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3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:08:02.14 ID:fbZwaUUsO
( ;^ω^)(雪山の山荘と探偵…これは折っても折れない死亡フラグ!)
( ^ω^)(山荘の中にいるものは、僕を含めて今のところ9人…)
( ;^ω^)(つまり、9分の1の確立で僕は殺される!)
( ;^ω^)「なんとか、なんとかしなければ!」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:10:05.60 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)は
雪山の山荘で
(◎⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ 名探偵と
/ニニV⌒⌒⌒ ⌒⌒⌒ ヽ 出会ったようです
/ニ{ニニ}ニヽ ⌒⌒⌒ ⌒ヽ
(⌒⌒⌒⌒ヽ⌒ ⌒⌒ ⌒⌒⌒⌒ヽ
(三三三三、(⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
⌒, ' /o三。三゜\ヽ ゚ o" ヾ 。
, ' /三三三三三。\ヽ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ
, ' /。三三三゜三。三三\ヽ ゚ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ヽ o O
, ' /三三三。三三三三三三\ヽ "⌒ " o ⌒ 。 ⌒ヽ
, ' /三。三三三三三三三三三三\ヽ"" ⌒ ⌒ ⌒ ヽ。 。
' /o三三三三三゚三三三三三三三三\ヽ。 。 ⌒ ヽ⌒ ⌒⌒ヽ 。
~ (三。三三l)。三三三゜三o三)三三三三\ヽ======='ヽ ヽ ヽ 。ヽ
(。三三三|ll | ̄| ̄| ̄| ̄||l |三三三三三\) \ヽ ヽ 。 ヽ
(三三三。|ll | | | |.o ||l |三。三三◎ ゚ 。 |l ̄| ̄l| ||⌒⌒⌒||
(三。三三|ll | | o.| 。| ||l |.三三゚三◎ ゜ 。|l ̄| ̄l| /⌒ヽ! . 。||:
(三三。三|ll | | | |◎||l |三゚ 〔日◎  ̄ ̄ ̄。 (^ω^; ) 。 ゚ .||:::
(。三三三|ll |。 | |゚ 。| ||l |。三三||゜◎ 。 ゜ 。 (_つ ヽ 。 .゚ ||:
(三三。三|ll |_|_|_|_||l |三三。||_.◎ o / 〉 〉) 。 ||::
.. . ⌒o ,,,,,⌒ヽ ⌒ ⌒ヽ,,, O ⌒"⌒ヽ ⌒o,,,,,⌒ (__)、_)。 ⌒。 o
⌒ヽ ⌒ 。 ⌒ 。⌒ ⌒⌒
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:13:37.97 ID:fbZwaUUsO
回想
_________________________________
( ^ω^)「吊り橋揺れ過ぎだお」
( ^ω^)「吹雪いてきたお」
( ^ω^)「天気予報士め、お前は占い師と違って当たるも八卦は許されないんだお」
びゅごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
( ^ω^)「畜生、1m先が目視できねぇ…」
ごちん
Ω
( ^ω^)「こ、これは建物!」
Ω
( ^ω^)「早速お邪魔するお」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:15:36.06 ID:fbZwaUUsO
ガチャ バタン
( ^ω^)「こんにちは」
(゚、゚トソン「こんにちは」
(-_-)「こんにちは」
lw´‐ _‐ノv「こんにちは」
(´・ω・`)「こんにちは」
(・∀ ・)「こんにちは」
( ^ω^)(何この玄関の密集率…)
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:16:25.39 ID:fbZwaUUsO
_________________________________
( ^ω^)「いや、こんな回想はいらないお」
( ^ω^)「あと1時間足らずで就寝時間だお」
( ^ω^)「就寝時間=殺人が起きる時間 と考えていい筈だお」
( ^ω^)「今は回想なんかに使う時間はないんだお」
( ^ω^)「…僕が殺される確立は9分の1」
( ^ω^)「どうすればいいんだお…」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:18:09.40 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「そもそも、こんな事になったのは雪山の山荘に探偵が来たからだ」
( ^ω^)「探偵さえ来なければ、下山できないほど吹雪く事もなかった筈だお」
( ^ω^)「雪山に山荘がなければ、探偵が来る事もなかった筈だお」
( ^ω^)「雪山の山荘…探偵……」
( ^ω^)「このどちらかを崩せば…!」
ざわ…
ざわ…
( ^ω^)「殺人が起きる事はなくなる筈なんだお…!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:19:29.35 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「山荘は壊せない…何故なら今は吹雪だから」
( ^ω^)「燃やせば吹雪が止まるとしても、今は夜」
( ^ω^)「無事に下山できる可能性は高くないし…」
( ^ω^)「寒さを凌ぐ場所がなくなるのは、勘弁してほしいお」
( ^ω^)「つまり、狙うは探偵」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:20:36.62 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「探偵さえいなくなればいいんだおwwwwww」
( ^ω^)「そうすればふざけた殺人事件とか起きないんだおwwwww」
( ^ω^)「そうと決まればれっつらごーwwwwww」
( ^ω^)「おっと行く前に凶器wwww凶器wwwwww」
( ^ω^)「ここは台所から包丁でもくすねてきたいところだけどwwwww」
( ^ω^)「管理人に気づかれたらヤバイしwww」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:24:09.01 ID:fbZwaUUsO
_探偵の部屋_
探偵はベッドですやすやと眠っています。
早いですが、この舞台から御退場願いましょう。
( ^ω^)「ひひひ」
(- -トソン「すー…すー…」
ぐっすりと眠っています。
無用心な事です。
( ^ω^)「ぶひひ」
まずは声を出されても大丈夫なように、喉の部分に左手をセッティングします。
暴れようとしても抑えられるように、彼女の腹の上に中腰で待機します。
そして右手に持ったストックを振りかぶり、勢いよく右目に突き刺します。
( ^ω゚)「死ねお!」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:25:33.13 ID:fbZwaUUsO
ずどぶっ
(゚Д゙トソン「ッ…」
右手と一緒に体も落として、無駄な抵抗を防ぎました。
突き刺すと同時に喉を絞めたので、上手く声を殺せました。
あとは探偵です。
( ^ω^)「さっさと死ねおwwwwwwwww」
内藤はストックを上下にピストンさせました。
(゚Д゙トソン「ッ! ッ! ッ!」
ずっぷずっぷじっぷzip
( *^ω^)「おっwwwおっwwwwwなんか興奮してきたおwwwwww」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:26:37.37 ID:fbZwaUUsO
あらあらまあまあ。お盛んですね。
どうやらストックに己の息子を投影しているようです。
( Д;トソン「! ッ! ッ! ァ! ッ! ッ! …ヵッ!」
興奮のあまり、首を絞める喉が時々緩まっています。
お若い事ですね。
( *^ω^)「もっと…もっとだお…!」
ずっぷずっぷじゅっぷ
ぢゅぷじゅっぷじっぷ
じゅぶじゅぷじゅぶずぷ
ずぶずぶずぷずぶじぶ
( *^ω^)「ウッ」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:27:57.04 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「…ふぅ」
( ^ω^)「なーにやってんだお、僕は」
探偵は、口から泡を噴いて、左目は白目を向いていました。
右目があった場所からは、水晶体と血液と脳漿が混じった液体が垂れ流れています。
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「血、拭くかお」
( ^ω^)「…君の枕借りるおw」
内藤は、探偵の頭の下から枕をそっと抜き取りました。
先程の荒々しさは、微塵も感じられません。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:30:35.46 ID:fbZwaUUsO
内藤は枕の布でストックに付着した液体を拭き取ります。
ふきふき
( ^ω^)「これでよし」
( ^ω^)「枕返すお、ありがとうだお」
女性に優しい英国紳士は、探偵の頭をそっと持ち上げ、その下に枕をセットしました。
そして右目を下になるよう、顔を横向きにします。
( ^ω^)「…くくく」
右目からヘドロが垂れ流れます。
垂れ流れたヘドロが、枕に落ちます。
( ^ω^)「…これで、よし」
ストックの血を拭き取った箇所が消えました。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:33:24.38 ID:fbZwaUUsO
_内藤の部屋_
( ^ω^)「ミッションコンプリートwwwww」
( ^ω^)「これで僕が殺される事はないだろうし」
( ^ω^)「ふざけた事件も起きないお」
( ^ω^)「安心して眠れるお…」
( ´ω`)「これで……」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:35:04.54 ID:fbZwaUUsO
( ´ω`)「…・」
( ´ω`)「パンツが湿ってて眠れないお」
( ^ω^)「ティッシュ…」
( ^ω^)「お、ちゃんと部屋に備え付けてあるお」
( ^ω^)「当たり前だおね」
( ^ω^)「拭いてる間、さっきの回想の続きでもするかお」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:36:23.86 ID:fbZwaUUsO
回想
_________________________________
狭い玄関に6人の人間が寄り集まっていた。
( ^ω^)「皆さん何をしているんですかお?」
(゚、゚トソン「この山荘の管理人さんを待っているのですよ」
(´・ω・`)「無断で上がり込むのは、流石に悪いしね」
とても律儀な事である。
しかし、待っているのは発言した二人だけで、他は周囲に合わせているだけのようだ。
( ^ω^)「そうなんですかお」
とても日本人らしい事である。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:37:57.05 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「んだよ、勝手に入っちまえばいいのに」
一人上がる。
lw´‐ _‐ノv「足疲れた、入って休もうヒッキー」
(;-_-)「うぇ? あ、ちょ!」
二人追加。
(´・ω・`)「えー入っちゃうの?」
(・∀ ・)「こんなん待ってられっか、中入って待とうぜ」
( ^ω^)「それじゃあ僕も」
彼も日本人であった。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:39:19.41 ID:fbZwaUUsO
(´<_`; )「すみません遅れてしまって」
(・∀ ・)「本当にな」
lw´‐ _‐ノv「稼ぎたいなら、もっと早めに来る事だな」
(;´・ω・`)「まあまあ、この天気で入る人も増えて、忙しかったんでしょう」
(-_-)「ねぇシュール、部屋行って休みたいんじゃなかったの?」
lw´‐ _‐ノv「む、そうだった。案内してたもれ」
(´<_` )「はい、お二人はご一緒の部屋でよろしいですか?」
lw´‐ _‐ノv「うむ」
(;-_-)「いやよくないよ!?」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:42:25.17 ID:fbZwaUUsO
lw´‐ _‐ノv「なんだヒッキー、異性と相部屋になる事を恥らっているのか?」
(;-_-)「そういう問題じゃなくって」
(´<_` )「別々の部屋にしますか? 空き部屋はありますよ」
lw´‐ _‐ノv「いや一緒でいい」
(;-_-)「だから!」
(・∀ ・)「ひゅーひゅー」
(-_-#)
∀ ・) ))
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:44:02.71 ID:fbZwaUUsO
lw´‐ _‐ノv「お前さん、私に欲情するのかい?」
(-_-)「え」
lw´‐ _‐ノv「女に夜這いする程の肝っ玉があるのかい?」
(-_-)「…」
(-_-)「ないね」
lw´‐ _‐ノv「ならよし、前者か後者か気になるがな」
(-_-)「一緒の部屋でお願いします」
(´<_`; )「ど、どうぞ。部屋の鍵です」
lw´‐ _‐ノv「うむ、行こうヒッキー」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:45:02.03 ID:fbZwaUUsO
(-_-) 小森 ヒッキー(こもりひっきー)
男、引き篭もり
lw´‐ _‐ノv 素直 シュール(すなおしゅーる)
女、OL
_______________________
(・∀ ・)「俺達があのアベックの次に来たぜ、鍵くれ」
(;´・ω・`)「アベックって古いよ…」
(・∀ ・)「うっせ」
(´<_` )「どうぞ、部屋は鍵についてるプレートの番号です」
(・∀ ・)「おう」
