ来いよ」
99:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:24:41 ID:1eULDlhg0
鬱田の「でも嫌な予感しかしねー……」との呟きには反応しない。
俺は時間を潰せればそれでいいので、いざとなったら逃げよう。
逃走経路を確認しに、窓際へ寄る。うーん、2階って高い。
ベランダの手摺りにぶら下がってから落ちれば行けるかな?
('A`)「兄者、ベランダには何もないぞ」
( ´_ゝ`)「いやー割と高いなーと思って」
('A`)「昼飯喰わせてやるよ」
(*´_ゝ`)「わーい」
こっちの意図をすぐさま察して来た。
鬱田は将来いいカウンセラーか詐欺師になれる。
100:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:25:22 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「何時くらいに来るって?」
('A`)「今聞くー」
チャッチャカチャラララ チャッチャ♪
('A`)「笑天のテーマ……」
( ´_ゝ`)「あ、俺の携帯だわ」
メールには、『毒男の家に遊びに行くからお前も来い』とある。
『もういる』とだけ打って、鬱田の写メを一緒に添付し返信した。
他意はない。内藤のフォトショの玩具にされるだけだ。
('A`;)「おいなんで今撮った」
( ´_ゝ`)「本人の家にいるという証明」
101:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:26:08 ID:1eULDlhg0
その後、子泣き爺と合成された鬱田の画像が本人の携帯へ。
(;゚‥゚):'*~「ブッフォ」
( ;´_ゝ`)「汚っ!」
それを見た鬱田は、インスタントラーメンの麺を鼻から吹き出した。
内藤がいれば嬉々として撮影しただろう。
俺はそんな鬼畜ではない。録画はしたいが。
('A`il)「これさっき兄者が撮った奴だよな?」
( ´_ゝ`)「だろな。相変わらずすげースピード編集」
102:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:27:01 ID:1eULDlhg0
そして、俺には”チャリで来た”の画像と合成された俺と糞野郎の画像が来た。
仲良くハイタッチまでしている改変付きだ。時間と技術の無駄遣いにも程がある。
( ´_ゝ`)「よし、シメよう」
俺の後ろで笑いをこらえてる奴も、ついでにシメとこう。
:('*`):「……プッ………プフッ…………ブッフッ」
( ´_ゝ`)「なあ鬱田。俺はいきなりお前と腕相撲がしたくなってきた」
('A`;)「や、やめろよ! 内藤とやれよ!」
( ´_ゝ`)「あれには勝てる気がしない」
('A`)「内藤の腕とか俺の倍だもんな」
( ´_ゝ`)「俺の2倍、お前と比較したら3倍だな」
103:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:27:51 ID:1eULDlhg0
そういや最近SEに就職した先輩も、ムキムキボディビルダーな体だった。
なんだろう、理系のスポーツマンでも流行り始めてるんだろうか。
('A`)「どうだろ、底辺IT土方なんて頭脳と体力勝負なとこがあるから、
結局みんな筋肉つけないとやっていけないのかもしれないな」
( ´_ゝ`)「見せ筋つけてどうすんだよ」
('A`)「暴漢対策?」
( ´_ゝ`)「相手は何目的で襲うんだ、一体」
('A`)「お前の弟みたいなDQNが金を毟りに」
( ´_ゝ`)「ああ」
正解なんて求めてない、くっだらない会話を交わしつつ内藤を待つ。
時計を見ると、最初のメールからもう3時間は過ぎている。
104:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:30:01 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「遅くね?」
('A`)「だなー、見て来るから付いてきてくれよ」
( ´_ゝ`)「えー?」
('A`)「土日になると道の河原の近くにDQNが湧くんだよ。
お前ピアス空けてるから、同類と思われて素通りできそうだし」
寛大な俺は後半を聞き流してやる。
( ´_ゝ`)「夏場、河原に湧いてバーベキューをしてよく流されているのは、
DQNの亜種であるBQNだ。読みはバキュン。確かそう書いてあった」
('A`)「マジか、いつの間にかそんな区分けが……」
( ´_ゝ`)「あんまり認知されてないけどな」
靴を履いて、ドアを開けた。
ガチャッ
105:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:30:42 ID:1eULDlhg0
∧_∧。 /⌒ヽ
( ´_ゝ) (^ω^ )
∧_∧。 /⌒ヽ
( ´_ゝ) (^ω^ )<ハロー
∧_∧。 /⌒ヽ
( ´_ゝ)'A)゙ (^ω^ )
∧_∧。 ||
( ´_ゝ)( 'A)ノ|| パタン
俺の前に出て来た鬱田が、無言でドアを閉めた。
内藤はいつからあそこで待機していたのだろう。
106:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:31:23 ID:1eULDlhg0
('A`)「俺らなんか聞かれてヤバイこと言ってたっけ?」
( ´_ゝ`)「言ってない言ってない。むしろ筋肉褒めてたじゃん」
('A`)「だよな。あとはお前が内藤をシmむんぐぐぐぐ!」
アイアンクローで鬱田の口を強制的にミッフィーにする。許せ。
糞野郎に実行したら、手の平を舐められるという最悪の対抗法に出たので、
この技は主に黙らせたいDQNと鬱田にしか出したことはない。
( ´_ゝ`)「よし、俺達はお前を褒めてただけだからな!」
自分に言い聞かせるようにして、ドアを開け放つ。
向こうにはいつもニコニコ笑顔の内藤がいた。広げた両腕が不穏過ぎる。
107:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:33:15 ID:1eULDlhg0
( ^ω^)「僕をシメるって聞こえたお?」
( ;´_ゝ`)「お前いつから聞いてて……」
あれを言ったのはメールが来た直後だ、それから2時間は経っている。
2時間も待っていた? いや、それよりはこの部屋に盗聴器があるという可能性が
( ^ω^)「シ・メ・る って聞こえたぉお~?」
(;´_ゝ`)「ぎゃー!」
広げた両腕がクワガタよろしく迫ってきて捕まえられた。
そのまま力を入れてミシミシと鯖折りをかけられる。
鯖は好きだが鯖折りは勘弁だ。肋骨と背骨がいだだだだだ!
108:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:34:21 ID:1eULDlhg0
_, 、_
( ^ω^)「毒男を放すお、メッ」
( ; _ゝ )「む゙、無理……ゲホッ」
苦しくて、逆に手に変な力が入っている。
このままだと窒息するんじゃないか。鬱田が。その次に俺が。
(;屮)「むごごごご!!」
( ^ω^)「おーい鬱田が死ぬお」
( ; _ゝ )「いやマジ俺も死ぬ」
( ^ω^)「手を放せってお」
( ; _ゝ )「変に力が入ってて無理……ゲッホ!」
( ^ω^)「む、すまんお」
パッ
109:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:35:20 ID:1eULDlhg0
ようやく解放される。鬱田も俺から解放される。
気分がいい。いや、内藤に鯖折られた事ではなく、空気がおいしいという意味で。
空気がおいしいのは胸部を、肺を圧迫され呼吸が阻害されていたからだ。
自分の思考に突っ込みいれつつ何故訂正と解説をしてるんだ。
無駄過ぎるがいつも通りの脳みそだ。酸素不足でおかしくはなってない。
( il´_ゝ`)「うげぇえええ、酷ぇ馬鹿力」
( A ;)「お前、が、言うな……」
( ;´_ゝ`)「すまん」
( ^ω^)「やべえ、うっかり肉壁を弱らせちまったお」
おい内藤なんつった。
110:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:37:10 ID:1eULDlhg0
('A`;)「なんだよ、またなんかやらかしたのか?」
( ^ω^)「事故だお」
( ´_ゝ`)「人轢いたの?」
( ^ω^)「ややこしいから兄者は寝てろお」
素直に鬱田のベッドの中に潜った。なんかくさい。
強いて言うならイカ臭い。俺は毛布の上に横になった。
( ^ω^)「僕、あそこのコンビニでバイトしてるお?」
('A`)「昼勤だっけ」
( ^ω^)「そそ」
111:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:37:56 ID:1eULDlhg0
( ^ω^)「まあ仕事乗り換える時期だったし、ほどほどにやってたんだお」
('A`)「仕事を程々にってのがわからない」
鬱田は真面目だなあ。
( ^ω^)「真面目君は相槌打ってろお」
('A`)「はい」
( ^ω^)「それで、表が汚いから掃除してって店長に言われたんだお」
('A`)「うん」
( ^ω^)「掃除してたら、不良が来てわざとゴミをその辺に捨てていったんだお」
('A`)「うへえ、俺なら店の中に逃げるわ」
( ^ω^)「僕はゴミはゴミ箱の中に捨てろと言ったお」
うーん、俺なら無言でそいつらに向かって視線を送り続けるかもしれん。
絡まれて肩パンでもされたら、それを正当防衛にしてしまえばいい。
という思考は俺もDQNの証だろうか。
112:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:42:06 ID:1eULDlhg0
( ^ω^)「そしたらニヤニヤしながら寄ってきて、肩パンされたんだお」
('A`)「かたぱん?」
鬱田は知らないのか。
するよりはされる方だからか?
( ^ω^)「肩を軽く叩いたり、小突いたりすることだお」
('A`)「なる」
( ^ω^)「それで、相手は『何チョーシこいてんのこのデブ』と言ってきて」
('A`)「もう展開読めた」
( ^ω^)「うん、まあ、ゴミを拾って、無理矢理そいつの手に握らせたんだお」
('A`)「読めてなかった」
俺も。
113:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:43:57 ID:1eULDlhg0
( ^ω^)「捨てようとしたから、『あそこのゴミ箱に捨てるまでこうしますお』
って言って、ゴミ握ってる手を上から両手で握り続けたんだお」
('A`)「嫌過ぎる」
( ^ω^)「ちなみにそのゴミは、まだ火の消えてない煙草だったお」
('A`)「熱過ぎる」
( ^ω^)「そしたら足を蹴って来たから僕も脛を蹴り返したんだお」
('A`)「痛過ぎる」
根性焼きと痣を一つずつ追加されたのか。
不運なDQN。因果応報だ。
( ^ω^)「そいつが弟者のグループの奴だったお」
( ´_ゝ`)「おい」
('A`;)「うわ起き上がり早ぇ」
114:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:48:29 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「俺にも関係あるじゃねーか。なんで寝かせるんだ」
( ^ω^)「スイッチが入ったら話が進まんおー」
(;´_ゝ`)「むぅ、正論だ」
('A`)「え? え? それで結局、何がどうなったの?」
( ^ω^)「話し疲れて喉渇いたおー」チラッチラッ
内藤が俺に視線を飛ばしてくる。買って来いってか。面倒くせえ。
( ´_ゝ`)「俺もっかい寝るわ」
( ^ω^) チッ
舌打ちがでかすぎる。
鬱田が委縮してるじゃないか。可哀想に。
('A`;)「ゆず茶しかない……」
115:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:52:51 ID:1eULDlhg0
( ^ω^)「なんという健康的な一般庶民……氷水でいいお」
('A`)「持って来る」
( ^ω^)「ごめんおー、あー僕ってば疲れてるから、
動きたくなくて本当助かったおー」チラッ
なんでそこでまた俺に視線を飛ばしてくるんだ。
ベッド交代しろってか?
押し込んだのは内藤の癖に何考えてんだ。
まあいいや。こっちもふざけてやろう。
( ´_ゝ`)「じゃあ来いよ、ほーら」
( ^ω^)「マジか」
横になって片肘ついて、布団を捲り上げる。
つーかこの残り面積じゃ内藤の巨体は無理だな、うん。
116:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 23:56:38 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「え?」
しかし、予想に反して内藤はぐいぐい入ってきた。
俺は壁に押しやられる。内藤との距離はもう零だ。なんだこの状況。
壁に背中を向けているので、内藤に向き合う形になる。
つまるところ、内藤の大胸筋を押し付けられる形だ。
( ;´_ゝ`)(^ω^ )
硬い。なんかもう固い。堅くて動かない。
両手で押して、壁も使って踏ん張ってるのにびくともしない。
何これ空間に固定でもされてるの? 能力者なの?
117:名も無きAAのようです:2013/01/07(月) 00:00:52 ID:zfhla4VU0
( ^ω^)「……」
( ´_ゝ`)「……」
( ^ω^)「毒男だと、悲鳴あげて飛び起きたんだお」
( ´_ゝ`)「俺に面白いリアクションを期待するなよ」
飛び起きるも糞も、がっちりホールドされているので動けない。
両腕だけでなく、下半身も両脚でがっちりだ。逃げ場がない。これが地獄か。
耳に息と一緒に「このまま毒男を驚かしてやろうぜ」と吹き込まれる。
キモイからやめろと言ったはずだが。聞いていなかったのか。
てか大胸筋ぴくぴく動かすなキモうぉええええええ。
118:名も無きAAのようです:2013/01/07(月) 00:03:43 ID:zfhla4VU0
その後、氷水を持ってやってきた毒男が、
半狂乱になって俺達にそれをぶっかけた。
『友人とはスリルを共有するものである』という内藤の認識には、
半分同意で半分反対だ。氷水でその頭が冷えた事を願う。
14糸冬
79:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:07:40 ID:1eULDlhg0
13.かみさまこ○す >>13通報しました
(゚<_゚; )「笑い過ぎだろ!!」
ξ*;∀;)ξ「あ、兄者もそんな可愛い包丁で何しようとしてたの?」
( ´_ゝ`)「本当はちゃんとした包丁持って来るはずだったのに、
そこのおたま持ってる奴にこれ持たされたんだ」
ξ*;∀;)ξ ヒー ヒー
(´<_`# )「くっそー! なんでそんな笑うんだよ! 大体さあ……
母と弟が団欒する中で、何か違和感を覚える。
この安全包丁でも、思い切り刺して捩じれば人は死ぬだろう。
弟は今、油断している。母と話している。自分を視界には入れていない。
80:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:09:58 ID:1eULDlhg0
背中を向けている。
背中がガラ空きになっている。
今なら殺せる。
簡単に殺せる。
殺れる。
殺す。
刺し殺す。
ξ*゚⊿゚)ξ「その臆病なとこって誰に似たのかしらねー」
(´<_`; )「だから怖くねーって!」
体温が上がる。
頭が熱くなる。
心臓の動悸が早まる。
それと同時に、母はこんな奴でも悲しむのではないだろうかと考えた。
考えただけで、母への心配は伴っていない。なんて糞野郎だ自分は。
81:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:12:03 ID:1eULDlhg0
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、今から2階の隠し仏壇に千円札仕込むわ。
一人で行って、無事に持って帰って来れたらあんたのものよ」
(´<_` )「万札でも無理」
ξ*゚∀゚)ξ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(´<_`; )「笑うなってば……」
ξ;* ∀ )ξ「――wwwwwwwwwウェヒッ、ゲホガホウェッホ!」
(´<_`; )「ちょっ、もう笑いやめろって危ねえ!」
( ´_ゝ`)「……」
二人はまだ会話に花が咲いている。というか弟が一方的に笑われている。
邪魔すべきじゃないだろう。俺は荷物を一つ持って居間に行く。
82:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:15:18 ID:1eULDlhg0
さっき湧いたのは、いつも通りの紛れもない殺意だ。
それと同時に、あそこに加わりたいとも思った。
いつもは、痛めつけたい苦しめたい殺したい攻撃的な自分が大半を占める。
その自分を、どこか別の場所から諌める小さな思考もある。
自分はあいつをどうしたいんだ? 殺したいに決まってる。本当に?
諌める思考はどこから来る? 何からそれは発生している?
自分の世間体か、恩人である母を守ろうとする意識からか?
