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275:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:49:08 ID:bu18uDfE0
20.将来設計の最期は安楽死
何故か糞野郎の見舞いに鬱田が立候補した。
やめといたほうが、とメールする前に、病院の廊下でバッタリ出会った。
底辺DQNとの初対面でメンチきられてカツアゲされそうだったってのに、
意識改革でもされたのか、内藤が企画した罰ゲームなのか。
( ´_ゝ`)「本当に大丈夫か? 無理しなくていいんだぞ?」
('A`;)「カーチャンに行けって言われたんだよ。この菓子持たされて。
俺の叔父さんも入院してるからさ。友達のとこにも顔出せって」
( ´_ゝ`)「ああ、ついでか、成程」
('A`)「そりゃ……面と向かって言うのもアレだけど、会いたくはないわ」
( ´_ゝ`)「だろうなあ」
精子スプリンクラーと鬱田は、色々な物事の対極に立っている。
簡単に言ってしまえばヲタクとDQNだな。
276:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:49:52 ID:bu18uDfE0
( ´_ゝ`)「鬱田の母親は、あいつの性格とか知らねーの?」
('A`)「知らないよ。俺の友人の双子の弟としか知らない」
( ´_ゝ`)「口で言うと他人じゃねーか」
('A`)「ですよねー」
( ´_ゝ`)「なんで菓子まで持たせたし」
('A`)「俺に聞かないでくれよ」
( ´_ゝ`)「今メールで伝えたら? あいつの所業とか」
('A`)「してもいいんだけど、多分、お前にまで飛び火しそう」
( ´_ゝ`)「へ? なんで?」
('A`;)「言いにくいけど、双子ってだけで……やっぱ、さあ」
まだ見ぬ鬱田の母にイラッとしたが、そこは抑える。
会う前の段取りとして、鬱田の母に手紙でも送ってやろうか。
同じ家庭で育った双子よりも、別々の家庭に引き取られて育った双子のほうが、
より似通った性質や一致する特徴を持つという事例を5万字くらいに書き連ねて。
277:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:50:47 ID:bu18uDfE0
('A`)「今、眉間にすごい皺を寄せた後に、すごいゲス顔になったぞ。
何企んでやがる。こっちを巻き込むなよ? カーチャン巻き込むなよ?」
( ´_ゝ`)「ゲス顔言うなや。仲良くしようぜ~」
('A`;)「俺、取りあえず叔父さんの見舞い行ってくる!」
( ´_ゝ`)「待て待て。その菓子、代わりに渡しといてやるよ」
('A`;)「ありがとう」
菓子を渡すと、すぐに走り去って行く鬱田。
病院の廊下は走るなよ、危ねーな。
ああ、曲がり角でナースとぶつかるとかどんだけだよ。
お前がいつも呟いてる理想のシチュエーションじゃねえか。
('A`;)「わーすみません! ごめんなさい! 今拾います!」
うん、でも現実での反応なんてそんなモンだよね。
ここで救助に行ったら、逆に鬱田に恥の上塗りをする事になるのかどうか。
ちょっと判断がつかなかったので去る。俺なら手助けされても困るからね。
人の嫌がる事はすんなってばっちゃが言ってた。
278:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:51:42 ID:bu18uDfE0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そして俺は、また迷子になっていた。
|゚ノ ^∀^)「ここですよー」
(; _ゝ )「なんかもう……毎度毎度、すみません」
|゚ノ ^∀^)「いえいえ、ここって広いから迷う方は多いんですよ」
(;´_ゝ`)「はい、ありがとうございました」
|゚ノ ^∀^)「それではー」
そして俺は、また一歩自分が嫌いになった。
方向音痴ってどうやったら直るんだろう。
空間把握能力ってどうやったら身に着くんだ。
(;´_ゝ`)「はーぁあ、菓子の空箱だけ置いて帰るか」
ゲームのマップじゃ迷わないのになー。
なんて考えつつ、ドアを開ける。
279:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:52:47 ID:bu18uDfE0
280:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:53:28 ID:bu18uDfE0
( ´_ゝ`)「んー疲れてんのかな」
堂々と居座ってペットボトルのお茶を飲み干すどころか、
図々しくも菓子と果物まで要求するぬらりひょんがいた。
ガラッ
( ^ω^)「閉めんなお、このクソと二人きりにさせる気かお」
( ´_ゝ`)「お前マジでなんでいんの」
( ^ω^)「暇だからだお」
( ´_ゝ`)「なんでここが分かった?」
( ^ω^)「兄者のお母さんに聞いたらすぐ教えてくれたお」
ガッデム。シット。ジーザスクライシス。
内藤と弟が喧嘩した事あるのは知ってるだろうに、何故教えたし。
281:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:55:08 ID:bu18uDfE0
( ^ω^)「まさか僕もすんなり教えてくれるとは思わなかったお」
( ´_ゝ`)「俺が一番そう思ってたよ」
( ^ω^)「あれじゃないかお。河原での殴り合い後の、
友情効果でも信じてるとかじゃないかお?」
( ´_ゝ`)「少年漫画かよ」
( ^ω^)「信じてるタイプかもしれないお」
自分の母を思い浮かべるが、そんな考えまでは分からない。
少なくとも、少女漫画雑誌LA○Aの読者としてそれは有り得るのか?