(´<_` )「ご一緒の部屋でよろしいですか?」
(´・ω・`)「はい」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:45:45.74 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「なあ、ここスキー板置く場所あったと思ったんだけど、移動したんか?」
(´<_`; )「あ、はい、そうです」
(・∀ ・)「うおーうマジかよ」
(´<_` )「こちらでお預かりします」
(・∀ ・)「さんきゅ」
(´・ω・`)「僕のもお願い出来ますか?」
(´<_` )「はい、どうぞ」
(´・ω・`)「ありがとうございます」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:48:34.06 ID:fbZwaUUsO
(´・ω・`) 諸本 ショボン(もろもとしょぼん)
男、スキーヤー
(・∀ ・) 金玉 またんき(きんたままたんき)
男、ベテランスキーヤー
_______________________
(゚、゚トソン「えーと、予約をしていた都村ですが…」
(´<_` )「はい、都村トソン様ですね。どうぞ」
(゚、゚トソン「はい、ありがとうございま…
「都村トソン、だって?」
(゚、゚トソン「え?」
「もしかして、あの女探偵都村トソンか!?」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:49:36.13 ID:fbZwaUUsO
(*゚ー゚)「わあ! 初めて生で見た!」
(*゚Д゚)「うっひょー! 本物だ!」
(゚、゚;トソン「え? え?」
(*゚ー゚)「やっぱり新聞やブラウン管越しより、こっちのほうが可愛いわねぇ」
(,,゚Д゚)「ポスターよかこっちのほうが艶あるなあ」
(゚、゚;トソン「ええっと、あの…」
(,,゚Д゚)「ああ、引き止めちゃってごめんな」
(*゚ー゚)「あとで時間あったらお話しましょうね!」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:50:27.18 ID:fbZwaUUsO
(゚、゚トソン 都村 トソン(つむらとそん)
女、探偵
_______________________
(´<_` )「すみません、何か…」
(*゚ー゚)「あ、私達トイレ探しに来たのよ」
(,,゚Д゚)「なんか部屋になかったから」
(´<_`; )「失礼しました。1階と2階の廊下の突き当たりにありますので」
(*゚ー゚)「あら不便ねえ」
(´<_` )「すみません、ここは共同トイレでして…」
(,,゚Д゚)「場所わかったんだから行こうぜ、うんこ漏れそう」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:51:15.02 ID:fbZwaUUsO
(,,゚Д゚) 羽入 擬古(はにゅうぎこ)
女、ヒモ
(*゚ー゚) 羽入 椎奈(はにゅうしいな)
男、銀行員
_______________________
( ^ω^)「あのー…予約とかしてなんですが」
(´<_` )「部屋は余っているのでお貸ししますよ、この天気ですからね」
( ^ω^)「あ、ありがとうございますお」
(´<_` )(あとでぼったくるけどな)
( ^ω^)「今なんか雑念が」
(´<_` )「いえいえ、はいどうぞ。部屋の鍵です」
( ^ω^)「どうもですお」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:53:23.19 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^) 内藤 ホライゾン(ないとうほらいぞん)
男、フリーター
(´<_` ) 流石 弟者(さすがおとじゃ)
男、山荘の管理人
_______________________
( ^ω^)「夕食は出ますかお?」
(´<_` )「はい、6時半から8時半まで食堂で夕食となります」
( ^ω^)「部屋に持ってっていいですかお?」
(´<_` )「その場合は部屋まで私がお運び致しますが」
( ^ω^)「いいですお、自分で運びますお」
(´<_` )「それでは、ごゆっくり」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:54:52.89 ID:fbZwaUUsO
回想終了
_________________________________
( ^ω^)「すっかりパンツが乾いてしまったお」
( ^ω^)「これなら、軽く洗ってからのほうがよかったかもしれんね」
( ^ω^)「まあいいお」
( ^ω^)「パンツもすっきりしたし、そろそろおやすみだお」
( ^ω^)「…自分の部屋じゃないんだし、ティッシュはちゃんとゴミ箱に捨てておくお」
( ´ω`)「今度こそ寝るお…」
( ´ω`)「…zzZ」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:56:01.48 ID:fbZwaUUsO
朝
_________________________________
ピピピッ ピピピッ
( ´ω`)「うーん」
ピッ
( ^ω^)「いい目覚めだお、きっと3時間睡眠だからだおね」
( ^ω^)「7時だから、もう朝ご飯はできてるおね」
( ^ω^)「朝食は9時までだから、時間はあるお」
( ^ω^)「シャワー浴びてから行くお」
( ^ω^)「…吹雪は、まだ止んでないのかお」
びゅごおおおおおおおおおおおおおお
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:58:39.43 ID:fbZwaUUsO
_食堂_
(・∀ ・)「味気ねー」
(´・ω・`)「こんなとこにある山荘のなんて、そんなものですよ」
(-_-)「TVここにもないね…」
lw´‐ _‐ノv「電波が届かんのだろう、駄目なアンテナだ」
(-_-)「山奥だからかなー」
lw´‐ _‐ノv「私の電波は届くぞ、私の電波はな」
(;-_-)「どうせお花畑方向の電波でしょ…」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:59:43.81 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「おー、朝早いのに結構人がいるおね」
( ^ω^)「えーと僕の食事は、これかお」
( ^ω^)「わかめの味噌汁、ご飯、牛乳、ポテトサラダ、納豆、鯖の煮付け、アロエゼリー」
( ^ω^)「これはヘルスィ」
( ^ω^)「まるで僕の体脂肪率を考えたかのような食事」
( ^ω^)「そしてご飯おかわり自由だと」
( ^ω^)「ありがたくいただきます」
( ^ω^)「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
(・∀ ・)「きめぇwwwwwwww」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:00:45.48 ID:fbZwaUUsO
7:30
(,,゚Д゚)「うお、みんな早いなあ」
(*゚ー゚)「トソンちゃんがいないわね」
(´<_` )「9時を過ぎても来ない場合は、私が部屋に朝食をお運びしますので」
(*゚ー゚)「あら、そうなの」
(,,゚Д゚)「それじゃ、彼女が起きて来た頃にまた話そうか」
(´<_` )「どうぞ」
(*゚ー゚)「ありがと」
( ^ω^)(彼女だけ手渡しかい)
( ^ω^)(男女差別だお)
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:02:22.30 ID:fbZwaUUsO
8:00
( ^ω^)「げふ」
( ^ω^)「ご飯だけおかわりし過ぎたお」
( ^ω^)「紙パックの牛乳じゃ足りねえ…水、水お」
( ^ω^) ごくごく
( ^ω^) ぷはー
( ^ω^)「流石は山の水、おいしいお」
( ^ω^)「もっとおかわりするかお」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:05:31.37 ID:fbZwaUUsO
8:40
(*゚ー゚)「おっそいなあ」
(,,゚Д゚)「もう20分で9時になるな」
(*゚ー゚)「一度見て来る?」
(´<_`; )「あのー…」
(*゚ー゚)「冗談ですよ」
(,,゚Д゚)「それにしてもTVないと暇だなあ、なんか本とかある?」
(´<_` )「それなら休憩室にありますよ、ご案内致します」
(*゚ー゚)「あ、じゃあ私も」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:08:29.73 ID:fbZwaUUsO
9:00
( ^ω^)「もーくえん」
( ^ω^) げぇっぷ
(;´・ω・`)「あの人、食べた量と体積が比例してないんだけど…」
(・∀ ・)「胃の中の圧縮率が通常の3倍なんだろ」
(´・ω・`)「にしては赤くないね」
(´<_` )「そろそろ朝食持ってくか…」
( ^ω^)「…」
( ^ω^)(やっべ俺オワタ)
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:09:31.75 ID:fbZwaUUsO
_2階 203号室前_
コンコン
(´<_` )「都村さーん、起きてますかー?」
(´<_` )「扉の前に朝食のワゴンを置いておきますねー」
(´<_` )「…」
(´<_` )「寝てんのかな…」
(´<_` )「下の隙間から紙入れておくか」
(´<_`; )「ってなんだこの水、きったね」
(´<_`; )「板の隙間通ってこっちまで来てるし…」
(´<_` )「あーフローリングはこれだから、掃除すんのめんどくせーな」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:10:49.40 ID:fbZwaUUsO
_食堂_
内藤は水を飲みながら考えました。
( ^ω^)(やべー)
( ^ω^)(マジやべー)
( ^ω^)(よく考えたら俺が犯人じゃん)
( ^ω^)(死体は窓からでも投げ捨てとくべきだったか?)
( ^ω^)(しかしそうなりゃ、客が失踪したって事になって)
( ^ω^)(面倒な事に巻き込まれるかもしれんしな…)
( ^ω^)(どうすんべ)
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:11:41.37 ID:fbZwaUUsO
水は、内藤の口の手前で垂れ流しになっていました。
( ^ω^) ダバダバ
コップを口元まで運ぶ前に傾けて零してしまうアレです。
よく呆けている時にやってしまうアレです。
(;´・ω・`)「ちょ、ちょっと、あれ教えてあげなくていいの?」
(・∀ ・)「面白いから黙っとけ」
( ^ω^)(この状況から逃げ切る得策…得策…)
( ^ω^)(何か捻り出せよ俺の脳みそ!)
( ^ω^)(無理だって、どうせFランしか出てないんだから)
( ^ω^)(主人公は危機的状況に陥ると奇跡的な力を発揮するんだよクソッタレ!)
( ^ω^)(発揮されないって事は、今は危機的状況じゃないんだろ)
( ^ω^)(ああそっか)
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:13:09.87 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「気楽に考えるお」
『うわああああああああああああああああああ!!!!!!!!111』
(´・ω・`) ブゴフッ
(・∀ ・;)「な、なんだあ!?」
\( ^ω^)/
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:13:55.95 ID:fbZwaUUsO
ヽ(^ω^ ) ♪ とってもオワタ ♪
(( /ヽ ゝ
<
┛
(^ω^)ノ ♪ きりすて人生 ♪
(( レヽ_ゝ ))
)(
┗ ┛
(^ω^ ) ♪ 練炭かついじゃって ♪
 ̄丿─ア ミ
> >
┗┗
(^ω^ ) ♪ オワッタッターラ ♪
( ( @( ヽ@
(└┓
Y⌒Y⌒Y ┛
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:14:50.99 ID:fbZwaUUsO
( ゚ω゚)ここからながら投下うわぁあああああああああ!!!
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:18:02.65 ID:fbZwaUUsO
_2階 203号室前_
lw´‐ _‐ノv「どうしたんだい?」
(´<_`; )「わからん、俺が部屋に入った時は既に」
_________________________________
死体発見時のよくあるテンプレ会話省略
_________________________________
(-_-)「酷い…」
(´・ω・`)「一体誰がこんな事を…」
(・∀ ・)「さあな」
( ^ω^)(俺です)
( ^ω^)(あ、電話回線を切らなきゃ)
内藤はダッシュしました。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:22:59.42 ID:fbZwaUUsO
9:30
(il-_-)「うげげぇ、気持ち悪い…見なきゃよかった」
lw´‐ _‐ノv「軟弱者め、普通はレディに向かって『君は見ちゃ駄目だ!』と言って
手か腕で目隠しをするものだろう。これでは立場が逆ではないか」
(il-_-)「君って淑女だったの?」
(・∀ ・)「携帯の電波も届かねぇし、外は吹雪、ドラマみてーな状況だな」
(´;ω;`)「ふざけてる場合じゃないよおじさん。僕達も殺されるかもしれないんだよ?」
(・∀ ・;)「なんでもう泣いてんだよ」
(´<_`; )「畜生! 電話回線を切られてる!」
(・∀ ・)「お約束ktkr!」
(,,゚Д゚)「そんな…」
( ^ω^)「あばばばばばばばばばばっばwwwwwwwwwwww」
( ^ω^)(ギリギリセーフ! 俺ファール! 人生アウト!)
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:26:46.34 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)(鋏がなくて最初は焦ったおが…)
( ^ω^)(素手で千切れないならば、接続端子を壊すのみよ!)