何でこんなに殺したいのかはわからない。きっと生まれた時からに違いない。
弟は、俺が母の腹の中から出る時、俺に蹴られまくって命が少しヤバかったそうだ。
そのまま殺しきれなかった過去の自分を、どれほど恨んで後悔したかは数え切れない。
何回頭を沸騰させ腸を煮立たせ心臓が破裂するかのような動悸に襲われたかわからない。
( li´_ゝ`)「う……なんか気持ち悪……」
乱暴に荷物を置き、精神的にも物理的にも込み上げて来た何かを抑える。
今までの記憶と、たった今の感情に翻弄される。今日は悪夢を見そうだ。
薬を飲むべきだろうか。変な行動に出ないだろうか。今日は襲いに来ないだろうか。
そういやあいつの盗癖は病気だったんだっけか。
俺のこれも病気って事になってくれないだろうか。
どこに行けば適当な病名をつけてくれるんだ。
83:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:17:14 ID:1eULDlhg0
弟が憎い理由なんていくつでも挙げられるが、強いて言うなら生理的嫌悪感だ。
女性がよく使う「生理的に無理です」とか言うアレなのだ。多分。きっと。おそらく。
あれは近寄ってほしくないという感情と軽蔑が強いと聞いたことがある。
聞いたことがあるだけで感じた事はない。女性ではないからな。
自分のこれは、それを何倍にも何百倍にも何億倍にもしたものに近いはずだ。
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ
そうでなきゃ、血が滲むまでこの殺意を我慢するのも、どうやって説明したらいいんだ。
自分の体中を掻き毟って殺意を押し込めて流した血は何の役にも立たなかったんだ。
殺すのは邪魔だからであって俺の人生の障害になるからであって嫌いだからだ。
深い意味も碌に理由も特別な意図も運命的な何かも何もなくて本当にただ憎いんだ。
殺さなければ刺し殺される。いつも常備しているナイフはそういう意図で間違いないんだ。
何で殺すのは駄目なんだ何であれと一緒に産んだんだ何で一緒に生まれてきたんだ。
あいつは離れても阿呆みたいに追ってくるし、縛り上げても殺したい程に鬱陶しいのだ。
ああ神様仏様なんとか様、誰でもいいからあいつを殺して、同じ空気を吸いたくない。
俺の方が悪人だって言うなら俺の方を殺してもいいから。何であいつは生きてるんだ。
ああ、なんであいつは生きてるんだ殺しちゃ駄目なんだ何が俺を邪魔してるんだ。
何もかもが俺の邪魔をするなら全員殺してあいつも殺してそれから俺は、どう、すれば
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガ
84:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:21:12 ID:1eULDlhg0
思考が暴走する。
達成したら何もかもを忘れて平和に暮らせばいいのだ。
頭を掻こうとして、その前に冷たさと熱が首に走る。
それが最良の人生だ。
手に持った安全包丁を忘れていた。皮一枚いったらしい。
それが一番だ。
他にも、右の二の腕が痛い。捲ると、皮が剥けていた。
無意識に服の上から掻き毟っていたらしい。
左手人差し指の爪も剥がれかけて、血が流れている。
心臓の鼓動が酷い。頭に響く。
傷の痛みが心音と同化する。
85:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:24:03 ID:1eULDlhg0
( ; _ゝ )「はぁ、はー、はー……」
お陰で落ち着けた。自分自身のでかい声はもう頭の中で反響しない。
相変わらず心臓は酷くうるさいが、仕方ない。
襟元を見ると、首からの血で染まった襟が見える。
二の腕からも少しずつ血が滲んできた。血の臭いが鼻につく。
この状態に凶器は危険だ。乱暴だが、安全包丁をシンクのほうへ投げ入れる。
それぞれの傷の痛みを感じないということは、自分は今それなりにマズいらしい。
弟と顔を合わせるのも危険だろう。
いや、いいんじゃないか? むしろ痛みを感じない今はチャンスだ。
殺すのは、母もいるし、自分の世間体も危険だ。
きちがいのフリを大道で演じれば大丈夫だ。今ならいける。
家族は悲しませるものではないと知っている。母は家族なのだ。
あいつも家族だが、ただのクソだ。
こんな自分にも頑張って接してくれ、過去の事を謝ってくれた人なのだ。
ああ、そうか。自分自身の為にも我慢したほうがいいのか。
だから今は我慢する。体を突き動かす衝動は大分緩和された。
次にしよう。次に隙を見せたらきちんと殺ろう。
自分自身の思考は、凶器を手放した辺りから聞こえなくなった。もう大丈夫だ。
( ´_ゝ`)「はーあ……厨二病乙…………ラ・ヨダソウスティアーナ」
右手でエア携帯を取って遊ぶ。ふざけでもしないと気が紛らわせない。
今日はもう自分の部屋に行って寝てしまおう。寝ればなんとなかなる。
86:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:25:33 ID:1eULDlhg0
不貞寝だなんだと言われようが、自分にはこれが一番いい。
不安定な時に行動すると、何をしてしまうかわからない。
玄関から二人の声がまだするのを確認して、自分の部屋に入った。
鍵は母からの命令で、付けるなと言われている。
なので、代わりにバリケードを作った。
血に浸食されたシャツは、こういう柄なのだと言い張る事にする。
首には取りあえずな程度の応急処置、包帯で軽く巻くだけにする。
悪夢と仲良く添い寝はしたくないので、頭の中のモノを全部日記にぶち撒ける。
そろそろ2冊目が必要だろうか。今度医者に行ったついでに買おう。
頭の中を文字にして吐き出すと大分落ち着いた。
二人の声はいつの間にか居間に移動している。
バリケードに気付かれる前に睡眠薬を飲んで眠ってしまおう。
( ´_ゝ`)「……おやすみ」
87:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:26:30 ID:1eULDlhg0
寝間着に着換えてベッドに飛び込むと、柔らかい毛布が自分を癒す。
そのまま顔を擦り付ける。ずっとこうしていたい。ああ落ち着く。
もう毛布と結婚したい。このまま餓死できそうな気分になる。
俺をドリームランドに連れてってくれベッドちゃん。
落ち着いている時は、思考も体も酷く落ち着いている。
この心の平穏がずっと続いてほしいくらいに。
──────────v√L/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そうだ、平穏が欲しいのだ。だから自分はあいつを殺
13糸冬
13.かみさまこ○す >>13通報しました
(゚<_゚; )「笑い過ぎだろ!!」
ξ*;∀;)ξ「あ、兄者もそんな可愛い包丁で何しようとしてたの?」
( ´_ゝ`)「本当はちゃんとした包丁持って来るはずだったのに、
そこのおたま持ってる奴にこれ持たされたんだ」
ξ*;∀;)ξ ヒー ヒー
(´<_`# )「くっそー! なんでそんな笑うんだよ! 大体さあ……
母と弟が団欒する中で、何か違和感を覚える。
この安全包丁でも、思い切り刺して捩じれば人は死ぬだろう。
弟は今、油断している。母と話している。自分を視界には入れていない。
80:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:09:58 ID:1eULDlhg0
背中を向けている。
背中がガラ空きになっている。
今なら殺せる。
簡単に殺せる。
殺れる。
殺す。
刺し殺す。
ξ*゚⊿゚)ξ「その臆病なとこって誰に似たのかしらねー」
(´<_`; )「だから怖くねーって!」
体温が上がる。
頭が熱くなる。
心臓の動悸が早まる。
それと同時に、母はこんな奴でも悲しむのではないだろうかと考えた。
考えただけで、母への心配は伴っていない。なんて糞野郎だ自分は。
81:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:12:03 ID:1eULDlhg0
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、今から2階の隠し仏壇に千円札仕込むわ。
一人で行って、無事に持って帰って来れたらあんたのものよ」
(´<_` )「万札でも無理」
ξ*゚∀゚)ξ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(´<_`; )「笑うなってば……」
ξ;* ∀ )ξ「――wwwwwwwwwウェヒッ、ゲホガホウェッホ!」
(´<_`; )「ちょっ、もう笑いやめろって危ねえ!」
( ´_ゝ`)「……」
二人はまだ会話に花が咲いている。というか弟が一方的に笑われている。
邪魔すべきじゃないだろう。俺は荷物を一つ持って居間に行く。
82:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:15:18 ID:1eULDlhg0
さっき湧いたのは、いつも通りの紛れもない殺意だ。
それと同時に、あそこに加わりたいとも思った。
いつもは、痛めつけたい苦しめたい殺したい攻撃的な自分が大半を占める。
その自分を、どこか別の場所から諌める小さな思考もある。
自分はあいつをどうしたいんだ? 殺したいに決まってる。本当に?
諌める思考はどこから来る? 何からそれは発生している?
自分の世間体か、恩人である母を守ろうとする意識からか?
何でこんなに殺したいのかはわからない。きっと生まれた時からに違いない。
弟は、俺が母の腹の中から出る時、俺に蹴られまくって命が少しヤバかったそうだ。
そのまま殺しきれなかった過去の自分を、どれほど恨んで後悔したかは数え切れない。
何回頭を沸騰させ腸を煮立たせ心臓が破裂するかのような動悸に襲われたかわからない。
( li´_ゝ`)「う……なんか気持ち悪……」
乱暴に荷物を置き、精神的にも物理的にも込み上げて来た何かを抑える。
今までの記憶と、たった今の感情に翻弄される。今日は悪夢を見そうだ。
薬を飲むべきだろうか。変な行動に出ないだろうか。今日は襲いに来ないだろうか。
そういやあいつの盗癖は病気だったんだっけか。
俺のこれも病気って事になってくれないだろうか。
どこに行けば適当な病名をつけてくれるんだ。
83:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:17:14 ID:1eULDlhg0
弟が憎い理由なんていくつでも挙げられるが、強いて言うなら生理的嫌悪感だ。
女性がよく使う「生理的に無理です」とか言うアレなのだ。多分。きっと。おそらく。
あれは近寄ってほしくないという感情と軽蔑が強いと聞いたことがある。
聞いたことがあるだけで感じた事はない。女性ではないからな。
自分のこれは、それを何倍にも何百倍にも何億倍にもしたものに近いはずだ。
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ
そうでなきゃ、血が滲むまでこの殺意を我慢するのも、どうやって説明したらいいんだ。
自分の体中を掻き毟って殺意を押し込めて流した血は何の役にも立たなかったんだ。
殺すのは邪魔だからであって俺の人生の障害になるからであって嫌いだからだ。
深い意味も碌に理由も特別な意図も運命的な何かも何もなくて本当にただ憎いんだ。
殺さなければ刺し殺される。いつも常備しているナイフはそういう意図で間違いないんだ。
何で殺すのは駄目なんだ何であれと一緒に産んだんだ何で一緒に生まれてきたんだ。
あいつは離れても阿呆みたいに追ってくるし、縛り上げても殺したい程に鬱陶しいのだ。
ああ神様仏様なんとか様、誰でもいいからあいつを殺して、同じ空気を吸いたくない。
俺の方が悪人だって言うなら俺の方を殺してもいいから。何であいつは生きてるんだ。
ああ、なんであいつは生きてるんだ殺しちゃ駄目なんだ何が俺を邪魔してるんだ。
何もかもが俺の邪魔をするなら全員殺してあいつも殺してそれから俺は、どう、すれば
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガ
84:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:21:12 ID:1eULDlhg0
思考が暴走する。
達成したら何もかもを忘れて平和に暮らせばいいのだ。
頭を掻こうとして、その前に冷たさと熱が首に走る。
それが最良の人生だ。
手に持った安全包丁を忘れていた。皮一枚いったらしい。
それが一番だ。
他にも、右の二の腕が痛い。捲ると、皮が剥けていた。
無意識に服の上から掻き毟っていたらしい。
左手人差し指の爪も剥がれかけて、血が流れている。
心臓の鼓動が酷い。頭に響く。
傷の痛みが心音と同化する。
85:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:24:03 ID:1eULDlhg0
( ; _ゝ )「はぁ、はー、はー……」
お陰で落ち着けた。自分自身のでかい声はもう頭の中で反響しない。
相変わらず心臓は酷くうるさいが、仕方ない。
襟元を見ると、首からの血で染まった襟が見える。
二の腕からも少しずつ血が滲んできた。血の臭いが鼻につく。
この状態に凶器は危険だ。乱暴だが、安全包丁をシンクのほうへ投げ入れる。
それぞれの傷の痛みを感じないということは、自分は今それなりにマズいらしい。
弟と顔を合わせるのも危険だろう。
いや、いいんじゃないか? むしろ痛みを感じない今はチャンスだ。
殺すのは、母もいるし、自分の世間体も危険だ。
きちがいのフリを大道で演じれば大丈夫だ。今ならいける。
家族は悲しませるものではないと知っている。母は家族なのだ。
あいつも家族だが、ただのクソだ。
こんな自分にも頑張って接してくれ、過去の事を謝ってくれた人なのだ。
ああ、そうか。自分自身の為にも我慢したほうがいいのか。
だから今は我慢する。体を突き動かす衝動は大分緩和された。
次にしよう。次に隙を見せたらきちんと殺ろう。
自分自身の思考は、凶器を手放した辺りから聞こえなくなった。もう大丈夫だ。
( ´_ゝ`)「はーあ……厨二病乙…………ラ・ヨダソウスティアーナ」
右手でエア携帯を取って遊ぶ。ふざけでもしないと気が紛らわせない。
今日はもう自分の部屋に行って寝てしまおう。寝ればなんとなかなる。
86:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:25:33 ID:1eULDlhg0
不貞寝だなんだと言われようが、自分にはこれが一番いい。
不安定な時に行動すると、何をしてしまうかわからない。
玄関から二人の声がまだするのを確認して、自分の部屋に入った。
鍵は母からの命令で、付けるなと言われている。
なので、代わりにバリケードを作った。
血に浸食されたシャツは、こういう柄なのだと言い張る事にする。
首には取りあえずな程度の応急処置、包帯で軽く巻くだけにする。
悪夢と仲良く添い寝はしたくないので、頭の中のモノを全部日記にぶち撒ける。
そろそろ2冊目が必要だろうか。今度医者に行ったついでに買おう。
頭の中を文字にして吐き出すと大分落ち着いた。
二人の声はいつの間にか居間に移動している。
バリケードに気付かれる前に睡眠薬を飲んで眠ってしまおう。
( ´_ゝ`)「……おやすみ」
87:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:26:30 ID:1eULDlhg0
寝間着に着換えてベッドに飛び込むと、柔らかい毛布が自分を癒す。
そのまま顔を擦り付ける。ずっとこうしていたい。ああ落ち着く。
もう毛布と結婚したい。このまま餓死できそうな気分になる。
俺をドリームランドに連れてってくれベッドちゃん。
落ち着いている時は、思考も体も酷く落ち着いている。
この心の平穏がずっと続いてほしいくらいに。
──────────v√L/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そうだ、平穏が欲しいのだ。だから自分はあいつを殺
13糸冬
56:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:26:12 ID:1eULDlhg0
12.リアクション芸人ではなく警察をお願いします
雨の日だ。特に何もない。無さ過ぎる豪雨の日だ。
親父の浮気が発覚して、両親が離婚して、と色々あった。
県外の大学に行ってたら、津波で大変な事になったりもした。
今はほぼ落ち着いている。母はまだ適応障害らしいが。
( ´_ゝ`)「フンフフーン」
そんな中、慰めにと片親同士で集まって久々に夜通し遊んだ。健全に。
ついでに女友達に「ピアス穴開けたの? お古だからあげるよ」だなんて言われ、
ケーキを対価にもらったピアスを穴に嵌めて、洗面鏡を見る。嵌めるに卑猥な意味はない。
強制的に開けられた穴とはいえ、あるものは使わねば勿体無い。
しかしあれだな、ケーキを渋るだなんて珍しい。焼き肉のほうがよかったか。
ま、本当にユーズド品だから対価なんていらなかったのかもしれない。
( ´_ゝ`)「うーん、どうなんだろう」
センスなんて母親の腹の中に置いて来た俺が見ても、合ってるのかどうかわからない。
女友達の審美眼を確かとすべきか、他のセンスある友人に相談すべきか。
いや待てよ、俺にセンスある友人なんていたっけ? センス()しかない奴らばっかりな気が。
57:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:27:39 ID:1eULDlhg0
ガチャッ
(´<_` )「あれ? 何してんだよ珍しい。洒落っ気でも出たのか? 女か?」
( ´_ゝ`)「……もう少し早く来れば、母さんの着替えとバッティングしたのにな。
精々トイレの汚物を見るような視線と壮絶な舌打ちを食らうがいい」
(´<_`; )「なんだよ、俺はただ風呂に入りに来たんだよ。寝起きに喧嘩はやめろ」
( ´_ゝ`)「風呂は使わせないぞ、この性病野郎が。入る前にもげよ」
(´<_`# )「どこをだよ! 分かるけど! もう治ったっつの! 二人ともしつけーな!」
( ´,_ゝ`)「って事は、罹ってたのか。きったねぇ野郎だなあオイ?」
(´<_`# )「んなに気にいらねーなら、シャワーだけにしとくっつの」
( #´_ゝ`)「当たり前だそんな事。誰が性病媒介の残り湯に浸かりたがるんだ」
(´<_` )「あーハイハイじゃあね、シャワー浴びますよっと」
( ´_ゝ`)「足滑らせて溺死しろ」
(´<_` )「は? 出来杉?」
( ´_ゝ`)「幼稚園から”こくご”をやり直せ」
58:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:29:47 ID:1eULDlhg0
(´<_`# )「やる気なのか? 受けて立つぞこのクズ野郎!
お前に売る気がなくても無理矢理買うぞ!」
( #´_ゝ`)「いいよやってやるよ? その汚ぇモン蹴り潰してやるよ」
( <_ # )「……!」
性器にのみ被爆する放射能を撒き散らす阿呆は、拳を握り締め唸り声をあげる。
自分の体を見下ろし、意外にもそのまま方向転換した。向こうは風呂だ。
( ´_ゝ) (( ( #´)|扉|
バサッバサッ ガラッ バン!
乱暴に服を脱ぎ捨てて風呂場に入って行く。洗濯籠にはシュートされていない。
にしてもいつの間にヘソピアス開けたんだ。全身ピアスまみれになるつもりか。
たまに全身に数百個のピアスを云々なんて人物の写真が出るが、ただキモいだけだ。
弱点が増えたと思えばそれでいいか、今度取っ組み合いになったら引き千切ってやろう。
わざわざ喧嘩の時に攻めれる箇所を増やす奴が悪い。存分に利用してやる。
59:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:30:59 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「んー、にしても少し不安だな……」
俺がここを離れた隙に、湯船に浸かったりしないだろうか。
同性であれ異性であれ、入浴を邪魔しないという常識くらいわかる。
例えそれが糞野郎でも実行しない。俺がされると嫌だからだ。時と場合によるが。
確かめるのに突入しようにも、シャワーの湯をぶっかけられそうだ。
( ´_ゝ`)「あれ、もしかして体にかかった水が湯船に入ったりしてる?」
擦りガラス越しだと飛沫までは見えない。ただ、あのバカの立ってる位置がやばい。
シャワーから落ちた湯がそのまま体を伝って、湯船に落ちる位置だ。なんとかしなければ。
だが入れない。これは誘き出さねばなるまい。どうやって?
名前を呼ぶ。却下。今洗面所から追い出したのに何やってんだ。
電灯を高速でスイッチON,OFF繰り返す。電気の無駄。
これだけだと意地になって無視もされそうだ。じゃあどうする。
60:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:32:36 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「そうだ、歌おう」
突拍子もない解答が俺の脳裏に閃く。閃きの電球が頭上に現れ爆発、四散した。
正直、何も考えていない。飛び散った電球の欠片がダイヤモンドダストのようだ。
ただ、全力で歌いながら電灯ON,OFFって、割かしウザいんじゃないか。そんだけ。
(*´_ゝ`)「よぉし! じゃあ歌おう!」
カチカチと携帯で歌詞検索する。歌詞なんて好きな歌でも覚えていない。
覚えれないというのが本音だが。
( ´_ゝ`)「おっ、これでいいか」
よく動画系サイトで運営との戦いになるコ○ロオ○ルが出た。
英語2の実力だが、聞かせる相手が弟だしその辺はどうでもいい。あいつ1だし。
左手に歌詞セット、電源の上に右手をセット。完璧だ。
体でリズムを取りながらスイッチをバッチンバッチンしてやろう。
61:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:33:34 ID:1eULDlhg0
(*´_ゝ`)「エンジョーイ!音楽は鳴り続ける!