( ´_ゝ`)「わかんねぇ」
( ^ω^)「細けぇこたぁいいんだよ! その菓子くれお」
( ´_ゝ`)「これ鬱田の母が弟者に、ってやった菓子だから」
( ^ω^)「ならそれ弟者に食わせちまうのかお?」
( ´_ゝ`)「やるわけねーだろ」
(´<_`; )「オイ!」
砕けた涅槃のポーズをしていた奴が、ようやく動き出した。
282:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:56:06 ID:bu18uDfE0
( ^ω^)「じゃあ僕にくれお」
( ´_ゝ`)「あーうん、お前とそいつで分けて食えよ、ほれ」
(´<_`; )「うわ、投げんな!」
空中でキリ揉み三回転を決めた後、手があるゴミ箱の中に収まる。
そして内藤が開けた箱の中身は、何とケーキだった。
俺が与えた回転の力で、ケーキはギリギリ原形といったところ。
砂糖漬けにされた脳筋と精子脳の瞳がこちらを捉える。
( ^ω^)「おい兄者」
(´<_` )「よし行けブーン」
( ^ω^)+「任せられたお!」
(;´_ゝ`)「え? あっ、ちょま!」
病院だと言うのに、手加減なしのドラゴンスリーパーを決められる。
コードホワイトで警備員を呼ぼうにもナースコールまで届かない。
なんだお前ら、いつの間にそんなに仲良くなってんだ。
それとも食べ物が人と人を繋ぐ絆は何よりも強固だって事か。
283:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:57:07 ID:bu18uDfE0
(´<_` )「このケーキうめー」
( ;^ω^)「あっ! 兄者! 早くギブアップするお! 食われる!」
(;´_ゝ`)「勝手に外せよ、理不尽な……」
ギブアップの意を示して、内藤から解放された頃、
ドアをノックする音が病室に響く。なんか新鮮だ。
そういや俺、ここの部屋にノックしてから入った事ねーな。
( ^ω^)「検温かお? 飯かお?」
(´<_` )「どっちもやったぞデブ」
( ^ω^)「殴られてーのかボケ」
( ´_ゝ`)「どうぞー」
ガラガラガラ.....
('A`;)「し、失礼します……」
( ^ω^)「うお、毒男とは予想外」
284:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:58:08 ID:bu18uDfE0
('A`;)「お邪魔しまーす……」
( ´_ゝ`)「そんな職員室入る時みたいに畏まらなくても」
(´<_` )「職員室ってふいんき(ry じゃねーし、ここ」
( ^ω^)「僕、一応教員免許は持ってるお」
(´<_` )「マジかよ似合わねーな、体育教師か?」
( ´_ゝ`)「筋肉でゴリ押しする先生とか嫌だわ」
( ^ω^)「免許持ってるだけで、別に教師なんかにならねーお」
(´<_` )「なんかイラッときた」
( *^ω^)「免許見たいかお? ふっふ~ん、見 た い か お?」
(´<_` )「すげえイラッとする」
('A`)「入っていいんだよね?」
( ´_ゝ`)「どうぞ」
285:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:59:02 ID:bu18uDfE0
しかしここで問題が発生する。
人数分の座る椅子がないのだ。
(´<_` )「問題じゃねーだろ、誰かベッドに座ればいいだけじゃん」
( ^ω^)「じゃあ弟者の兄弟である兄者さんがベッドに」
( ´_ゝ`)「いやいやここは過去の因縁を片付ける為に鬱田だろ」
( ^ω^)「過去の因縁って言うなら兄者と毒男のほうが先だお」
('A`;)「え、嫌だよ。割と仲良さそうな内藤が座ればいいだろ」
( ^ω^)「僕は割と仲がいいんだから、関係改善の為に僕以外が」
( ´_ゝ`)「病院で喧嘩したらどうすんだ、やっぱ内藤だろ」
('A`)「ああ、でも一応家族なんだし兄者でいいんじゃない?」
(´<_` )「投げやりに言うなや」
286:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:59:46 ID:bu18uDfE0
( ´_ゝ`)「はあ、仕方ない俺が」
( ^ω^)「なら僕が」
('A`)「あ、じゃあ俺も」
鬱田の言葉を聞いた瞬間、内藤が反対側で俺と同じ動きをした。
ベッドの脇に立ち、漫画でよくある執事のように先を促す動きを。
( ´_ゝ`)っ「「どうぞどうぞ」」c(^ω^ )
裏切られた鬱田は、口でガーンと効果音を言いつつ一歩下がる。
('A`;)「は、嵌められた…! あのお決まりの流れじゃないのかよ!」
( ^ω^)「ほら座れお、さっさとこの薄汚いシーツに尻を乗せるお」
( ´_ゝ`)「相手は手負いのチンカスだから心配すんな」
(´<_` )「俺が退院したら覚えてろクズ共」
287:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:00:44 ID:o0svLa/s0
( ´_ゝ`)「病院に参るんじゃなく、病院から参られるのって何て言う?」
( ^ω^)「逆参りとかでいいんじゃないかお」
(´<_` )「焼却炉にでも消えてくれ」
その後、ぐっだぐだの下らないやり取りを数回。
結局顔合わせは済んだと言うことで退室となった。
内藤は鬱田の見舞いのケーキを食い、茶を飲んで終わった。
何も見舞いは持参して来なかったらしい。マジでなんなんだ。
鬱田は結局、弟者とは直接一言も話さないまま退室。
これは仕方ない。部屋に来ただけで及第点をあげていい。