( ^ω^)(配電盤を叩き壊すって手もあったが、それだと暖房が…)
( ( ^ω^) )) ブルルッ
( ^ω^)(みんなで仲良く凍死は避けたいお)
( ^ω^)(管理人の反応からして)
( ^ω^)(部屋に備え付けてあった電話は、外に繋がってないようだおね)
( ^ω^)(各部屋にあるのは子機、管理人室にあるのが親機と考えていい筈だお)
( ^ω^)(ここは親機も壊しておくべきなんだろうけど…)
( ^ω゚)(後からの為に、取っておくお)
( ^ω^)「吹雪、晴れないでくれお」
内藤の言葉を受け取った吹雪は、ますます勢いを強くしました。
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:29:29.26 ID:fbZwaUUsO
_男子トイレ_
( ^ω^)(僕が犯人であるから、僕が殺される事はない)
( ^ω^)(しかし僕が犯人だと気付かれたら、周りからフルボッコ)
( ^ω^)(つまり、あれだおね。汝は人狼なりや? の亜種ゲームリアル版とでも)
( ^ω^)「思えるワケねーお!」
( ^ω^)(落ち着いて考えるんだお…冷静に)
( ^ω^)(まず、僕は全ての内情を知っている)
( ^ω^)(だから僕は、得体の知れない殺人鬼に怯えて精神を削られる事はないんだお)
( ^ω^)(これはメリットだおね)
( ^ω^)(逆に、周囲に気付かれないように言動に注意しないといけないお)
( ´ω`)(…デメリットだおね、僕は難しい事考えるの苦手だお……)
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:31:44.78 ID:fbZwaUUsO
9:45
( ^ω^)(つーか俺が殺されない為には、はよ全員殺りゃいいやんwwww)
( ^ω^)(殺られる前に殺りゃいいやんwwwww)
( ^ω^)(俺ってばマジ孔明wwwwwwwwwwwwwwwwwww)
( ^ω^)(うーん、誰を殺そうかお)
( ^ω^)(やっぱり、この山荘に詳しい管理人からかお?)
( ^ω^)(あのきんたまとか言う奴も、前にこの山荘に来たような事を仄めかしてたし)
( ^ω^)(…ここは、逆にそいつらを利用してやるとするかお)
( ^ω^)(でもやっぱり、あの気に食わない管理人殺したいおwwwww)
この間、内藤はずっと放尿していました。
粗末なモノをブリーフの中に閉まって、チャックを閉めます。
皮の鎧は幼い頃に脱いだので、挟まる事はありません。
( ^ω^)(最初の標的は…あのマイナス目の男か女だおね)
( ^ω^)(カップルなんざぶち殺してやんよ)
( ^ω゚)「フヒヒ」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:33:02.81 ID:fbZwaUUsO
_ラウンジ_
(・∀ ・)「よーしこれで全員か?」
(´・ω・`)「です」
(´<_` )「はい」
(*゚ー゚)「…」
(,,゚Д゚)「…」
lw´‐ _‐ノv「・・・」
(・∀ ・)「まあ、言わなくても分かると思うがな」
(・∀ ・)「この中に、人殺しがいる」
ざわ…
ざわ…
( ^ω^)(僕ですけどNE!)
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:37:03.06 ID:fbZwaUUsO
9:55
(-_-)「こ、こんな…」
(・∀ ・)「ん?」
(;-_-)「こんな人殺しがいるかもしれない場所になんかいられるか! 僕は一人で寝る!」
lw´‐ _‐ノv「露骨な死亡フラグを立てるな愚か者、それは独り者の言う台詞だ」
( ^ω^)(密室に侵入するトリックなんて思いつかないお、それ生存フラグだお)
ヒッキーは女の柔腕に抑え付けられ、椅子に縛られた。
これでコンロから火が出てガスに引火しても、すぐに逃げる事は出来ない
( ^ω^)(みんながバラバラになられると、逆に厄介だお)
( ^ω^)(…ここは、全員をなるべく一箇所に固めてやりやすいようにするべきだおね)
( ^ω^)(僕は僕のやり方で行くお)
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:40:59.47 ID:fbZwaUUsO
内藤は俯きながら、なるべく声が篭るように言いました。
( ^ω^)「ひ、一人にはならないほうが…」
(・∀ ・)「あ? よく聞こねーよ」
内藤は俯きながら、にやりと笑いました。
( ^ω^)「一人になると、あ、危ないお」
(・∀ ・)「ふんふん」
( ´ω`)「だから…みんなで固まってたほうが、い、いと思うんだお…」
言葉の最後は、蝋燭の火が消えるように細く小さい声で話しました。
小さくなる声と一緒に、背中も丸めていきます。
(´・ω・`)「…確かに、みんなで一緒にいたほうがいいかもね」
(・∀ ・)「ま、外部の人間の可能性もあるし、固まってたほうがいいだろうな」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:43:12.24 ID:fbZwaUUsO
(*゚ー゚)「…ねぇ、そういえば、車庫みたいなのがあったわよね」
(,,゚Д゚)「ああ、あの雪の重みで潰れそうなプレハブか」
(´<_` )「その車庫には、この山荘の前の管理人の軽トラが入ってるんだ」
(´・ω・`)「あ、タメ口なんだ」
(´<_`; )「今この状況で敬語も何もあったモンじゃないんと思うんだが…」
(;´・ω・`)「そうだね」
lw´‐ _‐ノv「みんなで軽トラ乗って、一緒に麓まで降りれないの?」
(´<_`; )「荷台に乗せたとしても、この人数はちょっと」
(・∀ ・)「それ以前に、この天気が見えねーのかよボケ」
びゅごおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
lw´‐ _‐ノv「すまん」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:45:05.48 ID:fbZwaUUsO
( ω )( 計 画 通 り !)
我ながら名演技です。
これで内藤のポジションは、臆病者に位置する事になったでしょう。
(・∀ ・)「あーでもな」
( ^ω^)「?」
勝利を確信した内藤の握り拳を、またんきが解きます。
(・∀ ・)「ここに来るには、吊り橋を渡らなきゃいかんだろ」
(*゚ー゚)「そうね、今は珍しい縄と丸太の」
(・∀ ・)「んで、吊り橋を渡らずに麓に戻るルートは、今の状態じゃ無いワケだ」
( ^ω^)「…」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:49:06.21 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「こういうのじゃ定石だろう。吊り橋破壊して孤立させんのは」
(,;゚Д゚)「それじゃあもう既に…」
(・∀ ・)「いや、断言は出来ん」
lw´‐ _‐ノv「橋の様子はここからわからんのか?」
(´<_` )「監視カメラの類は、この山荘には何もないんだ…」
(*゚ー゚)「見るからにボロいしね」
( ^ω^)「じゃあ橋は…」
(・∀ ・)「もう壊されてるかもしれんし、これからかもしれない」
(´<_`; )「…」
(・∀ ・)「だからみんなで一緒に橋を見に行こうってのは、この天気じゃ無謀だ」
(-_-)「じゃあどうするの?」
一応会話の中に潜り込むだけの冷静さはありました。
が、内藤の額に、一粒の汗が湧きあがりました。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:52:20.81 ID:fbZwaUUsO
10:30
『グループを作ってね』
それは悪魔の言葉。教壇に立つ教師が放った言葉の凶弾。
内藤が過去の記憶の中で悶えている間に、班作りは終わる。
(・∀ ・)「…ーい、俺の話聞いてたかー?」
( ^ω^)「は、はれ?」
(・∀ ・)「うん聞いてなかったな、もう一度最初から説明してやろう」
またんきと名乗った中年は、おほんとわざとらしい咳をしました。
(・∀ ・)「居残りメンバーはシュールに椎奈に擬古、それと管理人」
(・∀ ・)「ないとは思うが、万が一って時の為に夫婦一緒にした」
(・∀ ・)「俺とお前と」( ^ω^)「大五郎」
(・∀ ・)「ふざけんな死ね」
( ^ω^)「ごめんなさいお」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:56:56.55 ID:fbZwaUUsO
またんきは、うおっほんとわざとらしい咳をしました。
(・∀ ・)「お前と俺と、うちのショボン、あとあの辛気臭いガキだ」
( ^ω^)「ヒッキーですお」
(・∀ ・)「そう、そいつ」
彼の名前だけは覚えていた。
あの横に並んでいる彼女(暗黒微笑)らしき人物が名前を連呼していたからだ。
もしこれが本名なのではなく愛称なのだとしたら、人目を憚らず殺してもいい。
(・∀ ・)「ほれ、外は相変わらず吹雪いてるし、さっさと服来な」
( ^ω^)「あ、はい」
(・∀ ・)「あとコレ」
またんきは腰にかけている袋からカイロを取り出しました。
貼るタイプではなく、手で揉んで熱くするタイプのカイロです。
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:58:06.53 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「それやるよ、寒いだろうからな」
( ^ω^)「…ありがとうございますお」
去って行くまたんきの背中を見つめながら、ナイフを刺すイメージをする。
そう言えば、厨二病にかかっていた頃は、そんな痛い妄想ばかりしていた。
例えば、下らない会話をしている相手がいきなり殴りかかってきたら、
目の前でプリントを配っている教師がいきなり機関銃を乱射し始めたら、
授業中、外側に面する窓をぶち割って黒服の男が乱入してきたら。
( ^ω^)(まさかそれがタメになるとはおー)
イメージトレーニングは、していて損はないだろう。
相手がこう言葉を返してきたら、もし犯人が僕だと誰かに知られたら。
今、あの扉の向こうからまたんきさんが鈍器を握り締め襲ってきたら。
思いつく限りの最悪の状況は多々ある。
それこそ、今すぐ全てを洗いざらい吐き出して、両手を差し出したいくらいに。
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:02:51.51 ID:fbZwaUUsO
内藤は、これからの事を考える。
外を見に行くというのは、自分にとってメリットだ。
この山荘の周囲を探索したいと思っていた内藤にとって、これは好機でしかない。
一人で外に繰り出す隙は、どうも自分には作れなかった。
無意味に外へ行くのを発言しても、みんなに怪しまれるのがオチだろう。
自分という、雑魚的存在に対して、またんきというリーダーは有難かった。
こういう場所で、リーダーというものは盲信されるか疑われるかの二つである。
それを彼が自らやってくれたのはありがたかった。
これで自分は、またんきという男の後ろに隠れて、後ろに連なる糞を捨てれる。
( ^ω゚)(あんたは最後らへんに取っといてやるお)
これから自分がすべき事は、前を見て歩く彼が振り向かないようにする事だ。
リーダーは周囲と言っても、前方240~300度くらいまでしか見ない。
過ぎ去った残りの角度は、副リーダーやその辺の雑魚に任せておけばいい。
またんきを、ただ全速力で走れるようにしてやればいい。
他と手を繋いで走らせては、糞が切れたのがバレてしまう。
どうにかして彼の両手が他を握らないようにするか、もしくは自分が握るか。
何か別のものを握らせるか。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:04:11.13 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「さァて、困った困った」
くっくっと喉で笑う。何故だが笑いが溢れてくる。
ヒッキーをどうやって罠にかけるかのシミュレーションを繰り返す。
( ^ω^)(橋と、ヒッキー、これが二つ崩れてくれたら)
貰ったカイロを放り上げて遊びながら、自分の部屋へ行く。
死体のある203号室の前を通っても、何の感慨も湧かなかった。
( ^ω^)「…結構なんともないものなんだおね」
ただ、今はショックで気が動転しているだけかもしれない。
夜に寝る時に、明日に目が覚める時に、やってしまった事の大きさに発狂するかもしれない。
けれど、今は理性と思しきものを動かして、自分はここにいる。
( ^ω^)「またんきさん、ありがとうだお」
( ^ω゚)「このカイロ、有難く使わせてもらうお」
落ちてきたカイロを両手でキャッチして、大事に懐へしまった。
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:09:32.74 ID:fbZwaUUsO
11:00
(・∀ ・)「よーし、準備はできたか?」
(´・ω・`)「うん」
( ^ω^)「はいですお」
(・∀ ・)「ばっかそこは『おー!』って言えよ」
(;-_-)「お、おー…」
(・∀ ・)「…やる気ねーな」
仕方ねーか、と呟いて、またんきが扉を開ける。
開けた瞬間、豪雪が山荘の中に入り込んできた。
いくら着込んでいたからとは言え、顔に直に当たる雪は避けられない。
( ;^ω^)(毛糸のフェイスマスクを持って来るべきだったお…)
しかし、あのドラマや映画などで銀行強盗がよく被るそのマスク。
内藤はあまりいい先入観を抱いていなかった。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:15:04.66 ID:fbZwaUUsO
内藤はゴーグルをかけ、なけなしの視界を確保する。
鼻と口に入る冷たい空気を少しでも防ぐ為に、マスクをする。
これで雪が目や口鼻に入る事はないが、視界を覆う雪を晴らす事はできない。
横を見ると、またんきもショボンもゴーグルをかけている。
ヒッキーに至っては、あの目の部分だけ開いたフェイスマスクにゴーグル。
そして更にその上にヘルメットを被り、マフラーを巻くという重装備だ。
北極に旗を立てにでも行くのかと、小一時間問い詰めたい。
([]∀ [])「───…!」
(-○ω○)「…?」
またんきが何かと言ったようだが、耳当てと風の音のせいで聞き取れない。
何度か立ち止まり言葉を交わして、全員仲良くおててをつないで歩く事になった。
(;○ω○)(この年になって、野郎と手を繋ぐなんて…)
(-○ω○)(それでも、離れるよりはいいかお)
先程まで、どうやって人を殺すか画策していた思考は今は潜めてある。
状況が状況なだけに、今は両手を握ってくれる他人の存在が有難かった。
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:19:23.06 ID:fbZwaUUsO
??:??
