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630:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:36:03 ID:4UKkUBR20
30.溜め込んだクソとゲロに満ちた愛好
病院を出て5秒でキマってる男と遭遇した。
いつから病院前にジャンキーが徘徊する世紀末になったんだ。
俺が知らないだけで世の中はそんなに荒れていたのか?
実は新しく付いた設定で、世界は実は電子のプログラムで、
世界が5分前に産まれたとか言う仮説は本当だったのか?
( ;゚∀゚ )「ぼわぅああ~揺れる~地震だ~酔う~」
( ´_ゝ`)「足元は震度零の不動のコンクリだよ。
揺れてんのはお前の脳みそだけだよ」
( ;゚∀゚ )「お゙ぉ゙ぉ……兄者……が、2人、だと……?
どっどっちが弟者なんだか見分けつかねぇ」
( ´_ゝ`)「どっちも俺だよ、今度は何やったんだテメェ」
( ;゚∀゚ )「俺、は、オヴェエ……保険証の、再発行?
だったっけか、それとかやってもらおうと」
( ´_ゝ`)「再発行は役所だっつの。てか違うって、何の薬だ」
631:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:37:25 ID:4UKkUBR20
( ;゚∀゚ )「薬? クスリ……ウォェッと、確か、konozamaじゃなくて、
大丈夫なほうの、外国の、海外の輸入品だった気が」
( ´_ゝ`)「セウトじゃねぇよアウトだよ。灰じゃなくて黒だっつの。
例え大丈夫だったとしても、その説明がファウルだよ」
( ;゚∀゚ )「俺のボールを受け止めてくれ……」
( ´_ゝ`)「うん会話不可能か。医者に診てもらおう。
それが嫌だったら、おうちに帰ろう、な?」
( ;゚∀゚ )「うごごごご」
飯を買いに外に出たつもりが、こんなものを拾うとは。
つくづくツいてない。寒さと共に運も冷え込んだか。
看護師を呼ぶべきかどうか考えたが、その後が面倒臭い。
下手に動いて、こいつに敵対行動と捉えられても鬱陶しい。
( ;゚∀゚ )「吐きそう……揺らさないで……」
( ´_ゝ`)「どうしろってんだ」
( ;゚∀゚ )「おうちに帰ろう、う、う、ウゲェ」
( ´_ゝ`)「あそこにタクシーあるから、それ乗って帰っとけ」
632:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:39:35 ID:4UKkUBR20
( ;゚∀゚ )「うー、俺は、お前に話があったんだよ、確か。
なんか大事っぽいような気がしてるもの……」
( ´_ゝ`)「お前、日本語があやふやになってんぞ。
一緒に家に行ってやるから立ち上がれ」
( ;゚∀゚ )「そういや俺の部屋変わったんだ」
( ´_ゝ`)「またぁ? 一ヵ月も経ってねぇじゃん」
( ;゚∀゚ )「なんかゼンサイが来てバレたとかで、
こっから引っ越せって連れてかれて」
( ´_ゝ`)「ぜん……ああ、前妻か。そっちもメンドイなあ」
( ;゚∀゚ )「だから今、X@*のとこに」
( ´_ゝ`)「地名言われても判らんわ。取りあえず、
荷物取って来るからちょっと待ってろ」
( ;゚∀゚ )「揺れる前に戻って来てくれ……」
( ´_ゝ`)「携帯の緊急地震速報でも眺めてろ」
頭を冷やさせる為に、外に薬中を置いて病院に戻る。
幻覚でも見て雪でも食って体の中から冷ませばいい。
633:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:40:21 ID:4UKkUBR20
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
( ´_ゝ`)「うげぇ……」
毎度の扉を開ければ、俺の渡したエロ本で抜いてるゴミがいた。
まだ日は高い。病室の窓から入る光は雪で反射して眩しい。
(´<_` )「あれ? もう買って来たのか?」
( ´_ゝ`)「フッツーにオナってんじゃねぇよ昼だぞボケ死ね。
この短時間で自慰しようって何で思うんだよ猿か」
(´<_` )「流れるように罵倒すんな。こまけぇこたぁいいんだよ」
( ´_ゝ`)「俺これからアヒャの家に行って来るわ」
(´<_` )「戻って来んのか?」
( ´_ゝ`)「知らね」
(´<_` )「母さんにここに泊まれって言われたんだろ。道草売るなよ」
( ´_ゝ`)「道草は食うもんだろ、売れねぇよそんなゴミ」
(´<_`; )「あ、油と間違えたんだよ!」
634:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:41:34 ID:4UKkUBR20
そうだ。
今度来た時に寝てたら、口の中に油を流し込んでやろう。
忘れない内に、携帯のメモ帳に思い付いた事を記しておく。
こいつの面倒を見ろと我が母から強制されてたワケじゃないし、
アヒャの面倒を見る為なんだから外泊しても許されるだろう。
何かある度に「友達は大事にしなさい」って言われてるしな。
緊縛特集のページを開いたまま喚くクズを無視して、鞄を持つ。
( ´_ゝ`)「じゃあな!」
自販機で余らせていた500mLのペットボトルを顔面に投げつける。
後は知らん。飲むなり捨てるなり手を洗うなり、好きにするがいい。
しかし、その様子を通りすがりの看護師さんに見られた。
タイミング悪ぃ。仲悪いと見られたかな? まあいいや。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
635:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:42:29 ID:4UKkUBR20
( ´_ゝ`)「おいアヒャ戻ったぞ。アイスマンになってないか?」
( ゚∀゚ )「俺そんな太古の昔に生まれてないぜ」
( ´_ゝ`)「よし、正気に戻ったか」
( ;゚∀゚ )「自分で言うのもなんだが、少し怪しいわ」
( ´_ゝ`)「自覚できるだけマシじゃない? 受け答えできるんだったら、
このまま病院行って医者にちょっと診て貰えよ。金ある?」
( ;゚∀゚ )「金あるけど診られたらヤバそうだからいいわ……」
って事は、思いっ切り違法な何かをやってるって事か。
つーか薬が抜けきってない状態だから、何も信用できねぇ。
このままだと俺も何かの幇助罪に入りそうだ。どうすっかなあ。
行けるとこまで逝くべきか、こいつをどうにかするべきか。
瞬時に、『殺す』なんて物騒な考えが浮かんだ頭を殴る。
いい加減にしろ俺。どうも物々しい方向に行ってるぞ。
( ´_ゝ`)「ん?」
そういや最近、思考回路は歯止めが無かった気がする。
今、ほぼ勝手に動いた右腕は良心が戻った証か?
だとしたら自制はそっちに任せて、これでよしとしよう。
636:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:43:18 ID:4UKkUBR20
( ´_ゝ`)「タクシーあそこにあるから行こうぜ。
住所分からんから案内は頼んだ」
( ゚∀゚ )「お、おう、ぅ?」
( ´_ゝ`)「どうした」
( ;゚∀゚ )「あ、歩けねぇ」
( ´_ゝ`)「は?」
( ;゚∀゚ )「足が言うこと聞かねえぇ……」
(;´_ゝ`)「ええ?」
( ;゚∀゚ )「おぶってくれ」
( ´_ゝ`)「いや……そこは普通、肩貸してくれじゃねぇの」
よく見ると、足がアル中患者の手羽先のように震えていた。
もう完璧にデンジャラスでブラック過ぎるドラッグ決定だろう。
いっそ家でも病院でもなく、警察に突き出した方がいいんじゃねぇか?
637:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:45:10 ID:4UKkUBR20
( ´_ゝ`)「お前ヤベェって、病院か警察行こうぜ」
( ;゚∀゚ )「あー、警察ならもう行った」
( ´_ゝ`)「え、前科持ち?」
( ;゚∀゚ )「違ーよ。睡眠薬飲んで深夜に外をうろついてたら、
いつの間にか警官に取り囲まれて交番にいたんだ」
( ´_ゝ`)「なんで寝る準備してから外に出るんだバカ野郎」
( ;゚∀゚ )「違うって! 今度の眠剤、相性良過ぎなんだよ!