尿瓶に突っ込んだ花束は、まだバレていないようだ。
あいつが自主的に花の水を替えようなんて思うわけがないし、
となると第一発見者は看護師か見舞い客のどちらか、か。
俺の後ろの二人には、その悪戯がバレても問題あるまい。
内藤なんかは、更なる悪戯の提案をしてきそうなくらいだ。
鬱田は、やんわり止めつつも最終的にノってきそうだな。
288:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:01:49 ID:o0svLa/s0
('A`)「外やっぱ寒……バスはまだか」
( ^ω^)「筋肉か脂肪つけろお」
( ´_ゝ`)「無理なの知ってて言うのか。内藤、分けてやれよ」
( ^ω^)「だが断る」
('A`)「バス来るまでお前らのトレーニングの仕方でも聞かせてくれ」
( ^ω^)「うむ、僕は酒呑んでから筋トレしてるお」
( ´_ゝ`)「へー」
('A`)「なんで?」
( ^ω^)「お酒飲むと、少しリミッターが外れて力が出るんだお。
だから僕は筋トレする前に酒呑むお、ちょっとだけ」
('A`;)「酒の成分て筋肉分解するから、筋トレによくないって前に見たぞ」
( ´_ゝ`)「人それぞれだろ、筋トレ前に酒って奴は割と見るぜ。
内藤見ろよ。腹筋とかサイコロステーキじゃねえか」
('A`)「一回パンチした事あるけど、まるでゴムタイヤだわ」
( ^ω^)「もっと褒めろお、筋肉的弱者共め」
289:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:03:04 ID:o0svLa/s0
('A`)「兄者は?」
( ^ω^)「シカトかお」
( ´_ゝ`)「ゲームとかパソコンの読み込みが長い時に、
腕立てとか、スクワットとかだな。あと腹筋」
('A`)「……そんだけ?」
( ´_ゝ`)「内藤にみたいに筋トレが趣味じゃねーしな」
('A`)「それでその体だってのかよチックショウ」
( ´_ゝ`)「毎月必ずやってる全力の喧嘩も筋トレに入るかな?」
( ^ω^)「筋トレじゃねーお、それ実戦だお」
('A`;)「そっか、筋トレ以外にそれやってるからか……」
( ´_ゝ`)「ほぼ不本意だけどな」
( ^ω^)「僕も全力で殴れる動くサンドバックが欲しいお~」
('A`)「そこの電柱は?」
( ^ω^)「なめてんのか。流石に拳が砕けるお」
290:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:03:45 ID:o0svLa/s0
一際強い風が吹き、足元の雪が舞い上がる。
('A`il)「寒! さむ! サム!」
( ´_ゝ`)「連呼すんな余計寒いだろ」
( ^ω^)「軟弱、軟弱ぅ!」
('A`)「足ガックガクだぞ内藤」
( ^ω^)「股引くらい履いて来ればよかったお」
( ´_ゝ`)「そもそも短パンの時点でおかしい」
( ^ω^)「見栄はらなきゃよかったお」
('A`)「張れねーよ、誰に張るんだ」
( ^ω^)「僕を目撃してしまったお前ら以外の誰か」
( ´_ゝ`)「頭おかしい奴と思われるか、『流石はデブ』
としか思われないだろ、どう見てもさあ」
292:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:04:38 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「はぁ~あ二人の反応も冷たいお~
チンだけじゃなく心もキュッとなるお」
( ´_ゝ`)「いきなりシモに転がるなよ」
('A`)「その短パン、ジャージだろ? そりゃ縮まるわ」
( ^ω^)「チンサム~チンサム~ぅ…………はっ」
( ´_ゝ`)「どうした夏野郎」
( ^ω^)「頭の中でペ○スち○こチ○コ連呼してたら、
小学生の時に作った替え歌思い出したお」
微妙に韻を踏んでいた内藤の言葉は、洒落なのかどうなのか。
突っ込んでいいものか、何一つわからなかったので放置する。
('A`)「何の歌?」
( ^ω^)「小学生がひり出す下らねえエロネタだらけの歌だお。
歌ったら先生に殴られた上に廊下に出されたくらいだお」
( ´_ゝ`)「あ~アレか」
( ^ω^)「アレだお、懐いお~」
293:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:05:43 ID:o0svLa/s0
('A`)「下らないって前置きあってもンな事されると気になるわ」
( ´_ゝ`)「ガッカリするかもよ?」
( ^ω^)「確実に呆れるお」
('A`;)「早く歌えよ」
( ^ω^)「うむ、では」
( -ω-)=3 ウォッホン
( ^ω^)「……」
( ´_ゝ`)「……」
('A`)「……」
( ^ω^)「では」
( ´_ゝ`)「はよ」
( ^ω^)「うむ」
294:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:06:24 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「ちん○ま○こどっこさ~♪ う○こさ♪
うん○どっこさ~♪ しり○なさ♪
し~りあ○どっこ
('A`)「もういい」
( ^ω^)「歌いきってないお」
('A`)「いやもういいよ」
(;´_ゝ`)「そだな」
295:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:07:18 ID:o0svLa/s0
大きくなってから改めて聞くと、酷い歌だ。いや、歌と言っていいのか?