ざっくざっくと雪を踏む足音も消えるくらいの暴風音。
どれくらい歩いたのか、今はどの辺りなのか、どれくらい経ったのか。
実は遭難しているのではないかという思考に囚われかける。
このマイナス方面の思考に頭を浸すのはよくないと気づき、途中で逃げ出す。
(-○ω○)(……)
考える事を放棄して歩いていたら、急に左手を引かれて体勢を崩す。
自分の両手を掴んでいた人物が、咄嗟に腕を引っ張る。
そのお陰で、白い地面に体の跡を残す事はなかった。
残しても、どうせすぐに消えるのだろうが。
(;○ω○)「ありがとうだお…」
蚊の鳴くような声が届いたかどうかはわからない。
歩き始めた二人と見ると、多分聞こえてなかったんだろう。
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:21:02.92 ID:fbZwaUUsO
(=[]ω[]=)「…の…──…、…に橋……」
左にいたショボン(声で判断した)が何かを言った。
言葉の中から『橋』という単語が聞こえたので、このちらちらと見える茶色がそうなんだろう。
(-○ω○)「橋はまだ大丈夫だおね」
(O:::::O)「─…─………ぅ」
右手のヒッキーが何かを言う。自分の言葉に何か返したんだろうか。
ただでさえ小さくて聞き取りづらい声が、風のお陰で何も聞こえなかった。
そしてまた同じように歩き始める。
今度は山荘に向かって。
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:26:24.85 ID:fbZwaUUsO
(-○ω○)「…」
このまま橋を渡って、麓まで降りれるのではないかという考えが浮かぶ。
だが、それが山荘に向かうよりも更に希望のない道のりだとは知っている。
この天気の中、今までとこれから歩く道のりの更に倍以上を歩かねばならないのだ。
山では下っているつもりでも、更に奥地へ踏み込んでいる場合がある。
運よく渓流でも見つかれば、そのまま下流のほうへ足を進めて下れるかもしれないが、
この雪山ではそうもいかない。
『ソ連では2m先の家屋に気付かず凍死する者もいる。』
その言葉を思い出して、ぞっとした。
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:30:46.04 ID:fbZwaUUsO
13:49
山荘についた時、出迎えはなかった。
当たり前かもしれない。
4人で黙々と防寒具を脱ぎ、ラウンジへ行って暖房に当たる。
こんな状況だが、冷えた体がほてってゆくのが気持ちよかった。
みんなはどうかを表情を伺ってみると、全員暗い。
ああ、そうか。人殺しがいるんだもんな。
いつか自分が殺されるかもしれないって時に、それじゃリラックスしようもない。
こつこつと廊下を歩く音が聞こえ、全員で緊張する。
現れたのは、僕の予想に反してシュールさんだった。
僕はてっきり、管理人である弟者が来ると思っていた。
lw´‐ _‐ノv「お疲れぃ、大丈夫かヒッキー」
(-_-)「大丈夫…じゃないよ…」
素直だ。僕は思わず笑みを漏らす。
直後にしまったと思ったが、ショボンが便乗してくれた。
そのままみんなでふっと笑って遅い昼食。
やれやれ、殺人が起きた山荘ってのは、もっとピリピリするべきなのだと思うが。
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:35:07.34 ID:fbZwaUUsO
14:00
先に昼食を取っていた4人は本を読んで、僕らはご飯を食べる。
昨日と違って、みんなヤケに箸の進みが遅い。
( ^ω^)(毒が入ってるかもしれないとか思ってるのかお?)
ヒッキーなんぞは、水を飲む回数が極端に多い。
もう水で胃袋が膨れてしまうのではというくらいに飲んでいる。
ショボンはちびちびとおかずを千切って食べている。
またんきさんは飲み込んでから、次に箸をつけるまでの時間が長めだ。
( ^ω^)(ここは僕もペースを遅くしないと、みんなから怪しまれるお…)
内藤はなるべく咀嚼の回数を多くして、その分食べ物を味わって飲み込む。
たまにはゆっくり食べるのもいいかと思った。
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:37:46.61 ID:fbZwaUUsO
14:35
(´<_`; )「すまん、俺はお前らが信用できない」
沈黙を貫いていた弟者の発した一言に、全員の視線が彼に向く。
彼はその視線の束にたじろいだ後、少し俯いて喋り出した。
(´<_`; )「全員が全員、同じ事を思ってるのはわかってるんだ」
( ^ω^)「…」
(´<_`; )「ただ、これだけは言わせてくれ」
深呼吸して、前を見据える。
その視線には怯えの色しかなかった。
(´<_`; )「あんたら、ペアが多いだろ? 夫婦とか、カップルとか、親子とか」
(・∀ ・)「俺とショボンは親子じゃねーぞ」
割り入ったまたんきに、弟者はすまんと言って言葉を続ける。
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:40:23.48 ID:fbZwaUUsO
(´<_` )「人殺しは一人じゃなくて、二人じゃないかって考えてるんだ」
(´<_` )「この中の誰かが、二人で謀ったんじゃないかって思えて仕方ないんだ」
(*゚ー゚)「そんな事…!」
(,,゚Д゚)「椎奈」
(´<_` )「…」
(´<_` )「わかってるよ…ただの勘で、臆病者の推測だよ」
(´<_` )「でも、もしかしたらってのがあるだろ?」
(´<_` )「…もしかしたら、お前ら全員は裏で繋がってるのかもしれないとか」
(´<_` )「探偵だけならまだしも、電話回線を切ったって事は」
(´<_` )「犯人は皆殺しを企んでいるんじゃないかとか」
( ^ω^)「…」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:45:57.40 ID:fbZwaUUsO
いい感じに間が空いたので、僕は弟者に向かって話し掛ける。
( ^ω^)「ねえ、弟者」
生気のない瞳がこちらを向く。
不思議と、気分が高揚した。
( ^ω^)「僕も、一人だお」
(´<_`; )「あ…」
弟者は即座にしまったという顔をして、ごめんと頭を下げた。
謝る必要はどこにも感じられなかったんだが、責められたとでも思ったんだろうか。
僕としては、君は一人じゃないのフレーズで、慰めたつもりだったのだが。
(・∀ ・)「二人組み、ねぇ…」
またんきさんが発言する。
今度はみんなの視線がそちらへ向く。
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:52:53.03 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「俺達じゃないっつっても、どうせ俺達以外は信じないだろうし…」
(・∀ ・)「もしかしたら、片方が人殺しで、自分が知らないだけなのかもしれないしな」
(;´・ω・`)「おじさん僕は」
(・∀ ・)「わーってるよ、つかおじさん言うな」
ごちんとショボンが拳骨で殴られる。
いい音がした。中身の詰まった音だ。
(・∀ ・)「管理人が、客を全員信じられないのも無理はねぇ」
(・∀ ・)「だけど、客の視点も似たようなモンなんだ」
(・∀ ・)「外部の人間の可能性があるが…内部の人間の可能性が高い」
(・∀ ・)「もう全員怪しいんだ。俺を含めてな」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 20:20:09.14 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「だから、それぞれの疑念や信頼を深め合う為に自己紹介しようぜ?」
( ^ω^)「…?」
何人かが、今ここで? という顔をする。
確かに、推理物にしては各登場人物の紹介がなかった。
あったのは、探偵である都村トソンだけだ。忌々しい。
(・∀ ・)「俺の名前は金玉またんき、年はもう見りゃわかるだろ。農家で、スキーは20年
いらねぇだろうが、オリンピック目指してスキーやってた、ほい次時計回りで」
(´・ω・`)「あ、ぼ、僕は諸本ショボン、17歳。またんきさんは僕のお父さんの友達で
ここにはスキーを教えてもらいに来ました。スキー暦は4年くらいです」
(;-_-)「ぼぼ僕は小森ヒッキぃ。18です。スキーは初めてでひゅ」
lw´‐ _‐ノv「プッ」
いつの間にか、自身のスキー暦が自己紹介の中に織り込まれている事に笑う。
しかし、オリンピックをやっていたとは、またんきさんは油断できないな。
白髪が見え始めた中年と思っていたが、甘く見ると痛い目に合うかもしれない。
(・∀ ・)「全員終わったら、次はあの夜何してたか言おうぜー」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 20:34:14.58 ID:fbZwaUUsO
ははは、これはヤバイ。
けれど、今の僕は楽しんでいる。
この状況を楽しんでいる。
アリバイ供述。僕は一人なので、証明する奴は誰もいない。
だが、回避方法は浮かんでいる。
これが火事場の馬鹿力ってやつなんだろうか。
頭の回転速度と馬鹿力は違う気もするが。
( ^ω^)「僕は夜、ずっと部屋にいましたお」
(・∀ ・)「何をしてたとか…は、一人だから、証明できるやつはいねーか
一応、何やってたか簡単に言ってくれ。あと何時に寝たか」
( *^ω^)「それが、ちょっと…その…女性の前では言いにくいので
男性の方だけ僕の部屋に来てくれませんかお?
証拠と言うにはアレだけど…一応そんな物もありますお」
(*゚ー゚)「?」
そして、僕の後ろをついてくるまたんきさんとショボンとヒッキー。
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 20:37:23.60 ID:fbZwaUUsO
それにしても、二人組み、かあ。
…そうか、ありがとう弟者。
僕に気づかせてくれて、ありがとう弟者。
ああ、もう、本当に。誰から殺してしまおう。
殺すのが惜しい、けど殺さなければならない。
誰も彼も、僕にとっての助言をくれる。
僕にとって良い方向に動いてくれている。
これが全員味方の戦略シュミレーションゲームならば、いい戦績を残せただろう。
それが惜しくて、悔しくてたまらない。どうしてこうも人の世は非情なのか。
あの時繋いだ手の暖かさは、決して偽物なんかじゃなかった。
みんなが恐怖をひた隠して、それでも一緒に成し遂げようという勇気を感じた。
きっと僕らなら、吹雪だって晴天に出来る。
きっと僕らなら、魔王だって倒せたはずだ。
きっと僕らなら、信頼しあえる仲間になれた。
( ω )「………」
雪山の山荘に探偵がいなかったら、僕らは仲間になれただろうに。
124 名前: ◆m/Rpo.iIL. :2009/08/21(金) 20:39:00.16 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)前編終わり!