寝るまでに何かしら普通に行動しちまって、
その間の記憶も何でか吹っ飛ばさるんだよ!」
( ´_ゝ`)「それは空が落ちる予定がない限り相性良いとは言わない」
( ゚∀゚ )「でもすごい寝れるんだ」
( ´_ゝ`)「その間、変な行動しても?」
( ゚∀゚ )「デメリットばかりじゃないぜ。俺、昨日DQ買ったんだけどさ、
中盤の街でセーブしたハズなのに、ラスボス手前まで来てて、
しかもレベルが限界まで上がって伝説の武器まで揃えてた」
( ´_ゝ`)「それもメリットじゃねぇよ。ストーリーすっ飛ばしてどうすんだ」
638:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:46:25 ID:4UKkUBR20
( ´_ゝ`)「つーか俺が聞きたいのはそれじゃない。
サツに捕まってそれからどうしたんだよ」
( ゚∀゚ )「ヤバい薬飲んでると思われたみたいでさ。家まで来られて、
その時に服用してた薬全部『検査します』って持ってかれた」
( ´_ゝ`)「結果は?」
( ゚∀゚ )「モーマンタイ。無事に戻って来たぜ」
大問題だよ。検査って何を調べたんだ。
ファッキンポリ公。仕事しろや糞狗共が。
( ´_ゝ`)「で、その薬飲んでこうなってんの?」
( ゚∀゚ )「ああ」
( ´_ゝ`)「記憶無ぇ間に犯罪起こしたらどうしようとか、
少しはそういう心配でもしてみろよアホか」
( ;゚∀゚ )「や、だってこれスゲー気持ちよく寝れんだもん!」
( ´_ゝ`)「寝れる事が最優先かよ……まあいいや。
足の震えも止まったろ。タクシー乗ろうぜ」
639:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:49:37 ID:4UKkUBR20
( ゚∀゚ )「おんぶしてくれ」
( ´_ゝ`)「だが断る」
( ;゚∀゚ )「割と切実に肩を貸してほしい」
( ´_ゝ`)「それなら」
( ゚∀゚ )「サンキュー!」
などとほざいておきながら、ほぼ全体重を預けて来るアヒャ。
肩を貸すって言うより、俺が右腕を持って引きずってるだけだ。
その辺の灰茶色の雪に放り投げてやろうか。
( ´_ゝ`)「そういや金ってどれくらいある?」
( ゚∀゚ )「俺の尻ポケットに突っ込んでるから確認してくれ」
無造作に手を突っ込んだら、気持ち悪い声を出しやがったので、
ポケットの中から尻たぶを抓る。ついでに、札っぽいのを掴み取る。
どう見ても鼻かんだティッシュにしか見えない札と一緒に、
ポケットから元気な白いパケが転がり落ちて雪と同化した。
俺は何も見なかった、と目を逸らす。
640:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:50:47 ID:4UKkUBR20
( ;゚∀゚ )「おい痛かったぞ!」
( ´_ゝ`)「札くらい財布に入れろよ。なんで丸出しなんだ」
( ゚∀゚ )「シカトか」
数枚の五千円札が、俺の手の中でグッシャグシャになっている。
会計で出されたら、ちょっと頬が引くつくレベルで皺々だ。
( ´_ゝ`)「タクシー案内しろよ。俺この札戻してるから」
( ゚∀゚ )「分かった」
流石に、薬がどうのこうのなんて話はタクシーの中ではしない。
見知らぬ人間が聞いたら誤解されそう、いや、必ず誤解される。
アヒャも具合が悪いのか、眠いのか、全部なのか、口数が少ない。
今回のタクシーの運ちゃんも、必要以上に話掛けて来ない人だ。
俺は無言で札を直し続けた。
しっかし、何で五千円札ばっかりなんだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
641:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 04:55:54 ID:4UKkUBR20( ´_ゝ`)「おー結構高いマンションだな」
( ゚∀゚ )「けど上じゃなくて下のほうだから安目だぜ?
エレベーターから一番遠い角部屋だしな」
( ´_ゝ`)「いっつも角部屋取ってるよな」
( ゚∀゚ )「俺、たまに煩いからな。俺も寝る時に煩いの苦手だし、
角が調度いいわ。流石に最上階なんて取れねーしさ」
( ´_ゝ`)「確かに」
( ゚∀゚ )「同意するなよ」
( ´_ゝ`)「お前、寝ると時々口の中で工事が始まるじゃねぇか。
それを煩いと思えなけりゃ俺はただの聾唖だっつの」
( ゚∀゚ )「……今度、どんだけ煩いのか録音してくれ」
(;´_ゝ`)「自分でやれよ。そんくらい」
どれくらい酷い音害なのか分かり易く例えると、隣で寝ていたら、
唐突に至近距離で道路の土木工事が始まると言えばいいだろうか。
正直言って、先に寝たとしても煩過ぎて起こされるレベル。
そんな音を発しながら健やかな寝顔を見せられた日には、
怒りが更なる進化を遂げて、殺意の波動に目覚めれる。
651:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:32:29 ID:5yKstxHY0
運ちゃんに形を整えた五千円札を渡して、マンション前に降り立つ。
全体的に汚れが少なく、駐車場も整備されている立派なマンションだ。
( ´_ゝ`)「で、何階?」
( ゚∀゚ )b「2階のあそこ」
( ´_ゝ`)「本当に低いな」
( ゚∀゚ )「ギリギリ窓から出れる位置だからいいんだよ」
( ´_ゝ`)「マンションでんな事すんなよ」
( ゚∀゚ )「共同玄関がロック式だからって、油断はできねーよ?