これを広義の歌に含めてしまったら、それは酷い侮辱じゃなかろうか。
当時の自分はよくこれで呑気に笑っていられたもんだ。
と言うか、歌詞の意味もわからず、周りが笑うから笑っていただけか。
ん? 待てよ。
まだ保健体育を習わない年齢の児童に卑猥な単語を聞かせるのは、
六法全書にきちんと法律違反であるとあったように記憶している。
あの場合、逮捕されるのは内藤なのか? 親なのか? わからん。
取りあえず、あんな酷いものでバカ笑いできるのは、
テンションが高い時か、酒が入ってる時だけだ。
つまるところ、今の状態はサイレントである。
風の音と救急車の音だけが周囲を支配する。
( ^ω^)「…………」
( ´_ゝ`)「…………」
('A`)「…………」
( ^ω^)「すまんお」
('A`;)「もういいってば」
296:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:08:22 ID:o0svLa/s0
溜め息を吐いて、鬱田が別の話を切り出す。
寒い日にシモい話したって、逆に下半身意識するだけだもんな。
('A`)「内藤って、土産も持たずに何しに来たんだ?」
( ^ω^)「遊びに」
('A`;)「マジで?」
( ´_ゝ`)「それ以外の何だと思ったんだよ」
('A`)「なんかこう、ツンデレ的なアレかと思って……」
_, 、_
( ^ω^)「は?」
('A`;)「いや! 要は! 『アンタなんか心配してないんだからねっ!』
って言いつつ結局病院に来るあたり、それなのかと……」
_, 、_
( ´_ゝ`)「は?」
いやそれ、萌え系の創作物の中だけだろう。そんなの。
現実にツンデレなんていたら、ただの鬱陶しい女だ。
ヤンデレも、現実ではただの自己中メンヘラ女に成り下がる。
フィクションだから、自分の好きなように解釈できるだけで。
298:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:09:50 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「ンなふざけたコト言った覚えはないお」
('A`;)「ニュアンスだよ」
( ^ω^)「どんだけ曲がった表現だお」
( ´_ゝ`)「本人のアレ並に」
('A`)「やめろ、右曲がりなの気にしてんだから」
鬱田のちんこの曲がり方なんて、今初めて知った。
内藤がいぇーいとダブルピースしつつ、さっきの歌の続きを歌う。
それを無視して、鬱田が言葉を吐く。
('A`)「本当に心配してないのか?」
( ^ω^)「うんこ……え?」
('A`)「一応……」
鬱田の視線が、一瞬チラッとこちらに流れた。
なんだ。何のサインだ。わからんぞ。
('A`)「兄者の兄弟だし」
299:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:10:44 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「えっ? 僕が? 友人の弟という他人を? あのクズを?」
('A`;)「クズて」
( ^ω^)「クズじゃんお」
( ´_ゝ`)「生きる価値のない糞袋と呼んでも俺は許すよ?」
(;'A`)「いやいやいや!」
( ^ω^)
( ^ω^)「う」
( ^ω^)「ふふふっふ、うふ」
( ^ω^)「ふ」
300:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:11:25 ID:o0svLa/s0
('A`;)「ブーン?」
( ´_ゝ`)「あー」
( ^ω^)
:( ^ω^): プルプル
ノ
( ^ω^)_ - スゥウウウウウウウ
ヽ
(。 )ω^) プクッ
充分に溜めが入る。
鬱田は呆然としているが、俺の準備は万端だ。
301:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:13:11 ID:o0svLa/s0
ノつ__とヽ
/( ´_ゝ`)|
(;'A`)「兄者、なんで耳塞いで……」
人从人从人从人从人从人从人从人从人从人
(σ^ω^)σ「―――っぷぎゃっはぁああああ!!!11
ンなワケねぇーお!!アリエネぇえええ!!」
WYWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYW
(゚A゚;)「!?」
膝を少し折り曲げ、顔の横で両人差し指をこちらに向ける内藤。
よくわからないが、行動にも溜めが入ったせいでやたらウザったい。
耳塞いでなきゃ、確実に頭の中で反響する声だな。
鬱田なんかは完全に硬直している。
( ^ω^)「エフッ、えふっ。あースッキリした」
( ´_ゝ`)「やるならやるって言え」
( ^ω^)「叫びたい気分だったんだおー」
('A`)「……ハッ」
302:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:14:42 ID:o0svLa/s0
割と早い復活を果たした鬱田は、軽く苛立った俺と同じように、
内藤の膝裏に蹴りを入れている。しかしこうかはないようだ・・・
威力が足りないので膝カックンさせれない。
内藤相手なら全力で良いんだぞ鬱田。
('A`#)「いきなり! 叫ぶな! 病院前で!」
( ^ω^)「あぁん怒るポイントそこぉ?」
( ´_ゝ`)「いきなりハイパーボイスくらった事には怒らんのね」
はあ、なんというか。不真面目と生真面目と言うか。
たまにこの二人がつるんでる事が不思議に思えてくるな。
( ´_ゝ`)「まあ、今は冬だからある程度の騒音は雪が吸収してるだろ」
('A`)「そういう問題じゃないから」
え? じゃあどういう問題なんだ。
303:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:15:55 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「毒男の蹴りには気合いが足りぬお……。
兄者、彼の者に手本を見せてやれい」
( ´_ゝ`)ゞ「ラジャー」
('A`)「は? どゆこt
ヒュゴッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そして俺は内藤の左足に前方から全力の蹴りを入れ、