( ;^ω^)(雪山の山荘と探偵…これは折っても折れない死亡フラグ!)
( ^ω^)(山荘の中にいるものは、僕を含めて今のところ9人…)
( ;^ω^)(つまり、9分の1の確立で僕は殺される!)
( ;^ω^)「なんとか、なんとかしなければ!」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:10:05.60 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)は
雪山の山荘で
(◎⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ 名探偵と
/ニニV⌒⌒⌒ ⌒⌒⌒ ヽ 出会ったようです
/ニ{ニニ}ニヽ ⌒⌒⌒ ⌒ヽ
(⌒⌒⌒⌒ヽ⌒ ⌒⌒ ⌒⌒⌒⌒ヽ
(三三三三、(⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
⌒, ' /o三。三゜\ヽ ゚ o" ヾ 。
, ' /三三三三三。\ヽ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ
, ' /。三三三゜三。三三\ヽ ゚ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ ⌒ヽ o O
, ' /三三三。三三三三三三\ヽ "⌒ " o ⌒ 。 ⌒ヽ
, ' /三。三三三三三三三三三三\ヽ"" ⌒ ⌒ ⌒ ヽ。 。
' /o三三三三三゚三三三三三三三三\ヽ。 。 ⌒ ヽ⌒ ⌒⌒ヽ 。
~ (三。三三l)。三三三゜三o三)三三三三\ヽ======='ヽ ヽ ヽ 。ヽ
(。三三三|ll | ̄| ̄| ̄| ̄||l |三三三三三\) \ヽ ヽ 。 ヽ
(三三三。|ll | | | |.o ||l |三。三三◎ ゚ 。 |l ̄| ̄l| ||⌒⌒⌒||
(三。三三|ll | | o.| 。| ||l |.三三゚三◎ ゜ 。|l ̄| ̄l| /⌒ヽ! . 。||:
(三三。三|ll | | | |◎||l |三゚ 〔日◎  ̄ ̄ ̄。 (^ω^; ) 。 ゚ .||:::
(。三三三|ll |。 | |゚ 。| ||l |。三三||゜◎ 。 ゜ 。 (_つ ヽ 。 .゚ ||:
(三三。三|ll |_|_|_|_||l |三三。||_.◎ o / 〉 〉) 。 ||::
.. . ⌒o ,,,,,⌒ヽ ⌒ ⌒ヽ,,, O ⌒"⌒ヽ ⌒o,,,,,⌒ (__)、_)。 ⌒。 o
⌒ヽ ⌒ 。 ⌒ 。⌒ ⌒⌒
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:13:37.97 ID:fbZwaUUsO
回想
_________________________________
( ^ω^)「吊り橋揺れ過ぎだお」
( ^ω^)「吹雪いてきたお」
( ^ω^)「天気予報士め、お前は占い師と違って当たるも八卦は許されないんだお」
びゅごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
( ^ω^)「畜生、1m先が目視できねぇ…」
ごちん
Ω
( ^ω^)「こ、これは建物!」
Ω
( ^ω^)「早速お邪魔するお」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:15:36.06 ID:fbZwaUUsO
ガチャ バタン
( ^ω^)「こんにちは」
(゚、゚トソン「こんにちは」
(-_-)「こんにちは」
lw´‐ _‐ノv「こんにちは」
(´・ω・`)「こんにちは」
(・∀ ・)「こんにちは」
( ^ω^)(何この玄関の密集率…)
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:16:25.39 ID:fbZwaUUsO
_________________________________
( ^ω^)「いや、こんな回想はいらないお」
( ^ω^)「あと1時間足らずで就寝時間だお」
( ^ω^)「就寝時間=殺人が起きる時間 と考えていい筈だお」
( ^ω^)「今は回想なんかに使う時間はないんだお」
( ^ω^)「…僕が殺される確立は9分の1」
( ^ω^)「どうすればいいんだお…」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:18:09.40 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「そもそも、こんな事になったのは雪山の山荘に探偵が来たからだ」
( ^ω^)「探偵さえ来なければ、下山できないほど吹雪く事もなかった筈だお」
( ^ω^)「雪山に山荘がなければ、探偵が来る事もなかった筈だお」
( ^ω^)「雪山の山荘…探偵……」
( ^ω^)「このどちらかを崩せば…!」
ざわ…
ざわ…
( ^ω^)「殺人が起きる事はなくなる筈なんだお…!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:19:29.35 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「山荘は壊せない…何故なら今は吹雪だから」
( ^ω^)「燃やせば吹雪が止まるとしても、今は夜」
( ^ω^)「無事に下山できる可能性は高くないし…」
( ^ω^)「寒さを凌ぐ場所がなくなるのは、勘弁してほしいお」
( ^ω^)「つまり、狙うは探偵」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:20:36.62 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「探偵さえいなくなればいいんだおwwwwww」
( ^ω^)「そうすればふざけた殺人事件とか起きないんだおwwwww」
( ^ω^)「そうと決まればれっつらごーwwwwww」
( ^ω^)「おっと行く前に凶器wwww凶器wwwwww」
( ^ω^)「ここは台所から包丁でもくすねてきたいところだけどwwwww」
( ^ω^)「管理人に気づかれたらヤバイしwww」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:24:09.01 ID:fbZwaUUsO
_探偵の部屋_
探偵はベッドですやすやと眠っています。
早いですが、この舞台から御退場願いましょう。
( ^ω^)「ひひひ」
(- -トソン「すー…すー…」
ぐっすりと眠っています。
無用心な事です。
( ^ω^)「ぶひひ」
まずは声を出されても大丈夫なように、喉の部分に左手をセッティングします。
暴れようとしても抑えられるように、彼女の腹の上に中腰で待機します。
そして右手に持ったストックを振りかぶり、勢いよく右目に突き刺します。
( ^ω゚)「死ねお!」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:25:33.13 ID:fbZwaUUsO
ずどぶっ
(゚Д゙トソン「ッ…」
右手と一緒に体も落として、無駄な抵抗を防ぎました。
突き刺すと同時に喉を絞めたので、上手く声を殺せました。
あとは探偵です。
( ^ω^)「さっさと死ねおwwwwwwwww」
内藤はストックを上下にピストンさせました。
(゚Д゙トソン「ッ! ッ! ッ!」
ずっぷずっぷじっぷzip
( *^ω^)「おっwwwおっwwwwwなんか興奮してきたおwwwwww」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:26:37.37 ID:fbZwaUUsO
あらあらまあまあ。お盛んですね。
どうやらストックに己の息子を投影しているようです。
( Д;トソン「! ッ! ッ! ァ! ッ! ッ! …ヵッ!」
興奮のあまり、首を絞める喉が時々緩まっています。
お若い事ですね。
( *^ω^)「もっと…もっとだお…!」
ずっぷずっぷじゅっぷ
ぢゅぷじゅっぷじっぷ
じゅぶじゅぷじゅぶずぷ
ずぶずぶずぷずぶじぶ
( *^ω^)「ウッ」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:27:57.04 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「…ふぅ」
( ^ω^)「なーにやってんだお、僕は」
探偵は、口から泡を噴いて、左目は白目を向いていました。
右目があった場所からは、水晶体と血液と脳漿が混じった液体が垂れ流れています。
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「血、拭くかお」
( ^ω^)「…君の枕借りるおw」
内藤は、探偵の頭の下から枕をそっと抜き取りました。
先程の荒々しさは、微塵も感じられません。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:30:35.46 ID:fbZwaUUsO
内藤は枕の布でストックに付着した液体を拭き取ります。
ふきふき
( ^ω^)「これでよし」
( ^ω^)「枕返すお、ありがとうだお」
女性に優しい英国紳士は、探偵の頭をそっと持ち上げ、その下に枕をセットしました。
そして右目を下になるよう、顔を横向きにします。
( ^ω^)「…くくく」
右目からヘドロが垂れ流れます。
垂れ流れたヘドロが、枕に落ちます。
( ^ω^)「…これで、よし」
ストックの血を拭き取った箇所が消えました。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:33:24.38 ID:fbZwaUUsO
_内藤の部屋_
( ^ω^)「ミッションコンプリートwwwww」
( ^ω^)「これで僕が殺される事はないだろうし」
( ^ω^)「ふざけた事件も起きないお」
( ^ω^)「安心して眠れるお…」
( ´ω`)「これで……」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:35:04.54 ID:fbZwaUUsO
( ´ω`)「…・」
( ´ω`)「パンツが湿ってて眠れないお」
( ^ω^)「ティッシュ…」
( ^ω^)「お、ちゃんと部屋に備え付けてあるお」
( ^ω^)「当たり前だおね」
( ^ω^)「拭いてる間、さっきの回想の続きでもするかお」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:36:23.86 ID:fbZwaUUsO
回想
_________________________________
狭い玄関に6人の人間が寄り集まっていた。
( ^ω^)「皆さん何をしているんですかお?」
(゚、゚トソン「この山荘の管理人さんを待っているのですよ」
(´・ω・`)「無断で上がり込むのは、流石に悪いしね」
とても律儀な事である。
しかし、待っているのは発言した二人だけで、他は周囲に合わせているだけのようだ。
( ^ω^)「そうなんですかお」
とても日本人らしい事である。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:37:57.05 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「んだよ、勝手に入っちまえばいいのに」
一人上がる。
lw´‐ _‐ノv「足疲れた、入って休もうヒッキー」
(;-_-)「うぇ? あ、ちょ!」
二人追加。
(´・ω・`)「えー入っちゃうの?」
(・∀ ・)「こんなん待ってられっか、中入って待とうぜ」
( ^ω^)「それじゃあ僕も」
彼も日本人であった。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:39:19.41 ID:fbZwaUUsO
(´<_`; )「すみません遅れてしまって」
(・∀ ・)「本当にな」
lw´‐ _‐ノv「稼ぎたいなら、もっと早めに来る事だな」
(;´・ω・`)「まあまあ、この天気で入る人も増えて、忙しかったんでしょう」
(-_-)「ねぇシュール、部屋行って休みたいんじゃなかったの?」
lw´‐ _‐ノv「む、そうだった。案内してたもれ」
(´<_` )「はい、お二人はご一緒の部屋でよろしいですか?」
lw´‐ _‐ノv「うむ」
(;-_-)「いやよくないよ!?」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:42:25.17 ID:fbZwaUUsO
lw´‐ _‐ノv「なんだヒッキー、異性と相部屋になる事を恥らっているのか?」
(;-_-)「そういう問題じゃなくって」
(´<_` )「別々の部屋にしますか? 空き部屋はありますよ」
lw´‐ _‐ノv「いや一緒でいい」
(;-_-)「だから!」
(・∀ ・)「ひゅーひゅー」
(-_-#)
∀ ・) ))
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:44:02.71 ID:fbZwaUUsO
lw´‐ _‐ノv「お前さん、私に欲情するのかい?」
(-_-)「え」
lw´‐ _‐ノv「女に夜這いする程の肝っ玉があるのかい?」
(-_-)「…」
(-_-)「ないね」
lw´‐ _‐ノv「ならよし、前者か後者か気になるがな」
(-_-)「一緒の部屋でお願いします」
(´<_`; )「ど、どうぞ。部屋の鍵です」
lw´‐ _‐ノv「うむ、行こうヒッキー」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:45:02.03 ID:fbZwaUUsO
(-_-) 小森 ヒッキー(こもりひっきー)
男、引き篭もり
lw´‐ _‐ノv 素直 シュール(すなおしゅーる)
女、OL
_______________________
(・∀ ・)「俺達があのアベックの次に来たぜ、鍵くれ」
(;´・ω・`)「アベックって古いよ…」
(・∀ ・)「うっせ」
(´<_` )「どうぞ、部屋は鍵についてるプレートの番号です」
(・∀ ・)「おう」
(´<_` )「ご一緒の部屋でよろしいですか?」