他の住人と一緒にさり気なく侵入して来る事もあるしな」
( ´_ゝ`)「どこのスネークだよ」
( ゚∀゚ )「寒いからさっさと行こうぜ」
( ´_ゝ`)「ああ」
( ;゚∀゚ )「……それと、先に謝っておく。マジごめん」
( ´_ゝ`)「へ?」
652:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:33:20 ID:5yKstxHY0
清潔な印象の建物からは予想できない景色が目の前に広がる。
何だこのゴミ屋敷。何だこの異臭。何だこの淀んだ空気。
何故このどこでもドアはゴミ処理場に繋がってるんだ。
( ´_ゝ`)「嘘だと言えよバーニィ」
( ゚∀゚ )「悲しいけどこれ現実なのよね」
( ´_ゝ`)「は?」
( ;゚∀゚ )「すみませんホントごめんなさい! 掃除します!」
( ´_ゝ`)「そうじゃなくて、お前、ここでずっと過ごしてたのか?」
( ゚∀゚ )「いや、その辺を点々と」
( ´_ゝ`)「それで一ヵ月も経たずにこれだけ滅茶苦茶にできるとか、
お前の散らかしっぷりは最早才能の域だよ。どっか行け」
( ゚∀゚ )「シンガポールはやめてくれ」
( ´_ゝ`)「あそこならお前は死刑かもな」
確かに道路は綺麗だった。マーライオンはショボかった。
そして中華街は汚れていた。綺麗なのは広い表側だけだ。
653:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:34:16 ID:5yKstxHY0
それに人種が混じってるから言語も3種類あって分かり難い。
目的地までの道のりが分からず、現地で迷子になった時。
『徒歩強制されてるけど迷子になったんだからタクシーを使おうぜ』
とグループ内で意見がまとまり、楽をしようとしてタクシーに乗った時。
走っていたタクシーを手を振り上げて止め、皆で意気揚々と乗り込み、
運転手に話かけたら中国語で返された時のミスった感は忘れられない。
あのチャイニーズドライバーめ、英語が分からないフリしくさって、
目的地の周りを延々走り続けて料金値上げしやがって、許さん。
つーか最後の方、アヒャなんか中国語でジュミンア連呼してたぞ。
それを見てニヤニヤ笑ってたし、誤用のほうの確信犯だろアイツ。
もう二度と中国人は信用しない。
( ゚∀゚ )「兄者、そろそろ降ろしても大丈夫だ」
( ´_ゝ`)「ん、ああ」
654:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:35:01 ID:5yKstxHY0
( ;゚∀゚ )「わりぃ、兄者にやっと会えたのと部屋に帰ったので、
どっと疲れが来たわ……ちょっと寝ていいか?」
( ´_ゝ`)「何処で寝るんだよ。ベッド見当たらんわ」
( ゚∀゚ )「一番デカい窓の下にあるぜ」
( ´_ゝ`)「ゴミステーションが家の中にあるようにしか見えない」
( ゚∀゚ )「外じゃなく中にあるのが斬新だな、流石は匠の赤石」
( ´_ゝ`)「おめーの部屋だぞ、片付けろや」
( ゚∀゚ )「俺の部屋だけど大切にできねぇわ……」
治外法権のゴミ捨て場の管理人をゴミ袋の上に捨て置き、
よくわからない何かが散乱する床を踏み荒らして奥に進む。
( ´_ゝ`)「うお」
辿り着いた風呂場では、浴槽の中の水が丸ごと凍っていた。
ここは氷点下か。中なのに外気温と同じか。
このままだと、水道管も凍結してる可能性があるぞ。
655:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:35:44 ID:5yKstxHY0
試しに軽く蛇口を捻る。水は出ない。
半分くらいまで捻る。まだ出ない。
蛇口を全開にする。雀の涙が出て来た。
( ´_ゝ`)「ここに人生の袋小路が顕現したな」
( ゚∀゚ )「何、哲学的なこと言ってんだ」
( ´_ゝ`)「水道が凍結してるぞ」
( ;゚∀゚ )「マジで!?」
( ´_ゝ`)「完全にじゃねーけどな」
( ゚∀゚ )「やっべー、マジべーわ、っべーわ」
( ´_ゝ`)「ミサワってる場合じゃねぇぞ。本気で洒落になんねぇ」
( ゚∀゚ )「実を言うと台所のほうも凍ってた」
( ´_ゝ`)「詰んでんじゃんアホか」
( ゚∀゚ )「こうなったら氷を食べて生きていこう」
656:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:36:32 ID:5yKstxHY0
( ´_ゝ`)「苦し紛れに風呂のボイラーと暖房焚けよ。
もしかしたら氷溶けるかもしんないしさ」
( ゚∀゚ )「溶けなかったらどうする?」
( ´_ゝ`)「そういう時こそ、ここら辺のホテルでも満喫でも泊まれよ」
( ゚∀゚ )「ホテル、で思い出した」
( ´_ゝ`)「あ? 忘れ物?」
( ;゚∀゚ )「そんなんじゃない。俺でもこんな思い出し方、
スッゲー嫌なんだけど、聞いてくれるか?」
( ´_ゝ`)「手ぇ動かしながら口動かせ。俺も片付けるから」
( ゚∀゚ )「あ、ああ、あのさ、兄者、ちょっと付き合ってくれるか?」
( ´_ゝ`)「今やってんじゃねーか。もっと馬車馬の如く働けってか」
( ;゚∀゚ )「違う!そっちじゃない! 恋人的な意味で!」
_, 、_
( ´_ゝ`)「……………はい?」
657:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:37:26 ID:5yKstxHY0
( ;゚∀゚ )「あークッソ言っちまった! でも冗談じゃねぇからな!
俺も自分をおかしいとは思ってんだよ! マジで!」
( ´_ゝ`)「え? ああ、そうだな」
( #゚∀゚ )「兄者が俺を脱糞させて下の世話してくれた日がさあ!
なんかずっと頭から離れねぇんだよ! ずっとなんだ!
最初は恥過ぎてトラウマにでもなってんのかと思ったよ」
( ´_ゝ`)「それが黒歴史にならない奴のほうがおかしいわ」
( ゚∀゚ )「また部屋変えられてさ。イライラしてオナってる時に、
ふっとその日の事、うっかり思い出しちまってよお。
不本意だけどお前でフィニッシュしちまったんだ……」
( ´_ゝ`)「言葉も出ねぇよ」
( ゚∀゚ )「ぶっちゃけここ最近の俺さ、考え過ぎておかしいんだよ。
ホモなったのかと思って色々と見てみたりしたんだけど、
やっぱ男は駄目だった。キモい。生理的に無理だった」
( ´_ゝ`)「その台詞、俺が喋るとは思わねぇのかよ」
( ;゚∀゚ )「待ってくれ、話を全部聞いてから答えてくれ」
(;´_ゝ`)「もう答えは決まってるけどな……」
658:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:38:26 ID:5yKstxHY0
( ゚∀゚ )「女が駄目になったとかじゃないんだ。エロ本見れば、
普通に抜けるっちゃ抜ける。チンコも勃つ。興奮する」
( ´_ゝ`)「バイになったって事か?」
( ;゚∀゚ )「違うって、男はお前以外無理だっつの。ノーマルだろ?
ただ何かずっと気になるんだ。頭ン中にずっとあんだよ。
自分でも何で気になってるのかハッキリとわからねぇんだ」
( ´_ゝ`)「それを言うなら俺だって何で真冬の糞寒い日に、
こんな腐海で告白されてんのか意味わかんねぇよ」
( ゚∀゚ )「俺なり考えてった結果がさあ。多分なんだけどさあ?
兄者が俺の糞を躊躇いもなく掃除しちまったからだと思う」
( ´_ゝ`)「相手がほぼ身動きできない状況にいたら、
どうにかするのが普通だろうが。友達なら」
( ゚∀゚ )「せめてちょっとくらいは嫌な顔してて欲しかったわ。
あんな無表情で黙々と片付けられたら何か思うって」
( ´_ゝ`)「臭いが嫌過ぎて思わず無表情になったと考えろよ」
( ゚∀゚ )「ああ、そう考えるべきか。いや、そう考えても……」
659:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:40:22 ID:5yKstxHY0
アヒャはゴミ山の上で悶えている。
まるで死に際のホームレスのようだ。
( ;゚∀゚ )「ああああやっぱそう考えても駄目だっ! クソがッ!!