そのまま二人でユーターンし病院のお世話となった。
脛を抑えて悶絶する俺らに危機感を感じた鬱田が、
わざわざ看護師を呼んでくれたのだ。実にありがたい。
304:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:17:00 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「あーあ、無駄に金とられたお~」
( ´_ゝ`)「レントゲンまで撮られるとは思ってなかったわ」
('A`)「アホだろお前ら」
( ^ω^)「うん」
( ´_ゝ`)「知らなかったの?」
俺に向かって手本を見せいと発言した時、
内藤はバス停の標識を指差してたらしい。
そんなん見てなかったよ内藤さん。
つーかそんなモン指差すなや内藤さん。
脛はまだ痛い。こりゃ痣になるな。
20.糸冬
20.将来設計の最期は安楽死
何故か糞野郎の見舞いに鬱田が立候補した。
やめといたほうが、とメールする前に、病院の廊下でバッタリ出会った。
底辺DQNとの初対面でメンチきられてカツアゲされそうだったってのに、
意識改革でもされたのか、内藤が企画した罰ゲームなのか。
( ´_ゝ`)「本当に大丈夫か? 無理しなくていいんだぞ?」
('A`;)「カーチャンに行けって言われたんだよ。この菓子持たされて。
俺の叔父さんも入院してるからさ。友達のとこにも顔出せって」
( ´_ゝ`)「ああ、ついでか、成程」
('A`)「そりゃ……面と向かって言うのもアレだけど、会いたくはないわ」
( ´_ゝ`)「だろうなあ」
精子スプリンクラーと鬱田は、色々な物事の対極に立っている。
簡単に言ってしまえばヲタクとDQNだな。
276:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:49:52 ID:bu18uDfE0
( ´_ゝ`)「鬱田の母親は、あいつの性格とか知らねーの?」
('A`)「知らないよ。俺の友人の双子の弟としか知らない」
( ´_ゝ`)「口で言うと他人じゃねーか」
('A`)「ですよねー」
( ´_ゝ`)「なんで菓子まで持たせたし」
('A`)「俺に聞かないでくれよ」
( ´_ゝ`)「今メールで伝えたら? あいつの所業とか」
('A`)「してもいいんだけど、多分、お前にまで飛び火しそう」
( ´_ゝ`)「へ? なんで?」
('A`;)「言いにくいけど、双子ってだけで……やっぱ、さあ」
まだ見ぬ鬱田の母にイラッとしたが、そこは抑える。
会う前の段取りとして、鬱田の母に手紙でも送ってやろうか。
同じ家庭で育った双子よりも、別々の家庭に引き取られて育った双子のほうが、
より似通った性質や一致する特徴を持つという事例を5万字くらいに書き連ねて。
277:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:50:47 ID:bu18uDfE0
('A`)「今、眉間にすごい皺を寄せた後に、すごいゲス顔になったぞ。
何企んでやがる。こっちを巻き込むなよ? カーチャン巻き込むなよ?」
( ´_ゝ`)「ゲス顔言うなや。仲良くしようぜ~」
('A`;)「俺、取りあえず叔父さんの見舞い行ってくる!」
( ´_ゝ`)「待て待て。その菓子、代わりに渡しといてやるよ」
('A`;)「ありがとう」
菓子を渡すと、すぐに走り去って行く鬱田。
病院の廊下は走るなよ、危ねーな。
ああ、曲がり角でナースとぶつかるとかどんだけだよ。
お前がいつも呟いてる理想のシチュエーションじゃねえか。
('A`;)「わーすみません! ごめんなさい! 今拾います!」
うん、でも現実での反応なんてそんなモンだよね。
ここで救助に行ったら、逆に鬱田に恥の上塗りをする事になるのかどうか。
ちょっと判断がつかなかったので去る。俺なら手助けされても困るからね。
人の嫌がる事はすんなってばっちゃが言ってた。
278:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:51:42 ID:bu18uDfE0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そして俺は、また迷子になっていた。
|゚ノ ^∀^)「ここですよー」
(; _ゝ )「なんかもう……毎度毎度、すみません」
|゚ノ ^∀^)「いえいえ、ここって広いから迷う方は多いんですよ」
(;´_ゝ`)「はい、ありがとうございました」
|゚ノ ^∀^)「それではー」
そして俺は、また一歩自分が嫌いになった。
方向音痴ってどうやったら直るんだろう。
空間把握能力ってどうやったら身に着くんだ。
(;´_ゝ`)「はーぁあ、菓子の空箱だけ置いて帰るか」
ゲームのマップじゃ迷わないのになー。
なんて考えつつ、ドアを開ける。
279:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:52:47 ID:bu18uDfE0
280:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:53:28 ID:bu18uDfE0
( ´_ゝ`)「んー疲れてんのかな」
堂々と居座ってペットボトルのお茶を飲み干すどころか、
図々しくも菓子と果物まで要求するぬらりひょんがいた。
ガラッ
( ^ω^)「閉めんなお、このクソと二人きりにさせる気かお」
( ´_ゝ`)「お前マジでなんでいんの」
( ^ω^)「暇だからだお」
( ´_ゝ`)「なんでここが分かった?」
( ^ω^)「兄者のお母さんに聞いたらすぐ教えてくれたお」
ガッデム。シット。ジーザスクライシス。
内藤と弟が喧嘩した事あるのは知ってるだろうに、何故教えたし。
281:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:55:08 ID:bu18uDfE0
( ^ω^)「まさか僕もすんなり教えてくれるとは思わなかったお」
( ´_ゝ`)「俺が一番そう思ってたよ」
( ^ω^)「あれじゃないかお。河原での殴り合い後の、
友情効果でも信じてるとかじゃないかお?」
( ´_ゝ`)「少年漫画かよ」
( ^ω^)「信じてるタイプかもしれないお」
自分の母を思い浮かべるが、そんな考えまでは分からない。
少なくとも、少女漫画雑誌LA○Aの読者としてそれは有り得るのか?
