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SAN値低めで御送りします
ブーン系空気作者の雑記&自作品まとめ かなりの頻度でクトゥルフも
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2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:06:08.11 ID:qaAjnCm7O

1.今起きてゴミ出しに玄関開けたら女がいた


ミセ*゚ー゚)リ

( ´_ゝ`)

ケツが見えそうなミニスカート。ショッキングなピンク色の鞄。
一応セットしてるつもりだろうぼさぼさ頭。厚化粧。固そうなマスカラ。

( ´_ゝ`)「……すみません、宗教か保険の勧誘ですか?」

ミセ*゚ー゚)リ「あははー! 兄者君ったら面白ーい!」

ずかずかと無遠慮に踏み込もうとする女。
仕方がないのでドアを半分閉めて、自分の体とゴミ袋で壁を作る。

( ´_ゝ`)「え? いやいや、えー……」

部屋の中が白い腐海と化しているから土俵に上がられたくない訳ではない。
デリヘルを呼んでもないのに、見知らぬ馴れ馴れしい女を誰が部屋に踏み込ませるものか。

ミセ*゚ー゚)リ「ちょっとぉー、何すんのー?」

5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:08:28.76 ID:qaAjnCm7O

( ´_ゝ`)「すみませんが、お名前は?」

ミセ*゚ぺ)リ「何。昨日の今日でもう忘れちゃったの」

昨日は元気に学業に励んでバイトしてましたが。つーか、またこのパターンか。
炭酸の抜けたコーラのような日曜日に開幕コレとか。
やってくれんじゃんあの糞野郎。顔面左右非対称にしてくれようか。

( ´_ゝ`)「えーと、まずは落ち着いて聞いて下さいね。
      俺が双子だと言う事はご存じですか?」

ミセ*゚ー゚)リ「なにそれー」

取りあえずは事実を伝える、が。

6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:10:31.57 ID:qaAjnCm7O

ここで素直に信じて、へーそうなんだーなんて言ってくれる女なんていない。
中にはノリ良く乗って来てくれた女もいたが、ネタだと思い込んでいた。

( ´_ゝ`)「あなたが昨日会ったのは、実は俺の双子の弟なんですよ」

ミセ*゚ー゚)リ「……」

( ´_ゝ`)「双子の弟、名前は弟者です」

ミセ*゚、゚)リ「はあー? いきなり何言ってんの」

8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:13:22.40 ID:qaAjnCm7O

うんうん信じてもらえない。
まあ、ここまでは大体いつも通りだ。

いつもと言っても、通算で8回くらいしかないが。
……いや、ここは8回もあったと言うべきだな。
よくもまあ、これだけの数のはすっぱ女を見つけたもんだ。
二桁に突入でもしたら、俺からも誰か送りつけてみようか。
ニューハーフとか。

( ´_ゝ`)「えーとですね」

先ずはピアスの確認。
俺は空けてないが、あのバカは狂ったように装着している。

( ´_ゝ`)「俺の耳見て下さい、俺の耳。これこれ。
      ピアスしてないでしょ? 穴もないでしょ?」

ミセ*゚ー゚)リ「それがどーしたのよ」

( ´_ゝ`)「……あー」

くっそ、こいつも面倒な馬鹿女の類だ。

合体済みか未連結かは知らねえが、知りたくもないが。
今日訊ねる予定の男の容姿くらい覚えとけよカス。

9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:14:50.73 ID:qaAjnCm7O

( ´_ゝ`)「ピアス穴って1日そこらで治るものじゃないでしょう?」

ミセ*゚ー゚)リ「そーだけど」

( ´_ゝ`)「昨日会ったのは、ピアスぶち開けてただろ?」

ミセ*゚ー゚)リ「あーそうだねー! 格好良かったよ!」

マンドクセ。

( ´_ゝ`)「だからさ、俺とあいつとは別人なんだよ、わかる?」

ミセ*゚-゚)リ「イヤリングなんじゃないのー? てゆーか入れてよ」

そう来たか。

10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:18:43.13 ID:qaAjnCm7O

今の返しが新手とは言え、他にも対策は講じてある。
素早くドアを閉めて鍵をかけて、写真を取りに。

ミセ;゚д゚)リ「ちょっ、いきなり閉めないでよ! 入れてよ! 開けてよ!」

外の世界から金切り声と小気味いいリズムが聞こえる。
目ならもう十二分に覚めてるので黙って下さい。
暴殴音はモールス信号ですか。ブレーキランプで愛を確かめ合う時代は終わりました。
外のを殴ったら止まるかもしれないが、その時は俺の人生もシャットダウン。

( ´_ゝ`)「はいはいすみませーん」

ミセ#゚ー゚)リ「ちょっとッ! 私いい加減怒るよ?」

俺も何かに怒りたいよ。

12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:23:50.32 ID:qaAjnCm7O

写真を手に取り、ドアを開けてまた立ち塞がる。

ミセ#゚ー゚)リ「聞いてるの?!」

( ´_ゝ`)「すみませんね、でも落ち着いてこの写真を見て下さい」

ミセ;゚ー゚)リ「写真?」

14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:27:55.15 ID:qaAjnCm7O

この写真は自称ピザの友人が撮影したものである。
酔った俺と現代人の皮を被ったクロマニョン人が小競り合いしてるのを撮ったのだ。

最初はこんなクソッタレ目野郎と一緒に写すなと拳を振り上げて憤ったものだが、
今となっては便所から送られてくる使用済み便器を撃退するのに役立っている。

ミセ;゚ー゚)リ「え、何これ」

( ´_ゝ`)「判ってくれましたか? 別人なんですよ」

ミセ;゚ー゚)リ「え、何これ、嘘、えぇ、そんなぁー……」

うんうん、理解してもらえて何よりだ。何がそんなぁなのかわからんけど。
これで合成じゃないの? とか言われたらどうしようかと危惧していたが。

( ´_ゝ`)「それじゃあ、人違いなんで」

ミセ;゚д゚)リ「あっ」

バタム!