一回試しに付き合ってくれ。そして俺を幻滅させてくれ!」
( ´_ゝ`)「さっさと勝手に絶望してくれ」
( ゚∀゚ )「兄者と会うまではスゲー心臓がドキバクしてたんだけどさ、
いざこうして出会ったら、結構なんともねーんだもんよお。
このまま付き合えば、頭の中のアホな夢も覚めると思ってる」
( ´_ゝ`)「現実は少女漫画じゃないからな」
( ゚∀゚ )「俺さ、母親含めて酷い女にしか会った事ないからさ。
男に夢見て、とち狂った変な方向に行ってんのかも」
( ´_ゝ`)「自分でそうやって冷静に考えれるのに、何故俺に暴露した?」
( ;゚∀゚ )「だから今の俺は兄者に夢見過ぎてるんだって!」
( ´_ゝ`)「だからその夢って何だよ」
( ゚∀゚ )「なんつーか、俺の中で兄者が都合がいい奴になりかけてんだ。
バカやっても軽く流してくれて、アホやってもケツ拭いてくれて、
何やっても許してくれるんじゃねーかって言う、都合のいい夢」
660:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:42:19 ID:5yKstxHY0
( ゚∀゚ )「このままだと近い内に、勝手に兄者に期待して、失望して、
お前にバカみたいに八つ当たりすっかもしれねーんだよ」
( ´_ゝ`)「そりゃ迷惑な話だ」
( ;゚∀゚ )「んだよもうさっきから他人事みたいに!」
( ´_ゝ`)「他人事って言われてもなあ……」
現実感がない。危機も感じない。何が大変なのか判らない。
衝撃が強くて、一周回って感情が冷え込んでしまっている。
今日の出来事が全部「実はドッキリでした~」の説もあるにはあるが、
アヒャの頭が海外のクスリでヤられている今、狂ってる可能性が高い。
それに睡眠薬飲んでから寝るまで少し記憶が吹っ飛ぶっつってたし、
こんな暴露もあの日の出来事が捩じ曲がって記憶されてると思えば、
「ああこいつ可哀想に……」としか思わない。内心、楽しいけどな。
睡眠薬を飲むと、神経や思考などと言った色々なものが抑えられて、
ベッドでジッタンバッタンするくらいの黒歴史、吐気がするトラウマ、
普段は思ってもいないような事をくっちゃべってしまう人種もいる。
正気に戻った時との落差を想像すると笑えるな。
ボイスレコーダーで録音しときゃよかった。
もし、これがアヒャの本音なら悪夢だな。
程々に付き合ったら逃げよう。
内藤に話して新たなネタにしてもいい。
661:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:43:55 ID:5yKstxHY0
今からでも発言を引き出せば遅くはない、と肩に担いだままの鞄を探る。
そこにはなんと録音スイッチが入りっ放しのボイスレコーダーがあった。
( ´_ゝ`)「おお」
( ゚∀゚ )「何か言ったか?」
( ´_ゝ`)「嫌だな、別にアヒャ死ねとか言ってないぜ」
( ;゚∀゚ )「俺もそうは聞こえなかったぜ!」
音を取り易いように、鞄から上着のポケットの中に入れる。
手はよくわからないネトネトで汚れてるが気にしない。
後で風呂でも借りよう。今は凍ってるけど。
( ´_ゝ`)「おい脱衣所は大分片付いたぞ」
( ゚∀゚ )「あ、うん。俺の一大決心みたいな奴、聞いてた?」
( ´_ゝ`)「うん」
( ゚∀゚ )「返答は如何に!?」
( ´_ゝ`)「無理」
671:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:39:52 ID:ZMmunEvY0
( ;゚∀゚ )「畜生!」
( ´_ゝ`)「普通はそうなるって」
( ゚∀゚ )「お前、女に言い寄られた時に『じゃあ試しに一週間』って、
まず一週間だけ遊んで当たり障りないように別れてただろ。
何か変な行動起こして『ついて行けない』って言わせてさ!
俺ともそうしろよ! まず一週間でいいから! 本当に頼む!」
( ´_ゝ`)「大体の女が、俺の地雷を土足で踏み抜いていってるだけだよ。
アヒャは俺と一緒のマフラー巻いて、一週間裸相撲したいのか?」
( ;゚∀゚ )「そうじゃない。もっと真面目に!」
( ´_ゝ`)「お前、それ睡眠薬の副作用で発狂してるだけだってば。
オナ禁して色事自粛してる時の欲情対象バーサクモード」
( ゚∀゚ )「俺だって、何かの間違いだって思ってたっつってんだろ。
ずっと考えてて、どうしようもねぇからぶち撒けたんだよ」
( ´_ゝ`)「それが間違いだっての、女にちゃんと欲情するんだろ?
身近に穴あるから勘違いしてんだ。風俗行って抜けよ」
( ゚∀゚ )「いや俺は」
( ´_ゝ`)「俺のは勘違いだっての。お前はホモでも何でもねぇよ。
今このゴミ山崩してたら、グラビアの雪崩が起きたもん。
しかも、ご丁寧にカピカピになった本の雪崩が。汚ぇ」
672:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:41:10 ID:ZMmunEvY0
( ゚∀゚ )「俺はホモじゃない。その辺の掃除は俺がやるわ」
( ´_ゝ`)「なら俺、風呂場やっとく」
( ;゚∀゚ )「もう、なんか、すまんな」
( ´_ゝ`)「今度、何かしら奢れ」
( ゚∀゚ )「奢るついでに、やっぱ付き合ってる気分にしてくんない?
公衆の面前で腕組めとか、恋人繋ぎしろとか、キスとか、
そういう事は望まないからさあ……こう、気分的に、何か」
( ´_ゝ`)「えーやだよ」
( ゚∀゚ )「じゃ手っ取り早く、俺に嫌われるようなコトをしてくれ!」
( ´_ゝ`)「お前が彼女にされたくない行動って何だよ」
( ゚∀゚ )「うーん『玄関開けて5秒でアハン』とかが嫌いだな。
すぐ股開くようなケバい尻軽女はかなり好きじゃない」
( ´_ゝ`)「俺に化粧して股開けってか」
( ;゚∀゚ )「ちっが! そういう意味で言ったんじゃない!」
673:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:41:51 ID:ZMmunEvY0
( ´_ゝ`)「そういうのは無理だから」
( ゚∀゚ )「ですよねー」
( ´_ゝ`)「ケツに何か突っ込むとかもう勘弁だ」
( ゚∀゚ )「ま、誰だってそうだよな……」
( ゚∀゚ )「……って、『もう』?」
( ´_ゝ`)「え?」
( ゚∀゚ )「もう、何だ」
( ´_ゝ`)「あ」
674:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:42:34 ID:ZMmunEvY0
(;´_ゝ`)「座薬だよ座薬! 子供の頃、母さんに突っ込まれただろ?」
( ゚∀゚ )「俺は母親に育ててもらってないな」
( ´_ゝ`)「そうだった」
( ゚∀゚ )「『もう』って何だ。もしかして貫通済みなのか。非処女か。
いつヤった。相手は誰だ。俺の知らない奴か知ってる奴k
( ´_ゝ`)「今までもこれからも未開通だよアホか死ね」
( ゚∀゚ )「ごめん」
( ´_ゝ`)「じゃあそっち片付けてろよ」
( ゚∀゚ )「ああ」
( ゚∀゚ )
( ;゚∀゚ )「やっぱ気になる! 教えてくれ!」
( ´_ゝ`)「うっぜぇ」
675:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:44:28 ID:ZMmunEvY0
( ´_ゝ`)「お前知ってるだろ。俺、心因性の勃起不全だって」
( ゚∀゚ )「一時的なインポなんだろ?」
( ´_ゝ`)「俺がわざと汚い言葉使うの避けたってのにテメェ」
( ;゚∀゚ )「すまん、それで?」
( ´_ゝ`)「医者から、薬以外にも色々治療法があるので、
一回これをやってみて下さいって言われたんだ」
( ゚∀゚ )「何を?」
( ´_ゝ`)「下らない事だけど2回言いました」
( ゚∀゚ )
676:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:45:43 ID:ZMmunEvY0
( ゚∀゚ )「今、目の前をぬるコぽっぷが通り過ぎて行った」
( ´_ゝ`)「幻覚だよ。前立腺の中の人だなんて者、存在しない。
ちょっと通りますよ、が偶然通りすがっただけだろ」
( ゚∀゚ )「あ、うん……」
( ´_ゝ`)「どこ見てるんだ」
( ゚∀゚ )「よく分からないけど、ショックだった」
(;´_ゝ`)「言っておくけど自慰とも違うんだぞ? マッサージだって。
変な方向に考えて解釈するのはやめてくれよ、マジで」
( ゚∀゚ )「事前知識が前立腺マッサージ=アナニーの先入観しかない」
( ´_ゝ`)「言っておくけど、俺は無駄に顔の整ったイケメンの医者に、
尻に手を突っ込まれるのが嫌だから『自分でやる』って
選択肢を取ったんだからな? 俺の気持ちわかるだろ?」
( ゚∀゚ )「ちょっと頭回す余裕ないわ」
( ´_ゝ`)「余裕なくても無理矢理捻じ込んでやる。
ちょっと説明するから、そこに座れ」
( ゚∀゚ )「はい」
30.溜め込んだクソとゲロに満ちた愛好
病院を出て5秒でキマってる男と遭遇した。
いつから病院前にジャンキーが徘徊する世紀末になったんだ。
俺が知らないだけで世の中はそんなに荒れていたのか?