( ´_ゝ`)「わかんねぇ」
( ^ω^)「細けぇこたぁいいんだよ! その菓子くれお」
( ´_ゝ`)「これ鬱田の母が弟者に、ってやった菓子だから」
( ^ω^)「ならそれ弟者に食わせちまうのかお?」
( ´_ゝ`)「やるわけねーだろ」
(´<_`; )「オイ!」
砕けた涅槃のポーズをしていた奴が、ようやく動き出した。
282:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:56:06 ID:bu18uDfE0
( ^ω^)「じゃあ僕にくれお」
( ´_ゝ`)「あーうん、お前とそいつで分けて食えよ、ほれ」
(´<_`; )「うわ、投げんな!」
空中でキリ揉み三回転を決めた後、手があるゴミ箱の中に収まる。
そして内藤が開けた箱の中身は、何とケーキだった。
俺が与えた回転の力で、ケーキはギリギリ原形といったところ。
砂糖漬けにされた脳筋と精子脳の瞳がこちらを捉える。
( ^ω^)「おい兄者」
(´<_` )「よし行けブーン」
( ^ω^)+「任せられたお!」
(;´_ゝ`)「え? あっ、ちょま!」
病院だと言うのに、手加減なしのドラゴンスリーパーを決められる。
コードホワイトで警備員を呼ぼうにもナースコールまで届かない。
なんだお前ら、いつの間にそんなに仲良くなってんだ。
それとも食べ物が人と人を繋ぐ絆は何よりも強固だって事か。
283:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:57:07 ID:bu18uDfE0
(´<_` )「このケーキうめー」
( ;^ω^)「あっ! 兄者! 早くギブアップするお! 食われる!」
(;´_ゝ`)「勝手に外せよ、理不尽な……」
ギブアップの意を示して、内藤から解放された頃、
ドアをノックする音が病室に響く。なんか新鮮だ。
そういや俺、ここの部屋にノックしてから入った事ねーな。
( ^ω^)「検温かお? 飯かお?」
(´<_` )「どっちもやったぞデブ」
( ^ω^)「殴られてーのかボケ」
( ´_ゝ`)「どうぞー」
ガラガラガラ.....
('A`;)「し、失礼します……」
( ^ω^)「うお、毒男とは予想外」
284:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:58:08 ID:bu18uDfE0
('A`;)「お邪魔しまーす……」
( ´_ゝ`)「そんな職員室入る時みたいに畏まらなくても」
(´<_` )「職員室ってふいんき(ry じゃねーし、ここ」
( ^ω^)「僕、一応教員免許は持ってるお」
(´<_` )「マジかよ似合わねーな、体育教師か?」
( ´_ゝ`)「筋肉でゴリ押しする先生とか嫌だわ」
( ^ω^)「免許持ってるだけで、別に教師なんかにならねーお」
(´<_` )「なんかイラッときた」
( *^ω^)「免許見たいかお? ふっふ~ん、見 た い か お?」
(´<_` )「すげえイラッとする」
('A`)「入っていいんだよね?」
( ´_ゝ`)「どうぞ」
285:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:59:02 ID:bu18uDfE0
しかしここで問題が発生する。
人数分の座る椅子がないのだ。
(´<_` )「問題じゃねーだろ、誰かベッドに座ればいいだけじゃん」
( ^ω^)「じゃあ弟者の兄弟である兄者さんがベッドに」
( ´_ゝ`)「いやいやここは過去の因縁を片付ける為に鬱田だろ」
( ^ω^)「過去の因縁って言うなら兄者と毒男のほうが先だお」
('A`;)「え、嫌だよ。割と仲良さそうな内藤が座ればいいだろ」
( ^ω^)「僕は割と仲がいいんだから、関係改善の為に僕以外が」
( ´_ゝ`)「病院で喧嘩したらどうすんだ、やっぱ内藤だろ」
('A`)「ああ、でも一応家族なんだし兄者でいいんじゃない?」
(´<_` )「投げやりに言うなや」
286:名も無きAAのようです:2013/02/05(火) 23:59:46 ID:bu18uDfE0
( ´_ゝ`)「はあ、仕方ない俺が」
( ^ω^)「なら僕が」
('A`)「あ、じゃあ俺も」
鬱田の言葉を聞いた瞬間、内藤が反対側で俺と同じ動きをした。
ベッドの脇に立ち、漫画でよくある執事のように先を促す動きを。
( ´_ゝ`)っ「「どうぞどうぞ」」c(^ω^ )
裏切られた鬱田は、口でガーンと効果音を言いつつ一歩下がる。
('A`;)「は、嵌められた…! あのお決まりの流れじゃないのかよ!」
( ^ω^)「ほら座れお、さっさとこの薄汚いシーツに尻を乗せるお」
( ´_ゝ`)「相手は手負いのチンカスだから心配すんな」
(´<_` )「俺が退院したら覚えてろクズ共」
287:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:00:44 ID:o0svLa/s0
( ´_ゝ`)「病院に参るんじゃなく、病院から参られるのって何て言う?」
( ^ω^)「逆参りとかでいいんじゃないかお」
(´<_` )「焼却炉にでも消えてくれ」
その後、ぐっだぐだの下らないやり取りを数回。
結局顔合わせは済んだと言うことで退室となった。
内藤は鬱田の見舞いのケーキを食い、茶を飲んで終わった。
何も見舞いは持参して来なかったらしい。マジでなんなんだ。
鬱田は結局、弟者とは直接一言も話さないまま退室。
これは仕方ない。部屋に来ただけで及第点をあげていい。
尿瓶に突っ込んだ花束は、まだバレていないようだ。