イッツジョイーン!届けたい胸の
ガラッ!
(´<_`# )「うるせーわボケ! さっきから何やっとんじゃ鬱陶しい!」
(;´_ゝ`)「うっそ、マジかよ。まだ歌詞タイトルすら言ってないのに」
予想よりも早い展開に驚く。思わず少し目を見開いてしまった。
(´<_`# )「そっちの都合はどうでもいいっつの! さっきから何々だよ!
喧嘩売ってるのかと思ったら、とっとと追い出すし!
ぶつぶつ独り言呟いてるかと思ったら、急に挙動不審になって。
挙句の果てにウッゼぇ、こんな事しながら歌うとかふざけてんの?!」
こんな事、の箇所で弟者は俺の動きを再現する。
なんだ、こいつも向こうから見てたのか。
62:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:34:19 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「まあいい、これで俺の目的は達成された」
(´<_`# )「何? 嫌がらせが? 俺の風呂の邪魔が? 最近なんだよマジで。
血が出るような罠は仕掛けて来ないと思ったら、こうなりやがって」
( ´_ゝ`)「そりゃあ、一週間前に押し付けられた地雷女が原因だよ。
お前こそわざわざ人を使ってウッゼぇ事してくれやがって。
金が必要だっつってたから、お前の通帳持たせてやったよ」
(´<_`; )「マジか……あ、まあいいか。なんか30円しか入ってなかったし」
( ´_ゝ`)「俺が事前に引き落としたからな」
(´<_` )「殴らせろ」
殺られる前に殺れの精神で俺から行こうとするが、玄関から不審な物音。
お陰で先制と不覚を取られ、右ストレートを顎に喰らう。
後ろへ倒れるついでに蹴り上げた足は、相手の汚ブツに当たった。
下着もズボンも履いてない、剥き出しの、生身のアレに。
妙に柔らかかった感触が気持ち悪い。
63:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:35:02 ID:1eULDlhg0
/間/
64:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:36:03 ID:1eULDlhg0
(; _ゝ )「うぐぐ……少しぐらぐらする……」
拳をいい場所にもらってしまった。周囲が揺れる。立てなくなる。
:( <_ il;):゙ ビクン ビクッ
眩暈と揺れが去った視界に入ったのは、両手を股間に蹲る哀れな姿。
時折、びくんと痙攣している。声も出ないらしい。悶絶している。
(;´_ゝ`)「wwwwwwwwwww」
爽快である。
痛快である。
愉快である。
他人の金的を見ると、何故か自分の股間を抑える奴がいるが理解できない。
痛いのは自分じゃないのだから問題はないのだ。ひたすらに気分がいい。
(*´_ゝ`)「ひっひひ、ザマーミロ」
( <_ il#)「こ、殺す……後で殺す……」
顔色はいつも通り緑色なので窺えない。AA的に。耳は萎れている。
しかし、後で殺す、か。少々物騒だ。
65:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:38:11 ID:1eULDlhg0
なら今、自分がこいつを先に殺すべきかと思案するが、玄関での物音が気になる。
鍵はかけていない。まあ、雨で暗いとはいえまだ昼なのと、田舎だからだ。
母親はさっき買い物に行ったばかりのはずだ。まだ帰ってくる時間じゃない。
それに、帰って来るとデカい声でただいまと叫ぶ。雷雨の日でもわかるくらいに。
( ´_ゝ`)「なんだ、来客か?」
(´<_`; )「は?」
弟はようやく顔をあげた。額から汗が伝っている。そこまで痛いのか。糞ザマァ。
( ´_ゝ`)「ふん、いいだろう。不審人物が来たかもしれない。
適当に武器持って玄関来い。服は着ても着なくてもいい」
(´<_`; )「はぁ? いきなり何言ってんだ。つーか全裸でなんか行かねーよ!」
ふむ、仮定としての物の押し売りに猥褻物陳列罪で訴訟させるのは無理か。
まあ、押し売りとも限らない。女の線もかなり薄い。回覧板なら長居しない。
生まれた家を引っ越してからは、弟も女性関係を少し(マイクロ単位で)整理した。
66:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:39:09 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「玄関、物音、耳澄ませろよ」
(´<_` )「……本当だ、誰か来てる。母さん?」
( ´_ゝ`)「ただいまが聞こえん上に、母さんだったら真っ直ぐ居間行くだろ」
(´<_`; )「ああ、じゃ、泥棒? え、えー? 何しに?
何もないだろこの家、泥棒は何しに来たんだよ」
( ´_ゝ`)「盗みにじゃないの? 泥棒じゃなく母さんならよかったって事で」
ある程度ファイトして冷静になったので、普通に会話する。
相手が不明な以上、備えはしておいたほうがいい。
(´<_` )「っつかさ、前の家で似た事なかった? 俺を泥棒と勘違いして兄者が」
( ´_ゝ`)「あれか、正当防衛とゴネまくって刺し殺せばよかったと後悔してるよ」
(´<_`# )「泥棒よりお前の危険度のほうが信用できる」
( ´_ゝ`)「お前それサバンナでも同じこと言えんの?」
(´<_`# )「気が違ってる兄者とサバンナで二人きりのサバイバルするくらいなら、
一人で腹減らしたライオンとシマウマ奪い合うほうが数万倍マシだわ」
67:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:41:52 ID:1eULDlhg0
俺としては、是非とも二人で行きたい。
こいつを殺してもバレない場所に行けるなら、何処へでも行こう。
(´<_` )「つーかさあ、兄者だけでいいだろ。何で俺まで」
( ´_ゝ`)「何で行きたくないの?」
(´<_`; )「俺まで行く必要ないだろ……そういうの」
ナイフ持っていたらノリノリで危険に飛び込む癖に。対人限定だけど。
今は丸腰の上に全裸だからか、暴力衝動は低いようだ。
( ´_ゝ`)「お前って変に恐がりだよな。中学生の時もオニヤンマから逃げやがって、
今度は暫定泥棒からも逃げるのか、臆病者。へーい、チキッてる~」
(´<_`# )「スズメバチが近付いたからって反射的に網振る奴に言われたくねーよ!
それに怖がってねーし! びびっただけ……いや、驚いたんだよ!」
( ´_ゝ`)「去年アヒルの親からも逃げたよな、悲鳴あげて本気で」
(´<_`# )「行けばいいんだろ行けば!」
( ´,_ゝ)「最初からそう言やいいんだよ」
くっくっく、肉壁は多いほうがいいのだ。
68:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:43:36 ID:1eULDlhg0
取りあえず、腰にタオルを巻いた防御1の変態を引き連れて台所へ。
武器にはある程度の長さが欲しい。うん、やはりこれしかないか。
引き抜く時の、しゃりぃいんと耳に響く心地良い金属音。
( ´_ゝ`)「よし、じゃあまた包丁持ってくか」
(´<_`; )「や、やめろよ! 危ないだろ! せめてこっちにしろ!」
俺自身の金で買ったマイ包丁は奪われ、元の場所に戻された。
代わりにピンク色の可愛らしい安全包丁を持たされる。どうしろってんだ。
( ´_ゝ`)「危なくなきゃ武器にならねーだろ、マイナイフある奴に言われたくないわ」
(´<_`; )「怪我したらどうすんだ! つーか、なんでそんな包丁に拘るんだよ!」
( ´_ゝ`)「なんでだろ。てーかさ、お前、何でおたま持ってんの?」
(´<_`; )「包丁なんて危ないだろ、おたまなら怪我しないし」
( ´_ゝ`)「いやいやいや、危険人物相手に何で手加減しようとしてんの?」
69:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:54:28 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「どうせなら、常日頃の俺への嫌がらせを手加減してくんない?」
(´<_` )「それは無理だな。たまに無意識にやってる時あるし」
( ´_ゝ`)「どこまで俺の事が憎いんだよ糞野郎め」
(´<_` )「俺への殺意で筋肉のリミッター外した事ある奴に言われたくない」
( ´_ゝ`)「あれは事故だ」
(´<_` )「目の前で見てた俺と裕也から言わせてもらえば、
完璧お前の仕業だよ。この脳みそ筋肉野郎」
事故だ。どうやったって事故だ。
少なくとも『片手で車からドアをもぎ取った』記憶は俺にはない。
俺が見て感じたのは、ひしゃげたドアと脱臼し肉離れを起こした右腕の激痛だ。
事故に関しては、言うなれば直前に俺を刺したこいつが悪い。
ドア破壊の実行犯は俺だが、理性が焼き切れたのはその所為だ。
それに、あの車は大分古いバンだった。
しかもそいつが港町住まいなので、潮風の影響を受けて錆びて脆くなっていた。
だから俺がドアを引っ張ったら取れてしまったのだ。事故である。
だが、糞野郎の言い分に対する反論は後だ。時間がない。
70:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:57:24 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「うんよし、時間ないし、手短に今やっちゃう? 玄関は任せろ。
その脳筋に学力でも劣る弟者君は、きっと何もかも豆腐以下だろうからな」
(´<_`# )「ふざけんな」
( ´_ゝ`)「なら来いよ」
(´<_`; )「お互いの武器の攻撃力比べてみやがれ」
( ´_ゝ`)「てつのないふ と ひのきのぼう かな」
(´<_` )「俺としてはラスボスに なべのふた だけの気分だけどな」
ぐっだぐだの言い合いをしつつ、弟を追い立てるように玄関へ。
途中、今なら背中から行けるんじゃないか、逝かせる事ができるのではと、
大いに悩んだ。手汗で安全包丁の持ち手が湿るくらいには悩んだ。
全部泥棒のせいにして、罪をなすりつける事ができるんじゃないかと。
しかし、俺の冷静な一部が、泥棒じゃない可能性が高いから諦めろと言う。
71:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:59:39 ID:1eULDlhg0
玄関は引き戸が開かれているだけで、特に怪しい痕跡はなかった。
と言うか、玄関に買い物袋やらエコバックやらが所狭しと置かれている。
まあ予想していた通りではあるが、後ろの奴が深く息を吐いていた。
こいつに嫌がらせとして少しでも心労を与えられたなら、俺的には正解だ。
ξ゚⊿゚)ξ「ただいまー、調度いいわ、あんた達手伝って……て」
( ´_ゝ`)「おかえりー」
(´<_`; )「おかえり」
ξ;゚⊿゚)ξ「包丁とおたまで何してたの? 二人で料理してたの?
ガスでも漏れたの? 今から家が爆発するの?」
( ´_ゝ`)「いやー怪しい物音がするから、武器持って行こうぜって」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、荷物の音ね。いいわ、運んでよ」
(´<_` )「ういうい」
我らが母上はこの程度で取り乱したりはしない。日常である。
72:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:00:38 ID:1eULDlhg0
ξ゚⊿゚)ξ「弟者はなんでおたま持ってるの?」
(´<_`; )「いやほら、なんか……危ないだろ、包丁とか」
ξ゚⊿゚)ξ「え? もっかい言って」
(´<_`; )「危ないだろ!」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
普段ナイフを持ち歩いてるような男が言う台詞ではないと俺は思う。
73:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:02:39 ID:1eULDlhg0
ξ*゚∀゚)ξσ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(゚<_゚; )「笑い過ぎだろ!!」
( *´)=3「プフッ」
一段落。
いやしかし、何で弟はタオル一丁なんだっけ?
何か伝えたい事があったような気もするが忘れた。
物忘れはいつもの事だし、まあいいだろう。
12糸冬
12.リアクション芸人ではなく警察をお願いします
雨の日だ。特に何もない。無さ過ぎる豪雨の日だ。
親父の浮気が発覚して、両親が離婚して、と色々あった。
県外の大学に行ってたら、津波で大変な事になったりもした。
今はほぼ落ち着いている。母はまだ適応障害らしいが。
( ´_ゝ`)「フンフフーン」
そんな中、慰めにと片親同士で集まって久々に夜通し遊んだ。健全に。
ついでに女友達に「ピアス穴開けたの? お古だからあげるよ」だなんて言われ、
ケーキを対価にもらったピアスを穴に嵌めて、洗面鏡を見る。嵌めるに卑猥な意味はない。
強制的に開けられた穴とはいえ、あるものは使わねば勿体無い。
しかしあれだな、ケーキを渋るだなんて珍しい。焼き肉のほうがよかったか。
ま、本当にユーズド品だから対価なんていらなかったのかもしれない。
( ´_ゝ`)「うーん、どうなんだろう」
センスなんて母親の腹の中に置いて来た俺が見ても、合ってるのかどうかわからない。
女友達の審美眼を確かとすべきか、他のセンスある友人に相談すべきか。
いや待てよ、俺にセンスある友人なんていたっけ? センス()しかない奴らばっかりな気が。
57:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:27:39 ID:1eULDlhg0
ガチャッ
(´<_` )「あれ? 何してんだよ珍しい。洒落っ気でも出たのか? 女か?」
( ´_ゝ`)「……もう少し早く来れば、母さんの着替えとバッティングしたのにな。
精々トイレの汚物を見るような視線と壮絶な舌打ちを食らうがいい」
(´<_`; )「なんだよ、俺はただ風呂に入りに来たんだよ。寝起きに喧嘩はやめろ」
( ´_ゝ`)「風呂は使わせないぞ、この性病野郎が。入る前にもげよ」
(´<_`# )「どこをだよ! 分かるけど! もう治ったっつの! 二人ともしつけーな!」
( ´,_ゝ`)「って事は、罹ってたのか。きったねぇ野郎だなあオイ?」
(´<_`# )「んなに気にいらねーなら、シャワーだけにしとくっつの」
( #´_ゝ`)「当たり前だそんな事。誰が性病媒介の残り湯に浸かりたがるんだ」
(´<_` )「あーハイハイじゃあね、シャワー浴びますよっと」
( ´_ゝ`)「足滑らせて溺死しろ」
(´<_` )「は? 出来杉?」
( ´_ゝ`)「幼稚園から”こくご”をやり直せ」
58:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:29:47 ID:1eULDlhg0
(´<_`# )「やる気なのか? 受けて立つぞこのクズ野郎!
お前に売る気がなくても無理矢理買うぞ!」
( #´_ゝ`)「いいよやってやるよ? その汚ぇモン蹴り潰してやるよ」
( <_ # )「……!」
性器にのみ被爆する放射能を撒き散らす阿呆は、拳を握り締め唸り声をあげる。
自分の体を見下ろし、意外にもそのまま方向転換した。向こうは風呂だ。
( ´_ゝ) (( ( #´)|扉|
バサッバサッ ガラッ バン!
乱暴に服を脱ぎ捨てて風呂場に入って行く。洗濯籠にはシュートされていない。
にしてもいつの間にヘソピアス開けたんだ。全身ピアスまみれになるつもりか。
たまに全身に数百個のピアスを云々なんて人物の写真が出るが、ただキモいだけだ。
弱点が増えたと思えばそれでいいか、今度取っ組み合いになったら引き千切ってやろう。
わざわざ喧嘩の時に攻めれる箇所を増やす奴が悪い。存分に利用してやる。
59:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:30:59 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「んー、にしても少し不安だな……」
俺がここを離れた隙に、湯船に浸かったりしないだろうか。
同性であれ異性であれ、入浴を邪魔しないという常識くらいわかる。
例えそれが糞野郎でも実行しない。俺がされると嫌だからだ。時と場合によるが。
確かめるのに突入しようにも、シャワーの湯をぶっかけられそうだ。
( ´_ゝ`)「あれ、もしかして体にかかった水が湯船に入ったりしてる?」
擦りガラス越しだと飛沫までは見えない。ただ、あのバカの立ってる位置がやばい。
シャワーから落ちた湯がそのまま体を伝って、湯船に落ちる位置だ。なんとかしなければ。
だが入れない。これは誘き出さねばなるまい。どうやって?
名前を呼ぶ。却下。今洗面所から追い出したのに何やってんだ。
電灯を高速でスイッチON,OFF繰り返す。電気の無駄。
これだけだと意地になって無視もされそうだ。じゃあどうする。
60:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:32:36 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「そうだ、歌おう」
突拍子もない解答が俺の脳裏に閃く。閃きの電球が頭上に現れ爆発、四散した。
正直、何も考えていない。飛び散った電球の欠片がダイヤモンドダストのようだ。
ただ、全力で歌いながら電灯ON,OFFって、割かしウザいんじゃないか。そんだけ。
(*´_ゝ`)「よぉし! じゃあ歌おう!」
カチカチと携帯で歌詞検索する。歌詞なんて好きな歌でも覚えていない。
覚えれないというのが本音だが。
( ´_ゝ`)「おっ、これでいいか」
よく動画系サイトで運営との戦いになるコ○ロオ○ルが出た。
英語2の実力だが、聞かせる相手が弟だしその辺はどうでもいい。あいつ1だし。
左手に歌詞セット、電源の上に右手をセット。完璧だ。
体でリズムを取りながらスイッチをバッチンバッチンしてやろう。
61:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:33:34 ID:1eULDlhg0
(*´_ゝ`)「エンジョーイ!音楽は鳴り続ける!
イッツジョイーン!届けたい胸の
ガラッ!
(´<_`# )「うるせーわボケ! さっきから何やっとんじゃ鬱陶しい!」
(;´_ゝ`)「うっそ、マジかよ。まだ歌詞タイトルすら言ってないのに」
予想よりも早い展開に驚く。思わず少し目を見開いてしまった。
(´<_`# )「そっちの都合はどうでもいいっつの! さっきから何々だよ!