実は新しく付いた設定で、世界は実は電子のプログラムで、
世界が5分前に産まれたとか言う仮説は本当だったのか?
( ;゚∀゚ )「ぼわぅああ~揺れる~地震だ~酔う~」
( ´_ゝ`)「足元は震度零の不動のコンクリだよ。
揺れてんのはお前の脳みそだけだよ」
( ;゚∀゚ )「お゙ぉ゙ぉ……兄者……が、2人、だと……?
どっどっちが弟者なんだか見分けつかねぇ」
( ´_ゝ`)「どっちも俺だよ、今度は何やったんだテメェ」
( ;゚∀゚ )「俺、は、オヴェエ……保険証の、再発行?
だったっけか、それとかやってもらおうと」
( ´_ゝ`)「再発行は役所だっつの。てか違うって、何の薬だ」
631:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:37:25 ID:4UKkUBR20
( ;゚∀゚ )「薬? クスリ……ウォェッと、確か、konozamaじゃなくて、
大丈夫なほうの、外国の、海外の輸入品だった気が」
( ´_ゝ`)「セウトじゃねぇよアウトだよ。灰じゃなくて黒だっつの。
例え大丈夫だったとしても、その説明がファウルだよ」
( ;゚∀゚ )「俺のボールを受け止めてくれ……」
( ´_ゝ`)「うん会話不可能か。医者に診てもらおう。
それが嫌だったら、おうちに帰ろう、な?」
( ;゚∀゚ )「うごごごご」
飯を買いに外に出たつもりが、こんなものを拾うとは。
つくづくツいてない。寒さと共に運も冷え込んだか。
看護師を呼ぶべきかどうか考えたが、その後が面倒臭い。
下手に動いて、こいつに敵対行動と捉えられても鬱陶しい。
( ;゚∀゚ )「吐きそう……揺らさないで……」
( ´_ゝ`)「どうしろってんだ」
( ;゚∀゚ )「おうちに帰ろう、う、う、ウゲェ」
( ´_ゝ`)「あそこにタクシーあるから、それ乗って帰っとけ」
632:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:39:35 ID:4UKkUBR20
( ;゚∀゚ )「うー、俺は、お前に話があったんだよ、確か。
なんか大事っぽいような気がしてるもの……」
( ´_ゝ`)「お前、日本語があやふやになってんぞ。
一緒に家に行ってやるから立ち上がれ」
( ;゚∀゚ )「そういや俺の部屋変わったんだ」
( ´_ゝ`)「またぁ? 一ヵ月も経ってねぇじゃん」
( ;゚∀゚ )「なんかゼンサイが来てバレたとかで、
こっから引っ越せって連れてかれて」
( ´_ゝ`)「ぜん……ああ、前妻か。そっちもメンドイなあ」
( ;゚∀゚ )「だから今、X@*のとこに」
( ´_ゝ`)「地名言われても判らんわ。取りあえず、
荷物取って来るからちょっと待ってろ」
( ;゚∀゚ )「揺れる前に戻って来てくれ……」
( ´_ゝ`)「携帯の緊急地震速報でも眺めてろ」
頭を冷やさせる為に、外に薬中を置いて病院に戻る。
幻覚でも見て雪でも食って体の中から冷ませばいい。
633:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:40:21 ID:4UKkUBR20
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
( ´_ゝ`)「うげぇ……」
毎度の扉を開ければ、俺の渡したエロ本で抜いてるゴミがいた。
まだ日は高い。病室の窓から入る光は雪で反射して眩しい。
(´<_` )「あれ? もう買って来たのか?」
( ´_ゝ`)「フッツーにオナってんじゃねぇよ昼だぞボケ死ね。
この短時間で自慰しようって何で思うんだよ猿か」
(´<_` )「流れるように罵倒すんな。こまけぇこたぁいいんだよ」
( ´_ゝ`)「俺これからアヒャの家に行って来るわ」
(´<_` )「戻って来んのか?」
( ´_ゝ`)「知らね」
(´<_` )「母さんにここに泊まれって言われたんだろ。道草売るなよ」
( ´_ゝ`)「道草は食うもんだろ、売れねぇよそんなゴミ」
(´<_`; )「あ、油と間違えたんだよ!」
634:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:41:34 ID:4UKkUBR20
そうだ。
今度来た時に寝てたら、口の中に油を流し込んでやろう。
忘れない内に、携帯のメモ帳に思い付いた事を記しておく。
こいつの面倒を見ろと我が母から強制されてたワケじゃないし、
アヒャの面倒を見る為なんだから外泊しても許されるだろう。
何かある度に「友達は大事にしなさい」って言われてるしな。
緊縛特集のページを開いたまま喚くクズを無視して、鞄を持つ。
( ´_ゝ`)「じゃあな!」
自販機で余らせていた500mLのペットボトルを顔面に投げつける。
後は知らん。飲むなり捨てるなり手を洗うなり、好きにするがいい。
しかし、その様子を通りすがりの看護師さんに見られた。
タイミング悪ぃ。仲悪いと見られたかな? まあいいや。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
635:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:42:29 ID:4UKkUBR20
( ´_ゝ`)「おいアヒャ戻ったぞ。アイスマンになってないか?」
( ゚∀゚ )「俺そんな太古の昔に生まれてないぜ」
( ´_ゝ`)「よし、正気に戻ったか」
( ;゚∀゚ )「自分で言うのもなんだが、少し怪しいわ」
( ´_ゝ`)「自覚できるだけマシじゃない? 受け答えできるんだったら、
このまま病院行って医者にちょっと診て貰えよ。金ある?」
( ;゚∀゚ )「金あるけど診られたらヤバそうだからいいわ……」
って事は、思いっ切り違法な何かをやってるって事か。
つーか薬が抜けきってない状態だから、何も信用できねぇ。
このままだと俺も何かの幇助罪に入りそうだ。どうすっかなあ。
行けるとこまで逝くべきか、こいつをどうにかするべきか。
瞬時に、『殺す』なんて物騒な考えが浮かんだ頭を殴る。
いい加減にしろ俺。どうも物々しい方向に行ってるぞ。
( ´_ゝ`)「ん?」
そういや最近、思考回路は歯止めが無かった気がする。
今、ほぼ勝手に動いた右腕は良心が戻った証か?
だとしたら自制はそっちに任せて、これでよしとしよう。
636:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:43:18 ID:4UKkUBR20
( ´_ゝ`)「タクシーあそこにあるから行こうぜ。
住所分からんから案内は頼んだ」
( ゚∀゚ )「お、おう、ぅ?」
( ´_ゝ`)「どうした」
( ;゚∀゚ )「あ、歩けねぇ」
( ´_ゝ`)「は?」
( ;゚∀゚ )「足が言うこと聞かねえぇ……」
(;´_ゝ`)「ええ?」
( ;゚∀゚ )「おぶってくれ」
( ´_ゝ`)「いや……そこは普通、肩貸してくれじゃねぇの」
よく見ると、足がアル中患者の手羽先のように震えていた。
もう完璧にデンジャラスでブラック過ぎるドラッグ決定だろう。
いっそ家でも病院でもなく、警察に突き出した方がいいんじゃねぇか?
637:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:45:10 ID:4UKkUBR20
( ´_ゝ`)「お前ヤベェって、病院か警察行こうぜ」
( ;゚∀゚ )「あー、警察ならもう行った」
( ´_ゝ`)「え、前科持ち?」
( ;゚∀゚ )「違ーよ。睡眠薬飲んで深夜に外をうろついてたら、
いつの間にか警官に取り囲まれて交番にいたんだ」
( ´_ゝ`)「なんで寝る準備してから外に出るんだバカ野郎」
( ;゚∀゚ )「違うって! 今度の眠剤、相性良過ぎなんだよ!