あいつが自主的に花の水を替えようなんて思うわけがないし、
となると第一発見者は看護師か見舞い客のどちらか、か。
俺の後ろの二人には、その悪戯がバレても問題あるまい。
内藤なんかは、更なる悪戯の提案をしてきそうなくらいだ。
鬱田は、やんわり止めつつも最終的にノってきそうだな。
288:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:01:49 ID:o0svLa/s0
('A`)「外やっぱ寒……バスはまだか」
( ^ω^)「筋肉か脂肪つけろお」
( ´_ゝ`)「無理なの知ってて言うのか。内藤、分けてやれよ」
( ^ω^)「だが断る」
('A`)「バス来るまでお前らのトレーニングの仕方でも聞かせてくれ」
( ^ω^)「うむ、僕は酒呑んでから筋トレしてるお」
( ´_ゝ`)「へー」
('A`)「なんで?」
( ^ω^)「お酒飲むと、少しリミッターが外れて力が出るんだお。
だから僕は筋トレする前に酒呑むお、ちょっとだけ」
('A`;)「酒の成分て筋肉分解するから、筋トレによくないって前に見たぞ」
( ´_ゝ`)「人それぞれだろ、筋トレ前に酒って奴は割と見るぜ。
内藤見ろよ。腹筋とかサイコロステーキじゃねえか」
('A`)「一回パンチした事あるけど、まるでゴムタイヤだわ」
( ^ω^)「もっと褒めろお、筋肉的弱者共め」
289:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:03:04 ID:o0svLa/s0
('A`)「兄者は?」
( ^ω^)「シカトかお」
( ´_ゝ`)「ゲームとかパソコンの読み込みが長い時に、
腕立てとか、スクワットとかだな。あと腹筋」
('A`)「……そんだけ?」
( ´_ゝ`)「内藤にみたいに筋トレが趣味じゃねーしな」
('A`)「それでその体だってのかよチックショウ」
( ´_ゝ`)「毎月必ずやってる全力の喧嘩も筋トレに入るかな?」
( ^ω^)「筋トレじゃねーお、それ実戦だお」
('A`;)「そっか、筋トレ以外にそれやってるからか……」
( ´_ゝ`)「ほぼ不本意だけどな」
( ^ω^)「僕も全力で殴れる動くサンドバックが欲しいお~」
('A`)「そこの電柱は?」
( ^ω^)「なめてんのか。流石に拳が砕けるお」
290:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:03:45 ID:o0svLa/s0
一際強い風が吹き、足元の雪が舞い上がる。
('A`il)「寒! さむ! サム!」
( ´_ゝ`)「連呼すんな余計寒いだろ」
( ^ω^)「軟弱、軟弱ぅ!」
('A`)「足ガックガクだぞ内藤」
( ^ω^)「股引くらい履いて来ればよかったお」
( ´_ゝ`)「そもそも短パンの時点でおかしい」
( ^ω^)「見栄はらなきゃよかったお」
('A`)「張れねーよ、誰に張るんだ」
( ^ω^)「僕を目撃してしまったお前ら以外の誰か」
( ´_ゝ`)「頭おかしい奴と思われるか、『流石はデブ』
としか思われないだろ、どう見てもさあ」
292:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:04:38 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「はぁ~あ二人の反応も冷たいお~
チンだけじゃなく心もキュッとなるお」
( ´_ゝ`)「いきなりシモに転がるなよ」
('A`)「その短パン、ジャージだろ? そりゃ縮まるわ」
( ^ω^)「チンサム~チンサム~ぅ…………はっ」
( ´_ゝ`)「どうした夏野郎」
( ^ω^)「頭の中でペ○スち○こチ○コ連呼してたら、
小学生の時に作った替え歌思い出したお」
微妙に韻を踏んでいた内藤の言葉は、洒落なのかどうなのか。
突っ込んでいいものか、何一つわからなかったので放置する。
('A`)「何の歌?」
( ^ω^)「小学生がひり出す下らねえエロネタだらけの歌だお。
歌ったら先生に殴られた上に廊下に出されたくらいだお」
( ´_ゝ`)「あ~アレか」
( ^ω^)「アレだお、懐いお~」
293:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:05:43 ID:o0svLa/s0
('A`)「下らないって前置きあってもンな事されると気になるわ」
( ´_ゝ`)「ガッカリするかもよ?」
( ^ω^)「確実に呆れるお」
('A`;)「早く歌えよ」
( ^ω^)「うむ、では」
( -ω-)=3 ウォッホン
( ^ω^)「……」
( ´_ゝ`)「……」
('A`)「……」
( ^ω^)「では」
( ´_ゝ`)「はよ」
( ^ω^)「うむ」
294:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:06:24 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「ちん○ま○こどっこさ~♪ う○こさ♪
うん○どっこさ~♪ しり○なさ♪
し~りあ○どっこ
('A`)「もういい」
( ^ω^)「歌いきってないお」
('A`)「いやもういいよ」
(;´_ゝ`)「そだな」
295:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:07:18 ID:o0svLa/s0
大きくなってから改めて聞くと、酷い歌だ。いや、歌と言っていいのか?