(´・ω・`)「はい」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:45:45.74 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「なあ、ここスキー板置く場所あったと思ったんだけど、移動したんか?」
(´<_`; )「あ、はい、そうです」
(・∀ ・)「うおーうマジかよ」
(´<_` )「こちらでお預かりします」
(・∀ ・)「さんきゅ」
(´・ω・`)「僕のもお願い出来ますか?」
(´<_` )「はい、どうぞ」
(´・ω・`)「ありがとうございます」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:48:34.06 ID:fbZwaUUsO
(´・ω・`) 諸本 ショボン(もろもとしょぼん)
男、スキーヤー
(・∀ ・) 金玉 またんき(きんたままたんき)
男、ベテランスキーヤー
_______________________
(゚、゚トソン「えーと、予約をしていた都村ですが…」
(´<_` )「はい、都村トソン様ですね。どうぞ」
(゚、゚トソン「はい、ありがとうございま…
「都村トソン、だって?」
(゚、゚トソン「え?」
「もしかして、あの女探偵都村トソンか!?」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:49:36.13 ID:fbZwaUUsO
(*゚ー゚)「わあ! 初めて生で見た!」
(*゚Д゚)「うっひょー! 本物だ!」
(゚、゚;トソン「え? え?」
(*゚ー゚)「やっぱり新聞やブラウン管越しより、こっちのほうが可愛いわねぇ」
(,,゚Д゚)「ポスターよかこっちのほうが艶あるなあ」
(゚、゚;トソン「ええっと、あの…」
(,,゚Д゚)「ああ、引き止めちゃってごめんな」
(*゚ー゚)「あとで時間あったらお話しましょうね!」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:50:27.18 ID:fbZwaUUsO
(゚、゚トソン 都村 トソン(つむらとそん)
女、探偵
_______________________
(´<_` )「すみません、何か…」
(*゚ー゚)「あ、私達トイレ探しに来たのよ」
(,,゚Д゚)「なんか部屋になかったから」
(´<_`; )「失礼しました。1階と2階の廊下の突き当たりにありますので」
(*゚ー゚)「あら不便ねえ」
(´<_` )「すみません、ここは共同トイレでして…」
(,,゚Д゚)「場所わかったんだから行こうぜ、うんこ漏れそう」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:51:15.02 ID:fbZwaUUsO
(,,゚Д゚) 羽入 擬古(はにゅうぎこ)
女、ヒモ
(*゚ー゚) 羽入 椎奈(はにゅうしいな)
男、銀行員
_______________________
( ^ω^)「あのー…予約とかしてなんですが」
(´<_` )「部屋は余っているのでお貸ししますよ、この天気ですからね」
( ^ω^)「あ、ありがとうございますお」
(´<_` )(あとでぼったくるけどな)
( ^ω^)「今なんか雑念が」
(´<_` )「いえいえ、はいどうぞ。部屋の鍵です」
( ^ω^)「どうもですお」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:53:23.19 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^) 内藤 ホライゾン(ないとうほらいぞん)
男、フリーター
(´<_` ) 流石 弟者(さすがおとじゃ)
男、山荘の管理人
_______________________
( ^ω^)「夕食は出ますかお?」
(´<_` )「はい、6時半から8時半まで食堂で夕食となります」
( ^ω^)「部屋に持ってっていいですかお?」
(´<_` )「その場合は部屋まで私がお運び致しますが」
( ^ω^)「いいですお、自分で運びますお」
(´<_` )「それでは、ごゆっくり」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:54:52.89 ID:fbZwaUUsO
回想終了
_________________________________
( ^ω^)「すっかりパンツが乾いてしまったお」
( ^ω^)「これなら、軽く洗ってからのほうがよかったかもしれんね」
( ^ω^)「まあいいお」
( ^ω^)「パンツもすっきりしたし、そろそろおやすみだお」
( ^ω^)「…自分の部屋じゃないんだし、ティッシュはちゃんとゴミ箱に捨てておくお」
( ´ω`)「今度こそ寝るお…」
( ´ω`)「…zzZ」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:56:01.48 ID:fbZwaUUsO
朝
_________________________________
ピピピッ ピピピッ
( ´ω`)「うーん」
ピッ
( ^ω^)「いい目覚めだお、きっと3時間睡眠だからだおね」
( ^ω^)「7時だから、もう朝ご飯はできてるおね」
( ^ω^)「朝食は9時までだから、時間はあるお」
( ^ω^)「シャワー浴びてから行くお」
( ^ω^)「…吹雪は、まだ止んでないのかお」
びゅごおおおおおおおおおおおおおお
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:58:39.43 ID:fbZwaUUsO
_食堂_
(・∀ ・)「味気ねー」
(´・ω・`)「こんなとこにある山荘のなんて、そんなものですよ」
(-_-)「TVここにもないね…」
lw´‐ _‐ノv「電波が届かんのだろう、駄目なアンテナだ」
(-_-)「山奥だからかなー」
lw´‐ _‐ノv「私の電波は届くぞ、私の電波はな」
(;-_-)「どうせお花畑方向の電波でしょ…」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 17:59:43.81 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「おー、朝早いのに結構人がいるおね」
( ^ω^)「えーと僕の食事は、これかお」
( ^ω^)「わかめの味噌汁、ご飯、牛乳、ポテトサラダ、納豆、鯖の煮付け、アロエゼリー」
( ^ω^)「これはヘルスィ」
( ^ω^)「まるで僕の体脂肪率を考えたかのような食事」
( ^ω^)「そしてご飯おかわり自由だと」
( ^ω^)「ありがたくいただきます」
( ^ω^)「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
(・∀ ・)「きめぇwwwwwwww」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:00:45.48 ID:fbZwaUUsO
7:30
(,,゚Д゚)「うお、みんな早いなあ」
(*゚ー゚)「トソンちゃんがいないわね」
(´<_` )「9時を過ぎても来ない場合は、私が部屋に朝食をお運びしますので」
(*゚ー゚)「あら、そうなの」
(,,゚Д゚)「それじゃ、彼女が起きて来た頃にまた話そうか」
(´<_` )「どうぞ」
(*゚ー゚)「ありがと」
( ^ω^)(彼女だけ手渡しかい)
( ^ω^)(男女差別だお)
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:02:22.30 ID:fbZwaUUsO
8:00
( ^ω^)「げふ」
( ^ω^)「ご飯だけおかわりし過ぎたお」
( ^ω^)「紙パックの牛乳じゃ足りねえ…水、水お」
( ^ω^) ごくごく
( ^ω^) ぷはー
( ^ω^)「流石は山の水、おいしいお」
( ^ω^)「もっとおかわりするかお」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:05:31.37 ID:fbZwaUUsO
8:40
(*゚ー゚)「おっそいなあ」
(,,゚Д゚)「もう20分で9時になるな」
(*゚ー゚)「一度見て来る?」
(´<_`; )「あのー…」
(*゚ー゚)「冗談ですよ」
(,,゚Д゚)「それにしてもTVないと暇だなあ、なんか本とかある?」
(´<_` )「それなら休憩室にありますよ、ご案内致します」
(*゚ー゚)「あ、じゃあ私も」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:08:29.73 ID:fbZwaUUsO
9:00
( ^ω^)「もーくえん」
( ^ω^) げぇっぷ
(;´・ω・`)「あの人、食べた量と体積が比例してないんだけど…」
(・∀ ・)「胃の中の圧縮率が通常の3倍なんだろ」
(´・ω・`)「にしては赤くないね」
(´<_` )「そろそろ朝食持ってくか…」
( ^ω^)「…」
( ^ω^)(やっべ俺オワタ)
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:09:31.75 ID:fbZwaUUsO
_2階 203号室前_
コンコン
(´<_` )「都村さーん、起きてますかー?」
(´<_` )「扉の前に朝食のワゴンを置いておきますねー」
(´<_` )「…」
(´<_` )「寝てんのかな…」
(´<_` )「下の隙間から紙入れておくか」
(´<_`; )「ってなんだこの水、きったね」
(´<_`; )「板の隙間通ってこっちまで来てるし…」
(´<_` )「あーフローリングはこれだから、掃除すんのめんどくせーな」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:10:49.40 ID:fbZwaUUsO
_食堂_
内藤は水を飲みながら考えました。
( ^ω^)(やべー)
( ^ω^)(マジやべー)
( ^ω^)(よく考えたら俺が犯人じゃん)
( ^ω^)(死体は窓からでも投げ捨てとくべきだったか?)
( ^ω^)(しかしそうなりゃ、客が失踪したって事になって)
( ^ω^)(面倒な事に巻き込まれるかもしれんしな…)
( ^ω^)(どうすんべ)
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:11:41.37 ID:fbZwaUUsO
水は、内藤の口の手前で垂れ流しになっていました。
( ^ω^) ダバダバ
コップを口元まで運ぶ前に傾けて零してしまうアレです。
よく呆けている時にやってしまうアレです。
(;´・ω・`)「ちょ、ちょっと、あれ教えてあげなくていいの?」
(・∀ ・)「面白いから黙っとけ」
( ^ω^)(この状況から逃げ切る得策…得策…)
( ^ω^)(何か捻り出せよ俺の脳みそ!)
( ^ω^)(無理だって、どうせFランしか出てないんだから)
( ^ω^)(主人公は危機的状況に陥ると奇跡的な力を発揮するんだよクソッタレ!)
( ^ω^)(発揮されないって事は、今は危機的状況じゃないんだろ)
( ^ω^)(ああそっか)
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:13:09.87 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「気楽に考えるお」
『うわああああああああああああああああああ!!!!!!!!111』
(´・ω・`) ブゴフッ
(・∀ ・;)「な、なんだあ!?」
\( ^ω^)/
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:13:55.95 ID:fbZwaUUsO
ヽ(^ω^ ) ♪ とってもオワタ ♪
(( /ヽ ゝ
<
┛
(^ω^)ノ ♪ きりすて人生 ♪
(( レヽ_ゝ ))
)(
┗ ┛
(^ω^ ) ♪ 練炭かついじゃって ♪
 ̄丿─ア ミ
> >
┗┗
(^ω^ ) ♪ オワッタッターラ ♪
( ( @( ヽ@
(└┓
Y⌒Y⌒Y ┛
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:14:50.99 ID:fbZwaUUsO
( ゚ω゚)ここからながら投下うわぁあああああああああ!!!
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:18:02.65 ID:fbZwaUUsO
_2階 203号室前_
lw´‐ _‐ノv「どうしたんだい?」
(´<_`; )「わからん、俺が部屋に入った時は既に」
_________________________________
死体発見時のよくあるテンプレ会話省略
_________________________________
(-_-)「酷い…」
(´・ω・`)「一体誰がこんな事を…」
(・∀ ・)「さあな」
( ^ω^)(俺です)
( ^ω^)(あ、電話回線を切らなきゃ)
内藤はダッシュしました。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:22:59.42 ID:fbZwaUUsO
9:30
(il-_-)「うげげぇ、気持ち悪い…見なきゃよかった」
lw´‐ _‐ノv「軟弱者め、普通はレディに向かって『君は見ちゃ駄目だ!』と言って
手か腕で目隠しをするものだろう。これでは立場が逆ではないか」
(il-_-)「君って淑女だったの?」
(・∀ ・)「携帯の電波も届かねぇし、外は吹雪、ドラマみてーな状況だな」
(´;ω;`)「ふざけてる場合じゃないよおじさん。僕達も殺されるかもしれないんだよ?」
(・∀ ・;)「なんでもう泣いてんだよ」
(´<_`; )「畜生! 電話回線を切られてる!」
(・∀ ・)「お約束ktkr!」
(,,゚Д゚)「そんな…」
( ^ω^)「あばばばばばばばばばばっばwwwwwwwwwwww」
( ^ω^)(ギリギリセーフ! 俺ファール! 人生アウト!)
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:26:46.34 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)(鋏がなくて最初は焦ったおが…)
( ^ω^)(素手で千切れないならば、接続端子を壊すのみよ!)