寝るまでに何かしら普通に行動しちまって、
その間の記憶も何でか吹っ飛ばさるんだよ!」
( ´_ゝ`)「それは空が落ちる予定がない限り相性良いとは言わない」
( ゚∀゚ )「でもすごい寝れるんだ」
( ´_ゝ`)「その間、変な行動しても?」
( ゚∀゚ )「デメリットばかりじゃないぜ。俺、昨日DQ買ったんだけどさ、
中盤の街でセーブしたハズなのに、ラスボス手前まで来てて、
しかもレベルが限界まで上がって伝説の武器まで揃えてた」
( ´_ゝ`)「それもメリットじゃねぇよ。ストーリーすっ飛ばしてどうすんだ」
638:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:46:25 ID:4UKkUBR20
( ´_ゝ`)「つーか俺が聞きたいのはそれじゃない。
サツに捕まってそれからどうしたんだよ」
( ゚∀゚ )「ヤバい薬飲んでると思われたみたいでさ。家まで来られて、
その時に服用してた薬全部『検査します』って持ってかれた」
( ´_ゝ`)「結果は?」
( ゚∀゚ )「モーマンタイ。無事に戻って来たぜ」
大問題だよ。検査って何を調べたんだ。
ファッキンポリ公。仕事しろや糞狗共が。
( ´_ゝ`)「で、その薬飲んでこうなってんの?」
( ゚∀゚ )「ああ」
( ´_ゝ`)「記憶無ぇ間に犯罪起こしたらどうしようとか、
少しはそういう心配でもしてみろよアホか」
( ;゚∀゚ )「や、だってこれスゲー気持ちよく寝れんだもん!」
( ´_ゝ`)「寝れる事が最優先かよ……まあいいや。
足の震えも止まったろ。タクシー乗ろうぜ」
639:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:49:37 ID:4UKkUBR20
( ゚∀゚ )「おんぶしてくれ」
( ´_ゝ`)「だが断る」
( ;゚∀゚ )「割と切実に肩を貸してほしい」
( ´_ゝ`)「それなら」
( ゚∀゚ )「サンキュー!」
などとほざいておきながら、ほぼ全体重を預けて来るアヒャ。
肩を貸すって言うより、俺が右腕を持って引きずってるだけだ。
その辺の灰茶色の雪に放り投げてやろうか。
( ´_ゝ`)「そういや金ってどれくらいある?」
( ゚∀゚ )「俺の尻ポケットに突っ込んでるから確認してくれ」
無造作に手を突っ込んだら、気持ち悪い声を出しやがったので、
ポケットの中から尻たぶを抓る。ついでに、札っぽいのを掴み取る。
どう見ても鼻かんだティッシュにしか見えない札と一緒に、
ポケットから元気な白いパケが転がり落ちて雪と同化した。
俺は何も見なかった、と目を逸らす。
640:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 03:50:47 ID:4UKkUBR20
( ;゚∀゚ )「おい痛かったぞ!」
( ´_ゝ`)「札くらい財布に入れろよ。なんで丸出しなんだ」
( ゚∀゚ )「シカトか」
数枚の五千円札が、俺の手の中でグッシャグシャになっている。
会計で出されたら、ちょっと頬が引くつくレベルで皺々だ。
( ´_ゝ`)「タクシー案内しろよ。俺この札戻してるから」
( ゚∀゚ )「分かった」
流石に、薬がどうのこうのなんて話はタクシーの中ではしない。
見知らぬ人間が聞いたら誤解されそう、いや、必ず誤解される。
アヒャも具合が悪いのか、眠いのか、全部なのか、口数が少ない。
今回のタクシーの運ちゃんも、必要以上に話掛けて来ない人だ。
俺は無言で札を直し続けた。
しっかし、何で五千円札ばっかりなんだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
641:名も無きAAのようです:2013/03/15(金) 04:55:54 ID:4UKkUBR20( ´_ゝ`)「おー結構高いマンションだな」
( ゚∀゚ )「けど上じゃなくて下のほうだから安目だぜ?
エレベーターから一番遠い角部屋だしな」
( ´_ゝ`)「いっつも角部屋取ってるよな」
( ゚∀゚ )「俺、たまに煩いからな。俺も寝る時に煩いの苦手だし、
角が調度いいわ。流石に最上階なんて取れねーしさ」
( ´_ゝ`)「確かに」
( ゚∀゚ )「同意するなよ」
( ´_ゝ`)「お前、寝ると時々口の中で工事が始まるじゃねぇか。
それを煩いと思えなけりゃ俺はただの聾唖だっつの」
( ゚∀゚ )「……今度、どんだけ煩いのか録音してくれ」
(;´_ゝ`)「自分でやれよ。そんくらい」
どれくらい酷い音害なのか分かり易く例えると、隣で寝ていたら、
唐突に至近距離で道路の土木工事が始まると言えばいいだろうか。
正直言って、先に寝たとしても煩過ぎて起こされるレベル。
そんな音を発しながら健やかな寝顔を見せられた日には、
怒りが更なる進化を遂げて、殺意の波動に目覚めれる。
651:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:32:29 ID:5yKstxHY0
運ちゃんに形を整えた五千円札を渡して、マンション前に降り立つ。
全体的に汚れが少なく、駐車場も整備されている立派なマンションだ。
( ´_ゝ`)「で、何階?」
( ゚∀゚ )b「2階のあそこ」
( ´_ゝ`)「本当に低いな」
( ゚∀゚ )「ギリギリ窓から出れる位置だからいいんだよ」
( ´_ゝ`)「マンションでんな事すんなよ」
( ゚∀゚ )「共同玄関がロック式だからって、油断はできねーよ?