これを広義の歌に含めてしまったら、それは酷い侮辱じゃなかろうか。
当時の自分はよくこれで呑気に笑っていられたもんだ。
と言うか、歌詞の意味もわからず、周りが笑うから笑っていただけか。
ん? 待てよ。
まだ保健体育を習わない年齢の児童に卑猥な単語を聞かせるのは、
六法全書にきちんと法律違反であるとあったように記憶している。
あの場合、逮捕されるのは内藤なのか? 親なのか? わからん。
取りあえず、あんな酷いものでバカ笑いできるのは、
テンションが高い時か、酒が入ってる時だけだ。
つまるところ、今の状態はサイレントである。
風の音と救急車の音だけが周囲を支配する。
( ^ω^)「…………」
( ´_ゝ`)「…………」
('A`)「…………」
( ^ω^)「すまんお」
('A`;)「もういいってば」
296:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:08:22 ID:o0svLa/s0
溜め息を吐いて、鬱田が別の話を切り出す。
寒い日にシモい話したって、逆に下半身意識するだけだもんな。
('A`)「内藤って、土産も持たずに何しに来たんだ?」
( ^ω^)「遊びに」
('A`;)「マジで?」
( ´_ゝ`)「それ以外の何だと思ったんだよ」
('A`)「なんかこう、ツンデレ的なアレかと思って……」
_, 、_
( ^ω^)「は?」
('A`;)「いや! 要は! 『アンタなんか心配してないんだからねっ!』
って言いつつ結局病院に来るあたり、それなのかと……」
_, 、_
( ´_ゝ`)「は?」
いやそれ、萌え系の創作物の中だけだろう。そんなの。
現実にツンデレなんていたら、ただの鬱陶しい女だ。
ヤンデレも、現実ではただの自己中メンヘラ女に成り下がる。
フィクションだから、自分の好きなように解釈できるだけで。
298:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:09:50 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「ンなふざけたコト言った覚えはないお」
('A`;)「ニュアンスだよ」
( ^ω^)「どんだけ曲がった表現だお」
( ´_ゝ`)「本人のアレ並に」
('A`)「やめろ、右曲がりなの気にしてんだから」
鬱田のちんこの曲がり方なんて、今初めて知った。
内藤がいぇーいとダブルピースしつつ、さっきの歌の続きを歌う。
それを無視して、鬱田が言葉を吐く。
('A`)「本当に心配してないのか?」
( ^ω^)「うんこ……え?」
('A`)「一応……」
鬱田の視線が、一瞬チラッとこちらに流れた。
なんだ。何のサインだ。わからんぞ。
('A`)「兄者の兄弟だし」
299:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:10:44 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「えっ? 僕が? 友人の弟という他人を? あのクズを?」
('A`;)「クズて」
( ^ω^)「クズじゃんお」
( ´_ゝ`)「生きる価値のない糞袋と呼んでも俺は許すよ?」
(;'A`)「いやいやいや!」
( ^ω^)
( ^ω^)「う」
( ^ω^)「ふふふっふ、うふ」
( ^ω^)「ふ」
300:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:11:25 ID:o0svLa/s0
('A`;)「ブーン?」
( ´_ゝ`)「あー」
( ^ω^)
:( ^ω^): プルプル
ノ
( ^ω^)_ - スゥウウウウウウウ
ヽ
(。 )ω^) プクッ
充分に溜めが入る。
鬱田は呆然としているが、俺の準備は万端だ。
301:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:13:11 ID:o0svLa/s0
ノつ__とヽ
/( ´_ゝ`)|
(;'A`)「兄者、なんで耳塞いで……」
人从人从人从人从人从人从人从人从人从人
(σ^ω^)σ「―――っぷぎゃっはぁああああ!!!11
ンなワケねぇーお!!アリエネぇえええ!!」
WYWYWYWYWYWYWYWYWYWYWYW
(゚A゚;)「!?」
膝を少し折り曲げ、顔の横で両人差し指をこちらに向ける内藤。
よくわからないが、行動にも溜めが入ったせいでやたらウザったい。
耳塞いでなきゃ、確実に頭の中で反響する声だな。
鬱田なんかは完全に硬直している。
( ^ω^)「エフッ、えふっ。あースッキリした」
( ´_ゝ`)「やるならやるって言え」
( ^ω^)「叫びたい気分だったんだおー」
('A`)「……ハッ」
302:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:14:42 ID:o0svLa/s0
割と早い復活を果たした鬱田は、軽く苛立った俺と同じように、
内藤の膝裏に蹴りを入れている。しかしこうかはないようだ・・・
威力が足りないので膝カックンさせれない。
内藤相手なら全力で良いんだぞ鬱田。
('A`#)「いきなり! 叫ぶな! 病院前で!」
( ^ω^)「あぁん怒るポイントそこぉ?」
( ´_ゝ`)「いきなりハイパーボイスくらった事には怒らんのね」
はあ、なんというか。不真面目と生真面目と言うか。
たまにこの二人がつるんでる事が不思議に思えてくるな。
( ´_ゝ`)「まあ、今は冬だからある程度の騒音は雪が吸収してるだろ」
('A`)「そういう問題じゃないから」
え? じゃあどういう問題なんだ。
303:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:15:55 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「毒男の蹴りには気合いが足りぬお……。
兄者、彼の者に手本を見せてやれい」
( ´_ゝ`)ゞ「ラジャー」
('A`)「は? どゆこt
ヒュゴッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そして俺は内藤の左足に前方から全力の蹴りを入れ、
そのまま二人でユーターンし病院のお世話となった。
脛を抑えて悶絶する俺らに危機感を感じた鬱田が、
わざわざ看護師を呼んでくれたのだ。実にありがたい。
304:名も無きAAのようです:2013/02/06(水) 00:17:00 ID:o0svLa/s0
( ^ω^)「あーあ、無駄に金とられたお~」
( ´_ゝ`)「レントゲンまで撮られるとは思ってなかったわ」
('A`)「アホだろお前ら」
( ^ω^)「うん」
( ´_ゝ`)「知らなかったの?」
俺に向かって手本を見せいと発言した時、
内藤はバス停の標識を指差してたらしい。
そんなん見てなかったよ内藤さん。
つーかそんなモン指差すなや内藤さん。
脛はまだ痛い。こりゃ痣になるな。
20.糸冬
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