( ^ω^)(配電盤を叩き壊すって手もあったが、それだと暖房が…)
( ( ^ω^) )) ブルルッ
( ^ω^)(みんなで仲良く凍死は避けたいお)
( ^ω^)(管理人の反応からして)
( ^ω^)(部屋に備え付けてあった電話は、外に繋がってないようだおね)
( ^ω^)(各部屋にあるのは子機、管理人室にあるのが親機と考えていい筈だお)
( ^ω^)(ここは親機も壊しておくべきなんだろうけど…)
( ^ω゚)(後からの為に、取っておくお)
( ^ω^)「吹雪、晴れないでくれお」
内藤の言葉を受け取った吹雪は、ますます勢いを強くしました。
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:29:29.26 ID:fbZwaUUsO
_男子トイレ_
( ^ω^)(僕が犯人であるから、僕が殺される事はない)
( ^ω^)(しかし僕が犯人だと気付かれたら、周りからフルボッコ)
( ^ω^)(つまり、あれだおね。汝は人狼なりや? の亜種ゲームリアル版とでも)
( ^ω^)「思えるワケねーお!」
( ^ω^)(落ち着いて考えるんだお…冷静に)
( ^ω^)(まず、僕は全ての内情を知っている)
( ^ω^)(だから僕は、得体の知れない殺人鬼に怯えて精神を削られる事はないんだお)
( ^ω^)(これはメリットだおね)
( ^ω^)(逆に、周囲に気付かれないように言動に注意しないといけないお)
( ´ω`)(…デメリットだおね、僕は難しい事考えるの苦手だお……)
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:31:44.78 ID:fbZwaUUsO
9:45
( ^ω^)(つーか俺が殺されない為には、はよ全員殺りゃいいやんwwww)
( ^ω^)(殺られる前に殺りゃいいやんwwwww)
( ^ω^)(俺ってばマジ孔明wwwwwwwwwwwwwwwwwww)
( ^ω^)(うーん、誰を殺そうかお)
( ^ω^)(やっぱり、この山荘に詳しい管理人からかお?)
( ^ω^)(あのきんたまとか言う奴も、前にこの山荘に来たような事を仄めかしてたし)
( ^ω^)(…ここは、逆にそいつらを利用してやるとするかお)
( ^ω^)(でもやっぱり、あの気に食わない管理人殺したいおwwwww)
この間、内藤はずっと放尿していました。
粗末なモノをブリーフの中に閉まって、チャックを閉めます。
皮の鎧は幼い頃に脱いだので、挟まる事はありません。
( ^ω^)(最初の標的は…あのマイナス目の男か女だおね)
( ^ω^)(カップルなんざぶち殺してやんよ)
( ^ω゚)「フヒヒ」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:33:02.81 ID:fbZwaUUsO
_ラウンジ_
(・∀ ・)「よーしこれで全員か?」
(´・ω・`)「です」
(´<_` )「はい」
(*゚ー゚)「…」
(,,゚Д゚)「…」
lw´‐ _‐ノv「・・・」
(・∀ ・)「まあ、言わなくても分かると思うがな」
(・∀ ・)「この中に、人殺しがいる」
ざわ…
ざわ…
( ^ω^)(僕ですけどNE!)
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:37:03.06 ID:fbZwaUUsO
9:55
(-_-)「こ、こんな…」
(・∀ ・)「ん?」
(;-_-)「こんな人殺しがいるかもしれない場所になんかいられるか! 僕は一人で寝る!」
lw´‐ _‐ノv「露骨な死亡フラグを立てるな愚か者、それは独り者の言う台詞だ」
( ^ω^)(密室に侵入するトリックなんて思いつかないお、それ生存フラグだお)
ヒッキーは女の柔腕に抑え付けられ、椅子に縛られた。
これでコンロから火が出てガスに引火しても、すぐに逃げる事は出来ない
( ^ω^)(みんながバラバラになられると、逆に厄介だお)
( ^ω^)(…ここは、全員をなるべく一箇所に固めてやりやすいようにするべきだおね)
( ^ω^)(僕は僕のやり方で行くお)
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:40:59.47 ID:fbZwaUUsO
内藤は俯きながら、なるべく声が篭るように言いました。
( ^ω^)「ひ、一人にはならないほうが…」
(・∀ ・)「あ? よく聞こねーよ」
内藤は俯きながら、にやりと笑いました。
( ^ω^)「一人になると、あ、危ないお」
(・∀ ・)「ふんふん」
( ´ω`)「だから…みんなで固まってたほうが、い、いと思うんだお…」
言葉の最後は、蝋燭の火が消えるように細く小さい声で話しました。
小さくなる声と一緒に、背中も丸めていきます。
(´・ω・`)「…確かに、みんなで一緒にいたほうがいいかもね」
(・∀ ・)「ま、外部の人間の可能性もあるし、固まってたほうがいいだろうな」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:43:12.24 ID:fbZwaUUsO
(*゚ー゚)「…ねぇ、そういえば、車庫みたいなのがあったわよね」
(,,゚Д゚)「ああ、あの雪の重みで潰れそうなプレハブか」
(´<_` )「その車庫には、この山荘の前の管理人の軽トラが入ってるんだ」
(´・ω・`)「あ、タメ口なんだ」
(´<_`; )「今この状況で敬語も何もあったモンじゃないんと思うんだが…」
(;´・ω・`)「そうだね」
lw´‐ _‐ノv「みんなで軽トラ乗って、一緒に麓まで降りれないの?」
(´<_`; )「荷台に乗せたとしても、この人数はちょっと」
(・∀ ・)「それ以前に、この天気が見えねーのかよボケ」
びゅごおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
lw´‐ _‐ノv「すまん」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:45:05.48 ID:fbZwaUUsO
( ω )( 計 画 通 り !)
我ながら名演技です。
これで内藤のポジションは、臆病者に位置する事になったでしょう。
(・∀ ・)「あーでもな」
( ^ω^)「?」
勝利を確信した内藤の握り拳を、またんきが解きます。
(・∀ ・)「ここに来るには、吊り橋を渡らなきゃいかんだろ」
(*゚ー゚)「そうね、今は珍しい縄と丸太の」
(・∀ ・)「んで、吊り橋を渡らずに麓に戻るルートは、今の状態じゃ無いワケだ」
( ^ω^)「…」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:49:06.21 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「こういうのじゃ定石だろう。吊り橋破壊して孤立させんのは」
(,;゚Д゚)「それじゃあもう既に…」
(・∀ ・)「いや、断言は出来ん」
lw´‐ _‐ノv「橋の様子はここからわからんのか?」
(´<_` )「監視カメラの類は、この山荘には何もないんだ…」
(*゚ー゚)「見るからにボロいしね」
( ^ω^)「じゃあ橋は…」
(・∀ ・)「もう壊されてるかもしれんし、これからかもしれない」
(´<_`; )「…」
(・∀ ・)「だからみんなで一緒に橋を見に行こうってのは、この天気じゃ無謀だ」
(-_-)「じゃあどうするの?」
一応会話の中に潜り込むだけの冷静さはありました。
が、内藤の額に、一粒の汗が湧きあがりました。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:52:20.81 ID:fbZwaUUsO
10:30
『グループを作ってね』
それは悪魔の言葉。教壇に立つ教師が放った言葉の凶弾。
内藤が過去の記憶の中で悶えている間に、班作りは終わる。
(・∀ ・)「…ーい、俺の話聞いてたかー?」
( ^ω^)「は、はれ?」
(・∀ ・)「うん聞いてなかったな、もう一度最初から説明してやろう」
またんきと名乗った中年は、おほんとわざとらしい咳をしました。
(・∀ ・)「居残りメンバーはシュールに椎奈に擬古、それと管理人」
(・∀ ・)「ないとは思うが、万が一って時の為に夫婦一緒にした」
(・∀ ・)「俺とお前と」( ^ω^)「大五郎」
(・∀ ・)「ふざけんな死ね」
( ^ω^)「ごめんなさいお」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:56:56.55 ID:fbZwaUUsO
またんきは、うおっほんとわざとらしい咳をしました。
(・∀ ・)「お前と俺と、うちのショボン、あとあの辛気臭いガキだ」
( ^ω^)「ヒッキーですお」
(・∀ ・)「そう、そいつ」
彼の名前だけは覚えていた。
あの横に並んでいる彼女(暗黒微笑)らしき人物が名前を連呼していたからだ。
もしこれが本名なのではなく愛称なのだとしたら、人目を憚らず殺してもいい。
(・∀ ・)「ほれ、外は相変わらず吹雪いてるし、さっさと服来な」
( ^ω^)「あ、はい」
(・∀ ・)「あとコレ」
またんきは腰にかけている袋からカイロを取り出しました。
貼るタイプではなく、手で揉んで熱くするタイプのカイロです。
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 18:58:06.53 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「それやるよ、寒いだろうからな」
( ^ω^)「…ありがとうございますお」
去って行くまたんきの背中を見つめながら、ナイフを刺すイメージをする。
そう言えば、厨二病にかかっていた頃は、そんな痛い妄想ばかりしていた。
例えば、下らない会話をしている相手がいきなり殴りかかってきたら、
目の前でプリントを配っている教師がいきなり機関銃を乱射し始めたら、
授業中、外側に面する窓をぶち割って黒服の男が乱入してきたら。
( ^ω^)(まさかそれがタメになるとはおー)
イメージトレーニングは、していて損はないだろう。
相手がこう言葉を返してきたら、もし犯人が僕だと誰かに知られたら。
今、あの扉の向こうからまたんきさんが鈍器を握り締め襲ってきたら。
思いつく限りの最悪の状況は多々ある。
それこそ、今すぐ全てを洗いざらい吐き出して、両手を差し出したいくらいに。
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:02:51.51 ID:fbZwaUUsO
内藤は、これからの事を考える。
外を見に行くというのは、自分にとってメリットだ。
この山荘の周囲を探索したいと思っていた内藤にとって、これは好機でしかない。
一人で外に繰り出す隙は、どうも自分には作れなかった。
無意味に外へ行くのを発言しても、みんなに怪しまれるのがオチだろう。
自分という、雑魚的存在に対して、またんきというリーダーは有難かった。
こういう場所で、リーダーというものは盲信されるか疑われるかの二つである。
それを彼が自らやってくれたのはありがたかった。
これで自分は、またんきという男の後ろに隠れて、後ろに連なる糞を捨てれる。
( ^ω゚)(あんたは最後らへんに取っといてやるお)
これから自分がすべき事は、前を見て歩く彼が振り向かないようにする事だ。
リーダーは周囲と言っても、前方240~300度くらいまでしか見ない。
過ぎ去った残りの角度は、副リーダーやその辺の雑魚に任せておけばいい。
またんきを、ただ全速力で走れるようにしてやればいい。
他と手を繋いで走らせては、糞が切れたのがバレてしまう。
どうにかして彼の両手が他を握らないようにするか、もしくは自分が握るか。
何か別のものを握らせるか。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:04:11.13 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)「さァて、困った困った」
くっくっと喉で笑う。何故だが笑いが溢れてくる。
ヒッキーをどうやって罠にかけるかのシミュレーションを繰り返す。
( ^ω^)(橋と、ヒッキー、これが二つ崩れてくれたら)
貰ったカイロを放り上げて遊びながら、自分の部屋へ行く。
死体のある203号室の前を通っても、何の感慨も湧かなかった。
( ^ω^)「…結構なんともないものなんだおね」
ただ、今はショックで気が動転しているだけかもしれない。
夜に寝る時に、明日に目が覚める時に、やってしまった事の大きさに発狂するかもしれない。
けれど、今は理性と思しきものを動かして、自分はここにいる。
( ^ω^)「またんきさん、ありがとうだお」
( ^ω゚)「このカイロ、有難く使わせてもらうお」
落ちてきたカイロを両手でキャッチして、大事に懐へしまった。
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:09:32.74 ID:fbZwaUUsO
11:00
(・∀ ・)「よーし、準備はできたか?」
(´・ω・`)「うん」
( ^ω^)「はいですお」
(・∀ ・)「ばっかそこは『おー!』って言えよ」
(;-_-)「お、おー…」
(・∀ ・)「…やる気ねーな」
仕方ねーか、と呟いて、またんきが扉を開ける。
開けた瞬間、豪雪が山荘の中に入り込んできた。
いくら着込んでいたからとは言え、顔に直に当たる雪は避けられない。
( ;^ω^)(毛糸のフェイスマスクを持って来るべきだったお…)
しかし、あのドラマや映画などで銀行強盗がよく被るそのマスク。
内藤はあまりいい先入観を抱いていなかった。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:15:04.66 ID:fbZwaUUsO
内藤はゴーグルをかけ、なけなしの視界を確保する。
鼻と口に入る冷たい空気を少しでも防ぐ為に、マスクをする。
これで雪が目や口鼻に入る事はないが、視界を覆う雪を晴らす事はできない。
横を見ると、またんきもショボンもゴーグルをかけている。
ヒッキーに至っては、あの目の部分だけ開いたフェイスマスクにゴーグル。
そして更にその上にヘルメットを被り、マフラーを巻くという重装備だ。
北極に旗を立てにでも行くのかと、小一時間問い詰めたい。
([]∀ [])「───…!」
(-○ω○)「…?」
またんきが何かと言ったようだが、耳当てと風の音のせいで聞き取れない。
何度か立ち止まり言葉を交わして、全員仲良くおててをつないで歩く事になった。
(;○ω○)(この年になって、野郎と手を繋ぐなんて…)
(-○ω○)(それでも、離れるよりはいいかお)
先程まで、どうやって人を殺すか画策していた思考は今は潜めてある。
状況が状況なだけに、今は両手を握ってくれる他人の存在が有難かった。
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:19:23.06 ID:fbZwaUUsO
??:??