喧嘩売ってるのかと思ったら、とっとと追い出すし!
ぶつぶつ独り言呟いてるかと思ったら、急に挙動不審になって。
挙句の果てにウッゼぇ、こんな事しながら歌うとかふざけてんの?!」
こんな事、の箇所で弟者は俺の動きを再現する。
なんだ、こいつも向こうから見てたのか。
62:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:34:19 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「まあいい、これで俺の目的は達成された」
(´<_`# )「何? 嫌がらせが? 俺の風呂の邪魔が? 最近なんだよマジで。
血が出るような罠は仕掛けて来ないと思ったら、こうなりやがって」
( ´_ゝ`)「そりゃあ、一週間前に押し付けられた地雷女が原因だよ。
お前こそわざわざ人を使ってウッゼぇ事してくれやがって。
金が必要だっつってたから、お前の通帳持たせてやったよ」
(´<_`; )「マジか……あ、まあいいか。なんか30円しか入ってなかったし」
( ´_ゝ`)「俺が事前に引き落としたからな」
(´<_` )「殴らせろ」
殺られる前に殺れの精神で俺から行こうとするが、玄関から不審な物音。
お陰で先制と不覚を取られ、右ストレートを顎に喰らう。
後ろへ倒れるついでに蹴り上げた足は、相手の汚ブツに当たった。
下着もズボンも履いてない、剥き出しの、生身のアレに。
妙に柔らかかった感触が気持ち悪い。
63:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:35:02 ID:1eULDlhg0
/間/
64:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:36:03 ID:1eULDlhg0
(; _ゝ )「うぐぐ……少しぐらぐらする……」
拳をいい場所にもらってしまった。周囲が揺れる。立てなくなる。
:( <_ il;):゙ ビクン ビクッ
眩暈と揺れが去った視界に入ったのは、両手を股間に蹲る哀れな姿。
時折、びくんと痙攣している。声も出ないらしい。悶絶している。
(;´_ゝ`)「wwwwwwwwwww」
爽快である。
痛快である。
愉快である。
他人の金的を見ると、何故か自分の股間を抑える奴がいるが理解できない。
痛いのは自分じゃないのだから問題はないのだ。ひたすらに気分がいい。
(*´_ゝ`)「ひっひひ、ザマーミロ」
( <_ il#)「こ、殺す……後で殺す……」
顔色はいつも通り緑色なので窺えない。AA的に。耳は萎れている。
しかし、後で殺す、か。少々物騒だ。
65:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:38:11 ID:1eULDlhg0
なら今、自分がこいつを先に殺すべきかと思案するが、玄関での物音が気になる。
鍵はかけていない。まあ、雨で暗いとはいえまだ昼なのと、田舎だからだ。
母親はさっき買い物に行ったばかりのはずだ。まだ帰ってくる時間じゃない。
それに、帰って来るとデカい声でただいまと叫ぶ。雷雨の日でもわかるくらいに。
( ´_ゝ`)「なんだ、来客か?」
(´<_`; )「は?」
弟はようやく顔をあげた。額から汗が伝っている。そこまで痛いのか。糞ザマァ。
( ´_ゝ`)「ふん、いいだろう。不審人物が来たかもしれない。
適当に武器持って玄関来い。服は着ても着なくてもいい」
(´<_`; )「はぁ? いきなり何言ってんだ。つーか全裸でなんか行かねーよ!」
ふむ、仮定としての物の押し売りに猥褻物陳列罪で訴訟させるのは無理か。
まあ、押し売りとも限らない。女の線もかなり薄い。回覧板なら長居しない。
生まれた家を引っ越してからは、弟も女性関係を少し(マイクロ単位で)整理した。
66:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:39:09 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「玄関、物音、耳澄ませろよ」
(´<_` )「……本当だ、誰か来てる。母さん?」
( ´_ゝ`)「ただいまが聞こえん上に、母さんだったら真っ直ぐ居間行くだろ」
(´<_`; )「ああ、じゃ、泥棒? え、えー? 何しに?
何もないだろこの家、泥棒は何しに来たんだよ」
( ´_ゝ`)「盗みにじゃないの? 泥棒じゃなく母さんならよかったって事で」
ある程度ファイトして冷静になったので、普通に会話する。
相手が不明な以上、備えはしておいたほうがいい。
(´<_` )「っつかさ、前の家で似た事なかった? 俺を泥棒と勘違いして兄者が」
( ´_ゝ`)「あれか、正当防衛とゴネまくって刺し殺せばよかったと後悔してるよ」
(´<_`# )「泥棒よりお前の危険度のほうが信用できる」
( ´_ゝ`)「お前それサバンナでも同じこと言えんの?」
(´<_`# )「気が違ってる兄者とサバンナで二人きりのサバイバルするくらいなら、
一人で腹減らしたライオンとシマウマ奪い合うほうが数万倍マシだわ」
67:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:41:52 ID:1eULDlhg0
俺としては、是非とも二人で行きたい。
こいつを殺してもバレない場所に行けるなら、何処へでも行こう。
(´<_` )「つーかさあ、兄者だけでいいだろ。何で俺まで」
( ´_ゝ`)「何で行きたくないの?」
(´<_`; )「俺まで行く必要ないだろ……そういうの」
ナイフ持っていたらノリノリで危険に飛び込む癖に。対人限定だけど。
今は丸腰の上に全裸だからか、暴力衝動は低いようだ。
( ´_ゝ`)「お前って変に恐がりだよな。中学生の時もオニヤンマから逃げやがって、
今度は暫定泥棒からも逃げるのか、臆病者。へーい、チキッてる~」
(´<_`# )「スズメバチが近付いたからって反射的に網振る奴に言われたくねーよ!
それに怖がってねーし! びびっただけ……いや、驚いたんだよ!」
( ´_ゝ`)「去年アヒルの親からも逃げたよな、悲鳴あげて本気で」
(´<_`# )「行けばいいんだろ行けば!」
( ´,_ゝ)「最初からそう言やいいんだよ」
くっくっく、肉壁は多いほうがいいのだ。
68:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:43:36 ID:1eULDlhg0
取りあえず、腰にタオルを巻いた防御1の変態を引き連れて台所へ。
武器にはある程度の長さが欲しい。うん、やはりこれしかないか。
引き抜く時の、しゃりぃいんと耳に響く心地良い金属音。
( ´_ゝ`)「よし、じゃあまた包丁持ってくか」
(´<_`; )「や、やめろよ! 危ないだろ! せめてこっちにしろ!」
俺自身の金で買ったマイ包丁は奪われ、元の場所に戻された。
代わりにピンク色の可愛らしい安全包丁を持たされる。どうしろってんだ。
( ´_ゝ`)「危なくなきゃ武器にならねーだろ、マイナイフある奴に言われたくないわ」
(´<_`; )「怪我したらどうすんだ! つーか、なんでそんな包丁に拘るんだよ!」
( ´_ゝ`)「なんでだろ。てーかさ、お前、何でおたま持ってんの?」
(´<_`; )「包丁なんて危ないだろ、おたまなら怪我しないし」
( ´_ゝ`)「いやいやいや、危険人物相手に何で手加減しようとしてんの?」
69:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:54:28 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「どうせなら、常日頃の俺への嫌がらせを手加減してくんない?」
(´<_` )「それは無理だな。たまに無意識にやってる時あるし」
( ´_ゝ`)「どこまで俺の事が憎いんだよ糞野郎め」
(´<_` )「俺への殺意で筋肉のリミッター外した事ある奴に言われたくない」
( ´_ゝ`)「あれは事故だ」
(´<_` )「目の前で見てた俺と裕也から言わせてもらえば、
完璧お前の仕業だよ。この脳みそ筋肉野郎」
事故だ。どうやったって事故だ。
少なくとも『片手で車からドアをもぎ取った』記憶は俺にはない。
俺が見て感じたのは、ひしゃげたドアと脱臼し肉離れを起こした右腕の激痛だ。
事故に関しては、言うなれば直前に俺を刺したこいつが悪い。
ドア破壊の実行犯は俺だが、理性が焼き切れたのはその所為だ。
それに、あの車は大分古いバンだった。
しかもそいつが港町住まいなので、潮風の影響を受けて錆びて脆くなっていた。
だから俺がドアを引っ張ったら取れてしまったのだ。事故である。
だが、糞野郎の言い分に対する反論は後だ。時間がない。
70:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:57:24 ID:1eULDlhg0
( ´_ゝ`)「うんよし、時間ないし、手短に今やっちゃう? 玄関は任せろ。
その脳筋に学力でも劣る弟者君は、きっと何もかも豆腐以下だろうからな」
(´<_`# )「ふざけんな」
( ´_ゝ`)「なら来いよ」
(´<_`; )「お互いの武器の攻撃力比べてみやがれ」
( ´_ゝ`)「てつのないふ と ひのきのぼう かな」
(´<_` )「俺としてはラスボスに なべのふた だけの気分だけどな」
ぐっだぐだの言い合いをしつつ、弟を追い立てるように玄関へ。
途中、今なら背中から行けるんじゃないか、逝かせる事ができるのではと、
大いに悩んだ。手汗で安全包丁の持ち手が湿るくらいには悩んだ。
全部泥棒のせいにして、罪をなすりつける事ができるんじゃないかと。
しかし、俺の冷静な一部が、泥棒じゃない可能性が高いから諦めろと言う。
71:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 19:59:39 ID:1eULDlhg0
玄関は引き戸が開かれているだけで、特に怪しい痕跡はなかった。
と言うか、玄関に買い物袋やらエコバックやらが所狭しと置かれている。
まあ予想していた通りではあるが、後ろの奴が深く息を吐いていた。
こいつに嫌がらせとして少しでも心労を与えられたなら、俺的には正解だ。
ξ゚⊿゚)ξ「ただいまー、調度いいわ、あんた達手伝って……て」
( ´_ゝ`)「おかえりー」
(´<_`; )「おかえり」
ξ;゚⊿゚)ξ「包丁とおたまで何してたの? 二人で料理してたの?
ガスでも漏れたの? 今から家が爆発するの?」
( ´_ゝ`)「いやー怪しい物音がするから、武器持って行こうぜって」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、荷物の音ね。いいわ、運んでよ」
(´<_` )「ういうい」
我らが母上はこの程度で取り乱したりはしない。日常である。
72:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:00:38 ID:1eULDlhg0
ξ゚⊿゚)ξ「弟者はなんでおたま持ってるの?」
(´<_`; )「いやほら、なんか……危ないだろ、包丁とか」
ξ゚⊿゚)ξ「え? もっかい言って」
(´<_`; )「危ないだろ!」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
普段ナイフを持ち歩いてるような男が言う台詞ではないと俺は思う。
73:名も無きAAのようです:2013/01/06(日) 20:02:39 ID:1eULDlhg0
ξ*゚∀゚)ξσ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(゚<_゚; )「笑い過ぎだろ!!」
( *´)=3「プフッ」
一段落。
いやしかし、何で弟はタオル一丁なんだっけ?
何か伝えたい事があったような気もするが忘れた。
物忘れはいつもの事だし、まあいいだろう。
12糸冬
20: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:21:30 ID:rOZns1CQ0
11.やられて目覚める午後惨事
久方の実家での宴会で、限度を考えず酒を呑んでしまった。
頭部に走り抜けた酒による鈍痛で目が覚める。
そして、顎と後頭部に痺れるような痛みがある。
恐る恐る頭に手を伸ばせば瘤。綺麗に腫れている。
昨日の宴会で何があったんだ。
何したんだ俺、何されたんだ俺。
( ^ω^)「おお、起きたかお」
襖を足で開けて、何かを持った内藤が現れた。
(;´_ゝ`)「何それ」
( ^ω^)「量産型氷枕EX」
隙間から見えた向こうでは、死体があちこちに散らばっている。
座敷の掃除はお手伝いさん達に任せておくとしよう。
21: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:23:43 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「いやあ、いつにも増して今回は酷かったお」
(;´_ゝ`)「途中からの記憶がないんだが」
具体的には、酒を飲み始めてからそれ以降のほぼ全て。
( ^ω^)「聞きたいかお? つーかお前よく平気だおね」
(;´_ゝ`)「平気じゃねーよ、なんだこの痛み」
ちっちっちっ、と舌打ちと同時にキザったらしく指を振る内藤。
些か指を振る時間が長い。お前はメトロノームか。
22: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:25:13 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)σ「それじゃなくて、そっち」
(´く_` )彡「こっち?」
振り返らなければよかったと後悔しても遅い。
内藤に八つ当たりしないだけ俺は成長したんだと後日思い込んだ。
指の先には、何故かプルトニウムにメテオしたかのような寝顔があった。
近過ぎて、瞬時に誰なのか判別できなかったくらいに。
( _> )←距離cm→(´く_` )
( _> ) zzzzzz
(´く_` )「……は?」
23: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:27:41 ID:rOZns1CQ0
たっぷり数分間は硬直した。曖昧3cmなんて歌詞が頭に浮かんで破裂する。
時間感覚がおかしいらしいから、あくまでも自分の体感だが。
(゚く_゚; )「ちょままmまmアsぁまままままっm!!」
( ^ω^)「やっぱ平気ではないのかお」
内藤が口を抑え付けてくれたお陰で呼吸困難になる。
耳元に「あいつが起きるお」なんて息と一緒に吹き込まれた。きもい。
しかし正論だ。俺は内藤の手の皮を抓って外し、深呼吸をする。
24: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:32:25 ID:rOZns1CQ0
( ;-_ゝ-) フー フー
視界に入れて自分のスイッチを押さないようにする。
自分で落ち着いたと思った頃に、目を開いたが。
( _> ) zz
( ;´_ゝ`)「ふー、ふー」
( _> ) zz z
( ;´_ゝ`)「ふー、ふぅううげほっ!」
( _> )゙ フガッ
( ;゚_ゝ゚)「ふっ!? ぐぉぉぉぉぉぉ……」
( ^ω^)「はいはい、どうどう」
馬のようになだめられた。
25: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:35:38 ID:rOZns1CQ0
もうここから先は何を口走ったか覚えていない。
内藤が教えてくれたものだけ日記に書き留められていた。
(゚く_゚; )彡「内藤! 枕! こっ、氷! 武器武器武器!」
( ^ω^)「落ち着け、これは頭を冷やすものだお」
(゚く_゚il )「ぎょわうお! 首に当てんな!」
( ^ω^)「フリィズ!」
(゚く_゚il )「ぎゃあ背中に落ちてきた!」
26: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:39:54 ID:rOZns1CQ0
( ;´_ゝ`)「だから俺は言ったんだ! 酒瓶はとっとくべきだって!」
( ^ω^)「え? 扇風機の話でなんでそこに?」
( ´_ゝ`)「空が青いな……猫さんが飛んでる……
猫も飛べたら、きっとすごく可愛いのに」
( ^ω^)「え? ああ……うん?」
( ´_ゝ`)「うーんやっぱり鳥のほうが可愛い」
( ^ω^)「焼き鳥と僕を交互に見て何をほざいてやがる」
27: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:44:50 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「だよー♪ だよー♪ だよだよー……」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・・・」
( ´_ゝ`)「あれ? 俺今何言った? さっきから何してた?」
( ^ω^)「一応、酒が抜けきってないって事にしといてやるお」
( ;´_ゝ`)「え、あれ? 口と脳みそ直結してた? え?
最近はちゃんと抑えられてると思って……」
( ゚ω゚)「エターナルフォースブリザード!」
【効果】
首の後ろの襟を思い切り引き、背中側にアイスブロックの雪崩を引き起こす
(゚く_゚il 三 ;li゚_ゝ゚)「ギャー! 服ん中に氷が! 服ん中に氷が!」
( ^ω^)「悪は滅びた」
28: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:46:07 ID:rOZns1CQ0
(´く_`il )「……」
( ^ω^)「冷えたかお?」
ミ( li´_ゝ`)「かなり」
糞野郎の寝姿を目に入れても落ちついてられるぐらいには。
( ^ω^)「状況説明はいるかお?」
( ´_ゝ`)「嫌な予感がするが一応」
( ^ω^)「その予感は当たってるお」
29: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:48:02 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「まず、どこまで記憶あるかお?」
( ´_ゝ`)「殆どねーや、座敷に入ったとこまで」
( ;^ω^)「どう見ても打ち所悪かったからおね……」
打ち所? 一体何があったんだオイ。
( ^ω^)「脳震盪っぽかったし後で病院行くかお?」
( ´_ゝ`)「いいよ病院は面倒だ。それより顎の痛みと後頭部の瘤の説明を」
( ^ω^)「説明はいいけど、本当に大丈夫かお?」
30: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:50:49 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「いいって、あ、もしかしてこれ全部俺の自業自得?