言ってすぐにドアを閉める。少し力が入り過ぎて軋んだけど気にしない。
家に上がられて、間違いでも犯されたら溜まったもんじゃない。

16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:31:14.93 ID:qaAjnCm7O

( ´_ゝ`)「んじゃさよならー」

さて、前回の女はここで諦めて帰ったが、こいつはどうか。


ミセ;゚д゚)リ「ちょっ、ちょっと待って! ちょっと待って!」

時間は待ってくれない。時既にお寿司。

ミセ;゚ー゚)リ「開けて! 別人だって言うなら部屋で待つわ!」

ここは俺の借りてる部屋です。

ミセ;゚ー゚)リ「えっと、双子のお、えっと……兄弟なんでしょ?」

さっき弟っつっただろうが。

17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:34:32.23 ID:qaAjnCm7O

しかし引いてくれそうにないな。セールスならこれで大体諦めるのに。
どうするか、これは。友人に助けを求めるべきか。

( ´_ゝ`)「でもなあ、まだ内藤呼ぶ程の事でもないしな……」

警察や刃物沙汰、乱闘になった時にしか呼んでないので、
ドアの前に癒着される程度ならばまだ軽傷と言える。
肉壁に肉壁で対抗しても効果は薄いだろうしな。

ミセ*゚д゚)リ「ねーってば! 聞いてるのー!?」

裁判では女が強い。諍いでは女が勝つ。擁護が入るのも女。
素晴らしきかな女尊男卑。
俺の世界に踏み込ませた瞬間、法律も一緒に雪崩れ込んで来る。

それは駄目だ。それだけは駄目だ。

( ´_ゝ`)「よーし」

メモ帳から一枚千切って、携帯を確認しながらゴミ量産機の住所を書く。
地図はいいや、めんどくせ。

18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:39:04.45 ID:qaAjnCm7O

ドアは開けられないから、新聞入れのとこを逆に開けて、
そこからメモを渡そう。そうしよう。

ん? この方法使えば、携帯の音さえ切っておけば、
女性の訪問客がスカートだった場合下着を撮れるな。

これは今度ファッションテロリストの鬱田にでも話しておこう。
既に実行済みな気もするが。


パカッ

( ´_ゝ`)「こんちはー、さーせーんっと」

ミセ#゚д゚)リ「くぉの!」

ガギョン!

( ;´_ゝ`)「おっふぉ! あっぶね!」

やたら硬そうなサンダルが曖昧3cm。
何これもうヒス入っちゃってる?

女のヒステリーとか、二次元だったら問答無用の顔面パンチですよ?

19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:42:13.54 ID:qaAjnCm7O

だが俺は怒れる豚にも恐れず交渉。
言葉よ通じてくれ。ムツゴr、いや黒ムツ先生、力を。

( ´_ゝ`)「えーと、ここ俺の部屋なんで。あいつの部屋は別にあるので」

ミセ#゚д゚)リ「それがどうしたって言うの!」

( ´_ゝ`)「そっち行って話して下さい。これがその住所です」

ミセ#゚Д゚)リ「もうこんなトコ来ないわよ!」

ゴン!


微妙に噛み合わなかったが結果オーライ。
あんな事をほざきながら、俺の手からメモ帳をふんだくっていく辺り流石だ。
出来れば、刃渡り6cm以下の刃物を持って訪問してくれると助かる。

ドアに最後の一撃を入れてようやく立ち去ってくれると思ったが、
いつまで経っても遠ざかるブーツの蹄の音がしない。

おかしい。出待ちか。ガイルか。

20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:45:26.28 ID:qaAjnCm7O

不審に思って覗き穴から窺うと、

ミセ;-;)リ「いったぁーい……」

顔と同じくらい赤くなった右手を押えて蹲るバカ女。
思わず変な笑い声が出た。

ミセ;д;)リ「うぇぇぇぇぇぇぇ……」

力加減くらいしろよ、どんだけ脳みそ足りないんだ。
それで悲劇のヒロインでも気取ってるつもりか、鬱陶しい。

ああ、でも悲劇ではあるか、騙されてここまで来たんだろう。
チャラ男に誘われて遊びに行ったら別人ですぅと吐かれて門前払い。

俺も最初の2人ばかりは悪いと思って面倒を見てやったが、
流石に下の面倒まで見る気はさらさらない。

例えゲイだ、インポだ、不能だ、EDだと貶されようが、
性病媒介からお土産を貰うつもりは一切ない。

22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/08(木) 08:48:06.14 ID:qaAjnCm7O

ここはやはり、いい人生経験が積めたと思ってもらわんと。


コン コン

ミセ;д;)リ「ねーぇ、怪我しちゃったー」

( ´_ゝ`)「……」

ミセ#;д;)リ「ねーってば!」


今日はゴミが発酵する瞬間でも観察するとしよう。

ついでに鬱田も呼んどくか。



1.糸冬


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