ざっくざっくと雪を踏む足音も消えるくらいの暴風音。
どれくらい歩いたのか、今はどの辺りなのか、どれくらい経ったのか。
実は遭難しているのではないかという思考に囚われかける。
このマイナス方面の思考に頭を浸すのはよくないと気づき、途中で逃げ出す。
(-○ω○)(……)
考える事を放棄して歩いていたら、急に左手を引かれて体勢を崩す。
自分の両手を掴んでいた人物が、咄嗟に腕を引っ張る。
そのお陰で、白い地面に体の跡を残す事はなかった。
残しても、どうせすぐに消えるのだろうが。
(;○ω○)「ありがとうだお…」
蚊の鳴くような声が届いたかどうかはわからない。
歩き始めた二人と見ると、多分聞こえてなかったんだろう。
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:21:02.92 ID:fbZwaUUsO
(=[]ω[]=)「…の…──…、…に橋……」
左にいたショボン(声で判断した)が何かを言った。
言葉の中から『橋』という単語が聞こえたので、このちらちらと見える茶色がそうなんだろう。
(-○ω○)「橋はまだ大丈夫だおね」
(O:::::O)「─…─………ぅ」
右手のヒッキーが何かを言う。自分の言葉に何か返したんだろうか。
ただでさえ小さくて聞き取りづらい声が、風のお陰で何も聞こえなかった。
そしてまた同じように歩き始める。
今度は山荘に向かって。
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:26:24.85 ID:fbZwaUUsO
(-○ω○)「…」
このまま橋を渡って、麓まで降りれるのではないかという考えが浮かぶ。
だが、それが山荘に向かうよりも更に希望のない道のりだとは知っている。
この天気の中、今までとこれから歩く道のりの更に倍以上を歩かねばならないのだ。
山では下っているつもりでも、更に奥地へ踏み込んでいる場合がある。
運よく渓流でも見つかれば、そのまま下流のほうへ足を進めて下れるかもしれないが、
この雪山ではそうもいかない。
『ソ連では2m先の家屋に気付かず凍死する者もいる。』
その言葉を思い出して、ぞっとした。
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:30:46.04 ID:fbZwaUUsO
13:49
山荘についた時、出迎えはなかった。
当たり前かもしれない。
4人で黙々と防寒具を脱ぎ、ラウンジへ行って暖房に当たる。
こんな状況だが、冷えた体がほてってゆくのが気持ちよかった。
みんなはどうかを表情を伺ってみると、全員暗い。
ああ、そうか。人殺しがいるんだもんな。
いつか自分が殺されるかもしれないって時に、それじゃリラックスしようもない。
こつこつと廊下を歩く音が聞こえ、全員で緊張する。
現れたのは、僕の予想に反してシュールさんだった。
僕はてっきり、管理人である弟者が来ると思っていた。
lw´‐ _‐ノv「お疲れぃ、大丈夫かヒッキー」
(-_-)「大丈夫…じゃないよ…」
素直だ。僕は思わず笑みを漏らす。
直後にしまったと思ったが、ショボンが便乗してくれた。
そのままみんなでふっと笑って遅い昼食。
やれやれ、殺人が起きた山荘ってのは、もっとピリピリするべきなのだと思うが。
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:35:07.34 ID:fbZwaUUsO
14:00
先に昼食を取っていた4人は本を読んで、僕らはご飯を食べる。
昨日と違って、みんなヤケに箸の進みが遅い。
( ^ω^)(毒が入ってるかもしれないとか思ってるのかお?)
ヒッキーなんぞは、水を飲む回数が極端に多い。
もう水で胃袋が膨れてしまうのではというくらいに飲んでいる。
ショボンはちびちびとおかずを千切って食べている。
またんきさんは飲み込んでから、次に箸をつけるまでの時間が長めだ。
( ^ω^)(ここは僕もペースを遅くしないと、みんなから怪しまれるお…)
内藤はなるべく咀嚼の回数を多くして、その分食べ物を味わって飲み込む。
たまにはゆっくり食べるのもいいかと思った。
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:37:46.61 ID:fbZwaUUsO
14:35
(´<_`; )「すまん、俺はお前らが信用できない」
沈黙を貫いていた弟者の発した一言に、全員の視線が彼に向く。
彼はその視線の束にたじろいだ後、少し俯いて喋り出した。
(´<_`; )「全員が全員、同じ事を思ってるのはわかってるんだ」
( ^ω^)「…」
(´<_`; )「ただ、これだけは言わせてくれ」
深呼吸して、前を見据える。
その視線には怯えの色しかなかった。
(´<_`; )「あんたら、ペアが多いだろ? 夫婦とか、カップルとか、親子とか」
(・∀ ・)「俺とショボンは親子じゃねーぞ」
割り入ったまたんきに、弟者はすまんと言って言葉を続ける。
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:40:23.48 ID:fbZwaUUsO
(´<_` )「人殺しは一人じゃなくて、二人じゃないかって考えてるんだ」
(´<_` )「この中の誰かが、二人で謀ったんじゃないかって思えて仕方ないんだ」
(*゚ー゚)「そんな事…!」
(,,゚Д゚)「椎奈」
(´<_` )「…」
(´<_` )「わかってるよ…ただの勘で、臆病者の推測だよ」
(´<_` )「でも、もしかしたらってのがあるだろ?」
(´<_` )「…もしかしたら、お前ら全員は裏で繋がってるのかもしれないとか」
(´<_` )「探偵だけならまだしも、電話回線を切ったって事は」
(´<_` )「犯人は皆殺しを企んでいるんじゃないかとか」
( ^ω^)「…」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:45:57.40 ID:fbZwaUUsO
いい感じに間が空いたので、僕は弟者に向かって話し掛ける。
( ^ω^)「ねえ、弟者」
生気のない瞳がこちらを向く。
不思議と、気分が高揚した。
( ^ω^)「僕も、一人だお」
(´<_`; )「あ…」
弟者は即座にしまったという顔をして、ごめんと頭を下げた。
謝る必要はどこにも感じられなかったんだが、責められたとでも思ったんだろうか。
僕としては、君は一人じゃないのフレーズで、慰めたつもりだったのだが。
(・∀ ・)「二人組み、ねぇ…」
またんきさんが発言する。
今度はみんなの視線がそちらへ向く。
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 19:52:53.03 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「俺達じゃないっつっても、どうせ俺達以外は信じないだろうし…」
(・∀ ・)「もしかしたら、片方が人殺しで、自分が知らないだけなのかもしれないしな」
(;´・ω・`)「おじさん僕は」
(・∀ ・)「わーってるよ、つかおじさん言うな」
ごちんとショボンが拳骨で殴られる。
いい音がした。中身の詰まった音だ。
(・∀ ・)「管理人が、客を全員信じられないのも無理はねぇ」
(・∀ ・)「だけど、客の視点も似たようなモンなんだ」
(・∀ ・)「外部の人間の可能性があるが…内部の人間の可能性が高い」
(・∀ ・)「もう全員怪しいんだ。俺を含めてな」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 20:20:09.14 ID:fbZwaUUsO
(・∀ ・)「だから、それぞれの疑念や信頼を深め合う為に自己紹介しようぜ?」
( ^ω^)「…?」
何人かが、今ここで? という顔をする。
確かに、推理物にしては各登場人物の紹介がなかった。
あったのは、探偵である都村トソンだけだ。忌々しい。
(・∀ ・)「俺の名前は金玉またんき、年はもう見りゃわかるだろ。農家で、スキーは20年
いらねぇだろうが、オリンピック目指してスキーやってた、ほい次時計回りで」
(´・ω・`)「あ、ぼ、僕は諸本ショボン、17歳。またんきさんは僕のお父さんの友達で
ここにはスキーを教えてもらいに来ました。スキー暦は4年くらいです」
(;-_-)「ぼぼ僕は小森ヒッキぃ。18です。スキーは初めてでひゅ」
lw´‐ _‐ノv「プッ」
いつの間にか、自身のスキー暦が自己紹介の中に織り込まれている事に笑う。
しかし、オリンピックをやっていたとは、またんきさんは油断できないな。
白髪が見え始めた中年と思っていたが、甘く見ると痛い目に合うかもしれない。
(・∀ ・)「全員終わったら、次はあの夜何してたか言おうぜー」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 20:34:14.58 ID:fbZwaUUsO
ははは、これはヤバイ。
けれど、今の僕は楽しんでいる。
この状況を楽しんでいる。
アリバイ供述。僕は一人なので、証明する奴は誰もいない。
だが、回避方法は浮かんでいる。
これが火事場の馬鹿力ってやつなんだろうか。
頭の回転速度と馬鹿力は違う気もするが。
( ^ω^)「僕は夜、ずっと部屋にいましたお」
(・∀ ・)「何をしてたとか…は、一人だから、証明できるやつはいねーか
一応、何やってたか簡単に言ってくれ。あと何時に寝たか」
( *^ω^)「それが、ちょっと…その…女性の前では言いにくいので
男性の方だけ僕の部屋に来てくれませんかお?
証拠と言うにはアレだけど…一応そんな物もありますお」
(*゚ー゚)「?」
そして、僕の後ろをついてくるまたんきさんとショボンとヒッキー。
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 20:37:23.60 ID:fbZwaUUsO
それにしても、二人組み、かあ。
…そうか、ありがとう弟者。
僕に気づかせてくれて、ありがとう弟者。
ああ、もう、本当に。誰から殺してしまおう。
殺すのが惜しい、けど殺さなければならない。
誰も彼も、僕にとっての助言をくれる。
僕にとって良い方向に動いてくれている。
これが全員味方の戦略シュミレーションゲームならば、いい戦績を残せただろう。
それが惜しくて、悔しくてたまらない。どうしてこうも人の世は非情なのか。
あの時繋いだ手の暖かさは、決して偽物なんかじゃなかった。
みんなが恐怖をひた隠して、それでも一緒に成し遂げようという勇気を感じた。
きっと僕らなら、吹雪だって晴天に出来る。
きっと僕らなら、魔王だって倒せたはずだ。
きっと僕らなら、信頼しあえる仲間になれた。
( ω )「………」
雪山の山荘に探偵がいなかったら、僕らは仲間になれただろうに。
124 名前: ◆m/Rpo.iIL. :2009/08/21(金) 20:39:00.16 ID:fbZwaUUsO
( ^ω^)前編終わり!
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