そこに転がってるカスと喧嘩したとかその辺りか?」
( ^ω^)「んーと」
( ´_ゝ`)「だから、俺達への両親からの仕置きも含めて、
こいつとこんな至近距離で転がされてたっていう?」
( ^ω^)「喧嘩はしてないお」
( ´_ゝ`)「へぇ、珍しいな」
( ^ω^)「自分で言うなお」
頭の中でへてぺろ☆のポーズを取る。
31: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:52:29 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「それに、距離はそれでも離したんだお」
( ´_ゝ`)「は?」
( ^ω^)「むしろ逆のことがあって僕らも呆然としたお」
(;´_ゝ`)「は? どういうことだよ、何が」
今度は脳みそではなく心臓が騒ぎ始める。やばい、薬はないぞ。
32: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:54:23 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「7時から僕らのグループでどんちゃん騒ぎを始めて、
夜中の10時くらいに弟者のグループも合流したんだお」
( ´_ゝ`)「ああ、そういや死体の数が多かったな」
( ^ω^)「だお、それで向こうは居酒屋ハシゴしてきてたみたいで、
全員結構酒が入ってて、弟者にもかなり入ってて……」
(;´_ゝ`)「で、それで何があったんだよ」
( ^ω^)「お前はいつも通りに、いつも通りって言葉も変だけど」
( _> ) zzzzzz
(^ω^ )こいつの姿を見るなり臨戦態勢に入ったんだお」
( ´_ゝ`)「だろうな」
33: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:59:09 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「それで弟者が……」
俺とアホを交互に見る内藤。勿体ぶるな。
いや、焦らさないでくれ、マジで心臓が持たない。
もし暴走して意識がプッツンしたら一直線に体を外に持って行こう。
走りまわっていればいずれは治まる。多分。
( ´_ゝ`)「……何だよ、言えよ」
( ;^ω^)「忠告しておくけど、寝てる相手に手は出すなお?」
(;´_ゝ`)「何したんだよ。まさか、俺が殴りかかった時に、
こいつが近くに立ってた女を盾にしたとかか?」
その場合、俺らをボコボコにしたのは周囲の人物全員だろう。
この怪我も体の痛みも少しはわかる。
( ´_ゝ`)「それで俺もこいつもフルボッコにされて記憶がないとか?」
34: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:03:02 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「全然違うお、てかお前の中の弟の像って」
( ´_ゝ`)「気にすんな、この性病持ちの中の俺は寝取り野郎だ」
誤解だが、弟者グループは事実と受け止めているからタチが悪い。
( ^ω^)「お前らどういう兄弟だお」
( #´_ゝ`)「一般的な双子が仲いいだなんて何の認識だ?
それが本なら全部燃やしてやるし、誰かだったら殺してやる、
映画だったらフィルム引き裂いてやる、持って来いよ!」
( ^ω^)「おおっとスイッチが」
35: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:05:44 ID:rOZns1CQ0
またなだめられて時間が過ぎる。日は既に高い。
( ;´_ゝ`)「すまん……その辺りの話題はつい」
( ^ω^)「あーうんもういいお、ちゃちゃっと説明するお」
( ´_ゝ`)「おう」
正座をして、今度こそ聞く体勢に入る。内藤はあぐらに腕組みだ。
( ^ω^)「弟者はお前の姿を見るなり両腕広げて
(´<_`* )『会いたかったあああ!』って叫びながら
闘牛よろしくお前に向かって突進してったんだお」
( ´_ゝ`)「ねぇやっぱりちゃんと説明してくれ頼む産業で終わらせないで下さい」
36: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:10:30 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「もっと聞いたら精神的ダメージどころじゃないお」
(;´_ゝ`)「聞きたくない。聞きたくはないが知らないと気持ちが悪い」
( ^ω^)「っふ、PTSDになる覚悟は出来たかお?」
(;´_ゝ`)「そこまで?!」
最悪な想像ならいくらでも浮かぶ。
流石 弟者を殺した後に世間にどんな反応をされるか脳内でシュミレートしまくり、
鍛えたネガティブ思考は伊達じゃない。自作自演で頭の中だけで怒りの沸点も作れる。
全く自慢にはならないが。
37: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:11:14 ID:rOZns1CQ0
(;^ω^)「んーそこまででもないかお」
( ´_ゝ`)「何なの? 酒が入り過ぎて俺が別人に見えたとかじゃないの?」
( ^ω^)「違うお」
( ;´_ゝ`)「足が滑ったとか」
( ^ω^)「違うお」
自分の中で、一番そうであってほしい説が断言された。
38: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:11:54 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「まず、脇目もふらずに一直線に向かって走ってった弟者が、
構えてたお前のカウンター食らうかと僕は静観してたんだけど、
毒男の脱ぎ散らかした服で盛大に滑って頭突きになったんだお」
( ´_ゝ`)「この顎の……」
( ^ω^)「だおねー」
( ^ω^)「いい場所に決まったのか、お前はそのまま後ろに倒れて、
この壁に勢いよく頭をぶつけて動かなくなったんだお」
( ´_ゝ`)「この瘤の……」
( ^ω^)「だおねー」
39: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:15:14 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「それで、俺に向かってきた理由は?」
経過ではなく、俺は原因が知りたいのだ。
( ^ω^)「んー」
( ´_ゝ`)「言えよ」
( ^ω^)「わからないお」
( ´_ゝ`)「言ってくれよ」
( ^ω^)わからないんだお」
( ´_ゝ`)「は?」
( ^ω^)「本人もあの時すぐ気絶したから、直接聞くしかないお」
40: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:19:21 ID:rOZns1CQ0
内藤の指先が、俺の後ろを差す。
心の準備はまだだ、振り向かない。振り向かないぞ。
( ^ω^)「起こすかお?」
( ´_ゝ`)「もう放っとけ」
一つ深呼吸をすると、頭の奥が落ちる感覚。
そうしてから弟者を見る。うむ、平気だ。
( ´_ゝ`)「……よく寝てるな」
( ^ω^)だお」
( <_ )ミ ゴロン
寝返りを打ったがそれだけだ。また寝息が聞こえる。
41: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:23:28 ID:rOZns1CQ0
しかし、こう、憎い相手が目の前で寝ているというこの状況。
悪い事をしたい気分がむくむくとでかくなっていく。
これはチャンスなんじゃないか。それはもう色々と。
( ^ω^)「兄者、お前さあ随分と悪い顔してるお」
( ´_ゝ`)「ん? うん、そりゃなあ、どうしてやろうか」
( ^ω^)「宴会の後だお、程々に」
( ´_ゝ`)「程々か……」
42: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:25:46 ID:rOZns1CQ0
内藤様のお言葉だ。仕方ない。
( ´_ゝ`)「じゃあ小屋から麻縄持って来るから、こいつ全裸にしといて
縄でM字開脚にふんじばって玄関の靴箱に向けて転がしておくわ」
( ;^ω^)「程々どこいったお!」
血を流させない分、自重したつもりなんですが。
11糸冬
11.やられて目覚める午後惨事
久方の実家での宴会で、限度を考えず酒を呑んでしまった。
頭部に走り抜けた酒による鈍痛で目が覚める。
そして、顎と後頭部に痺れるような痛みがある。
恐る恐る頭に手を伸ばせば瘤。綺麗に腫れている。
昨日の宴会で何があったんだ。
何したんだ俺、何されたんだ俺。
( ^ω^)「おお、起きたかお」
襖を足で開けて、何かを持った内藤が現れた。
(;´_ゝ`)「何それ」
( ^ω^)「量産型氷枕EX」
隙間から見えた向こうでは、死体があちこちに散らばっている。
座敷の掃除はお手伝いさん達に任せておくとしよう。
21: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:23:43 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「いやあ、いつにも増して今回は酷かったお」
(;´_ゝ`)「途中からの記憶がないんだが」
具体的には、酒を飲み始めてからそれ以降のほぼ全て。
( ^ω^)「聞きたいかお? つーかお前よく平気だおね」
(;´_ゝ`)「平気じゃねーよ、なんだこの痛み」
ちっちっちっ、と舌打ちと同時にキザったらしく指を振る内藤。
些か指を振る時間が長い。お前はメトロノームか。
22: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:25:13 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)σ「それじゃなくて、そっち」
(´く_` )彡「こっち?」
振り返らなければよかったと後悔しても遅い。
内藤に八つ当たりしないだけ俺は成長したんだと後日思い込んだ。
指の先には、何故かプルトニウムにメテオしたかのような寝顔があった。
近過ぎて、瞬時に誰なのか判別できなかったくらいに。
( _> )←距離cm→(´く_` )
( _> ) zzzzzz
(´く_` )「……は?」
23: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:27:41 ID:rOZns1CQ0
たっぷり数分間は硬直した。曖昧3cmなんて歌詞が頭に浮かんで破裂する。
時間感覚がおかしいらしいから、あくまでも自分の体感だが。
(゚く_゚; )「ちょままmまmアsぁまままままっm!!」
( ^ω^)「やっぱ平気ではないのかお」
内藤が口を抑え付けてくれたお陰で呼吸困難になる。
耳元に「あいつが起きるお」なんて息と一緒に吹き込まれた。きもい。
しかし正論だ。俺は内藤の手の皮を抓って外し、深呼吸をする。
24: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:32:25 ID:rOZns1CQ0
( ;-_ゝ-) フー フー
視界に入れて自分のスイッチを押さないようにする。
自分で落ち着いたと思った頃に、目を開いたが。
( _> ) zz
( ;´_ゝ`)「ふー、ふー」
( _> ) zz z
( ;´_ゝ`)「ふー、ふぅううげほっ!」
( _> )゙ フガッ
( ;゚_ゝ゚)「ふっ!? ぐぉぉぉぉぉぉ……」
( ^ω^)「はいはい、どうどう」
馬のようになだめられた。
25: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:35:38 ID:rOZns1CQ0
もうここから先は何を口走ったか覚えていない。
内藤が教えてくれたものだけ日記に書き留められていた。
(゚く_゚; )彡「内藤! 枕! こっ、氷! 武器武器武器!」
( ^ω^)「落ち着け、これは頭を冷やすものだお」
(゚く_゚il )「ぎょわうお! 首に当てんな!」
( ^ω^)「フリィズ!」
(゚く_゚il )「ぎゃあ背中に落ちてきた!」
26: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:39:54 ID:rOZns1CQ0
( ;´_ゝ`)「だから俺は言ったんだ! 酒瓶はとっとくべきだって!」
( ^ω^)「え? 扇風機の話でなんでそこに?」
( ´_ゝ`)「空が青いな……猫さんが飛んでる……
猫も飛べたら、きっとすごく可愛いのに」
( ^ω^)「え? ああ……うん?」
( ´_ゝ`)「うーんやっぱり鳥のほうが可愛い」
( ^ω^)「焼き鳥と僕を交互に見て何をほざいてやがる」
27: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:44:50 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「だよー♪ だよー♪ だよだよー……」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・・・」
( ´_ゝ`)「あれ? 俺今何言った? さっきから何してた?」
( ^ω^)「一応、酒が抜けきってないって事にしといてやるお」
( ;´_ゝ`)「え、あれ? 口と脳みそ直結してた? え?
最近はちゃんと抑えられてると思って……」
( ゚ω゚)「エターナルフォースブリザード!」
【効果】
首の後ろの襟を思い切り引き、背中側にアイスブロックの雪崩を引き起こす
(゚く_゚il 三 ;li゚_ゝ゚)「ギャー! 服ん中に氷が! 服ん中に氷が!」
( ^ω^)「悪は滅びた」
28: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:46:07 ID:rOZns1CQ0
(´く_`il )「……」
( ^ω^)「冷えたかお?」
ミ( li´_ゝ`)「かなり」
糞野郎の寝姿を目に入れても落ちついてられるぐらいには。
( ^ω^)「状況説明はいるかお?」
( ´_ゝ`)「嫌な予感がするが一応」
( ^ω^)「その予感は当たってるお」
29: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:48:02 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「まず、どこまで記憶あるかお?」
( ´_ゝ`)「殆どねーや、座敷に入ったとこまで」
( ;^ω^)「どう見ても打ち所悪かったからおね……」
打ち所? 一体何があったんだオイ。
( ^ω^)「脳震盪っぽかったし後で病院行くかお?」
( ´_ゝ`)「いいよ病院は面倒だ。それより顎の痛みと後頭部の瘤の説明を」
( ^ω^)「説明はいいけど、本当に大丈夫かお?」
30: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:50:49 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「いいって、あ、もしかしてこれ全部俺の自業自得?
そこに転がってるカスと喧嘩したとかその辺りか?」
( ^ω^)「んーと」
( ´_ゝ`)「だから、俺達への両親からの仕置きも含めて、
こいつとこんな至近距離で転がされてたっていう?」
( ^ω^)「喧嘩はしてないお」
( ´_ゝ`)「へぇ、珍しいな」
( ^ω^)「自分で言うなお」
頭の中でへてぺろ☆のポーズを取る。
31: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:52:29 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「それに、距離はそれでも離したんだお」
( ´_ゝ`)「は?」
( ^ω^)「むしろ逆のことがあって僕らも呆然としたお」
(;´_ゝ`)「は? どういうことだよ、何が」
今度は脳みそではなく心臓が騒ぎ始める。やばい、薬はないぞ。
32: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:54:23 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「7時から僕らのグループでどんちゃん騒ぎを始めて、
夜中の10時くらいに弟者のグループも合流したんだお」
( ´_ゝ`)「ああ、そういや死体の数が多かったな」
( ^ω^)「だお、それで向こうは居酒屋ハシゴしてきてたみたいで、
全員結構酒が入ってて、弟者にもかなり入ってて……」
(;´_ゝ`)「で、それで何があったんだよ」
( ^ω^)「お前はいつも通りに、いつも通りって言葉も変だけど」
( _> ) zzzzzz
(^ω^ )こいつの姿を見るなり臨戦態勢に入ったんだお」
( ´_ゝ`)「だろうな」
33: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:59:09 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「それで弟者が……」
俺とアホを交互に見る内藤。勿体ぶるな。
いや、焦らさないでくれ、マジで心臓が持たない。
もし暴走して意識がプッツンしたら一直線に体を外に持って行こう。
走りまわっていればいずれは治まる。多分。
( ´_ゝ`)「……何だよ、言えよ」
( ;^ω^)「忠告しておくけど、寝てる相手に手は出すなお?」
(;´_ゝ`)「何したんだよ。まさか、俺が殴りかかった時に、
こいつが近くに立ってた女を盾にしたとかか?」
その場合、俺らをボコボコにしたのは周囲の人物全員だろう。
この怪我も体の痛みも少しはわかる。
( ´_ゝ`)「それで俺もこいつもフルボッコにされて記憶がないとか?」
34: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:03:02 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「全然違うお、てかお前の中の弟の像って」
( ´_ゝ`)「気にすんな、この性病持ちの中の俺は寝取り野郎だ」
誤解だが、弟者グループは事実と受け止めているからタチが悪い。
( ^ω^)「お前らどういう兄弟だお」
( #´_ゝ`)「一般的な双子が仲いいだなんて何の認識だ?
それが本なら全部燃やしてやるし、誰かだったら殺してやる、
映画だったらフィルム引き裂いてやる、持って来いよ!」
( ^ω^)「おおっとスイッチが」
35: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:05:44 ID:rOZns1CQ0
またなだめられて時間が過ぎる。日は既に高い。
( ;´_ゝ`)「すまん……その辺りの話題はつい」
( ^ω^)「あーうんもういいお、ちゃちゃっと説明するお」
( ´_ゝ`)「おう」
正座をして、今度こそ聞く体勢に入る。内藤はあぐらに腕組みだ。
( ^ω^)「弟者はお前の姿を見るなり両腕広げて
(´<_`* )『会いたかったあああ!』って叫びながら
闘牛よろしくお前に向かって突進してったんだお」
( ´_ゝ`)「ねぇやっぱりちゃんと説明してくれ頼む産業で終わらせないで下さい」
36: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:10:30 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「もっと聞いたら精神的ダメージどころじゃないお」
(;´_ゝ`)「聞きたくない。聞きたくはないが知らないと気持ちが悪い」
( ^ω^)「っふ、PTSDになる覚悟は出来たかお?」
(;´_ゝ`)「そこまで?!」
最悪な想像ならいくらでも浮かぶ。
流石 弟者を殺した後に世間にどんな反応をされるか脳内でシュミレートしまくり、
鍛えたネガティブ思考は伊達じゃない。自作自演で頭の中だけで怒りの沸点も作れる。
全く自慢にはならないが。
37: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:11:14 ID:rOZns1CQ0
(;^ω^)「んーそこまででもないかお」
( ´_ゝ`)「何なの? 酒が入り過ぎて俺が別人に見えたとかじゃないの?」
( ^ω^)「違うお」
( ;´_ゝ`)「足が滑ったとか」
( ^ω^)「違うお」
自分の中で、一番そうであってほしい説が断言された。
38: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:11:54 ID:rOZns1CQ0
( ^ω^)「まず、脇目もふらずに一直線に向かって走ってった弟者が、
構えてたお前のカウンター食らうかと僕は静観してたんだけど、
毒男の脱ぎ散らかした服で盛大に滑って頭突きになったんだお」
( ´_ゝ`)「この顎の……」
( ^ω^)「だおねー」
( ^ω^)「いい場所に決まったのか、お前はそのまま後ろに倒れて、
この壁に勢いよく頭をぶつけて動かなくなったんだお」
( ´_ゝ`)「この瘤の……」
( ^ω^)「だおねー」
39: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:15:14 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「それで、俺に向かってきた理由は?」
経過ではなく、俺は原因が知りたいのだ。
( ^ω^)「んー」
( ´_ゝ`)「言えよ」
( ^ω^)「わからないお」
( ´_ゝ`)「言ってくれよ」
( ^ω^)わからないんだお」
( ´_ゝ`)「は?」
( ^ω^)「本人もあの時すぐ気絶したから、直接聞くしかないお」
40: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:19:21 ID:rOZns1CQ0
内藤の指先が、俺の後ろを差す。
心の準備はまだだ、振り向かない。振り向かないぞ。
( ^ω^)「起こすかお?」
( ´_ゝ`)「もう放っとけ」
一つ深呼吸をすると、頭の奥が落ちる感覚。
そうしてから弟者を見る。うむ、平気だ。
( ´_ゝ`)「……よく寝てるな」
( ^ω^)だお」
( <_ )ミ ゴロン
寝返りを打ったがそれだけだ。また寝息が聞こえる。
41: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:23:28 ID:rOZns1CQ0
しかし、こう、憎い相手が目の前で寝ているというこの状況。
悪い事をしたい気分がむくむくとでかくなっていく。
これはチャンスなんじゃないか。それはもう色々と。
( ^ω^)「兄者、お前さあ随分と悪い顔してるお」
( ´_ゝ`)「ん? うん、そりゃなあ、どうしてやろうか」
( ^ω^)「宴会の後だお、程々に」
( ´_ゝ`)「程々か……」
42: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 05:25:46 ID:rOZns1CQ0
内藤様のお言葉だ。仕方ない。
( ´_ゝ`)「じゃあ小屋から麻縄持って来るから、こいつ全裸にしといて
縄でM字開脚にふんじばって玄関の靴箱に向けて転がしておくわ」
( ;^ω^)「程々どこいったお!」
血を流させない分、自重したつもりなんですが。
11糸冬
2: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 03:56:55 ID:rOZns1CQ0前スレ登場AA
( ´_ゝ`)取り柄のない主人公
性格が悪い、何の因果か双子の兄のほう
( ^ω^)自称ピザの筋肉ダルマ
結構性格が悪い、面倒事に巻き込み合う
('A`)ヒョロいチビガリヲタ
それなりに性格が悪い、奥手の毒舌
_
( ゚∀゚)でかい胸が好きなイケメン
少し性格が悪い、出会い系に目覚めた
(´<_` )病院も商売繁盛で涙して喜ぶ性病媒介
物凄く性格が悪い、知る限りの最高記録は六股
女性AA
ビッチとクズとメンヘラとクラミジア持ちしかいない、逃げろ
時系列は前後したりするので後でまとめ
317:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:32:18 ID:o0svLa/s0
時系列 過去→現在
11.1.8.9.2.3.10.4.5.6.7.12.13.14.15.16.17.18.19.20
234: ◆T/D40qQ./Q :2013/09/03(火) 00:39:02 ID:vWHmM0g20
月もかわったので生存報告がてら
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1356720917/l50
次の投下で前スレに過去ログ依頼出すので、メ欄が見えない人用にまとめ
>>85本当に大丈夫?