他の住人と一緒にさり気なく侵入して来る事もあるしな」
( ´_ゝ`)「どこのスネークだよ」
( ゚∀゚ )「寒いからさっさと行こうぜ」
( ´_ゝ`)「ああ」
( ;゚∀゚ )「……それと、先に謝っておく。マジごめん」
( ´_ゝ`)「へ?」
652:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:33:20 ID:5yKstxHY0
清潔な印象の建物からは予想できない景色が目の前に広がる。
何だこのゴミ屋敷。何だこの異臭。何だこの淀んだ空気。
何故このどこでもドアはゴミ処理場に繋がってるんだ。
( ´_ゝ`)「嘘だと言えよバーニィ」
( ゚∀゚ )「悲しいけどこれ現実なのよね」
( ´_ゝ`)「は?」
( ;゚∀゚ )「すみませんホントごめんなさい! 掃除します!」
( ´_ゝ`)「そうじゃなくて、お前、ここでずっと過ごしてたのか?」
( ゚∀゚ )「いや、その辺を点々と」
( ´_ゝ`)「それで一ヵ月も経たずにこれだけ滅茶苦茶にできるとか、
お前の散らかしっぷりは最早才能の域だよ。どっか行け」
( ゚∀゚ )「シンガポールはやめてくれ」
( ´_ゝ`)「あそこならお前は死刑かもな」
確かに道路は綺麗だった。マーライオンはショボかった。
そして中華街は汚れていた。綺麗なのは広い表側だけだ。
653:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:34:16 ID:5yKstxHY0
それに人種が混じってるから言語も3種類あって分かり難い。
目的地までの道のりが分からず、現地で迷子になった時。
『徒歩強制されてるけど迷子になったんだからタクシーを使おうぜ』
とグループ内で意見がまとまり、楽をしようとしてタクシーに乗った時。
走っていたタクシーを手を振り上げて止め、皆で意気揚々と乗り込み、
運転手に話かけたら中国語で返された時のミスった感は忘れられない。
あのチャイニーズドライバーめ、英語が分からないフリしくさって、
目的地の周りを延々走り続けて料金値上げしやがって、許さん。
つーか最後の方、アヒャなんか中国語でジュミンア連呼してたぞ。
それを見てニヤニヤ笑ってたし、誤用のほうの確信犯だろアイツ。
もう二度と中国人は信用しない。
( ゚∀゚ )「兄者、そろそろ降ろしても大丈夫だ」
( ´_ゝ`)「ん、ああ」
654:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:35:01 ID:5yKstxHY0
( ;゚∀゚ )「わりぃ、兄者にやっと会えたのと部屋に帰ったので、
どっと疲れが来たわ……ちょっと寝ていいか?」
( ´_ゝ`)「何処で寝るんだよ。ベッド見当たらんわ」
( ゚∀゚ )「一番デカい窓の下にあるぜ」
( ´_ゝ`)「ゴミステーションが家の中にあるようにしか見えない」
( ゚∀゚ )「外じゃなく中にあるのが斬新だな、流石は匠の赤石」
( ´_ゝ`)「おめーの部屋だぞ、片付けろや」
( ゚∀゚ )「俺の部屋だけど大切にできねぇわ……」
治外法権のゴミ捨て場の管理人をゴミ袋の上に捨て置き、
よくわからない何かが散乱する床を踏み荒らして奥に進む。
( ´_ゝ`)「うお」
辿り着いた風呂場では、浴槽の中の水が丸ごと凍っていた。
ここは氷点下か。中なのに外気温と同じか。
このままだと、水道管も凍結してる可能性があるぞ。
655:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:35:44 ID:5yKstxHY0
試しに軽く蛇口を捻る。水は出ない。
半分くらいまで捻る。まだ出ない。
蛇口を全開にする。雀の涙が出て来た。
( ´_ゝ`)「ここに人生の袋小路が顕現したな」
( ゚∀゚ )「何、哲学的なこと言ってんだ」
( ´_ゝ`)「水道が凍結してるぞ」
( ;゚∀゚ )「マジで!?」
( ´_ゝ`)「完全にじゃねーけどな」
( ゚∀゚ )「やっべー、マジべーわ、っべーわ」
( ´_ゝ`)「ミサワってる場合じゃねぇぞ。本気で洒落になんねぇ」
( ゚∀゚ )「実を言うと台所のほうも凍ってた」
( ´_ゝ`)「詰んでんじゃんアホか」
( ゚∀゚ )「こうなったら氷を食べて生きていこう」
656:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:36:32 ID:5yKstxHY0
( ´_ゝ`)「苦し紛れに風呂のボイラーと暖房焚けよ。
もしかしたら氷溶けるかもしんないしさ」
( ゚∀゚ )「溶けなかったらどうする?」
( ´_ゝ`)「そういう時こそ、ここら辺のホテルでも満喫でも泊まれよ」
( ゚∀゚ )「ホテル、で思い出した」
( ´_ゝ`)「あ? 忘れ物?」
( ;゚∀゚ )「そんなんじゃない。俺でもこんな思い出し方、
スッゲー嫌なんだけど、聞いてくれるか?」
( ´_ゝ`)「手ぇ動かしながら口動かせ。俺も片付けるから」
( ゚∀゚ )「あ、ああ、あのさ、兄者、ちょっと付き合ってくれるか?」
( ´_ゝ`)「今やってんじゃねーか。もっと馬車馬の如く働けってか」
( ;゚∀゚ )「違う!そっちじゃない! 恋人的な意味で!」
_, 、_
( ´_ゝ`)「……………はい?」
657:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:37:26 ID:5yKstxHY0
( ;゚∀゚ )「あークッソ言っちまった! でも冗談じゃねぇからな!
俺も自分をおかしいとは思ってんだよ! マジで!」
( ´_ゝ`)「え? ああ、そうだな」
( #゚∀゚ )「兄者が俺を脱糞させて下の世話してくれた日がさあ!
なんかずっと頭から離れねぇんだよ! ずっとなんだ!
最初は恥過ぎてトラウマにでもなってんのかと思ったよ」
( ´_ゝ`)「それが黒歴史にならない奴のほうがおかしいわ」
( ゚∀゚ )「また部屋変えられてさ。イライラしてオナってる時に、
ふっとその日の事、うっかり思い出しちまってよお。
不本意だけどお前でフィニッシュしちまったんだ……」
( ´_ゝ`)「言葉も出ねぇよ」
( ゚∀゚ )「ぶっちゃけここ最近の俺さ、考え過ぎておかしいんだよ。
ホモなったのかと思って色々と見てみたりしたんだけど、
やっぱ男は駄目だった。キモい。生理的に無理だった」
( ´_ゝ`)「その台詞、俺が喋るとは思わねぇのかよ」
( ;゚∀゚ )「待ってくれ、話を全部聞いてから答えてくれ」
(;´_ゝ`)「もう答えは決まってるけどな……」
658:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:38:26 ID:5yKstxHY0
( ゚∀゚ )「女が駄目になったとかじゃないんだ。エロ本見れば、
普通に抜けるっちゃ抜ける。チンコも勃つ。興奮する」
( ´_ゝ`)「バイになったって事か?」
( ;゚∀゚ )「違うって、男はお前以外無理だっつの。ノーマルだろ?
ただ何かずっと気になるんだ。頭ン中にずっとあんだよ。
自分でも何で気になってるのかハッキリとわからねぇんだ」
( ´_ゝ`)「それを言うなら俺だって何で真冬の糞寒い日に、
こんな腐海で告白されてんのか意味わかんねぇよ」
( ゚∀゚ )「俺なり考えてった結果がさあ。多分なんだけどさあ?
兄者が俺の糞を躊躇いもなく掃除しちまったからだと思う」
( ´_ゝ`)「相手がほぼ身動きできない状況にいたら、
どうにかするのが普通だろうが。友達なら」
( ゚∀゚ )「せめてちょっとくらいは嫌な顔してて欲しかったわ。
あんな無表情で黙々と片付けられたら何か思うって」
( ´_ゝ`)「臭いが嫌過ぎて思わず無表情になったと考えろよ」
( ゚∀゚ )「ああ、そう考えるべきか。いや、そう考えても……」
659:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:40:22 ID:5yKstxHY0
アヒャはゴミ山の上で悶えている。
まるで死に際のホームレスのようだ。
( ;゚∀゚ )「ああああやっぱそう考えても駄目だっ! クソがッ!!