>>204グロい事故は冬にもっさり
>>294ろくでなしぼーいず
>>617ブーメランだらけ
>>777( ^^^ω^^^)>>624
>>933多分
>>942イェーイみんな見てるーぅ?
>>970まあ言われると思ってたので気にしない
割とレスに反応して殺伐ほのぼのと言われれば遊びのパート削ったり、
家族は大切だろjkと言われれば中身で喧嘩売ったりして遊んでます
読む人をかなり選ぶ内容のSSだと思ってはいるけど、
人の色々な意見見るのは楽しいんで挑発レス来ると喜ぶ
235: 名も無きAAのようです :2013/09/03(火) 10:12:06 ID:FYoy9olYO
今年兄貴を亡くした俺に一話
236: 名も無きAAのようです :2013/09/03(火) 12:19:09 ID:KQO637C60
お悔やみもうしあげます
237: ◆T/D40qQ./Q :2013/09/07(土) 20:43:30 ID:4Z0gLipY0
>>235
おめでとう
238: ◆T/D40qQ./Q :2013/09/07(土) 20:46:22 ID:4Z0gLipY0
やべミス
一言じゃなくて一話か
けど面倒だから一言な
リクエストと受け取ったんなら悪いが話のネタとかは受け付けない
自分がやるのは何かに反応して話削るか、キャラの主張を枠内に入れる程度
239: 名も無きAAのようです :2013/09/10(火) 06:10:17 ID:tGKajQ7.O
わろた
240: 名も無きAAのようです :2013/09/10(火) 18:59:24 ID:iQt.FnTw0
そして出た一言がソレだよ!
( ´_ゝ`)取り柄のない主人公
性格が悪い、何の因果か双子の兄のほう
( ^ω^)自称ピザの筋肉ダルマ
結構性格が悪い、面倒事に巻き込み合う
('A`)ヒョロいチビガリヲタ
それなりに性格が悪い、奥手の毒舌
_
( ゚∀゚)でかい胸が好きなイケメン
少し性格が悪い、出会い系に目覚めた
(´<_` )病院も商売繁盛で涙して喜ぶ性病媒介
物凄く性格が悪い、知る限りの最高記録は六股
女性AA
ビッチとクズとメンヘラとクラミジア持ちしかいない、逃げろ
時系列は前後したりするので後でまとめ
317:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:32:18 ID:o0svLa/s0
時系列 過去→現在
11.1.8.9.2.3.10.4.5.6.7.12.13.14.15.16.17.18.19.20
234: ◆T/D40qQ./Q :2013/09/03(火) 00:39:02 ID:vWHmM0g20
月もかわったので生存報告がてら
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1356720917/l50
次の投下で前スレに過去ログ依頼出すので、メ欄が見えない人用にまとめ
>>85本当に大丈夫?
>>204グロい事故は冬にもっさり
>>294ろくでなしぼーいず
>>617ブーメランだらけ
>>777( ^^^ω^^^)>>624
>>933多分
>>942イェーイみんな見てるーぅ?
>>970まあ言われると思ってたので気にしない
割とレスに反応して殺伐ほのぼのと言われれば遊びのパート削ったり、
家族は大切だろjkと言われれば中身で喧嘩売ったりして遊んでます
読む人をかなり選ぶ内容のSSだと思ってはいるけど、
人の色々な意見見るのは楽しいんで挑発レス来ると喜ぶ
235: 名も無きAAのようです :2013/09/03(火) 10:12:06 ID:FYoy9olYO
今年兄貴を亡くした俺に一話
236: 名も無きAAのようです :2013/09/03(火) 12:19:09 ID:KQO637C60
お悔やみもうしあげます
237: ◆T/D40qQ./Q :2013/09/07(土) 20:43:30 ID:4Z0gLipY0
>>235
おめでとう
238: ◆T/D40qQ./Q :2013/09/07(土) 20:46:22 ID:4Z0gLipY0
やべミス
一言じゃなくて一話か
けど面倒だから一言な
リクエストと受け取ったんなら悪いが話のネタとかは受け付けない
自分がやるのは何かに反応して話削るか、キャラの主張を枠内に入れる程度
239: 名も無きAAのようです :2013/09/10(火) 06:10:17 ID:tGKajQ7.O
わろた
240: 名も無きAAのようです :2013/09/10(火) 18:59:24 ID:iQt.FnTw0
そして出た一言がソレだよ!
3: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 03:57:38 ID:rOZns1CQ0
10.のんべんだらりと破壊恭順
何の予定もない休日、夏の終わりの昼日中。
今日は久々にゴミ(弟)もない。久し振りの一人部屋。アパートだけど。
全く、ルームシェアしてからは義務教育時代の地獄の再来だった。
自分の部屋に自分以外の他人がいるという状況は、いまいち寛げない。
( ´_ゝ`)「やっぱ一人サイコー」
布団に寝転がってババアの形見の縫い包みを抱き締めていると、
携帯電話から飛び出した着信音という爆音で目が覚めた。
テンションが高い時に自分で設定した『新世界』だ。過去の自分を絞めたい。
( ´_ゝ`)「誰だよ……こんな時に」
驚いて眠気が吹き飛ぶも、表に出す気力はない。
こんな時も何も糞すらない日だが、何もない時間ほど貴重なものはない。
4: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 03:58:22 ID:rOZns1CQ0
右手で携帯を開くと見知らぬ番号。
( ´_ゝ`)「え、誰だ」
間違い電話? セールス? 詐欺? はたまたメリーさんか。
うん、取りあえず出よう。なるべく不快な声を出さないように。
ピッ
( ´_ゝ`)「はいもしもし流石です」
『もしもし? 兄者君?』
若い女の声。いやマジで誰だこれ。
5: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 03:59:29 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
『あっ、いきなり電話かけてごめんね! 私、昨日の静香よ!』
( ´_ゝ`)「しずか?」
未来の青い猫型ロボットが脳内を駆け抜ける。
しずか、シズカ、静香。
もしかして、しーちゃん?
『昨日はごめんね……』
確か昨日、風呂場で寛いでいたらドアのチェーンがぶち切れる音がして…
6: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:00:23 ID:rOZns1CQ0
始めは泥棒かとも思ったが、ばたばたと続く足音を不審に思い、
風呂場にいた俺はそのまま篭って何事かと聞き耳を立てていた。
結局、泥棒ではなく女性の敵(弟)だったのだが。
( ´_ゝ`)「あ、あー。うん、静香ちゃんね」
アホが女三人に詰め寄られて修羅場ってる時に、それっぽい名前が聞こえた。
頭にタオルを乗せた紳士スタイルで脱衣所まで行き、ドアの隙間から見えた光景。
それは一人が床で泣き崩れ、残り二人は窓から飛び出した害虫(弟)を追い駆けて逝く所だった。
7: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:01:05 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「どうしたの?」
風呂場で聞いた会話では、その中の二人が性病持ち(弟)と付き合っていて、
一人がその片方の恋路を応援しているような状況らしかった。
勿論、全員二股をかけられていたとは知らず、だからこそあんな惨状になった訳だ。
女の団結力とはかくも恐ろしく、女同士でのバトルロワイアルになるかと思いきや、
一人がその場で泣き崩れた事で、全ての感情はクズ(弟)に向かって突っ走った。
逃げ出した獲物を追い掛ける彼女らに、ハサミより確実な獲物を持たせてやりたかった。
それが出来なかったのが、昨日の唯一の心残りである。悔やみきれない。ああ無情。
『名前も言わずに帰っちゃって、ごめんね』
( ´_ゝ`)「え? ああ、うん。そんな事ないよ」
しかし全裸で民衆の前へ出る訳にもいかず、かといって寝間着で出る訳にもいかず、
俺はその日に着用していた衣服に着替えてから泣き崩れる女に話しかけたのだ。
流石に、目の前で泣いてる女を無視するのは世間体的にアレなので。
8: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:02:20 ID:rOZns1CQ0
そもそも、自分以外への心配の感情が向けられない俺としては、
慰めの言葉の一つもかけないまま湯船でふやける選択肢もある。
しかし、後から俺があの修羅場にいたのが女達にバレた場合、
「(女3人男1人というおいしい状況で)ナニもされなかったよ、いい人だよ」
ではなく、
「あの修羅場の傍にいながら何もしてくれなかった、悪い人だよ」
と、言い触らされる確率が高い。
女の一人が直前に「しーちゃんはここに居て!」と叫んだので、
読みかけのエロ漫画の上で泣き崩れる女の愛称を知った。
初対面にいきなり愛称呼びで近付くのは自分でもどうかと思ったが、
テンパった頭ではそれしか浮かばなかったので仕方がない。
青過ぎる自由な空から、クソフェミニストが降って来ないかと何回仰いだか。
10: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:03:00 ID:rOZns1CQ0
『どうしてもお礼が言いたくて、』
( ´_ゝ`)「いいよ、いらないよ、そんなの」
割りとマジで。もう関わりたくないというのが本音。
なんて慰めの言葉を投げ掛けたのか、記憶に残ってすらいない。
どうやって股の下にあるHな漫画を気付かれないよう抜き取ろうか。
そんな事に終始頭を使い、悪戦苦闘していたよ。俺万歳。
『迷惑かけちゃったから、お礼がしたくて』
迷惑というなら、この通信こそが迷惑です。
折角の安息日に何をしてくれやがるんだ。
( ´_ゝ`)「……ん?」
11: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:05:45 ID:rOZns1CQ0
そういや、こいつどうやって俺の電話番号知った?
昨日、彼女の家の近くに停まるという駅まで送っただけだ。
全世界の女性に誓って、何もしてはいない。
携帯なんて取り出してすらいなかった。
ずっとズボンの尻ポケットの中だ。
『今日、予定空いてるかな?』
不穏。
( ;´_ゝ`)「えーっと」
『駄目だったら、次の日曜とか、別の日に……』
聞くのは少し勇気がいるが、電話越しだし大丈夫だろう。
いざとなったら、友人の家に転がり込めばいい。
12: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:08:50 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「俺、昨日番号教えてなかったよね? なんで知ってるの?」
『……ああ』
*'``・* 。
直接過ぎただろうか。どうにでもなーれ。 | `*。
頭の中で誰かが杖を振る。 ,。∩ *
+ ( ∵ ) *。+゚
`*。 ヽ、 つ *゚*
『今日ね、弟者君の携帯から知ったの。お礼を言いたくて』
( ´_ゝ`)「そうなんだ」
知ったと言うか、調べたんだろうな。
調べたと言うと聞こえが悪い。
あいつの事だから、俺の名前をそのまま登録しておく事はないだろう。
現に俺はあいつの名前を愚弟、読みはグッティーで登録している。
しかし調べたって、それらしいものを一件一件かけていったのか。
運良く一発目から俺にぶち当たったのか。恐怖と謎は深まるばかりだ。
13: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:11:57 ID:rOZns1CQ0
ただ、あいつの携帯が向こうの手元にあるって事は、つまり。
( ´_ゝ`)「ちょっと悪いんだけどさ、あのバカ今どこにいる?」
『……ああ、弟者君ならね、友達に叱ってもらってるよ』
バカで通じた。もう彼女達からの認識は底辺だな糞野郎、くへへ。
脳裏に様々な方法で女達から拷問を受けるカスの姿が乱舞する。
テンションが最大まで上がって、瞬時に下がった。
いかんいかん、今は電話中だ。冷静に、冷静に。
が、口の端が吊りあがるのは、もうしょうがない事だ。
( ´,_ゝ`)「フーン」
14: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:13:31 ID:rOZns1CQ0
『反省してくれるかは、わかんないけど……』
( ´_ゝ`)「うん、確かに」
まあ、よし、何かしらの制裁がその身に降り注いだのは確かだ。
多分、どこかを鋏めたんだろう。あの時のハサミで。
出来れば刺されたとか、下半身不随とか、子作り不能とか、
もう片目だけでも何でもいいから駄目になっていてほしい。
死体になってくれてるのが一番有り難いが、それはないだろうな。
そんな感覚だけはする。なんとなくの範囲でしかないが、残念な事に。
15: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:14:33 ID:rOZns1CQ0
『兄者君に会うのは、無理かな?』
( ´_ゝ`)「うーんと」
制裁を加えたのが彼女であれば、会うだけならいいような気もしてきた。
お礼と慰めついでに性処理も、なんて考えが音速で浮かんで光速で沈む。
( ´_ゝ`)「ごめん、今日はちょっと外せない用事があってさ」
気がしただけだ。ヤバイ予感がビンビンする。
ただあいつと兄弟だからという理由だけで監禁フラグを立てたくない。
運が悪ければ彼女のバックにいるかもしれない怖い友達に、
山に埋められて葬り去られるかもしれない。もしくは海の底でコンクリ詰め。
『そっかー。じゃあ他に空いてる日はある?』
なんとかして回避せねば。
やりたい事はまだあるし、殺りたい奴もいる。
16: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:15:13 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「色々とやる事が多くてさ。しばらく休みがないんだ。
あいつが遊び歩いてる分も俺がやらないといけないからさ」
おおナイス俺の口! あいつに事をなすりつける時はすらすら動く!
つーか事実か。うん。ただの真実だな。嘘は言ってない。
『そうなんだ……。無理言ってごめんね』
( ´_ゝ`)「いいよいいよ、こっちもあのアホが迷惑かけてごめんな。
もうホント、目も向けられないくらいギッタギタにしていいからさ」
『アッハハ、言い過ぎだよー』
( ´_ゝ`)「あっはっは」
17: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:17:00 ID:rOZns1CQ0
もうそろそろ通話を切っていいタイミングかな。
肩の荷が降りた気分だ。
( ´_ゝ`)「じゃあごめん、そろそろ切るよ」
『いいの、こっちこそ忙しい時にごめんね。それじゃあ』
( ´_ゝ`)「うんうん、じゃーねー」
ピッ
( ´_ゝ`)「…………はあ」
うむ、気を取り直して、内藤の家で寝るとしよう。
あの筋肉なら大概の危険は防げるハズだ。多分。
18: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:18:06 ID:rOZns1CQ0
~~~~~~~~~~~~~~~~
( ^ω^)「それで、ただ寝る為だけに僕の部屋に来るとかなめてんのかお」
( ´_ゝ`)「手土産どうぞ。中腰で受け取るがいい」
( ^ω^)「ああはいはい、どーもどーもだお」
がさごそと袋を漁る内藤を尻目に布団を探す。
うーん、油が吸収されてそうな布団しかないな。
無いよりはマシか。床に直に寝るか。
(#^ω^)「オイこら! プラセンタとかダイエット食品とか舐めてんのかお!」
( ´_ゝ`)「最近腕とかぷよぷよしてきたじゃん」
( ^ω^)「もう少し歯に衣を着せるとかするお、大体兄者は…」
これ以上の会話は無益だと判断し、布団にヘッドスライディングを決める。
19: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:20:33 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「うん、そういう訳で。おやすみー」
(;^ω^)「頭から布団に突っ込むなお! 寝るならちゃんとするお!」
お母さんかお前は。
( ´_ゝ`)「ん? なんだこの邪魔だなあ、って」
('A`) スピー ピスー
( ´_ゝ`)「……ああ」
布団の中には何故か先客の毒男がいたが、些細な事だ。
俺はそのまま妖怪布団被りとして眠りについた。
10糸冬
10.のんべんだらりと破壊恭順
何の予定もない休日、夏の終わりの昼日中。
今日は久々にゴミ(弟)もない。久し振りの一人部屋。アパートだけど。
全く、ルームシェアしてからは義務教育時代の地獄の再来だった。
自分の部屋に自分以外の他人がいるという状況は、いまいち寛げない。
( ´_ゝ`)「やっぱ一人サイコー」
布団に寝転がってババアの形見の縫い包みを抱き締めていると、
携帯電話から飛び出した着信音という爆音で目が覚めた。
テンションが高い時に自分で設定した『新世界』だ。過去の自分を絞めたい。
( ´_ゝ`)「誰だよ……こんな時に」
驚いて眠気が吹き飛ぶも、表に出す気力はない。
こんな時も何も糞すらない日だが、何もない時間ほど貴重なものはない。
4: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 03:58:22 ID:rOZns1CQ0
右手で携帯を開くと見知らぬ番号。
( ´_ゝ`)「え、誰だ」
間違い電話? セールス? 詐欺? はたまたメリーさんか。
うん、取りあえず出よう。なるべく不快な声を出さないように。
ピッ
( ´_ゝ`)「はいもしもし流石です」
『もしもし? 兄者君?』
若い女の声。いやマジで誰だこれ。
5: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 03:59:29 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
『あっ、いきなり電話かけてごめんね! 私、昨日の静香よ!』
( ´_ゝ`)「しずか?」
未来の青い猫型ロボットが脳内を駆け抜ける。
しずか、シズカ、静香。
もしかして、しーちゃん?