一回試しに付き合ってくれ。そして俺を幻滅させてくれ!」
( ´_ゝ`)「さっさと勝手に絶望してくれ」
( ゚∀゚ )「兄者と会うまではスゲー心臓がドキバクしてたんだけどさ、
いざこうして出会ったら、結構なんともねーんだもんよお。
このまま付き合えば、頭の中のアホな夢も覚めると思ってる」
( ´_ゝ`)「現実は少女漫画じゃないからな」
( ゚∀゚ )「俺さ、母親含めて酷い女にしか会った事ないからさ。
男に夢見て、とち狂った変な方向に行ってんのかも」
( ´_ゝ`)「自分でそうやって冷静に考えれるのに、何故俺に暴露した?」
( ;゚∀゚ )「だから今の俺は兄者に夢見過ぎてるんだって!」
( ´_ゝ`)「だからその夢って何だよ」
( ゚∀゚ )「なんつーか、俺の中で兄者が都合がいい奴になりかけてんだ。
バカやっても軽く流してくれて、アホやってもケツ拭いてくれて、
何やっても許してくれるんじゃねーかって言う、都合のいい夢」
660:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:42:19 ID:5yKstxHY0
( ゚∀゚ )「このままだと近い内に、勝手に兄者に期待して、失望して、
お前にバカみたいに八つ当たりすっかもしれねーんだよ」
( ´_ゝ`)「そりゃ迷惑な話だ」
( ;゚∀゚ )「んだよもうさっきから他人事みたいに!」
( ´_ゝ`)「他人事って言われてもなあ……」
現実感がない。危機も感じない。何が大変なのか判らない。
衝撃が強くて、一周回って感情が冷え込んでしまっている。
今日の出来事が全部「実はドッキリでした~」の説もあるにはあるが、
アヒャの頭が海外のクスリでヤられている今、狂ってる可能性が高い。
それに睡眠薬飲んでから寝るまで少し記憶が吹っ飛ぶっつってたし、
こんな暴露もあの日の出来事が捩じ曲がって記憶されてると思えば、
「ああこいつ可哀想に……」としか思わない。内心、楽しいけどな。
睡眠薬を飲むと、神経や思考などと言った色々なものが抑えられて、
ベッドでジッタンバッタンするくらいの黒歴史、吐気がするトラウマ、
普段は思ってもいないような事をくっちゃべってしまう人種もいる。
正気に戻った時との落差を想像すると笑えるな。
ボイスレコーダーで録音しときゃよかった。
もし、これがアヒャの本音なら悪夢だな。
程々に付き合ったら逃げよう。
内藤に話して新たなネタにしてもいい。
661:名も無きAAのようです:2013/03/18(月) 13:43:55 ID:5yKstxHY0
今からでも発言を引き出せば遅くはない、と肩に担いだままの鞄を探る。
そこにはなんと録音スイッチが入りっ放しのボイスレコーダーがあった。
( ´_ゝ`)「おお」
( ゚∀゚ )「何か言ったか?」
( ´_ゝ`)「嫌だな、別にアヒャ死ねとか言ってないぜ」
( ;゚∀゚ )「俺もそうは聞こえなかったぜ!」
音を取り易いように、鞄から上着のポケットの中に入れる。
手はよくわからないネトネトで汚れてるが気にしない。
後で風呂でも借りよう。今は凍ってるけど。
( ´_ゝ`)「おい脱衣所は大分片付いたぞ」
( ゚∀゚ )「あ、うん。俺の一大決心みたいな奴、聞いてた?」
( ´_ゝ`)「うん」
( ゚∀゚ )「返答は如何に!?」
( ´_ゝ`)「無理」
671:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:39:52 ID:ZMmunEvY0
( ;゚∀゚ )「畜生!」
( ´_ゝ`)「普通はそうなるって」
( ゚∀゚ )「お前、女に言い寄られた時に『じゃあ試しに一週間』って、
まず一週間だけ遊んで当たり障りないように別れてただろ。
何か変な行動起こして『ついて行けない』って言わせてさ!
俺ともそうしろよ! まず一週間でいいから! 本当に頼む!」
( ´_ゝ`)「大体の女が、俺の地雷を土足で踏み抜いていってるだけだよ。
アヒャは俺と一緒のマフラー巻いて、一週間裸相撲したいのか?」
( ;゚∀゚ )「そうじゃない。もっと真面目に!」
( ´_ゝ`)「お前、それ睡眠薬の副作用で発狂してるだけだってば。
オナ禁して色事自粛してる時の欲情対象バーサクモード」
( ゚∀゚ )「俺だって、何かの間違いだって思ってたっつってんだろ。
ずっと考えてて、どうしようもねぇからぶち撒けたんだよ」
( ´_ゝ`)「それが間違いだっての、女にちゃんと欲情するんだろ?
身近に穴あるから勘違いしてんだ。風俗行って抜けよ」
( ゚∀゚ )「いや俺は」
( ´_ゝ`)「俺のは勘違いだっての。お前はホモでも何でもねぇよ。
今このゴミ山崩してたら、グラビアの雪崩が起きたもん。
しかも、ご丁寧にカピカピになった本の雪崩が。汚ぇ」
672:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:41:10 ID:ZMmunEvY0
( ゚∀゚ )「俺はホモじゃない。その辺の掃除は俺がやるわ」
( ´_ゝ`)「なら俺、風呂場やっとく」
( ;゚∀゚ )「もう、なんか、すまんな」
( ´_ゝ`)「今度、何かしら奢れ」
( ゚∀゚ )「奢るついでに、やっぱ付き合ってる気分にしてくんない?
公衆の面前で腕組めとか、恋人繋ぎしろとか、キスとか、
そういう事は望まないからさあ……こう、気分的に、何か」
( ´_ゝ`)「えーやだよ」
( ゚∀゚ )「じゃ手っ取り早く、俺に嫌われるようなコトをしてくれ!」
( ´_ゝ`)「お前が彼女にされたくない行動って何だよ」
( ゚∀゚ )「うーん『玄関開けて5秒でアハン』とかが嫌いだな。
すぐ股開くようなケバい尻軽女はかなり好きじゃない」
( ´_ゝ`)「俺に化粧して股開けってか」
( ;゚∀゚ )「ちっが! そういう意味で言ったんじゃない!」
673:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:41:51 ID:ZMmunEvY0
( ´_ゝ`)「そういうのは無理だから」
( ゚∀゚ )「ですよねー」
( ´_ゝ`)「ケツに何か突っ込むとかもう勘弁だ」
( ゚∀゚ )「ま、誰だってそうだよな……」
( ゚∀゚ )「……って、『もう』?」
( ´_ゝ`)「え?」
( ゚∀゚ )「もう、何だ」
( ´_ゝ`)「あ」
674:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:42:34 ID:ZMmunEvY0
(;´_ゝ`)「座薬だよ座薬! 子供の頃、母さんに突っ込まれただろ?」
( ゚∀゚ )「俺は母親に育ててもらってないな」
( ´_ゝ`)「そうだった」
( ゚∀゚ )「『もう』って何だ。もしかして貫通済みなのか。非処女か。
いつヤった。相手は誰だ。俺の知らない奴か知ってる奴k
( ´_ゝ`)「今までもこれからも未開通だよアホか死ね」
( ゚∀゚ )「ごめん」
( ´_ゝ`)「じゃあそっち片付けてろよ」
( ゚∀゚ )「ああ」
( ゚∀゚ )
( ;゚∀゚ )「やっぱ気になる! 教えてくれ!」
( ´_ゝ`)「うっぜぇ」
675:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:44:28 ID:ZMmunEvY0
( ´_ゝ`)「お前知ってるだろ。俺、心因性の勃起不全だって」
( ゚∀゚ )「一時的なインポなんだろ?」
( ´_ゝ`)「俺がわざと汚い言葉使うの避けたってのにテメェ」
( ;゚∀゚ )「すまん、それで?」
( ´_ゝ`)「医者から、薬以外にも色々治療法があるので、
一回これをやってみて下さいって言われたんだ」
( ゚∀゚ )「何を?」
( ´_ゝ`)「下らない事だけど2回言いました」
( ゚∀゚ )
676:名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 02:45:43 ID:ZMmunEvY0
( ゚∀゚ )「今、目の前をぬるコぽっぷが通り過ぎて行った」
( ´_ゝ`)「幻覚だよ。前立腺の中の人だなんて者、存在しない。
ちょっと通りますよ、が偶然通りすがっただけだろ」
( ゚∀゚ )「あ、うん……」
( ´_ゝ`)「どこ見てるんだ」
( ゚∀゚ )「よく分からないけど、ショックだった」
(;´_ゝ`)「言っておくけど自慰とも違うんだぞ? マッサージだって。
変な方向に考えて解釈するのはやめてくれよ、マジで」
( ゚∀゚ )「事前知識が前立腺マッサージ=アナニーの先入観しかない」
( ´_ゝ`)「言っておくけど、俺は無駄に顔の整ったイケメンの医者に、
尻に手を突っ込まれるのが嫌だから『自分でやる』って
選択肢を取ったんだからな? 俺の気持ちわかるだろ?」
( ゚∀゚ )「ちょっと頭回す余裕ないわ」
( ´_ゝ`)「余裕なくても無理矢理捻じ込んでやる。
ちょっと説明するから、そこに座れ」
( ゚∀゚ )「はい」
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