『昨日はごめんね……』
確か昨日、風呂場で寛いでいたらドアのチェーンがぶち切れる音がして…
6: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:00:23 ID:rOZns1CQ0
始めは泥棒かとも思ったが、ばたばたと続く足音を不審に思い、
風呂場にいた俺はそのまま篭って何事かと聞き耳を立てていた。
結局、泥棒ではなく女性の敵(弟)だったのだが。
( ´_ゝ`)「あ、あー。うん、静香ちゃんね」
アホが女三人に詰め寄られて修羅場ってる時に、それっぽい名前が聞こえた。
頭にタオルを乗せた紳士スタイルで脱衣所まで行き、ドアの隙間から見えた光景。
それは一人が床で泣き崩れ、残り二人は窓から飛び出した害虫(弟)を追い駆けて逝く所だった。
7: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:01:05 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「どうしたの?」
風呂場で聞いた会話では、その中の二人が性病持ち(弟)と付き合っていて、
一人がその片方の恋路を応援しているような状況らしかった。
勿論、全員二股をかけられていたとは知らず、だからこそあんな惨状になった訳だ。
女の団結力とはかくも恐ろしく、女同士でのバトルロワイアルになるかと思いきや、
一人がその場で泣き崩れた事で、全ての感情はクズ(弟)に向かって突っ走った。
逃げ出した獲物を追い掛ける彼女らに、ハサミより確実な獲物を持たせてやりたかった。
それが出来なかったのが、昨日の唯一の心残りである。悔やみきれない。ああ無情。
『名前も言わずに帰っちゃって、ごめんね』
( ´_ゝ`)「え? ああ、うん。そんな事ないよ」
しかし全裸で民衆の前へ出る訳にもいかず、かといって寝間着で出る訳にもいかず、
俺はその日に着用していた衣服に着替えてから泣き崩れる女に話しかけたのだ。
流石に、目の前で泣いてる女を無視するのは世間体的にアレなので。
8: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:02:20 ID:rOZns1CQ0
そもそも、自分以外への心配の感情が向けられない俺としては、
慰めの言葉の一つもかけないまま湯船でふやける選択肢もある。
しかし、後から俺があの修羅場にいたのが女達にバレた場合、
「(女3人男1人というおいしい状況で)ナニもされなかったよ、いい人だよ」
ではなく、
「あの修羅場の傍にいながら何もしてくれなかった、悪い人だよ」
と、言い触らされる確率が高い。
女の一人が直前に「しーちゃんはここに居て!」と叫んだので、
読みかけのエロ漫画の上で泣き崩れる女の愛称を知った。
初対面にいきなり愛称呼びで近付くのは自分でもどうかと思ったが、
テンパった頭ではそれしか浮かばなかったので仕方がない。
青過ぎる自由な空から、クソフェミニストが降って来ないかと何回仰いだか。
10: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:03:00 ID:rOZns1CQ0
『どうしてもお礼が言いたくて、』
( ´_ゝ`)「いいよ、いらないよ、そんなの」
割りとマジで。もう関わりたくないというのが本音。
なんて慰めの言葉を投げ掛けたのか、記憶に残ってすらいない。
どうやって股の下にあるHな漫画を気付かれないよう抜き取ろうか。
そんな事に終始頭を使い、悪戦苦闘していたよ。俺万歳。
『迷惑かけちゃったから、お礼がしたくて』
迷惑というなら、この通信こそが迷惑です。
折角の安息日に何をしてくれやがるんだ。
( ´_ゝ`)「……ん?」
11: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:05:45 ID:rOZns1CQ0
そういや、こいつどうやって俺の電話番号知った?
昨日、彼女の家の近くに停まるという駅まで送っただけだ。
全世界の女性に誓って、何もしてはいない。
携帯なんて取り出してすらいなかった。
ずっとズボンの尻ポケットの中だ。
『今日、予定空いてるかな?』
不穏。
( ;´_ゝ`)「えーっと」
『駄目だったら、次の日曜とか、別の日に……』
聞くのは少し勇気がいるが、電話越しだし大丈夫だろう。
いざとなったら、友人の家に転がり込めばいい。
12: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:08:50 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「俺、昨日番号教えてなかったよね? なんで知ってるの?」
『……ああ』
*'``・* 。
直接過ぎただろうか。どうにでもなーれ。 | `*。
頭の中で誰かが杖を振る。 ,。∩ *
+ ( ∵ ) *。+゚
`*。 ヽ、 つ *゚*
『今日ね、弟者君の携帯から知ったの。お礼を言いたくて』
( ´_ゝ`)「そうなんだ」
知ったと言うか、調べたんだろうな。
調べたと言うと聞こえが悪い。
あいつの事だから、俺の名前をそのまま登録しておく事はないだろう。
現に俺はあいつの名前を愚弟、読みはグッティーで登録している。
しかし調べたって、それらしいものを一件一件かけていったのか。
運良く一発目から俺にぶち当たったのか。恐怖と謎は深まるばかりだ。
13: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:11:57 ID:rOZns1CQ0
ただ、あいつの携帯が向こうの手元にあるって事は、つまり。
( ´_ゝ`)「ちょっと悪いんだけどさ、あのバカ今どこにいる?」
『……ああ、弟者君ならね、友達に叱ってもらってるよ』
バカで通じた。もう彼女達からの認識は底辺だな糞野郎、くへへ。
脳裏に様々な方法で女達から拷問を受けるカスの姿が乱舞する。
テンションが最大まで上がって、瞬時に下がった。
いかんいかん、今は電話中だ。冷静に、冷静に。
が、口の端が吊りあがるのは、もうしょうがない事だ。
( ´,_ゝ`)「フーン」
14: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:13:31 ID:rOZns1CQ0
『反省してくれるかは、わかんないけど……』
( ´_ゝ`)「うん、確かに」
まあ、よし、何かしらの制裁がその身に降り注いだのは確かだ。
多分、どこかを鋏めたんだろう。あの時のハサミで。
出来れば刺されたとか、下半身不随とか、子作り不能とか、
もう片目だけでも何でもいいから駄目になっていてほしい。
死体になってくれてるのが一番有り難いが、それはないだろうな。
そんな感覚だけはする。なんとなくの範囲でしかないが、残念な事に。
15: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:14:33 ID:rOZns1CQ0
『兄者君に会うのは、無理かな?』
( ´_ゝ`)「うーんと」
制裁を加えたのが彼女であれば、会うだけならいいような気もしてきた。
お礼と慰めついでに性処理も、なんて考えが音速で浮かんで光速で沈む。
( ´_ゝ`)「ごめん、今日はちょっと外せない用事があってさ」
気がしただけだ。ヤバイ予感がビンビンする。
ただあいつと兄弟だからという理由だけで監禁フラグを立てたくない。
運が悪ければ彼女のバックにいるかもしれない怖い友達に、
山に埋められて葬り去られるかもしれない。もしくは海の底でコンクリ詰め。
『そっかー。じゃあ他に空いてる日はある?』
なんとかして回避せねば。
やりたい事はまだあるし、殺りたい奴もいる。
16: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:15:13 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「色々とやる事が多くてさ。しばらく休みがないんだ。
あいつが遊び歩いてる分も俺がやらないといけないからさ」
おおナイス俺の口! あいつに事をなすりつける時はすらすら動く!
つーか事実か。うん。ただの真実だな。嘘は言ってない。
『そうなんだ……。無理言ってごめんね』
( ´_ゝ`)「いいよいいよ、こっちもあのアホが迷惑かけてごめんな。
もうホント、目も向けられないくらいギッタギタにしていいからさ」
『アッハハ、言い過ぎだよー』
( ´_ゝ`)「あっはっは」
17: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:17:00 ID:rOZns1CQ0
もうそろそろ通話を切っていいタイミングかな。
肩の荷が降りた気分だ。
( ´_ゝ`)「じゃあごめん、そろそろ切るよ」
『いいの、こっちこそ忙しい時にごめんね。それじゃあ』
( ´_ゝ`)「うんうん、じゃーねー」
ピッ
( ´_ゝ`)「…………はあ」
うむ、気を取り直して、内藤の家で寝るとしよう。
あの筋肉なら大概の危険は防げるハズだ。多分。
18: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:18:06 ID:rOZns1CQ0
~~~~~~~~~~~~~~~~
( ^ω^)「それで、ただ寝る為だけに僕の部屋に来るとかなめてんのかお」
( ´_ゝ`)「手土産どうぞ。中腰で受け取るがいい」
( ^ω^)「ああはいはい、どーもどーもだお」
がさごそと袋を漁る内藤を尻目に布団を探す。
うーん、油が吸収されてそうな布団しかないな。
無いよりはマシか。床に直に寝るか。
(#^ω^)「オイこら! プラセンタとかダイエット食品とか舐めてんのかお!」
( ´_ゝ`)「最近腕とかぷよぷよしてきたじゃん」
( ^ω^)「もう少し歯に衣を着せるとかするお、大体兄者は…」
これ以上の会話は無益だと判断し、布団にヘッドスライディングを決める。
19: ◆T/D40qQ./Q:2012/12/29(土) 04:20:33 ID:rOZns1CQ0
( ´_ゝ`)「うん、そういう訳で。おやすみー」
(;^ω^)「頭から布団に突っ込むなお! 寝るならちゃんとするお!」
お母さんかお前は。
( ´_ゝ`)「ん? なんだこの邪魔だなあ、って」
('A`) スピー ピスー
( ´_ゝ`)「……ああ」
布団の中には何故か先客の毒男がいたが、些細な事だ。
俺はそのまま妖怪布団被りとして眠りについた。
10糸冬
233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:43:57.92 ID:qaAjnCm7O
9.ライオネルさんとパトリオットさんとンソラボネさん
友人に誘われてスカイプなるものを初めてみた。
どうせ三日かそこらで飽きて、誘われない限り使用しないゴミソフトになるだろう。
IDもふと思いついたチョモランマっぽい名前を入れておいた。
何で了承したかは、そりゃ友人に誘われたからだ。
顔見知りであれば、自分の声を晒すのも怖くない。
カラオケとかラジオとか生放送してる人は怖くないのかね、特定とか特定とか。
234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:45:23.92 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)『::::::::スカ::::::::::::届::::::::::::::お::::::::::』
( ´_ゝ`)「うーん聞き取りづらい」
暫く砂嵐が続いてから、ようやく内藤と毒男の声が聞こえた。
( ^ω^)『マイクテスーマイクテスー本日は曇天なり~』
('A`)『俺の声、聞こえてる……のか?』
( ´_ゝ`)「おー、二人の声もばっちり聞こえてるぞー」
要は箱やPS3のボイスチャットみたいなものか。
235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:46:16.60 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)『お! 二人共繋がっ……』
('A`)『聞こえてるみたいだな』
( ´_ゝ`)「どうした内藤」
( ^ω^)『......................................................』
('A`)『あれ?』
( ´_ゝ`)「おーい」
ブツッ
('A`)『え?』
( ´_ゝ`)「え?」
236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:47:36.97 ID:qaAjnCm7O
('A`)『切れた?』
( ´_ゝ`)「切られた?」
ヴーンヴーン←バイブ音
( ´_ゝ`)「メール来たわ」
('A` )『よっと、俺も』
カコカコ
('A` )『「画面消せ」』( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)「どういう事だ?」
('A`)『さあ、画面ってディスプレイ? 窓?』
237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:48:02.76 ID:qaAjnCm7O~~~~~~~~~~~~
( ^ω^)『そうしてgdgdに終わったスカイプ第一回目』
('A`)『正直スマンカッタ』
( ´_ゝ`)「すまんかった」
238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:50:01.21 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)『毒男はエロゲで射精スチル出してるし』
('A`)『スカイプの画面共有機能知らなかったんだよ…』
( ^ω^)『兄者は精神的ブラクラに引っ掛かってるし』
( ´_ゝ`)「いや、アレはなんで蓮画像があんなにも気持ち悪いのかじっくりと」
( ^ω^)『んなこと研究せんでいい』
239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:50:46.42 ID:qaAjnCm7O
(;´_ゝ`)「調度いいと思ったんだよ! 皆の意見を聞くにも!
どうせ説明が一段落ついたら内藤にも見せる予定だったんだ」
( ^ω^)『見せんなお』
('A`)『俺は蓮はグロじゃないと思ってる、穴ボコなだけじゃん』
( ´_ゝ`)「すげえ! 師匠!」
( ^ω^)『そのLvまで達するに、一体どれだけの数お……』
('A`)『冗談抜きで三桁……かな……』
9.糸冬
9.ライオネルさんとパトリオットさんとンソラボネさん
友人に誘われてスカイプなるものを初めてみた。
どうせ三日かそこらで飽きて、誘われない限り使用しないゴミソフトになるだろう。
IDもふと思いついたチョモランマっぽい名前を入れておいた。
何で了承したかは、そりゃ友人に誘われたからだ。
顔見知りであれば、自分の声を晒すのも怖くない。
カラオケとかラジオとか生放送してる人は怖くないのかね、特定とか特定とか。
234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:45:23.92 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)『::::::::スカ::::::::::::届::::::::::::::お::::::::::』
( ´_ゝ`)「うーん聞き取りづらい」
暫く砂嵐が続いてから、ようやく内藤と毒男の声が聞こえた。
( ^ω^)『マイクテスーマイクテスー本日は曇天なり~』
('A`)『俺の声、聞こえてる……のか?』
( ´_ゝ`)「おー、二人の声もばっちり聞こえてるぞー」
要は箱やPS3のボイスチャットみたいなものか。
235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:46:16.60 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)『お! 二人共繋がっ……』
('A`)『聞こえてるみたいだな』
( ´_ゝ`)「どうした内藤」
( ^ω^)『......................................................』
('A`)『あれ?』
( ´_ゝ`)「おーい」
ブツッ
('A`)『え?』
( ´_ゝ`)「え?」
236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:47:36.97 ID:qaAjnCm7O
('A`)『切れた?』
( ´_ゝ`)「切られた?」
ヴーンヴーン←バイブ音
( ´_ゝ`)「メール来たわ」
('A` )『よっと、俺も』
カコカコ
('A` )『「画面消せ」』( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)「どういう事だ?」
('A`)『さあ、画面ってディスプレイ? 窓?』
237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:48:02.76 ID:qaAjnCm7O~~~~~~~~~~~~
( ^ω^)『そうしてgdgdに終わったスカイプ第一回目』
('A`)『正直スマンカッタ』
( ´_ゝ`)「すまんかった」
238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:50:01.21 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)『毒男はエロゲで射精スチル出してるし』
('A`)『スカイプの画面共有機能知らなかったんだよ…』
( ^ω^)『兄者は精神的ブラクラに引っ掛かってるし』
( ´_ゝ`)「いや、アレはなんで蓮画像があんなにも気持ち悪いのかじっくりと」
( ^ω^)『んなこと研究せんでいい』
239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:50:46.42 ID:qaAjnCm7O
(;´_ゝ`)「調度いいと思ったんだよ! 皆の意見を聞くにも!
どうせ説明が一段落ついたら内藤にも見せる予定だったんだ」
( ^ω^)『見せんなお』
('A`)『俺は蓮はグロじゃないと思ってる、穴ボコなだけじゃん』
( ´_ゝ`)「すげえ! 師匠!」
( ^ω^)『そのLvまで達するに、一体どれだけの数お……』
('A`)『冗談抜きで三桁……かな……』
9.糸冬
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:27:26.93 ID:qaAjnCm7O
8.なし崩しに三人寄れば末代の恥
とある学生食堂。
( ^ω^)゙ モッモッ
('A`) ツルルルル
( ´_ゝ`) ズズー
キャスター『~~~~~知的~害~~~~~暴行~~~。』
( ^ω^)「ちょっと何言ってるかわからないお」
('A`)「まあゴキブリ見たら潰すよな」
( ´_ゝ`)「なんつー例えだ」
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:29:06.62 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「なんだおね、放し飼いにして慣れさせるつもりなのかお?」
( ´_ゝ`)「まさか、ひとに成れるとか奇跡でも起きない限り無理だろ」
('A`)「起こらないから奇跡なんだってじっちゃが言ってた。
起きたら陳腐だって俺のばっちゃが言ってたぜ」
何の放送かは敢えて伏せる。これが大事。
だが学食で流す内容の放送ではないし、話す内容じゃないな。
他のグループもヒートアップして池沼は皆殺せと言ってるが。
( ^ω^)「いきなりだけど、二人は恋人欲しいって本気で思ってるかお?」
( ´_ゝ`)「本当いきなりだな」
('A`)「うーん…」
202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:31:02.05 ID:qaAjnCm7O
一応長男だから、許嫁と言うかそんな候補は家で見繕われている。
それ以外に恋人を作って、この人と結婚したいですと紹介しても即OK出すだろうが、
生憎と一生を添い遂げたいと思った人物に出会った事はない。
( ´_ゝ`)「なんだろう、恋人ってよりも気の合う異性は欲しいが、
あんま本気になって、必死になって探す程でもないな」
('A`)「あー俺も、ネットじゃ色々ノリではっちゃけてるけど正直欲しくねえな。
ぶっちゃけ面倒。だって女だぜ? カーチャン以外の接し方なんてワカンネ」
( ^ω^)「やっぱ本音はそんなもんかお」
('A`)「お前は?」
( ^ω^)「3週間前告白されてOKしてセクロスまで漕ぎ付けたんだけど」
( ´_ゝ`)「いっつの間にー、やるじゃん」
( ^ω^)「違うんだお……」
('A`)「どしたん」
204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:33:47.69 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「何か……頭では色々と理解していたつもりだったけど、
エロゲや小説やエロビデオなんかとは全くの別物で」
( ´_ゝ`)「そりゃなあ」
('A`)「同意すんな非童貞」
( ^ω^)「間近で見たらグロくて気持ち悪くて吐きそうで」
(;´_ゝ`)「大丈夫だったのか?」
( ^ω^)「なんとか勃たせる事は出来たんだけど」
('A`)「うんうん」
206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:35:10.14 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「おっぱじめても、全っ然気持ちよくなかったんだお」
( ´_ゝ`)
('A`)
209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:38:06.65 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「なんとか女の子イかそうと思って無理して腰振って」
(;´_ゝ`)
( ^ω^)「僕はイったフリだけして終わったお」
(;'A`)
( ´ω`)「一応非童貞だけど、全然誇れない……」
ノーコメントとはまさにこのザマ。
211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:40:38.74 ID:qaAjnCm7O
しかし沈黙は避けたい。
何か言わねば。
(;´_ゝ`)「ご、ご愁傷様でした?」
( ^ω^)「慰めになってない上に疑問系にするなお」
('A`)「ほら、経験ない奴って下手ってよく言うじゃんか。
やっぱ気持ちよくなりたいなら金払ってソープだよ」
( ^ω^)「そうかお……」
212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:42:33.29 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「ん? 毒男は経験があるのかお?」
('A`)「嫌味か、ねーよ。ネットの聞きかじりの知識だったんだが、
内藤の話を聞くに信じてもいいようだなって思ってさ。
残りのソースは身内。主に妹、あと幼馴染、小学校時代の同級生」
( ´_ゝ`)「わービッチ?」
('A`)「ビッチ言うな昔は可愛かったんだ、昔は」
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:46:04.66 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「世の中には彼氏の家に行く妹にプレゼントとして、
近藤さんを=ャ=ャしながら渡す兄もいると言うのに」
( ^ω^)「ソースは毒男の知らない僕と兄者の元・友人。
その妹はしかめっ面しながら受け取ったらしいお」
(;'A`)「お前らの友達って碌な奴がいねーな!」
215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:47:35.66 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「面白くもない普通の奴なんて話のネタにもならんだろ」
('A`)「そりゃそうだけど」
( ^ω^)「ちなみに絶賛 服 役 中 ☆」
(;'A`)「ホントに碌な奴じゃなかった!」
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:53:42.04 ID:qaAjnCm7O
(;'A`)「何やったんだよ! 何やってぶち込まれたんだよ!?」
( ´_ゝ`)「プライバシー保護法によりここから先は料金が発生します」
( ^ω^)「マスオ」
('A`)「非童貞のお前らといるのが不安になってきた」
( ´_ゝ`)「何だその理由」
( ^ω^)「そういや兄者はどうやって魔法使い予備軍離脱したんだお?」
( ´_ゝ`)「今ここでそれ聞くのかよ」
( ^ω^)「僕は話したお」
('A`)「一人だけ未経験で悔しいけど参考として聞きたい」
(;´_ゝ`)「反面教師にしかならねーよ!?」
218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:00:33.98 ID:qaAjnCm7O
いや、反面教師どころじゃない。
下手したら愛想を尽かされて友達をやめられる。
あのエイズ感染予備軍には『俺の女を寝取るクズ』として認識されてるんだ。
一度、誤解をしている知り合いに詳しく話して聞かせたら、冷たい目で見られた。
弁解すればするほどに温度は下がっていき、終には氷点下まで下がった。
それからその知り合いとは二度と会う事はなかった。
据え膳食わぬは男の恥は、きっと別の国の言葉なんだろう。
( ^ω^)「ワクワクしながらテカってやんお」
内藤辺りはもしかしたら笑って成程、と言ってくれるかもしれないが、確率は五分。
('A`)「大丈夫だ、口外しない、きっと」
こっちには間違いなく縁を切られる上にネットに詳しく晒される。
(;´_ゝ`)「世の中それほど信じられん言葉はないぞ」
だから駄目だ。やっぱり言えない。
222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:05:18.65 ID:qaAjnCm7O
('A`)「その時はお前も俺の弱味を言いふらせよ」
( ´_ゝ`)「お前の弱味?」
内藤に背中を殴られて、軽く唾を噴出しつつふんぞり返る毒男。
随分な自信だ。いっそ無いんだろうか、という気にさえなる。
いつかの○泉の脱税のように。この時事ネタは古いか。
( ´_ゝ`)「うーん?」
だがこれは話題逸らしに使えそうだ。逃げてやる。
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:13:05.13 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「弱味……弱味……」
人見知りで異性と話す時にどもる、ヲタ趣味なんてのは、
こいつにとって今更隠すような物ではないし、学校でもない。
教授がプレゼンテーションでAAを出して使うような場所だ。
2chを知らない奴のほうが圧倒的に少ない。はず。
俺達の中の毒男のポジションはこんなものなので、改めて見ると弱味はない。
( ´_ゝ`)「ん? そういや」
弱味と言うよりは、人に知られたくない出来事。
それなら一つだけ心当たりが。
224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:16:05.29 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「初対面が便所で飯食ってる所だった事……?」
('A`;)「ちょっ、もっと小声で言えよ!!」
充分小声です。
あなたの叫びが周囲の視線を集めています。
225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:21:42.75 ID:qaAjnCm7O
何気ないフリしてこちらの様子を窺う人間が増えたので、
食器を片付けて3人で中庭に移動する。
( ^ω^)「便所飯の存在はぼっち大学スレ見てたから知ってたけど、
まさか鍵かけずにプレイしてるスリラーな変態がいるとはお」
(;'A`)「かけ忘れたんだ!」
( ´_ゝ`)「有り得るのかそれ」
( ^ω^)「余っ程早く出したかったか、食いたかったか」
('A`)「前者」
226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:25:19.19 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「は? 便所飯はこう、許容するとして、するとしてだな。
うんこして手も洗わずにそのまま飯食うとか汚くないか」
('A`)「最初は抵抗あったが、出しながら食う快感を覚えた」
( ^ω^)「うわ飯食った後でよかったお」
('A`)「セーフティ」
227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:26:30.75 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「空中に漂う菌はどうすんだお」
('A`)「キニシナイ」
( ´_ゝ`)「ごめん少し……」
('A`)「引くのが正常だと思う」
( ^ω^)「うっかり扉を開けたのが僕でよかったおね」
('A`)「今は心からそう思ってる」
229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:31:45.78 ID:qaAjnCm7O( ´_ゝ`)「俺、最初は罰ゲームやらされてるんだと」
('A`)「ある意味自己罰ゲーム」
( ^ω^)「驚いて思わずシャウトで兄者を呼んじゃったお」
('A`)「人を呼ばれた時は何もかもフリーズした」
( ´_ゝ`)「自分の名前を叫ばれて直行しない訳にはいかないだろ」
('A`)「人が来た時は全てが真っ白に燃え尽きた」
( ^ω^)「その日の感情を一言で表すなら?」
('A`)「アルマゲドン」
230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:37:37.11 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「いやあ、近くにいたのが俺でよかったなーあはは」
('A`)「確かに弟者やプギャーのDQN勢じゃなくてよかったよマジ」
( ^ω^)「うっかり反射でシャッター切るとこだったけどおね」
('A`)「お前らもギリギリだけどな」
231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:40:01.14 ID:qaAjnCm7O( ^ω^)「感謝してんなら態度か物で示せお」
('A`)「やっぱりいじめられてる気がしないでもない」
( ^ω^)「冗談だおっお」
( ´_ゝ`)「あっはは」
('A`)「あっはっはー」
うん。話題が流れてよかった。
8.糸冬
8.なし崩しに三人寄れば末代の恥
とある学生食堂。
( ^ω^)゙ モッモッ
('A`) ツルルルル
( ´_ゝ`) ズズー
キャスター『~~~~~知的~害~~~~~暴行~~~。』
( ^ω^)「ちょっと何言ってるかわからないお」
('A`)「まあゴキブリ見たら潰すよな」
( ´_ゝ`)「なんつー例えだ」
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:29:06.62 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「なんだおね、放し飼いにして慣れさせるつもりなのかお?」
( ´_ゝ`)「まさか、ひとに成れるとか奇跡でも起きない限り無理だろ」
('A`)「起こらないから奇跡なんだってじっちゃが言ってた。
起きたら陳腐だって俺のばっちゃが言ってたぜ」
何の放送かは敢えて伏せる。これが大事。
だが学食で流す内容の放送ではないし、話す内容じゃないな。
他のグループもヒートアップして池沼は皆殺せと言ってるが。
( ^ω^)「いきなりだけど、二人は恋人欲しいって本気で思ってるかお?」
( ´_ゝ`)「本当いきなりだな」
('A`)「うーん…」
202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:31:02.05 ID:qaAjnCm7O
一応長男だから、許嫁と言うかそんな候補は家で見繕われている。
それ以外に恋人を作って、この人と結婚したいですと紹介しても即OK出すだろうが、
生憎と一生を添い遂げたいと思った人物に出会った事はない。
( ´_ゝ`)「なんだろう、恋人ってよりも気の合う異性は欲しいが、
あんま本気になって、必死になって探す程でもないな」
('A`)「あー俺も、ネットじゃ色々ノリではっちゃけてるけど正直欲しくねえな。
ぶっちゃけ面倒。だって女だぜ? カーチャン以外の接し方なんてワカンネ」
( ^ω^)「やっぱ本音はそんなもんかお」
('A`)「お前は?」
( ^ω^)「3週間前告白されてOKしてセクロスまで漕ぎ付けたんだけど」
( ´_ゝ`)「いっつの間にー、やるじゃん」
( ^ω^)「違うんだお……」
('A`)「どしたん」
204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:33:47.69 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「何か……頭では色々と理解していたつもりだったけど、
エロゲや小説やエロビデオなんかとは全くの別物で」
( ´_ゝ`)「そりゃなあ」
('A`)「同意すんな非童貞」
( ^ω^)「間近で見たらグロくて気持ち悪くて吐きそうで」
(;´_ゝ`)「大丈夫だったのか?」
( ^ω^)「なんとか勃たせる事は出来たんだけど」
('A`)「うんうん」
206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:35:10.14 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「おっぱじめても、全っ然気持ちよくなかったんだお」
( ´_ゝ`)
('A`)
209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:38:06.65 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「なんとか女の子イかそうと思って無理して腰振って」
(;´_ゝ`)
( ^ω^)「僕はイったフリだけして終わったお」
(;'A`)
( ´ω`)「一応非童貞だけど、全然誇れない……」
ノーコメントとはまさにこのザマ。
211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:40:38.74 ID:qaAjnCm7O
しかし沈黙は避けたい。
何か言わねば。
(;´_ゝ`)「ご、ご愁傷様でした?」
( ^ω^)「慰めになってない上に疑問系にするなお」
('A`)「ほら、経験ない奴って下手ってよく言うじゃんか。
やっぱ気持ちよくなりたいなら金払ってソープだよ」
( ^ω^)「そうかお……」
212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:42:33.29 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「ん? 毒男は経験があるのかお?」
('A`)「嫌味か、ねーよ。ネットの聞きかじりの知識だったんだが、
内藤の話を聞くに信じてもいいようだなって思ってさ。
残りのソースは身内。主に妹、あと幼馴染、小学校時代の同級生」
( ´_ゝ`)「わービッチ?」
('A`)「ビッチ言うな昔は可愛かったんだ、昔は」
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:46:04.66 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「世の中には彼氏の家に行く妹にプレゼントとして、
近藤さんを=ャ=ャしながら渡す兄もいると言うのに」
( ^ω^)「ソースは毒男の知らない僕と兄者の元・友人。
その妹はしかめっ面しながら受け取ったらしいお」
(;'A`)「お前らの友達って碌な奴がいねーな!」
215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:47:35.66 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「面白くもない普通の奴なんて話のネタにもならんだろ」
('A`)「そりゃそうだけど」
( ^ω^)「ちなみに絶賛 服 役 中 ☆」
(;'A`)「ホントに碌な奴じゃなかった!」
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 17:53:42.04 ID:qaAjnCm7O
(;'A`)「何やったんだよ! 何やってぶち込まれたんだよ!?」
( ´_ゝ`)「プライバシー保護法によりここから先は料金が発生します」
( ^ω^)「マスオ」
('A`)「非童貞のお前らといるのが不安になってきた」
( ´_ゝ`)「何だその理由」
( ^ω^)「そういや兄者はどうやって魔法使い予備軍離脱したんだお?」
( ´_ゝ`)「今ここでそれ聞くのかよ」
( ^ω^)「僕は話したお」
('A`)「一人だけ未経験で悔しいけど参考として聞きたい」
(;´_ゝ`)「反面教師にしかならねーよ!?」
218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:00:33.98 ID:qaAjnCm7O
いや、反面教師どころじゃない。
下手したら愛想を尽かされて友達をやめられる。
あのエイズ感染予備軍には『俺の女を寝取るクズ』として認識されてるんだ。
一度、誤解をしている知り合いに詳しく話して聞かせたら、冷たい目で見られた。
弁解すればするほどに温度は下がっていき、終には氷点下まで下がった。
それからその知り合いとは二度と会う事はなかった。
据え膳食わぬは男の恥は、きっと別の国の言葉なんだろう。
( ^ω^)「ワクワクしながらテカってやんお」
内藤辺りはもしかしたら笑って成程、と言ってくれるかもしれないが、確率は五分。
('A`)「大丈夫だ、口外しない、きっと」
こっちには間違いなく縁を切られる上にネットに詳しく晒される。
(;´_ゝ`)「世の中それほど信じられん言葉はないぞ」
だから駄目だ。やっぱり言えない。
222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:05:18.65 ID:qaAjnCm7O
('A`)「その時はお前も俺の弱味を言いふらせよ」
( ´_ゝ`)「お前の弱味?」
内藤に背中を殴られて、軽く唾を噴出しつつふんぞり返る毒男。
随分な自信だ。いっそ無いんだろうか、という気にさえなる。
いつかの○泉の脱税のように。この時事ネタは古いか。
( ´_ゝ`)「うーん?」
だがこれは話題逸らしに使えそうだ。逃げてやる。
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:13:05.13 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「弱味……弱味……」
人見知りで異性と話す時にどもる、ヲタ趣味なんてのは、
こいつにとって今更隠すような物ではないし、学校でもない。
教授がプレゼンテーションでAAを出して使うような場所だ。
2chを知らない奴のほうが圧倒的に少ない。はず。
俺達の中の毒男のポジションはこんなものなので、改めて見ると弱味はない。
( ´_ゝ`)「ん? そういや」
弱味と言うよりは、人に知られたくない出来事。
それなら一つだけ心当たりが。
224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:16:05.29 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「初対面が便所で飯食ってる所だった事……?」
('A`;)「ちょっ、もっと小声で言えよ!!」
充分小声です。
あなたの叫びが周囲の視線を集めています。
225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:21:42.75 ID:qaAjnCm7O
何気ないフリしてこちらの様子を窺う人間が増えたので、
食器を片付けて3人で中庭に移動する。
( ^ω^)「便所飯の存在はぼっち大学スレ見てたから知ってたけど、
まさか鍵かけずにプレイしてるスリラーな変態がいるとはお」
(;'A`)「かけ忘れたんだ!」
( ´_ゝ`)「有り得るのかそれ」
( ^ω^)「余っ程早く出したかったか、食いたかったか」
('A`)「前者」
226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:25:19.19 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「は? 便所飯はこう、許容するとして、するとしてだな。
うんこして手も洗わずにそのまま飯食うとか汚くないか」
('A`)「最初は抵抗あったが、出しながら食う快感を覚えた」
( ^ω^)「うわ飯食った後でよかったお」
('A`)「セーフティ」
227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:26:30.75 ID:qaAjnCm7O
( ^ω^)「空中に漂う菌はどうすんだお」
('A`)「キニシナイ」
( ´_ゝ`)「ごめん少し……」
('A`)「引くのが正常だと思う」
( ^ω^)「うっかり扉を開けたのが僕でよかったおね」
('A`)「今は心からそう思ってる」
229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:31:45.78 ID:qaAjnCm7O( ´_ゝ`)「俺、最初は罰ゲームやらされてるんだと」
('A`)「ある意味自己罰ゲーム」
( ^ω^)「驚いて思わずシャウトで兄者を呼んじゃったお」
('A`)「人を呼ばれた時は何もかもフリーズした」
( ´_ゝ`)「自分の名前を叫ばれて直行しない訳にはいかないだろ」
('A`)「人が来た時は全てが真っ白に燃え尽きた」
( ^ω^)「その日の感情を一言で表すなら?」
('A`)「アルマゲドン」
230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:37:37.11 ID:qaAjnCm7O
( ´_ゝ`)「いやあ、近くにいたのが俺でよかったなーあはは」
('A`)「確かに弟者やプギャーのDQN勢じゃなくてよかったよマジ」
( ^ω^)「うっかり反射でシャッター切るとこだったけどおね」
('A`)「お前らもギリギリだけどな」
231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 18:40:01.14 ID:qaAjnCm7O( ^ω^)「感謝してんなら態度か物で示せお」
('A`)「やっぱりいじめられてる気がしないでもない」
( ^ω^)「冗談だおっお」
( ´_ゝ`)「あっはは」
('A`)「あっはっはー」
うん。話題が流れてよかった。
8.糸冬
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